JP2809433B2 - セラミツク炭用メチルポリシランの製造方法 - Google Patents

セラミツク炭用メチルポリシランの製造方法

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JP2809433B2
JP2809433B2 JP1187202A JP18720289A JP2809433B2 JP 2809433 B2 JP2809433 B2 JP 2809433B2 JP 1187202 A JP1187202 A JP 1187202A JP 18720289 A JP18720289 A JP 18720289A JP 2809433 B2 JP2809433 B2 JP 2809433B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、メチルポリシランから誘導された炭素含有
量が増大したセラミック炭(char)の製造に関し、特に
アルコキシジシランの触媒による再分配によるそのよう
なメチルポリシランの製造方法及びそれによって製造さ
れたメチルポリシラン及びセラミック物質に関する。
〔従来の技術〕
最近、当分野の研究者達は、メチルポリシランの如き
重合体シラン前駆物質から、その重合体を熱分解してセ
ラミック炭を形成することにより炭化珪素セラミック材
料を製造する方法を開発している。炭化珪素は化学的不
活性さ、半導体的性質、極端な堅さ及び非常に高温での
安定性の如き数多くの望ましい性質を有する。従って、
炭化珪素セラミックは、電気加熱装置、炉壁、マフラ
ー、研磨材、ロケットノズル、自動車及びタービンエン
ジン部品に用途が見出されている。更に、重合体前駆物
質を使用することによって、今まで無機の炭化珪素源を
用いたのでは極めて形成が難しかった炭化珪素の繊維、
薄膜又は被覆を形成することができることが判明してい
る。
しかし、上記用途の多くで成功するためには、重合体
及びそれから誘導されたセラミック炭の組成を制御する
必要がある。特に、そのような重合体から適切なセラミ
ック材料を与えるためには、重合体及びそれらから得ら
れる炭の炭素含有量を、それが増大するように制御しな
ければならない。これは、1:1に近い炭素対珪素比を持
つセラミック材料を与える。ある場合には、幾らか過剰
の炭素を有するのが望ましいこともある。しかし、炭素
を重合体に添加しなければならないのみならず、炭素は
セラミック炭を形成するための熱分解中重合体から失わ
れないような仕方で配合しなければならない。
従来法は、セラミック前駆物質重合体の炭素含有量を
制御或は増加し、その付加的炭素含有量をセラミック炭
の中に維持する方法は教示していない。従って、重合体
及び得られるセラミック炭中の炭素含有量が増大したセ
ラミック前駆物質重合体を製造方法に対する要求が当分
野で依然として存在する。
本発明は、制御された炭素含有量を有するメチルポリ
シラン重合体を与えることによってその要求を満たすも
のである。重合体の増大した炭素含有量は、その重合体
を熱分解する間に形成されたセラミック炭へ持ち越さ
れ、制御可能な増大した炭素含有量を有するセラミック
材料を与える。
本発明の一つの態様に従えば、制御された炭素含有量
を有するメチルポリシランを製造する方法が与えられ、
それは、珪素原子に結合した2、3及び4つのアルコキ
シ基を有するジシラン及びそれらの混合物からなる群か
ら選択された少なくとも一種類のアルコキシ官能性シジ
ランと、得られる重合体の炭素含有量を増大するのに有
効な量の、少なくとも一つの不飽和置換基を有するアル
コキシ官能性シランとを一緒に加熱して反応混合物を形
成する工程を含む。アルコキシ官能性シランは、再配列
反応から得られる副生成物シランの沸点よりも高い沸点
を有するのが好ましい。この沸点は一般に約110℃より
も高く、最も好ましくは約125℃より高い。反応はアル
コキシドイオン源である触媒の存在下で行われる。
反応が進行するにつれて、反応混合物から副生成物の
揮発性物質が除去される。反応混合物は、アルコキシ官
能性シランを含むアルコキシ官能性メチルポリシランを
形成するのに充分な時間反応させる。次に、形成された
アルコキシ官能性メチルポリシランから、反応生成物を
溶媒に溶解し、過して触媒を除去するような適当なや
り方で触媒を分離することができる。
アルコキシ官能性シランは、二重又は三重に結合した
炭素・炭素原子を中に有するものであり、ビニルシラ
ン、アリールシラン及びアリールアルキルシランからな
る群から選択されてもよい。シランはアリール基を含む
のが好ましい。なぜなら、それは重合体中の炭素含有量
を増大する効果的方法を与えるからである。例えば、ジ
メトキシフエニルビニルシランの如き一つより多くの不
飽和基を有するシランも、本発明で用いるのに適切であ
る。アルコキシ官能性シランは、好ましくはアルコキシ
官能性ジシランの約1〜約20モル%の量で、最も好まし
くはアルコキシ官能性ジシランの約5〜約15モル%の量
で添加される。これらのモル%はメチルポリシランをも
たらし、それから誘導されたセラミック炭は増大した炭
素含有量を有することが判明している。
反応は、副生成物の揮発性単量体が反応混合物から蒸
留できる温度で、約200〜約320℃の温度で行われるのが
好ましい。最も好ましくは、反応は約250〜約300℃の温
度で行われる。反応混合物を加熱する際には或る注意を
払はなければならない。反応混合物は、約1〜約5℃/
分の速度で加熱されるのが好ましい。
触媒は、1〜6個の炭素原子を有するアルカリ金属メ
トキシド又はアルカリ金属アルコキシドの如きアルコキ
シドの直接又は間接的源である。それは好ましくは約0.
1〜約10.0重量%、最も好ましくは約1.0重量%の量で存
在する。アルコキシジシラン出発材料は、アルコキシ置
換基の中に1〜4個の炭素原子を有するのが好ましい。
メトキシ及びエトキシ置換基が最も好ましい。
本発明の別の態様として、制御された炭素含有量を有
するメチルポリシランを製造する方法が与えられ、それ
らは、珪素原子に結合した2、3及び4つのアルコキシ
基を有するジシラン及びそれらの混合物からなる群から
選択された少なくとも一種類のアルコキシ官能性ジシラ
ンと、得られる重合体の炭素含有量を増大するのに有効
な量の不飽和炭化水素化合物とを一緒に加熱して反応混
合物を形成する工程を含む。不飽和炭化水素化合物は、
再配列(redistribution)反応から得られる副生成物シ
ランの沸点よりも高い沸点を有するのが好ましい。この
沸点は一般に少なくとも約110℃よりも高く、約125℃よ
りも高くてよい。反応混合物はアルコシドイオン源であ
る触媒の存在下で加熱される。
反応が進行するにつれて、反応混合物から副生成物の
揮発性アルコキシシラン材料が除去される。混合物は、
不飽和炭化水素化合物が中に組み込まれたアルコキシ官
能性メチルポリシラが形成されるのに充分な時間反応さ
せる。次に、形成されたアルコキシ官能性メチルポリシ
ランから、適当な手段で触媒を分離することができる。
不飽和炭化水素化合物はアリール基を含むのが好まし
く、二重又は三重に結合した炭素・炭素原子を含んでい
てもよい。好ましい不飽和化合物はフエニルアセチレ
ン、ジビニルベンゼン及びジフエニルアセチレンからな
る群から選択される。これらの不飽和化合物は、それら
が反応中に蒸留除去されないような充分高い沸点を有す
る。不飽和炭化水素化合物は、好ましくはアルコキシ官
能性ジシランの約1〜約20モル%の量で、最も好ましく
はアルコキシ官能性ジシランの約5〜約15モル%の量で
添加される。
本発明のどちらかの態様により製造されるメチルポリ
シラン重合体は熱分解して炭素含有量の増大したセラミ
ック組成物を形成することができる。それらセラミック
は、フイルム、繊維及び被覆としての用途の外、今まで
炭化珪素セラミックが使われてきた多くの他の用途が見
出されている。本発明のメチルポリシランは、ハロゲン
を含まないので設備に対する腐食性が低く、熱分解した
時HCl又はHBrガスを発生しない。
従って、本発明の目的は、炭素含有量が増大したメチ
ルポリシラン重合体を与えることにある。重合体の増大
した炭素含有量が、その重合体の熱分解中形成されたセ
ラミック炭へ持ち越され、制御された増大した炭素含有
量を有するセラミック材料を与えることも本発明の目的
である。本発明のこれら及び他の目的及び利点は、次の
詳細な記述から明らかになるであろう。
本発明は、7個より多くの珪素原子の重合体鎖長さ及
びアルコキシ置換基を有するメチルポリシランを形成す
るため、或るアルコキシ官能性ジシラン出発材料の触媒
による再配列を含んでいる。出発材料には、少なくとも
一つの不飽和置換基を有する或るアルコキシ官能性シラ
ン、又はその代わりとして、或る不飽和炭化水素化合物
も含まれる。これらの後者の出発材料は、再配列反応中
重合体中に配合され、増大した炭素含有量を有するメチ
ルポリシランを与える。
出発材料には、アルコキシ基中に1〜4個の炭素原子
を有するジ−、トリ−及びテトラ−アルコキシ置換ジシ
ランが含まれる。メトキシ及びエトキシ官能基が好まし
い。本発明で用いるのに適した特定のアルコキシ官能性
ジシランには、1,1−ジメトキシ−1,2,2,2−テトラメチ
ル ジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチ
ル ジシラン、1,2−ジメチル−1,1,2,2−テトラメトキ
シ ジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリメチ
ル ジシラン、が含まれるが、それらに限定されるもの
ではない。
アルコキシ官能性ジシランは、渡辺その他によるJ.Or
ganometalic Chem.128 173(1977)に教示されている方
法に従って、対応するクロロ置換ジシランを、対応する
アルコール又はトリアルキル オルトホルメートとを反
応させることにより製造してもよい。クロロ置換ジシラ
ンの源は、オルガノクロロシランの直接合成法からの残
渣の一成分の如きものである。実際上、残渣中のジシラ
ンは簡単な蒸留法により単量体シランから分離される。
重合体及び熱分解後に得られるセラミック炭中に増大
した炭素含有量を与えるアルコキシ官能性シラン出発材
料は、二重又は三重結合の炭素・炭素原子を含む不飽和
置換基を有するシランである。それらは、ビニルシラ
ン、アリールシラン及びアリールアルキルシランからな
る群から選択されてもよい。好ましくはシランはアリー
ル基を含む。なぜなら、それは重合体中に付加的炭素含
有量を与えるからである。用いるのに適したアルコキシ
官能性シランには、ジメトキシフエニルビニルシランの
如き一つより多くの不飽和基を有するシランが含まれ
る。
アルコキシ官能性シランの代わりに出発材料として別
の態様で用いられる不飽和炭化水素化合物もアリール基
を含むのが好ましく、一つより多くの不飽和基を含んで
いてもよい。好ましい化合物にはフエニルアセチレン、
ジビニルベンゼン及びジフエニルアセチレンが含まれる
がそれらに限定されるものではない。
これらのアルコキシ官能性シラン及び不飽和炭化水素
化合物は、再配列反応中蒸留除去されないような充分高
い沸点を有する。一般に再配列反応の副生成物として生
ずる揮発性単量体シランは、ジメチルジメトキシ シラ
ン及びメチルトリメトキシ シランから主になるであろ
う。前者は82℃で沸騰するが、後者は102〜103℃で沸騰
する。従って不飽和出発材料は、揮発性副生成物が、混
合物が加熱されるに従って反応混合物の残部から蒸留さ
れるように、少なくとも約110℃、一層好ましくは約125
℃よりも幾らか高い沸点を有するのが好ましい。
不飽和アルコキシ官能性シラン又は不飽和炭化水素化
合物は、得られるメチルポリシラン重合体の炭素含有量
を増大するのに有効な量で反応混合物へ添加される。ジ
シラン出発材料に基づき約1〜約20モル%の不飽和シラ
ン又は炭化水素化合物の添加が有効であることが判明し
ている。最も好ましくは約5〜約15モル%の不飽和材料
が添加される。
再配列反応は、その再配列反応を開始するのに充分な
量の触媒で出発材料を処理することにより行われる。こ
の量は好ましくは約0.1〜約10.0重量%、最も好ましく
は約1.0重量%の触媒である。本発明の方法による触媒
は、アルコキシドイオンの直接又は間接的源である求核
性のものである。
アルコキシドイオンの直接の源には、リチウム、カリ
ウム又はナトリウムのメトキシド又は対応するアルコキ
シドの如きアルカリ金属アルコキシドが含まれる。好ま
しくは選択される触媒は、出発材料の置換基に合ったア
コキシド置換基を有するであろう。即ち、例えば、もし
メトキシ官能性ジシランが出発材料として用いられたな
ら、アルカリ金属メトキシド触媒が好ましい。その場で
アルコキシドイオンを発生することができる触媒を用い
てもよい。適当な触媒組成物の例には、n−ブチルリチ
ウム又はリチウム、カリウム又はナトリウム金属が含ま
れる。
反応の出発材料として個々のジシラン組成物又はそれ
らの混合物を用いてもよい。しかし、出発材料中にジ−
アルコキシ ジシランが存在する場合、重合体に分岐点
を与えるため少なくとも幾らかの量のトリ−又はテトラ
−アルコキシ シジランも存在するのが好ましい。一般
に、少なくとも50モル%のトリ−及びテトラ−置換アル
コキシ ジシランを有するのが好ましい。出発材料及び
触媒は反応混合物として、副生成物の単量体シランが再
配列反応から蒸留除去され、それから分離される温度へ
加熱される。
反応混合物の温度は、単量体副生成物の蒸留及び分離
を行なうことができる充分な高さであるが、反応混合物
のゲル化又は固化を起こすほど高くはない温度でなけれ
ばならない。約200〜約320℃の温度範囲が好ましく、約
250〜約300℃の範囲の温度が最も好ましい。好ましい温
度範囲は従来当分野で行われていたものよりも高いと考
えられる。テトラ−官能性ジシランが出発材料として用
いられた場合、その範囲の下限の方の温度を用いること
ができることが見出されている。ジ−官能性ジシランが
用いられた場合には、その範囲の上限の方の温度が好ま
しい。
反応はそのままで、又はテトラヒドロフランの如き溶
媒の存在下で行なってもよい。反応の初期段階中溶媒の
存在は反応の促進を助ける傾向がある。溶媒は、反応の
後期段階中除去されてもよい。反応は不活性雰囲気中で
行なわれる。アルゴンが好ましい。しかし、窒素の如き
他の不活性ガスを用いてもよい。反応混合物は、酸素又
は湿分に曝されないように保護なければならない。
反応は全ての揮発性副生成物が反応混合物から蒸留さ
れるのに充分な時間行われる。反応混合物を加熱する速
度は、反応混合物中で形成される二量体及びオリゴマー
から単量体が分別できるような充分低いものであるのが
よい。約1〜約5℃/分の加熱速度が適切であることが
判明している。
メチルポリシランを形成する反応が完了した後、触媒
は適当な手段によって重合体から除去してもよい。好ま
しい除去方法は、例えば、トルエン、テトラヒドロラ
ン、アセトニトリル又はヘキサン或はヘプタンの如き飽
和炭化水素のようなメチルポリシラン重合体と反応しな
い溶媒中に重合体を溶解する方法である。次にその溶液
を過して全ての触媒を除去する。
本発明の方法は、アルコキシ官能性を有し、セラミッ
ク前駆物質として有用な増大した炭素含有量を有するハ
ロゲンを含まないメチルポリシランを与える。ハロゲン
を含まないメチルポリシランは、メチルポリシランを与
えるアルコキシ官能性と他の官能性基と反応させること
により直接用いるか又は誘導化(derivatized)されて
もよい。これらには、アルコキシ基をアルキル基で置換
するメチルリチウムの如き有機アルカリ金属との反応、
アルコキシ基をアルキル基で置換するグリニャール試薬
(RMgBr)との反応、或はアルコキシ基をヒドリド基で
置換する水素化アルカリ金属との反応が含まれる。更
に、もし望むなら、クロロ或はハロゲン官能性基を塩化
又はハロゲン化アセチルと反応させることにより導入し
てもよい。アミノ官能性基を、クロロ又はハロゲン基を
モノメチルアミンの如きアミンと反応させることにより
メチルポリシランへ導入してもよい。
増大した炭素含有量を有する新規なメチルポリシラン
を次に、その重合体を不活性雰囲気中約1000〜約1600℃
の温度で約0.1〜約4時間加熱することにより熱分解し
て、同じく増大した炭素含有量を有するセラミックを形
成することができる。重合体の官能性基により、炭化珪
素と同様SiCN化合物を形成することができる。
本発明を一層容易に理解出来るようにするため、次の
実施例を参照する。それら実施例は本発明を例示するた
めのものであって、その範囲を限定するものと取っては
ならない。
別に述べない限りは、この実施例中の全ての操作はア
ルゴン雰囲気中の乾燥ガラス容器で行われた。トルエン
は使用する前にアルゴン中でナトリウムを用いて蒸留さ
れた。バリアン(Varian)EM360又はEM390分光計で1H
NMRスペクトルが記録された。FTIRスペクトルはニコレ
ット(Nicolet)5DX分光計で記録された。GPCデーター
は、デュポン・インストルーメンツ(Dupont Instrumen
ts)からの屈折率及び紫外線検出器及びスペクトラ・フ
ィジックス(Spectra Physics)SP4100積分機を具えた
デュポン・インストルーメンツGPCで得られた。TGA及び
TMAデーターは、オムニサーム(Omnitherm)2066コンピ
ュータへインターフェースされたオムニサームTGA及び
デュポン940熱機械的分析器で記録された。ガスクロマ
トグラフは、酸で洗浄したクロマソルブ(Chromasorb)
P上に15%OV−210を充填した1/8in×13ftカラムを用い
て熱伝導度検出器を具えたバリアン3700GCで行なわれ
た。酸素分析は、酸素測定器(Oxygem Determinator)3
16(783700型)及び電極炉(Electrode Furnace)EF100
を具えたLACO酸素分析器で行なわれた。珪素は、珪素材
料を可溶性の形の珪素へ転化し、その溶質を原子吸収分
光分析によって全珪素について分析することからなる溶
融法によって決定された。炭素、水素及び窒素分析は、
コントロール、エクイプメント・コーポレーション(Co
ntrol Equipment Corp.)240−XA元素分析器で行なわれ
た。全てのパーセントは、別に指示しない限り重量によ
る。メチル基は“Me"によって示されている。
実施例1 渡辺その他によるJ.Organometallic Chem.128,173(1
977)に教示されている方法の修正した方法を用いて1,2
−ジメチル−1,1,2,2−テトラメトキシジシランを調製
した。1428g(13.46モル)のメチルオルトホルメート
〔HC(OMe)〕を672g(2.95モル)の1,2−ジメチル−
1,1,2,2−テトラクロロジシランに100℃で滴下した。全
てのHC(OMe)を滴下した後(約6時間)、温度を120
℃へ上昇させ、この温度で反応を2日間保持した。反応
混合物を80〜90゜/27〜35トールで分別蒸留すると580g
(収率93.7%、純度98.5%)のsyn−(MeO)4Si2Me2
得られた。
実施例2 トリ−及びテトラ−アルコキシジシラン出発材料の混
合物を用いてメチルポリシラン重合体を調製した。アル
ゴン入り口、頭部からの機械的撹拌器及び、冷却(−78
℃)受容フラスコのついた短路蒸留ヘッドへ接続された
6″ビグロックス(vigreux)を具えた3口100ml丸底フ
ラスコを0℃に冷却し、1.55Mのブチルリチウム(BuL
i)をヘキサン(0.0105モル)に入れたもの6.8mlを入
れ、次に0.400ml(0.32g、0.01モル)の無水メタノール
を入れた。フラスコを室温へ温め、32.213gのメトキシ
ジシラン〔30.8:42.6GC面積比(area ratio)の(MeO)
2MeSiSi(OMe)Me2とsyn−(MeO)4Si2Me2〕を添加し
た。アルゴンをゆっくり流しながら、反応を300℃(外
部熱電対)へ5時間に亘って加熱した。揮発物を冷却受
容フラスコへ収集した。300℃で30分後、反応を室温へ
冷却した。実施例6に従い処理し後、5.65g(収率17.5
%)の黄色で可溶性の樹脂が得られた。その蒸留物(2
3.97g)は6.8面積%のヘキサン、18.2面積(area)%の
Me2Si(OMe)及び73.0面積%のMeSi(OMe)からな
っていた。
重合体を分析し、それらの結果を次に記載する。
Tg=92.6℃ TGA(1000℃、Nw)=44.6%残渣1 H NMR(CDCl3)、z(ppm):0.30〔広い一重項(sing
let)の中心、SiMe〕、3.47(広い一重項の中心、SiOM
e)。
SiMe/SiOMe積分比=5.4/1.0 FTIR(薄膜)、cm-1(強度):2953(m)、2889
(m)、2834(m)、2074(w)、1406(m)、1244
(m)、1180(w)、1074(s)、853(m)、766
(s)、681(m)、519(s)。
GPC:Mw=4775、Mn=1786 元素分析:珪素55.1%、炭素32.3%及び水素8.6% 実施例3 実施例2の装置、触媒量及び分離手順を用いて、5モ
ル%のトリメトキシフエニルシラン〔PhSi(OMe)
を含むメチルポリシラン重合体を調製した。反応物は、
30.001gのメトキシジシラン〔30.8:42.6GC面積比の(Me
O)2MeSiSi(OMe)Me2とsyn−(MeO)4Si2Me2〕及び1.4
72g(0.0074モル)のPhSi(OMe)であった。アルゴン
をゆっくり流しながら、反応を310℃(外部熱電対)へ
3.5時間に亘って加熱し、次に室温へ冷却した。揮発物
を冷却受容フラスコへ収集した。処理した後、5.03g
(収率16.0%)の黄色で可溶性の樹脂が得られた。その
蒸留物(24.57g)は11.1面積%のヘキサン、6.8面積%
のMe2Si(OMe)、80.4面積%のMeSi(OMe)及び0.7
面積%のPhSi(OMe)からなっていた。
重合体を分析し、それらの結果を次に記載する。
Tg=発泡した。
TGA(1000℃、N2)=73.3%残渣1 H NMR(CDCl3)、z(ppm):0.35(広い一重項の中
心、SiMe〕、3.52(広い一重項の中心、SiOMe)、7.40
(広い一重項の中心、Si−Ph)、SiMe/SiOMe/SiPh積分
比=20.2/4.37/1.0 FTIR(薄膜)、cm-1(強度):3052(m)、2953
(m)、2889(m)、2834(w)、2074(w)、1406
(m)、1244(m)、1180(w)、1074(s)、853
(m)、766(s)、681(m)。
GPC:Mw=4973、Mn=2141 元素分析:炭素34.9%及び水素8.4% 実施例4 実施例2の装置、触媒量及び分離手順を用いて、9モ
ル%のトリメトキシフエニルシランを含むメチルポリシ
ラン重合体を調製した。反応物は、30.065gのメトキシ
ジシラン〔30.8:42.6GC面積比の(MeO)2MeSiSi(OMe)
Me2とsyn−(MeO)4Si2Me2〕及び2.944g(0.149モル)
のPhSi(OMe)であった。アルゴンをゆっくり流しな
がら、反応を306℃(外部熱電対)へ3.5時間に亘って加
熱し、次に室温へ冷却した。揮発物を冷却受容フラスコ
へ収集した。処理した後、6.00g(収率18.2%)の黄色
で可溶性の樹脂が得られた。その蒸留物(26.00g)は、
8.6面積%のヘキサン、8.0面積%のMe2Si(OMe)、8
0.7面積%のMeSi(OMe)及び1.6面積%のPhSi(OMe)
からなっていた。
重合体を分析し、それらの結果を次に記載する。
Tg=69.3℃ TGA(1000℃、N2)=64.8%残渣1 H NMR(CDCl3)、z(ppm):0.35(広い一重項の中
心、SiMe)、3.44〔多重広一重項(multiple broad sin
glets)の中心、SiOMe〕、7.46(広い一重項の中心、Si
−Ph)、7.70(広い一重項の中心)。
SiMe/SiOMe/SiPh積分比=7.8/1.6/1.0 FTIR(薄膜)、cm-1(強度):3052(m)、2953
(m)、2889(w)、2839(m)、2074(w)、1406
(m)、1244(m)、1188(w)、1074(s)、1032
(sh)、853(m)、758(s)、681(m)。
GPC:Mw=5805、Mn=1952 元素分析:珪素45.5%、炭素38.5%及び水素8.0% 実施例5 実施例2の装置、触媒量及び手順を用いて、13モル%
のトリメトキシフエニルシランを含むメチルポリシラン
重合体を調製した。反応物は、30.00gのメトキシジシラ
ン〔30.8:42.6GC面積比の(MeO)2MeSiSi(OMe)Me2とs
yn−(MeO)4Si2Me2〕及び4.42g(0.022モル)のPhSi
(OMe)であった。アルゴンをゆっくり流しながら、
反応を295℃(外部熱電対)へ4.2時間に亘って加熱し、
次に室温へ冷却した。揮発物を冷却受容フラスコへ収集
した。処理した後、5.83g(収率16.9%)の黄色で可溶
性の樹脂が得られた。その蒸留物(24.51g)は、8.4面
積%のヘキサン、7.9面積%のMe2Si(OMe)、81.7面
積%のMeSi(OMe)及び0.6面積%のPhSi(OMe)
らなっていた。
重合体を分析し、それらの結果を次に記載する。
Tg=発泡した。1 H NMR(CDCl3)、z(ppm):0.34(広い一重項の中
心、SiMe)、3.50(多重広一重項の中心、SiOMe)、7.3
3(広い一重項の中心、Si−Ph)、7.62(広い一重項の
中心、Si−Ph)。
SiMe/SiOMe/SiPh積分比=5.86/1.33/1.0 FTIR(薄膜)、cm-1(強度):3052(w)、2953
(m)、2889(m)、2834(m)、2074(w)、1595
(w)、1462(w)、1406(w)、1244(m)、1188
(w)、1130(m)、1074(s)、1026(sh)、835
(m)、766(s)、681(m)。
GPC:Mw=5402、Mn=1948 元素分析:珪素43.3%、炭素38.6%及び水素8.1% 実施例6 テトラ−メトキシ ジシラン出発材料を用いてメチル
ポリシラン重合体を調製した。アルゴン入り口、頭部か
らの機械的撹拌器及び、冷却(−78℃)受容フラスコの
ついた短路蒸留ヘッドへ接続された6″ビグロックスを
具えた3口100ml丸底フラスコを0℃に冷却し、1.55Mの
n−ブチルリチウムをヘキサン(0.0105モル)に入れた
もの6.80mlを入れ、次に0.400ml(0.32g、0.01モル)の
無水メタノールを入れた。フラスコを室温へ温め、31.5
g(0.15モル)の1,2−ジメチル−1,1,2,2−テトラメト
キシジシランを添加した。アルゴンをゆっくり流しなが
ら、反応を210℃(外部熱電対)へ2時間に亘って加熱
し、次に室温へ冷却した。揮発物を冷却受容フラスコへ
収集した。残留物を乾燥脱ガスしたトルエン40〜50ml中
へ溶解し、そのトルエン溶液を中程度のガラスフリット
上のセライト パッドを通して過した。減圧で液を
濃縮すると、5.19g(収率16.5%)の黄色で可溶性の樹
脂が得られた。蒸留物(23.97g)は13.1面積%のヘキサ
ン、85.6面積%のMeSi(OMe)からなっていた。
重合体を分析し、それらの結果を次に記載する。
Tg=200℃1 H NMR(CDCl3)、z(ppm):0.42(広い一重項の中
心、SiMe)、0.86(広い一重項の中心、SiOMe)、3.53
(広い一重項の中心、SiOmMe)。
SiMe/SiOMe比=2.9/1.0 FTIR(薄膜)、cm-1(強度):2953(m)、2895
(m)、2834(m)、2074(w)、1454(w)、1406
(w)、1244(m)、1180(w)、1074(s)、758
(s)、681(m)、519(s)。
元素分析:珪素46.8%、炭素32.0%及び水素8.3% 実施例7 テトラ−メトキシ ジシランと5モル%のジメトキシ
フエニルビニルシラン〔PhViSi(OMe)〕とを混合す
ることによりメチルポリシラン重合体を調製した。アル
ゴン入り口、頭部からの機械的撹拌器及び、冷却(−78
℃)受容フラスコのついた短路蒸留ヘッドへ接続された
6″ビグロックスを具えた3口100ml丸底フラスコを0
℃に冷却し、1.55Mのn−ブチルリチウムをヘキサン
(0.0105モル)に入れたもの6.8mlを入れ、次に0.400ml
(0.32g、0.01モル)の無水メタノールを入れた。フラ
スコを室温へ温め、31.5g(0.15モル)の1,1,2,2−テト
ラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン及び1.457g(0.007
5モル)のPhVsSi(OMe)を添加した。アルゴンをゆっ
くり流しながら、反応を340℃(外部熱電対)へ4時間
に亘って加熱し、次に室温へ冷却した。揮発物を冷却受
容フラスコへ収集した。残留物を乾燥脱ガスしたトルエ
ン60ml中へ溶解し、そのトルエン溶液を中程度のガラス
フリット上のセライト パッドを通して過した。減圧
で液を濃縮すると、4.955g(収率15.0%)の黄色で可
溶性の樹脂が得られた。蒸留物(22.5g)は1.0面積%の
ヘキサン及び98.2面積%のMe2Si(OMe)からなってい
た。
重合体を分析し、それらの結果を次に記載する。
Tg=発泡した TAG(1000℃、N2)=66.0%残渣1 H NMR(d8トルエン)、z(ppm):0.57(広い一重項
の中心、SiMe)、3.40(多重広一重項の中心、SiOM
e)、6.92(広い一重項の中心、Si−Ph)、7.13(広い
一重項の中心Si−Ph)、7.70(広い一重項の中心)。
SiMe/SiOMe/SiPh積分比=7.6/2.6/1.0 FTIR(薄膜)、cm-1(強度):3052(w)、2959
(m)、2889(m)、2834(m)、2074(w)、1462
(w)、1406(w)、1244(m)、1188(w)、1074
(s)、1026(m)、835(w)、758(s)。
GPC:Mw=27709、Mn=3132 元素分析:珪素42.6%、炭素37.4%及び水素8.4% 実施例8 テトラ−メトキシ ジシランと9モル%のジメトキシ
フエニルビニルシランとを混合することによりメチルポ
リシラン重合体を調製した。アルゴン入り口、頭部から
の機械的撹拌器及び、冷却(−78℃)受容フラスコのつ
いた短路蒸留ヘッドへ接続された6″ビグロックスを具
えた3口100ml丸底フラスコを0℃に冷却し、1.55Mのn
−ブチルリチウムをヘキサン(0.0105モル)に入れたも
の6.8mlを入れ、次に0.400ml(0.32g、0.001モル)の無
水メタノールを入れた。フラスコを室温へ温め、31.5g
(0.15モル)の1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチ
ルジシラン及び2.907g(0.015モル)のPhViSi(OMe)
を添加した。アルゴンをゆっくり流しながら、反応を16
0℃へ加熱し、蒸留物及びポットの両方をGCで分析し
た。ポット及び蒸留物両方中の唯一の溶離可能な生成物
はMe2Si(OMe)であった。
反応を280℃(外部熱電対)の最終温度へ4時間に亘
って加熱し、次に室温へ冷却した。揮発物を冷却受容フ
ラスコへ収集した。残留物を乾燥脱ガスしたトルエン60
ml中へ溶解し、そのトルエン溶液を中程度のガラスフリ
ット上のセライト パッドを通して過した。減圧で
液を濃縮すると、5.94g(収率17.3%)の黄色で可溶性
の樹脂が得られた。蒸留物(21.7g)は0.5面積%のヘキ
サン及び97.3面積%のMeSi(OMe)からなっていた。
重合体を分析し、それらの結果を次に記載する。
Tg=119.4℃ TAG(1000℃、N2)=64.9%残渣1 H NMR(CDCL3)、z(ppm):0.31(広い一重項の中
心、SiMe)、3.37(多重広一重項の中心、SiOMe)、7.2
5(広い一重項の中心、Si−Ph)、7.52(広い一重項の
中心Si−Ph)。
SiMe/SiOMe/SiPh積分比=4.9/1.8/1.0 GPC:Mw=16590、Mn=2617 FTIR(薄膜)、cm-1(強度):3052(w)、2953
(m)、2889(m)、2834(m)、2074(w)、1462
(w)、1427(w)、1406(w)、1244(m)、1188
(w)、1082(s)、1018(m)、766(s)、702
(m)、681(m)。
元素分析:炭素41.2%、珪素33.9%及び水素8.1% 実施例9 テトラ−メトキシ ジシランと13モル%のジメトキシ
フエニルビニルシランとを混合することによりメチルポ
リシランを調製した。アルゴン入り口、頭部からの機械
的撹拌器及び、冷却(−78℃)受容フラスコのついた短
路蒸留ヘッドへ接続された6″ビグロックスを具えた3
口100ml丸底フラスコを0℃に冷却し、1.55Mのn−ブチ
ルリチウムをヘキサン(0.0105モル)に入れたもの6.8m
lを入れ、次に0.400ml(0.32g、0.001モル)の無水メタ
ノールを入れた。フラスコを室温へ温め、31.50g(0.15
モル)の1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシ
ラン及び4.370g(0.0225モル)のPhViSi(OMe)を添
加した。アルゴンをゆっくり流しながら、反応を290℃
(外部熱電対)へ4時間に亘って加熱し、次に室温へ冷
却した。揮発物を冷却受容フラスコへ収集した。残留物
を乾燥脱ガスしたトルエン50ml中へ溶解し、そのトルエ
ン溶液を中程度のガラスフリット上のセライト パッド
を通して過した。減圧で液を濃縮すると、6.49g
(収率20.9%)の黄色で可溶性の樹脂が得られた。蒸留
物(24.8g)は7.3面積%のヘキサン及び91.3面積%のMe
Si(OMe)からなっていた。
重合体を分析し、それらの結果を次に記載する。
Tg=47.5℃ TAG(1000℃、N2)=56.6%残渣1 H NMR(CDCl3)、z(ppm):0.35(広い一重項の中
心、SiMe)、3.34(多重広一重項、SiOMe)、3.52(広
い一重項、Si−Ph)、 SiMe/SiOMe/SiPh積分比=3.9/2.1/1.0 FTIR(薄膜)、cm-1(強度):3052(w)、2938
(m)、2895(m)、2834(m)、2095(w)、1468
(w)、1427(w)、1406(w)、1244(m)、1188
(w)、1090(s)、1018(m)、766(s)、702
(m)、505(s)。
GPC:Mw=14298、Mn=2723 元素分析:珪素35.5%、炭素43.8%及び水素8.6% 実施例10 テトラ−メトキシ ジシランと9モル%のメチルメト
キシ フエニルビニルシラン〔PhVi(Me)SiOMe〕とを
混合することによりメチルポリシラン重合体を調製し
た。アルゴン入り口、頭部からの機械的撹拌器及び、冷
却(−78℃)受容フラスコのついた短路蒸留ヘッドへ接
続された6″ビグロックスを具えた3口100ml丸底フラ
スコを0℃に冷却し、1.55Mのn−ブチルリチウムをヘ
キサン(0.0105モル)に入れたもの6.8mlを入れ、次に
0.400ml(0.32g、0.001モル)の無水メタノールを入れ
た。フラスコを室温へ温め、31.50g(0.15モル)の1,1,
2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン及び2.67
g(0.015モル)のPhVi(Me)SiOMeを添加した。アルゴ
ンをゆっくり流しながら、反応を285℃(外部熱電対)
へ1.5時間に亘って加熱し、次に室温へ冷却した。揮発
物を冷却受容フラスコへ収集した。残留物を乾燥脱ガス
したトルエン50ml中へ溶解し、そのトルエン溶液を中程
度のガラスフリット上のセライト パッドを通して過
した。減圧で液を濃縮すると黄色で可溶性の樹脂が得
られた。透明な蒸留物24.8gが得られた。液又は蒸留
物のいずれにもPhVi(Me)SiOMeは観察されなかった。
樹脂はTg=132.3℃をもっていることがわかった。
実施例11 テトラ−メトキシ ジシラン出発材料を用いて、メチ
ルジメトキシフエニルシラン、PhMeSi(OMe)をメチ
ルポリシラン中へ配合する試みを行った。アルゴン入り
口、頭部からの機械的撹拌器及び、冷却(−78℃)受容
フラスコのついた短路蒸留ヘッドへ接続された6″ビグ
ロックスを具えた3口100ml丸底フラスコを0℃に冷却
し、1.55Mのn−ブチルリチウムをヘキサン(0.0105モ
ル)に入れたもの6.8mlを入れ、次に0.400ml(0.32g、
0.001モル)の無水メタノールを入れた。フラスコを室
温へ温め、31.50g(0.15モル)のsyn−(MeO)4Si2Me2
及び4.08g(0.22モル)のPhMeSi(OMe)を添加した。
アルゴンをゆっくり流しながら、反応を217℃(外部熱
電対)へ3.0時間に亘って加熱し、次に室温へ冷却し
た。蒸留物の収量は26.2gであった。残留物をトルエン
に溶解し、一部分をガスクロマトグラフで分析した。ア
ナライトの約8面積%がPhMeSi(OMe)であった。ジ
シランとPhMeSi(OMe)の両方に対し、応答係数1を
仮定すると、これは約4gのPhMeSi(OMe)に相当し、
即ち反応はなかった。
実施例12 実施例2〜10の重合体を秤量し、VAC不活性雰囲気箱
の中のアルミナボートへ入れた。試料を密封袋に入れ
て、2″リンドバーク(Lindberg)管状炉へ移した。試
料を袋から取り出し、直ちに炉管の中心へ移した。炉管
を0.5トールへ減圧し、次に超高純度アルゴンを満たし
た。真空にし、そして再び満たすその手順を更に2回繰
り返した。アルゴンの一定の流れで管中を吹き払いなが
ら試料を5゜/分で1200℃へ加熱し、1200℃で2時間保
持した。室温へ冷却した後、炉から炭化物を取り出して
秤量し、一部分を珪素、酸素、炭素、水素及び窒素分析
にかけた。それら炭化物の元素分析データーを表1に要
約する。
本発明の実施により、不飽和メトキシシラン出発材料
を使用すると(実施例3〜5及び7〜10)、重合体中の
炭素含有量を増大するのみならず、熱分解後のセラミッ
ク炭中にその付加的炭素を維持する効果を有する。
本発明を例示する目的で或る代表的な態様及び詳細を
示してきたが、本発明の範囲から逸脱することなくここ
に開示した方法及び装置に種々の変更を行なえることは
当業者には明らかであろう。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】調節された炭素含有量を有するメチルポリ
    シランの製造方法において、 a) 珪素原子に結合した2、3及び4つのアルコキシ
    基を有するジシラン及びそれらの混合物からなる群から
    選択された少なくとも一種類のアルコキシ官能性ジシラ
    ンと、得られる重合体の炭素含有量を増大するのに有効
    な量の、少なくとも一つの不飽和置換基を有するアルコ
    キシ官能性シランであって、少なくとも約110℃の沸点
    を有するアルコキシ官能性シランとを、アルコキシドイ
    オン源である触媒の存在下で一緒に加熱して反応混合物
    を形成し、 b) 前記反応混合物から副生成物の揮発性アルコキシ
    シラン物質を分離しながら、アルコキシ官能性メチルポ
    リシランを形成するのに充分な時間前記混合物を反応さ
    せ、そして c) 形成された前記アルコキシ官能性メチルポリシラ
    ンから前記触媒を分離する、 諸工程からなるメチルポリシランの製造方法。
  2. 【請求項2】調節された炭素含有量を有するメチルポリ
    シランの製造方法において、 a) 珪素原子に結合した2、3及び4つのアルコキシ
    基を有するジシラン及びそれらの混合物からなる群から
    選択された少なくとも一種類のアルコキシ官能性ジシラ
    ンと、得られる重合体の炭素含有量を増大するのに有効
    な量の不飽和炭化水素化合物であって、少なくとも約11
    0℃の沸点を有する不飽和炭化水素化合物とを、アルコ
    キシドイオン源である触媒の存在下で一緒に加熱して反
    応混合物を形成し、 b) 前記反応混合物から副生成物の揮発性アルコキシ
    シラン物質を分離しながら、アルコキシ官能性メチルポ
    リシランを形成するのに充分な時間前記混合物を反応さ
    せ、そして c) 形成された前記アルコキシ官能性メチルポリシラ
    ンから前記触媒を分離する、 諸工程からなるメチルポリシランの製造方法。
  3. 【請求項3】アルコキシ官能性メチルポリシランを次に
    熱分解してセラミック炭を形成する請求項1又は2に記
    載の方法。
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