JP2810497B2 - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、2値化画像から、元の多値画像を復元処理
する画像処理装置に関するものである。
[従来の技術] 従来、2値化画像から、元の多値画像を復元処理する
方法としては、対象画素を中心とする矩形領域のウィン
ドウを設け、その内部の2値パターンから、ニューラル
ネットワークを利用して、多値データを推定する方法も
提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上述のウィンドウを設ける方法では、
大きなウィンドウを設けないとよい結果が得られない
が、その場合、参照画素が多くなりすぎて、ニューラル
ネットワークを用いて多値変換するには、ワードウェア
化が困難であった。
ところで、濃度を保存する2値化方法である、誤差拡
散法や平均濃度近似法では、ある画素の2値化による濃
度の誤差を、右隣および真下の画素に分配して保存す
る。
従って、処理しようとする画素の濃度Dは、 D=(左方からの誤差)+(上方からの誤差) +(自身の誤差)+α と表わすことができる。ここでαは、誤差拡散法の場合
における拡散マトリクスによって、他の画素から受ける
誤差である。
すなわち、濃度を保存する2値化法では、注目画素で
は、左方および上方からの影響が強いことになる。
従って、2値化画像データから、多値画像を推定する
ときには、注目画素の左方および上方に重点をおけばよ
いこととなる。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するために、本発明によれば、多値画
像データを2値化した2値画像データから元の多値画像
データを推定する画像処理装置に、元の多値画像データ
が既知である2値画像データにおいて注目する画素と該
画素に対して所定の位置にある周辺画素との2値画像デ
ータを入力とし、当該注目する画素の多値画像データを
理想出力として学習したニューラルネットワークの入出
力関係に基づいて、該ニューラルネットワークに対して
入力可能な2値画像データの各パターンと対応づけて、
該各パターンを当該ニューラルネットワークに入力した
場合に出力される多値画像データを記憶した変換テーブ
ルと、推定対象である2値画像データにおける特定の画
素と該画素に対して前記所定の位置にある周辺画素との
2値画像データを入力する入力手段と、該入力手段より
入力された2値画像データを前記変換テーブルにより対
応する多値画像データに変換した結果を、前記特定画素
に対する元の多値画像データの推定値として出力する出
力手段とを備え、注目する画素に対して前記所定の位置
にある周辺画素は、当該注目する画素と隣接する各画素
を含み、当該注目する画素と隣接しない画素を当該注目
する画素に対する影響の強い特定方向にある画素を該特
定方向と反対方向にある画素よりも多く含むことを特徴
とする。
[実施例] 本実施例では、第3図に示すようなウィンドウを設け
るものとする。第3図のウィンドウは、注目画素に対し
て、上方および左方の画素を多く含むものである。
第1図は、本発明の1実施例を示すブロック図であ
る。
第1図において、1はFIFO1a〜1dで構成されたライン
バッファであり、図示しない画像入力装置よりの2値デ
ータの入力を受けて、4ラスタライン分のデータが蓄え
られるものとする。
2は、ラインバッファ101からの4ラインのデータを
ライン毎に4画素のデータをラッチするデータラッチで
ある。従って、このデータラッチ2からは、4×4のウ
ィンドウの2値画像データが得られる。
この4×4の16ビットのデータは、ROM形式の変換テ
ーブル3のアドレスとして与えられる。変換テーブル3
は、後述するように、ニューラルネットワークによって
決定されたもので、入力データに対して、256階調(8
ビット)の多値データを出力する。
以上の各部の制御は、不図示のCPUによって行なわれ
る。
次に、ニューラルネットワークを用いた2値化方式の
推定と、ニューラルネットワークを用いた多値化処理に
ついて説明する。
先ず、バックプロパゲーション型ニューラルネットワ
ークにおける一般的な学習の手順を第2図(a)を例と
して説明する。
第2図(a)に示されたニューラルネットワークで
は、入力層201(ニューロン数ii)からの出力(i−ou
t)204が、1層よりなる中間層202(ニューロン数jj)
に入力され、中間層202からの出力(j−out)205が出
力層203(ニューロン数kk)に入力され、出力層203から
は、出力(k−out)206が出力される。また、207は、
理想出力(ideal−out)である。
ニューラルネットワークでは、入力データと、それに
対する理想出力(ideal−out)とを用意し、これと出力
(k−out)206との比較により、中間層における結合強
度Wji[jj,ii](図中の208)、出力層における結合強
度Wkj[kk,jj](図中の209)を決定する。
上述のニューラルネットワークによる学習手順を、第
2図(b)のフローチャートを用いて更に詳細に説明す
る。
先ず、ステップS401で、重み係合(結合強度)Wji[j
j,ii]、Wkj[kk,jj]の初期値を与える。ここでは、学
習過程での収束を考慮して、−0.5〜+0.5の範囲の値を
選択する。
次に、ステップS402で学習用の入力データi−out
(i)を選択し、ステップS403でこのデータi−out
(i)を入力層にセットする。また、ステップS404で、
入力データi−out(i)に対する理想出力(ideal−ou
t)を用意する。
そこで、ステップS405で、中間層の出力j−out
(j)を求める。
先ず、入力層よりのデータiout(i)に中間層の重み
係数Wjiを掛け、その総和SumFjを、 により計算し、次に、このSumFjにsigmoid関数を作用さ
せて、j番目の中間層の出力j−out(j)を、 によって計算する。
次に、ステップS406で、出力層の出力k−out(k)
を求める。この手順はステップS406と同様である。
すなわち、中間層からの出力j−out(j)に出力層
の重み係数Wkjを掛け、その総和SumFkを、 により計算し、次に、このSumFkにsigmoid関数を作用さ
せて、k番目の中間層の出力k−out(k)を、 によって計算する。なお、この出力値は正規化されてい
る。
次に、ステップS407では、以上により得られた出力k
−out(k)と、ステップS404で用意した理想出力ideal
−out(k)とを比較し、出力層の教師信号teach−k
(k)として、 teach−k(k)={ideal−out(k)−k−out
(k)} *k−out(k)*{1−k−out(k)} を求める。ここで、k−out(k)*(1−k−out
(k)}は、sigmoid関数k−out(k)の微分の意義を
有する。
次に、ステップS408で、出力層の重み係数の変化幅Δ
Wkj[kk,jj]を、 ΔWkj[kk,jj]=β*j−out(j) *teach−k(k) +α*ΔWkj[kk,jj] により計算する。ここで、αは安定化定数、βは学習定
数と呼ばれる定数であり、急激な変化を押える役割を果
たしている。
ステップS409では、この変化幅に基づいて、重み係数
WKj[kk,jj]を、 WKj[kk,jj]=Wkj[kk,jj] +ΔWKj[kk,jj] と、更新する。すなわち学習を行なう。
次に、ステップS410で、中間層の教師信号teach−j
(j)を計算する。そのために、先ず、 に基づいて、出力層から、中間層の各素子への逆方向の
寄与を決算する。次にこのSumBjから、中間層の教師信
号teach−j(j)を以下の式により演算する。
teach−j(j)=j−out(j)*{1−j−out(j)}*SumBj 次に、ステップS411で、中間層の重み係数の変化幅Δ
Wji[jj,ii]を、 ΔWji[jj,ii]=β*i−out(i) *teach−j(j) +α*ΔWji[jj,ii] により計算する。
ステップS412では、この変化幅に基づいて、重み係数
Wji[jj,ii]を、 Wji[jj,ii]=Wji[jj,ii] +ΔWji[jj,ii] と、更新する。すなわち学習を行なう。
こうして、ステップS401〜412により、1組の入力デ
ータとこれに対する理想出力とから、重み係数WjiとWkj
とが1回学習された。
ステップS413では、以上のような学習により、重み係
数が十分に収束したかどうかを調べ、未だの場合は、ス
テップS401〜412を繰り返す。
以上がバックプロパゲーション法に基づいたニューラ
ルネットワークの学習手順の説明である。
以上述べた学習は、処理のための準備段階であり、実
際の処理では、求められた重み係数だけ、更にはこの重
み係数を用いた全ての可能な入力に対する処理結果のテ
ーブルだけを用いることになる。
次に、以上述べた「学習」を、本実施例において、2
値画像から多値画像の推定のためのニューラルネットワ
ークに対して行なう場合の説明をする。
先ず、入力データは、誤差拡散法を用いて2値化され
た画像データの4×4のウィンドウ内の画素の値(それ
ぞれ0または1)である。
従って、入力層のニューロン数は16個、出力層のニュ
ーロン数は、多値出力が1画素分であるので1個、中間
層のニューロン数は、任意であるが、本実施例では12個
とする。
一方、理想出力としては、2値化された入力データの
原画像である多値画像データとする。
また、入力データの選び方としては、学習画素をラン
ダムに選び、その画素に対して、4×4のウィンドウを
第3図のように設けてこれを与えるものとする。
以上を用いて、前述の学習手順によって、重み係数を
決定する。(従って、ニューラルネットワークの結合が
確定する) 本実施例では、このニューラルネットワークの処理を
テーブル化する。そのためには、この確定したニューラ
ルネットワークによる4×4の全ての入力パターン(2
16パターン)に対する出力(多値256階調)を求め、こ
れをROMなどによるルックアップテーブル(LUT)とする
ことにより得られる。
以上の実施例においては、ニューラルネットワークの
処理は、変換テーブルによって行なったが、求められた
重み係数を持つニューロチップを使用してもよい。
また、ウィンドウのサイズも、LUTにするには、217
ターンが限界となり、17画素までしか参照できないが、
ニューロチップとする場合には、もっと多くの画素が参
照できるので、4×4に限らず、例えば、第4図(a)
のように、5×5としてもよい。
また、ウィンドウは、矩形に限る必要はなく、第4図
(b)のようなものでもよい。
[発明の効果] 以上説明した如く、本発明によれば、元の多値画像デ
ータが既知である2値画像データにおいて注目する画素
と該画素に対して所定の位置にある周辺画素との2値画
像データを入力とし、当該注目する画素の多値画像デー
タを理想出力として学習したニューラルネットワークの
入出力関係に基づいて、該ニューラルネットワークに対
して入力可能な2値画像データの各パターンと対応づけ
て、該各パターンを当該ニューラルネットワークに入力
した場合に出力される多値画像データを記憶した変換テ
ーブルにより、推定対象である2値画像データにおける
特定の画素と該画素に対して前記所定の位置にある周辺
画素との2値画像データを対応する多値画像データに変
換して、変換結果を前記特定画素に対する元の多値画像
データの推定値として出力するようにし、注目する画素
に対して前記所定の位置にある周辺画素を、当該注目す
る画素と隣接する各画素を含み、当該注目する画素と隣
接しない画素を当該注目する画素に対する影響の強い特
定方向にある画素を該特定方向と反対方向にある画素よ
りも多く含むようにしたので、注目する画素と隣接して
画像を形成する画素、及び隣接してはいないが注目する
画素に対して影響の強い方向にある画素を多く含んだ周
辺画素を参照して、2値画像データに対する元の多値画
像データを推定することができ、高精度の推定ができる
という効果がある。特に、変換テーブルのサイズにより
定められる参照可能な画素数の範囲において、より有用
な画素が参照できるので、多値画像データの推定が高精
度に行なえるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例の画像処理装置の構成図、 第2図(a)は、ニューラルネットワークの概念図、 第2図(b)は、ニューラルネットワークの学習手順の
フローチャートである。 第3図は、ウィンドウの例を示す図、 第4図(a)、(b)は、ウィンドウの他の例を示す図
である。 1……ラインバッファ 2……データラッチ 3……変換テーブル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−75478(JP,A) 特開 平2−72491(JP,A) 特開 昭63−184880(JP,A) 特開 平3−273761(JP,A) 特開 平4−47470(JP,A) 特開 平4−47471(JP,A) 特開 平4−47474(JP,A) 特開 平4−51374(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06T 1/00 G06T 5/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多値画像データを2値化した2値画像デー
    タから元の多値画像データを推定する画像処理装置であ
    って、 元の多値画像データが既知である2値画像データにおい
    て注目する画素と該画素に対して所定の位置にある周辺
    画素との2値画像データを入力とし、当該注目する画素
    の多値画像データを理想出力として学習したニューラル
    ネットワークの入出力関係に基づいて、該ニューラルネ
    ットワークに対して入力可能な2値画像データの各パタ
    ーンと対応づけて、該各パターンを当該ニューラルネッ
    トワークに入力した場合に出力される多値画像データを
    記憶した変換テーブルと、 推定対象である2値画像データにおける特定の画素と該
    画素に対して前記所定の位置にある周辺画素との2値画
    像データを入力する入力手段と、 該入力手段より入力された2値画像データを前記変換テ
    ーブルにより対応する多値画像データに変換した結果
    を、前記特定画素に対する元の多値画像データの推定値
    として出力する出力手段とを有し、 注目する画素に対して前記所定の位置にある周辺画素
    は、当該注目する画素と隣接する各画素を含み、当該注
    目する画素と隣接しない画素を当該注目する画素に対す
    る影響の強い特定方向にある画素を該特定方向と反対方
    向にある画素よりも多く含むことを特徴とする画像処理
    装置。
  2. 【請求項2】前記特定方向が、前記注目する画素から見
    て左方であることを特徴とする請求項1に記載の画像処
    理装置。
  3. 【請求項3】前記特定方向が、前記注目する画素から見
    て上方であることを特徴とする請求項1に記載の画像処
    理装置。
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