JP2808937B2 - 電磁クラッチおよび電磁ブレ−キのトルク制御装置 - Google Patents

電磁クラッチおよび電磁ブレ−キのトルク制御装置

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JP2808937B2
JP2808937B2 JP3221193A JP22119391A JP2808937B2 JP 2808937 B2 JP2808937 B2 JP 2808937B2 JP 3221193 A JP3221193 A JP 3221193A JP 22119391 A JP22119391 A JP 22119391A JP 2808937 B2 JP2808937 B2 JP 2808937B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,起動停止を比較的頻繁
に行う各種機械装置に用いられる,負荷機構装置に所定
の駆動トルクを供給し,または駆動力を有する機構から
所定のブレーキトルクを吸収する電磁クラッチおよび電
磁ブレーキのトルク制御装置に係り,特に,作動開始時
に過励磁電流の供給を可能にして電磁クラッチおよび電
磁ブレーキの機能を有効に発揮するとともに,電磁クラ
ッチおよび電磁ブレーキの作動が相互に干渉する恐れを
なくして,適切なトルクまたはブレーキトルクを精度良
く制御することができる,軽量で損失の少ない電磁クラ
ッチおよび電磁ブレーキのトルク制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】負荷機構装置に所定の駆動トルクを供給
するには制御可能な電磁クラッチが図4に示すように使
用され,駆動力を有する機構から所定のブレーキトルク
を吸収するには制御可能な電磁ブレーキが図5に示すよ
うに使用されている。即ち,図4において,駆動動力源
である,例えば,電動機1からの出力軸aは電磁クラッ
チ2の入力軸に結合され,電磁クラッチ2の出力軸は所
定の負荷機構3の入力軸bに結合されている。なお,電
磁クラッチ2は,交流電源4から供給される交流電力を
所定の大きさの電流に変換する制御機能を備えた電源装
置5から供給される電流によって駆動されている。従っ
て,電源装置5から出力され電磁クラッチ2の励磁コイ
ルに供給される電流値によって,電動機1から負荷機構
3に供給されるトルクが所望する値に制御される。
【0003】また,図5において,駆動機能をもった機
構装置6の出力軸cは電磁ブレーキ7の入力軸に結合さ
れ,電磁ブレーキ7の固定軸は固定部9の軸部dに結合
されている。上述した電磁ブレーキは交流電源4から供
給される交流電力を所定の大きさの電流に変換する制御
機能を備えた電源装置5から供給される電流によって所
望されるブレーキトルクを吸収するように駆動されてい
る。従って,電源装置5から出力され電磁ブレーキ7の
励磁コイルに供給される電流値によって,駆動機能をも
った機構装置6の出力軸から吸収されるブレーキトルク
は所望する値に制御される。上述のような電磁クラッチ
又は電磁ブレーキ(以下電磁クラッチ又はブレーキと略
称する)の起動時にその電磁クラッチ又はブレーキの立
ち上がり速度を速めるにはこの電磁クラッチ又はブレー
キに過励磁電流を流すようにしている。
【0004】従来の,上述のように電磁クラッチ又はブ
レーキの立ち上がり速度を速めるためにその電磁クラッ
チ又はブレーキに過励磁電流を流すようにした制御機能
を備えた電源装置(以下制御装置と略称する)5は,例
えば,図7に示すように構成されている。即ち,図7に
おいて,交流電源4から供給される交流電力,即ち交流
電圧は電源トランス40によって所定の電圧に変換さ
れ,さらに,整流回路41と濾波用コンデンサ42によ
って,例えば,90ボルトの直流電圧に変換される。こ
の直流電圧は制御装置45からの指令信号によって制御
されるスイッチ用トランジスタ43の導通時に電磁クラ
ッチ又はブレーキ8の励磁コイルに供給される。また,
交流電源4から供給される交流電力,即ち交流電圧は電
源トランス50によって所定の電圧に変換され,さら
に,整流回路51と濾波用コンデンサ52によって,例
えば,24ボルトの直流電圧に変換される。この直流電
圧は制御装置45からの指令信号によって制御されるス
イッチ用トランジスタ53の導通時に電磁クラッチ又は
ブレーキ8の励磁コイルに供給される。この電磁クラッ
チ又はブレーキ8の起動時には,スイッチ用トランジス
タ43を導通にして電磁クラッチ又はブレーキ8に90
ボルトの電圧をかける。従ってその電磁クラッチ又はブ
レーキの励磁コイルには過電流が流れて急速に作動す
る。電磁クラッチ又はブレーキ8の動作が立ち上がった
後は過度に電流が流れて電磁クラッチ又はブレーキ8が
焼損したり寿命が短くならないように,スイッチ用トラ
ンジスタ43を非導通にし,トランジスタ53を導通に
して電磁クラッチ又はブレーキ8への印加電圧を90ボ
ルトから24ボルトに切換える。従って,この電磁クラ
ッチ又はブレーキは所望の動作を実行する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで,上述したよ
うな,電磁クラッチ又はブレーキの制御装置によると,
この電磁クラッチ又はブレーキに供給するための2種類
の電源を設ける必要があるために,2個の電源トランス
40,50の寸法が大きく重量が重い。また,電磁クラ
ッチ又はブレーキに供給すべき電圧は2種類の切換がで
きるが,その電圧を調整することはできない。また,負
荷機構装置の条件によっては図6に示すように,電磁ク
ラッチおよび電磁ブレーキの両者を装着するのが効果的
である場合がある。即ち,図6においては,駆動動力源
である,例えば,電動機1からの出力軸aは電磁クラッ
チ2の入力軸に結合され,電磁クラッチ2の出力軸は所
定の負荷機構3の入力軸bに結合されている。上述した
電磁クラッチ3は,交流電源4から供給される交流電力
を所定の大きさの電流に変換する制御機能を備えた電源
装置5aから供給される電流によって駆動されている。
また,負荷機構3の出力軸cは電磁ブレーキ7の入力軸
に結合され,電磁ブレーキ7の固定軸は固定部9の軸部
dに結合されている。上述した電磁ブレーキは交流電源
4から供給される交流電力を所定の大きさの電流に変換
する制御機能を備えた電源装置5bから供給される電流
によって所望されるブレーキトルクを吸収するように駆
動されている。上述のような構成の場合には,この電磁
クラッチおよび電磁ブレーキの作動を高速に所望される
タイミングに対して相互に干渉することなく,しかも遅
れなく制御することは困難であった。本発明は上記従来
の問題点に対処するために,下記に記す機能を備えた電
磁クラッチおよび電磁ブレーキのトルク制御装置を提供
することを目的としている。 その最大能力を効果的に発揮させることができるとと
もに重量が軽くて電力損失が少ない。 立ち上がり時間が短い。 電磁クラッチ又はブレーキの機能停止操作に対する遅
れがあっても,その影響がない。 10アンペア程度の電流を流す通常の大型の電磁クラ
ッチ又はブレーキに最適なトルク制御装置を得る。 電磁クラッチ又はブレーキに所望するトルク値が精度
良く容易な手段で得られる。 電磁クラッチ又はブレーキの優れた起動特性を得る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に基づく電磁クラッチ又は電磁ブレーキのトル
ク制御装置は, 基本機能として下記(1)〜(7)に記載のように構成した
電磁クラッチおよび,又は,電磁ブレーキのトルク制御
装置において,(8)以降に記載のような機能を実行する
ようにした。 (1)交流電力を直流電力に変換する第1の整流回路と (2)上記の直流電力を所定のパルス列に変換するブリッ
ジタイプスイッチング回路と, (3)上記のパルス列を整流してこの電磁クラッチ又は電
磁ブレーキに供給する第2の整流回路と, (4)電磁クラッチ又は電磁ブレーキに電圧又は電流を供
給するタイミングをこの電磁クラッチ,電磁ブレーキの
双方又は一方を含む装置の稼動状況に対応して予め設定
された条件に従って作成指令し,対象とする電磁クラッ
チによって伝達する駆動トルク,電磁ブレーキの双方又
は一方によって吸収するブレーキトルクを規定する,こ
の電磁クラッチ又は電磁ブレーキに供給する電圧値又は
電流値を予め設定された条件に従って作成指令する制御
回路と, (5)上記制御回路の制御条件を所望する条件に設定する
設定手段と, (6)上記の設定手段により設定された対象とする電磁ク
ラッチ又は電磁ブレーキに供給する電圧値又は電流値に
対応して所定の条件に従った周期とデューティ比を有す
るパルス列を作成するパルス列作成回路と, (7)対象とする電磁クラッチおよび,又は,電磁ブレー
キに供給する電圧又は電流を上記の制御回路からの指令
によって入り切りする手段と, (8)この電磁クラッチ又は電磁ブレーキへの印加電圧又
は流れる電流を検出する手段と, (9)を備え, (10)上記のパルス列作成回路により作成したパルス列に
よって前記スイッチング回路を作動するとともに, (11)上記の検出手段によって検出した電圧値又は電流値
と前記制御回路で作成指令した電圧値又は電流値とを比
較し, (12)上記の比較結果得られた偏差値に基づいてこの偏差
値を零にするように上記のパルス列作成回路によって得
られるパルス列のデューティ比を補正するとともに, (13)この電磁クラッチおよび,又は,電磁ブレーキに供
給する電圧又は電流の入り切りを上記の制御装置からの
指令によって実行することによって,この電磁クラッチ
により伝達する駆動トルク又は電磁ブレーキにより吸収
するブレーキトルクを前記の設定手段により設定した条
件の各タイミングとトルク値に維持するように構成し
た。 さらに,下記の機能を採用するのが効果的である。各丸
数字は,上記の[発明が解決しようとする課題]に記載
の丸数字及び[特許請求の範囲]の各請求項の番号にも
対応している。 立ち上がり時間を短かくするためには,作動開始時に
所定時間過励磁電流を供給するようにするのが良い。 電磁クラッチ又は電磁ブレーキの機能停止操作に対す
るる遅れがあっても,その影響をなくすためには,電磁
クラッチ又は電磁ブレーキの作動終了時に所定時間励磁
電流供給を停止するようにするのが良い。 10アンペア程度の電流を流す通常の大型電磁クラッ
チやブレーキに最適なトルク制御装置を得るために,ブ
リッジタイプのスイッチング回路にはハーフブリッジタ
イプを使用するようにするのが良い。 電磁クラッチやブレーキに所望するトルク値が精度良
く容易な手段で得られるようにするには,スイッチング
回路を作動するパルス列作成回路にはPWM回路を使用
するのが良い。 電磁クラッチ又はブレーキの優れた起動特性を得るた
めには,交流電力を直流電力に変換する整流回路に,少
なくとも2種類以上の異なった直流電圧を出力できるよ
うにするのが良い。
【0007】
【作用】上述したように構成したので,次のような作用
を発揮できる。 (1)ブリッジタイプのスイッチング回路を,電磁クラッ
チ又は電磁ブレーキに所定の電流を流すタイミングをそ
れぞれ所定の設定信号によって作動するようにし,この
スイッチ動作によって直流から変換されるパルス列の周
期及びデューティ比を適切に設定することによって電磁
クラッチ又は電磁ブレーキに供給すべき電圧の実効値又
は電流の実効値(以下実効値の記述を省略する)を自由
に制御することができる。 (2)従って,電磁クラッチ又は電磁ブレーキの起動時に
所定時間過励磁電流が流れるようにする等の手段によっ
て電磁クラッチが伝達すべき所望の大きさをもつトル
ク,又は,電磁ブレーキが吸収すべきブレーキトルクを
自由に制御することができる。 (3)電磁クラッチ又は電磁ブレーキに印加される電圧値
又は流れる電流値を検出して設定信号と比較し,スイッ
チング回路の制御を補正するようにしたので,予めこの
電磁クラッチ又は電磁ブレーキの特性に対応して定まる
電圧値又は電流値を示す設定信号が電磁クラッチが伝達
すべきトルク,又は,電磁ブレーキが吸収すべきブレー
キトルクを示すように設定しておくことによって,電磁
クラッチが伝達すべきトルク,又は,電磁ブレーキが吸
収すべきブレーキトルクを自由に制御することができ
る。 (4)本発明に基づく電磁クラッチおよび電磁ブレーキの
トルク制御装置は上述したようにスイッチングによって
所望するトルクを得るようにしたので,回路周波数を高
周波にできるのでトランスが軽量小型になる。 さらに,夫々下記の機能を採用することによって下記の
作用が得られる。各丸数字は上記の[発明が解決しよう
とする課題]に記載の丸数字に対応している。 起動時に所定時間過励磁電流を供給するようにすると
起動特性が向上し,この過励磁電流が長時間流れて電磁
クラッチや電磁ブレーキを焼損したり劣化させたりする
ことはない。 電磁クラッチ又は電磁ブレーキの作動終了時に所定時
間励磁電流供給を停止するようにすると,電磁クラッチ
および電磁ブレーキの作動は相互に影響しあうことがな
いようにインタロックが可能である。また,回路を非導
通にすることによって発生する過電圧によって半導体等
が破損したりノイズによって誤動作する恐れがない。 ブリッジタイプのスイッチング回路にハーフブリッジ
タイプを使用することによって,10アンペア程度の電
流を流す通常の大型電磁クラッチやブレーキに最適なト
ルク制御装置を得られる。 スイッチング回路を作動するパルス列作成回路にPW
M回路を使用することによって,スイッチング回路を作
動するパルス列が,対象とする電磁クラッチブレーキ
の所望するトルク値に対応して精度良く容易に得られ
る。 交流電力を直流電力に変換する整流回路を少なくとも
2種類以上の異なった直流電圧が出力できるようにした
場合は,過励磁用電流を効果的に作成できる。また,逆
に,この電磁クラッチおよび電磁ブレーキのトルク制御
装置を異なった交流電圧が供給されているどちらの場所
でも使用することが可能になる。
【0008】
【実施例】次に,本発明に基づく電磁クラッチおよび電
磁ブレーキのトルク制御装置について,図6によって問
題にした電磁クラッチおよび電磁ブレーキを含めて構成
した装置に適用した実施例を図1,図2,図3によって
説明する。図1には,電磁クラッチおよび電磁ブレーキ
のトルク制御装置の一実施例における回路構成を示し,
図2には,この発明を適用するに適した,電磁クラッチ
又は電磁ブレーキの一種である電磁パウダクラッチ又は
電磁パウダブレーキを示している。また,図3には,本
発明に基づく作動時におけるタイミング例を示してい
る。電磁パウダクラッチおよび電磁パウダブレーキの基
本構造は共通に説明できるので,以下の説明では,電磁
パウダークラッチ又は電磁パウダーブレーキと記載すべ
きところを,簡単のため,随時,電磁パウダクラッチ,
ブレーキと略記することにする。電磁パウダクラッチ,
ブレーキの構造には各種のものがあるが,図2は電磁パ
ウダクラッチ,ブレーキの一種について,その基本構造
の直径部の回転軸にそった断面を象徴的に示したもので
ある。
【0009】図2において8は電磁パウダクラッチ,ブ
レーキであって,ドーナッツ状の固定された励磁コア8
1の内部に励磁コイル82が設けられている。83は上
記励磁コイルに面した箇所の一部を残して磁性材により
構成されたシリンダであって入力軸84に結合してい
る。また,85は被動ローラであって出力軸86に結合
している。上記シリンダ83と被動ローラ85との間の
空間87には磁性パウダ(図示せず)が封入されてい
る。上述した構造の電磁パウダクラッチ,ブレーキ8の
入力軸84が,図6に示すように,電磁パウダクラッチ
2として駆動動力源1の出力軸aに結合され,電磁パウ
ダクラッチ2の出力軸(図2における符号86)が負荷
機構3の入力軸bに結合された状態において,図2に示
す,励磁コイル82に励磁電流が供給されていない状態
においては,入力軸84に結合したシリンダ83は駆動
動力源1によって回転するので,空間87に封入した図
示しない磁性パウダはシリンダ83の回転に伴う遠心力
によって空間87内のシリンダ83壁に沿ってシリンダ
83の回転に従い回転する。シリンダ83と被動ローラ
85との間に結合機能が存在しないので,被動ローラ8
5には回転力が伝達されず出力軸86は回転しない,従
って,駆動動力源1の回転トルクは負荷機構3には伝達
されない。上述の状態で励磁コイルに所定の大きさの電
流を流すと,この電流によって発生する磁束φが図2に
示すように,励磁コア81,シリンダ83,被動ローラ
85,シリンダ83,励磁コア81を還流する。従っ
て,空間87に封入した図示しない磁性パウダは,この
磁束φの吸引力によってP部に吸着される。そのため
に,被動ローラ85はP部の磁性パウダを介した吸着力
によりシリンダ83の回転に従って回転する。上述した
吸着力は励磁コイル82を流れる電流値によって変化す
る。従って,図6に示す電磁パウダクラッチ2によって
伝達されるトルクは励磁コイル82に供給される電流に
よって制御される。
【0010】上述した構造の電磁パウダクラッチ,ブレ
ーキ8の入力軸84が図6に示すように,電磁パウダブ
レーキ7として負荷機構3の出力軸cに結合され,電磁
パウダブレーキ7の出力軸(図2における符号86)が
固定部9の結合軸dに結合された状態において,図2に
示す励磁コイル82に励磁電流が供給されていない状態
においては,入力軸84に結合したシリンダ83が駆動
機能をもった機構装置6によって回転するので,空間8
7に封入した図示しない磁性パウダはシリンダ83の回
転に伴う遠心力によって,空間87内のシリンダ83壁
に沿ってシリンダ83の回転に従い回転する。シリンダ
83と被動ローラ85との間に結合機能が存在しないの
で,出力軸86が固定されていてもこの電磁パウダクラ
ッチ,ブレーキ8はブレーキとしては機能しない。上述
の状態で励磁コイルに所定の大きさの電流を流すと,こ
の電流によって発生する磁束φが図2に示すように,励
磁コア81,シリンダ83,被動ローラ85,シリンダ
83,励磁コア81を還流する。従って,空間87に封
入した図示しない磁性パウダは,この磁束φの吸引力に
よってP部に吸着される。そのために,P部の磁性パウ
ダを介した吸着力によって固定部9に結合された被動ロ
ーラ85はシリンダ83に対してブレーキとして機能す
る。上述した吸着力は励磁コイル82を流れる電流値に
よって変化する。従って,図6に示す電磁パウダブレー
キ7によって吸収されるブレーキトルクは励磁コイル8
2に供給される電流によって制御される。
【0011】次に,図1によって,図6について上述し
た,電磁パウダクラッチと電磁パウダーブレーキを複合
した制御に適用した本発明に基づく電磁パウダークラッ
チおよび電磁パウダーブレーキのトルク制御装置の一実
施例の詳細を説明する。図1は本発明を説明するために
主要構成要素を簡略化して示したものであって,電源回
路やグランド回路等詳細要素部品や配線の図示は省略し
ている。また,スナバ回路等,素子の保護やノイズ消去
用の回路,および,回路の安定や効率を向上させるため
の補助回路等の図示は省略している。また,従来の実施
例で示した各図との共通要素回路部品の符号は共通に用
いている。図1において,符号4は交流電源母線から供
給される交流電源であって,この交流電源から供給され
る交流電力は,スイッチ回路11を備えた,ブリッジタ
イプの整流回路と倍電圧整流回路とを切換可能にした第
1の整流回路10によってプラス電源母線eとマイナス
電源母線fとの間に供給される直流に変換される。この
直流は,スイッチング回路12によって詳細を後述する
所定のパルス列に変換される。スイッチング回路12で
変換されたパルス列は,第2の整流回路13により直流
になって電磁パウダクラッチ2,又は,電磁パウダブレ
ーキ7に供給される。上記スイッチング回路12はパル
ス列作成回路15,例えば,PWM回路(以下PWM回
路と称す)で作成される所定の周期とデューティ比を有
するパルス列によって作動されている。また,スイッチ
ング回路12は,コンデンサ21,22とスイッチング
トランジスタ23,24によって構成されるハーフブリ
ッジタイプのスイッチング回路である。前記PWM回路
15で作成される所定の周期とデューティ比を有するパ
ルス列によりオンオフされる第1の駆動トランジスタ2
6は,直流電源25から供給される電圧,例えばプラス
15ボルトを断続し,第1の駆動トランス28を介して
上記第1のスイッチングトランジスタ23のベースを駆
動する。第1の駆動トランス28の1次側巻線は,ま
た,第1のダイオード27によって設地されている。ま
た,PWM回路15で作成される所定の周期とデューテ
ィ比を有するパルス列によりオンオフされる第2の駆動
トランジスタ29は,前述した直流電源25から供給さ
れる電圧を第1の駆動トランジスタ26とは異なったタ
イミングで断続し,第2の駆動トランス31を介して第
2のスイッチングトランジスタ24のベースを駆動す
る。第2の駆動トランス31の1次側巻線は,また,第
2のダイオード30によって接地されている。
【0012】プラス・マイナス電源母線e,f間に接続
されるブリッジ回路を構成するコンデンサ21と22と
の接続点とスイッチングトランジスタ23と24との接
続点の間には,スイッチングトランス32の1次側巻線
32aが接続されている。スイッチングトランジスタ2
3と24がそれぞれ駆動されると,前述したプラス電源
母線eとマイナス電源母線fとの間に電流が,スイッチ
ングトランス32の1次側巻線32aを方向を変換し断
続して流れる。従って,スイッチングトランス32の2
次側巻線32bからは,その巻数比に従ったレベルで両
方向のパルス電流が出力される。第2の整流回路13に
おいては,スイッチングトランス32のセンタタップタ
イプの2次側巻線32b出力を,1対の整流用ダイオー
ド33と34によって両波整流して電磁パウダクラッチ
2又は電磁パウダブレーキ7に供給する。上記電流は電
磁パウダクラッチ2に直列に接続された第1のスイッチ
トランジスタ35,又は,電磁パウダブレーキ7に直列
に接続された第2のスイッチトランジスタ36の導通か
非導通かによって定まり,第1のスイッチトランジスタ
35と第2のスイッチトランジスタ36は詳細を後述す
る制御回路16からの制御信号によって制御される。電
磁パウダクラッチ2又は電磁パウダブレーキ7に流れる
電流は,直列に接続された電磁パウダクラッチ,ブレー
キの電流検出用の抵抗器37によって検出されて前記P
WM回路15に供給される。PWM回路15には,ま
た,電磁パウダクラッチ2又は電磁パウダブレーキ7そ
れぞれの励磁コイル(図2に示した符号82)に供給す
べき電流のタイミングと大きさ,即ち,PWM回路15
がパルス列を出力するタイミングとそのパルス列のデュ
ーティ比と,必要によってはパルス列の周期を制御する
信号が制御回路16から入力される。上記制御回路16
がその回路に備えた,上述した機能を実現するための作
動条件は設定手段である操作パネル17によって設定さ
れ,この,電磁パウダクラッチ2と電磁パウダブレーキ
7を備えた機械装置のための上位の制御装置(図示せ
ず)から出力される制御信号18によって順次制御され
る。上記操作パネル17に入力する作動トルク設定値
は,当該電磁パウダクラッチ2と電磁パウダブレーキ7
それぞれの有する励磁電流対作動トルク特性,スイッチ
ング回路12の特性,及び,前記電磁パウダクラッチ,
ブレーキ電流検出用の抵抗器35によって検出される電
磁パウダクラッチ,ブレーキの電流を示す信号値等に対
応した適切な電流指令値として設定されている。 上記
操作パネル17に入力する,電磁パウダクラッチ又は電
磁パウダブレーキの上述した作動タイミングを定めるタ
イミング設定値は,当該電磁パウダクラッチ2と電磁パ
ウダブレーキ7それぞれの有する起動時における立ち上
がり特性,電磁パウダクラッチ2又は電磁パウダブレー
キ7の作動停止時における,当該電磁パウダクラッチ2
又は電磁パウダブレーキ7を含む回路それぞれの蓄積エ
ネエルギ吸収時間,即ち,回路電流が所定の値まで減衰
するまでの時間特性等に対応して定まる適切なタイミン
グ指令値として設定されている。
【0013】次に上述した回路構成の動作作用を説明す
る。電磁クラッチ2と電磁ブレーキ7の主要な作動条件
はこの電磁クラッチ2と電磁ブレーキ7が上位の機械装
置に組み込まれた時に計測確認して設定手段として設け
られた操作パネル17から設定入力される。即ち,電磁
パウダクラッチ2の伝達トルク値,電磁パウダブレーキ
7の吸収すべきブレーキトルク値によって定まるそれぞ
れの励磁電流値,電磁パウダクラッチ2の起動時に供給
すべき過励磁電流値と必要過励磁時間,および,スイッ
チング回路12からの電力供給を停止してから,電磁パ
ウダクラッチ2の回路を環流する電流が,スイッチトラ
ンジスタ35の導通を遮断しても蓄積されたエネルギに
よリ発生するパルス電圧が安全な値になるまでの時間,
および,電磁パウダブレーキ7の起動時に供給すべき過
励磁電流値と必要な過励磁時間,および,スイッチング
回路12からの電力供給を停止してから,電磁パウダブ
レーキ7の回路を環流する電流が,スイッチトランジス
タ36の導通を遮断しても蓄積されたエネルギによリ発
生するパルス電圧が安全な値になるまでの時間等を設定
する。上述した設定励磁電流値の大きさに比例してパル
ス幅が変化する,即ち,この電流指令値に対応して予め
設定された周期とデューティ比を有するパルス列がPW
M回路15で作成される。このパルス列のパルスが第1
の駆動トランジスタ26に入力してオンすると,オンし
た第1の駆動トランジスタ26は直流電源25から第1
の駆動トランス28の1次側巻線に電流を流し,この第
1の駆動トランス28を介して第1のスイッチングトラ
ンジスタ23のゲートを駆動してオンさせる。また,制
御回路16はスイッチ回路11に制御信号を出して整流
回路を倍電圧整流回路にし,プラス電源母線eの電圧を
高める。第1のスイッチングトランジスタ23がオンす
ると,プラス電源母線eからこの第1のスイッチングト
ランジスタ23,スイッチングトランス32の一次側巻
線32a,第2のコンデンサ22を通ってマイナス電源
母線fに電流が流れる。このパルスが切れると第1の駆
動トランジスタ26がオフされ,第1のスイッチングト
ランジスタ23がオンの間にその駆動回路に蓄積された
エネルギが第1のダイオード27によって速やかに回収
される。前記第1の駆動トランジスタ26がオフになっ
た後,PWM回路15は次に第2の駆動トランジスタ2
9にパルスを入力してこの第2の駆動トランジスタ29
をオンする。従って,前述と同様の働きによって,第2
のスイッチングトランジスタ24がオンする。第2のス
イッチングトランジスタ24がオンするとプラス電源母
線eから第1のコンデンサ21,スイッチングトランス
32の1次側巻線32a,第2のスイッチングトランジ
スタ24を通ってマイナス電源母線fに電流が流れる。
このパルスが切れると第2の駆動トランジスタ29がオ
フされ,第2のスイッチングトランジスタ24がオンの
間にその駆動回路に蓄積されたエネルギが第2のダイオ
ード30によって速やかに回収される。以後上述の動作
が繰返えされる。従って,上記パルス列によってスイッ
チングトランス32には方向を交互に電流を流しパルス
電力としてこのスイッチングトランス32の2次側巻線
32bに伝達する。スイッチングトランス32の2次側
巻線32bに出力したパルス電力は整流用ダイオード3
3,34によって両波整流される。上述の過程におい
て,制御回路16からの信号によってスイッチトランジ
スタ35が導通状態にあると,整流用ダイオード33,
34によって両波整流された電流が,電磁パウダクラッ
チ2の励磁コイルに流れて電磁パウダクラッチ2を急速
に作動する。制御回路16からの信号によってスイッチ
トランジスタ36が導通状態にあると,整流用ダイオー
ド33,34によって両波整流された電流が,電磁パウ
ダブレーキ7の励磁コイルに流れて電磁パウダブレーキ
7を急速に作動する。上記した電磁パウダクラッチ2ま
たは電磁パウダブレーキ7を流れる電流はこの回路に直
列に接続した抵抗器37を流れるので,この抵抗器37
の両端に発生する電圧,即ち,電磁パウダクラッチ2ま
たは電磁パウダブレーキ7を流れる電流に比例した値の
電圧がPWM回路15に入力する。PWM回路15にお
いては,設定手段としての設定パネル17で設定したト
ルク値に対応し制御回路16から入力される電流指令値
とこの抵抗器37で検出した電磁パウダクラッチ2また
は電磁パウダブレーキ7を流れる電流値を示す電圧とを
比較し,その偏差値に従い予め設定した条件によって,
この偏差が零になるように前述したこのPWM回路から
出力するパルス列のパルス幅を自動的に変化させる。従
って,電磁パウダクラッチ2または電磁パウダブレーキ
7は図1に示す回路によって,設定手段17で設定した
トルクを精度良く伝達し,または,設定手段17で設定
したブレーキトルクを精度良く吸収する。制御回路16
は予め設定した過励磁時間が経過すると,スイッチ回路
11を制御して整流回路をブリッジタイプの整流回路に
切換えるとともにPWM回路への信号を予め設定された
指令内容に従い変換して電磁パウダクラッチ2または電
磁パウダブレーキ7に出力する制御電圧または電流を所
望のトルクを発生するようにする。上述した回路の働き
によって,前記パルス列の各パルス幅が広い場合,即
ち,PWMの変調度が大なる場合には電磁パウダクラッ
チ2または電磁パウダブレーキ7に流れる電流が大にな
る。逆に,パルス列の各パルス幅が狭い場合,即ち,P
WMの変調度が小なる場合には電磁パウダクラッチ2ま
たは電磁パウダブレーキ7に流れる電流が小になる。即
ち,前記パルス列のデユーティ比が大なるときは電磁パ
ウダクラッチ2または電磁パウダブレーキ7に流れる電
流が大であり,パルス列のデユーティ比が小なるときは
電磁パウダクラッチ2または電磁パウダブレーキ7に流
れる電流が小になる。前述したように,電磁パウダクラ
ッチ2に流れる電流が大であると,伝達するトルクが大
であり,電磁パウダブレーキ7に吸収するブレーキトル
クが大である。また,逆に,電磁パウダクラッチ2に流
れる電流が小であると,伝達するトルクが小であり,電
磁パウダブレーキ7に吸収するブレーキトルクが小であ
る。従って,前記設定パネル17によって設定した所望
するトルク値に対応した電流が電磁パウダクラッチ2ま
たは電磁パウダブレーキ7に流れ,電磁パウダクラッチ
2においては所望するトルクが伝達され,電磁パウダブ
レーキ7においては所望するブレーキトルクが吸収され
る。
【0014】次に,図3をも参照してこの制御装置の働
きと作用をより詳細に説明する。図3は,電磁パウダク
ラッチ2と電磁パウダブレーキ7の作動指令に伴う時間
推移と対応する作動状況を示したものであって,縦軸の
上側にはクラッチ,下側にはブレーキの作動状況を時間
推移を示す横軸に対応させている。但し,図面サイズに
対応する説明の便宜上時間推移軸の時間割合と縦軸に示
すレベル割合は正しいものではない。制御信号18が電
磁パウダクラッチ2の起動指令をタイミングt1におい
て制御回路16に入力すると,制御回路16は,スイッ
チ回路11に切換信号を送ることによって第1の整流回
路10から出力する電圧を高めるとともにこの出力電圧
に対応してPWM回路15に予め設定された過励磁電流
Ic1を指令する設定値を入力する。また,制御回路1
6はスイッチトランジスタ35に作動信号を出力する。
従って,電磁パウダクラッチ2の励磁コイルには指令さ
れた過励磁電流が流れるので,この電磁パウダクラッチ
2は速やかに立ち上がって作動を始め,駆動動力源1か
ら所定のトルクを負荷機構3に伝達をはじめる。制御回
路16は過励磁電流Ic1を指定する設定値を出力し,
予め設定された所定時間経過してタイミングt2になる
と,スイッチ回路11に第1の整流回路10からの出力
電圧を低めるように切換信号を送るとともに,第1の整
流回路10から出力する電圧に対応してPWM回路15
に予め設定された励磁電流Ic2を指令する設定値を過
励磁電流Ic1を指令する設定値にかえて入力する。従
って,電磁パウダクラッチ2の励磁コイルには指令され
た作動電流が流れるので,電磁パウダクラッチ2は,駆
動動力源1から所定のトルクを負荷機構3に伝達し続け
る。制御信号18が電磁パウダクラッチ2の作動にかえ
て電磁パウダブレーキ7の起動指令をタイミングt3に
おいて制御回路16に入力すると,制御回路16は,P
WM回路15に対する入力信号を停止する。従って,電
磁パウダクラッチ2の励磁コイルには電流が流れなくな
るので,電磁パウダクラッチ2に蓄積されたエネルギが
スイッチトランス32の2次側巻線32bを通って環流
し,回路抵抗によってエネルギは速やかに減衰する。制
御回路16はPWM回路15に対する入力信号を停止し
てから予め設定された所定時間経過してタイミングt4
になると,スイッチトランジスタ35に出していた作動
信号を停止してかわりにスイッチトランジスタ36に作
動信号を出力する。また,制御回路16は,スイッチ回
路11に切換信号を送ることによって第1の整流回路1
0から出力する電圧を高めるとともにこの出力電圧に対
応して過励磁電流Ib1を指令する設定値を出力する。
従って,電磁パウダブレーキ7の励磁コイルには指令さ
れた過励磁電流が流れるので,この電磁パウダブレーキ
7は速やかに立ち上がって作動を始め,所定のブレーキ
トルクを負荷機構3から吸収し始める。さらに,予め設
定された所定時間経過してタイミングt5になると,制
御回路16は,スイッチ回路11に第1の整流回路10
からの出力電圧を低めるように切換信号を送るととも
に,PWM回路15に予め設定された励磁電流Ib2を
指令する設定値を過励磁電流Ib1を指令する設定値に
かえて入力する。従って,電磁パウダブレーキ7の励磁
コイルには指令された作動電流が流れるので,電磁パウ
ダブレーキ7は,所定のブレーキトルクを負荷機構3か
ら吸収し続ける。以下,制御信号18の指令に従って,
繰り返し作動する。上述の説明では,タイミングt1に
おいては,スイッチ11への切換信号およびPWM回路
15とスイッチトランジスタ35に同時に作動信号を出
力し,タイミングt4においては,スイッチトランジス
タ35への作動信号の停止およびスイッチトランジスタ
36とスイッチ11への切換信号およびPWM回路15
への作動信号の出力を同時に行うように説明したが,こ
の電磁パウダクラッチおよび電磁パウダブレーキの電気
的特性及び回路条件に対応して,適切に個別に作動信号
を出しまた停止するようにすることや,その他任意のタ
イミングとレベルで電磁パウダクラッチ2または電磁パ
ウダブレーキ7を作動させることも,予め操作パネルか
ら設定しておくか,適切な制御信号を入力することによ
って可能である。過励磁のためにスイッチ11による切
換操作によって第1の整流回路10からの出力直流電圧
を高めるように説明したが,過励磁の必要レベルとこの
スイッチング回路の特性に対応して,この切換操作を除
いて整流回路10から出力される直流電圧を変化しない
ようにして一定にしても良い。また,タイミングt2に
おいて,スイッチ11の切換えとPWM回路から出力す
るパルス列の変更を同時に行うように説明したが,各回
路の特性に対応して,スイッチ11の切換を早く行う
等,両者の切換えタイミングを異ならせることも予め設
定しておくか制御信号を入力することによって可能であ
る。上述し第1の整流回路10はブリッジタイプと倍電
圧整流回路とを設けるように説明したが,フルブリッジ
タイプとハーフブリッジタイプを設ける等任意の整流回
路を設けてもよい。また,2種類以上の電圧が出力でき
るように2種類以上の整流回路を設け,整流回路の種類
の数や必要条件に対応してスイッチ11を構成するよう
にしても良い。また,異なった直流電圧を出力できるよ
うに構成した第1の整流回路10はスイッチ回路11を
除いて,例えば,200ボルトの交流電源線路に接続す
る場合と100ボルトの交流電源線路に接続する場合等
異なった交流電源に対応できるようにすることができ
る。
【0015】上述の説明は本発明についての各実施例そ
れぞれの基本構成と基本実施方法について説明したもの
である。即ち,[発明が解決しようとする課題]に対応
して記載した [課題を解決するための手段]に記載
し,さらに[特許請求の範囲]の各請求項の番号に対応
させた,丸数字に記載した各機能を総合するとともに,
幾つかの変化の可能性を付記したものであって,その他
応用改変することが可能である。例えば,上述の説明で
は 電磁クラッチ又は電磁ブレーキとして電磁パウダク
ラッチ又は電磁パウダブレーキを対象とした場合につい
て説明したが,供給する電流又は電圧によって伝達する
トルク又は吸収すべきブレーキトルクが制御できるもの
であれば,どのようなクラッチ又はブレーキにも適用で
きる。また,上述の説明ではスイッチング回路がハーフ
ブリッジタイプの場合について説明したが,電磁クラッ
チ又は電磁ブレーキに供給すべき電流が10アンペア程
度の場合には上述したハーフブリッジ回路が適している
が,電磁クラッチ又は電磁ブレーキに供給すべき電流が
より大なる場合にはコンデンサ21,22をスイッチン
グトランジスタに換えたフルブリッジタイプを用いても
よい。また,各スイッチング素子等の能動素子をトラン
ジスタとして説明したが,FET等その他のスイッチン
グ素子を用いてもよく,スイッチング素子の駆動回路も
上述した以外の回路構成を用いても良いことは勿論であ
る。また,スイッチング用のパルス列作成をPWM回路
によって行うように説明したが,所定の設定値に対応し
てパルス列のデューティ比を変化させるその他の手段を
用いても良く,また,パルス周期を含めて変化させるよ
うにしても良い。
【0016】また,第1の整流回路や,第2の整流回路
の後には濾波用の回路部品を記していないが,濾波機能
は使用する電磁クラッチ又は電磁ブレーキその他この回
路の条件に従って適切に構成すれば良い。また,電磁パ
ウダクラッチ,ブレーキを流れる電流値を検出するのに
回路に直列に挿入した抵抗器を使用するように説明した
が,CT(計器用変流器)を用いても良い。また,設定
手段17における設定トルク値に対応する電気信号の種
類によって,電磁パウダクラッチ,ブレーキの両端の電
圧を検出するようにして電圧制御をするようにしても,
スイッチングトランス32に電圧検出用の第3の巻線を
設ける等その他の手段によっても良い。また,直接トル
ク値を検出するようにしても良い。また,各種設定を操
作パネルで行うように説明したが,このトルク制御装置
内の所定の回路部に半固定スイッチを設けてもよく,ま
た,上位の制御装置から指令される設定信号によって設
定されるようにする等その他の適切な設定手段を用いる
ようにすることができる。また,上述したように,第1
の整流回路10は,整流方式が切換可能になる回路にす
ることによって電磁クラッチ又は電磁ブレーキに設定し
制御できるトルク範囲を拡大することも可能である。し
かしながら,条件によっては,第1の整流回路に2種類
以上の直流出力を得る手段は除いても良い。また,制御
回路16は上位の制御装置(図示せず)から出力される
制御信号18によって順次制御されるように説明した
が,この制御装置自体が全体の制御機能を備えて機械装
置のセンサ信号等によって順次作動するようにすること
ができる。また,制御回路16とPWM回路15を共通
化するとか機能の分担を変える等,その装置の条件に対
応して任意に設定しても良い。
【0017】
【発明の効果】上述したように,この発明に基づく電磁
クラッチおよび電磁ブレーキのトルク制御装置において
は,上述したように構成したので,次のような優れた効
果が得られる。 (1)まず,請求項1に記載のように構成すると、下記
乃至に示すような効果が発揮できる。 電磁クラッチ又は電磁ブレーキに供給すべき電圧の実
効値又は電流の実効値を自由に制御することができる。 電磁クラッチが伝達すべきトルク,又は,電磁ブレー
キにより吸収すべきブレーキトルクを自由に設定するこ
とができる。 電磁クラッチが伝達すべきトルク,又は,電磁ブレー
キにより吸収するブレーキトルクを自由に精度良く制御
することができる。 回路周波数を高周波にできるのでトランスが軽量小型
になる。 立ち上がり時間を短かく構成でき,電磁クラッチや電
磁ブレーキとして必要な優れた起動特性が得られる。 また,電力損失を少なく構成できる。 損失が減少したので小型の放熱機構によっても発熱を
低く押さえることができる。 (2)また,請求項2に記載するように,所定時間過励
磁電流を供給するようにした場合は,電磁クラッチおよ
び電磁ブレーキの起動時の立ち上がりを早めることがで
きる。 さらに,励磁電流が長時間流れて電磁クラッチや電磁ブ
レーキを焼損したり劣化させたりすることはない。 (3)請求項3に記載するように,所定時間励磁電流供
給を停止する場合は電磁クラッチおよび電磁ブレーキの
作動切換時に相互に干渉する恐れをなくせる。 さらに,電磁クラッチ又は電磁ブレーキの作動を終了す
る時に所定時間励磁電流供給を停止する場合は回路を非
導通にする時の過電圧による半導体等の破損やノイズに
よる誤動作が防げる。また,電磁クラッチ又は電磁ブレ
ーキの機能停止操作に対する遅れがあっても,その影響
がない。 (4)請求項4に記載するように,スイッチング回路に
ハーフブリッジタイプを使用する場合は,10アンペア
程度の電流を流す通常の大型電磁クラッチ電磁ブレー
キに最適なトルク制御装置が得られる。 (5)請求項5に記載するように,パルス列作成回路に
PWM回路を使用する場合は,スイッチング回路を作動
するパルス列が,当該電磁クラッチや電磁ブレーキの所
望するトルク値に対応して精度良く容易に得られる。 (6)請求項6に記載するように,交流電力から直流電
力を得る第1の整流回路に少なくとも2種類以上の直流
電圧を得られるように構成した場合は,異なった交流電
源に対して本発明に基づく電磁クラッチおよび電磁ブレ
ーキのトルク制御装置を適用できる。 さらに,交流電力から直流電力を得る第1の整流回路に
少なくとも2種類以上の直流電圧を得られるように構成
した場合は,強力な過励磁機能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施例の電磁クラッチおよび電
磁ブレーキのトルク制御装置における回路構成を示すブ
ロック回路図である。
【図2】本発明に基づく実施例に示す電磁パウダクラッ
チ/ブレーキの構造を示す概要断面図である。
【図3】本発明に基づく実施例における電磁クラッチお
よび電磁ブレーキの総合動作を説明するタイミング図で
ある。
【図4】電磁クラッチの用法を説明する概要ブロック構
成図である。
【図5】電磁ブレーキの用法を説明する概要ブロック構
成図である。
【図6】電磁クラッチおよび電磁ブレーキを混用した場
合の用法を説明する概要ブロック構成図である。
【図7】従来の電磁クラッチまたは電磁ブレーキの制御
装置の構成を説明するブロック回路図である。
【符号の説明】
1:駆動動力源(電動機) 2:電磁クラッチ 3:負荷機構 4:交流電源 6:駆動機能をもった機構装置 7:電磁ブレーキ 9:固定部 10:第1の整流回路 12:スイッチング回路 13:第2の整流回路 15:パルス列作成回路(PWM回路) 16:制御回路 17:設定手段(操作パネル) 21,22:(ブリッジ用)コンデンサ 23,24:スイッチング素子(トランジスタ) 26,29:トランジスタ 32:スイッチングトランス 37:電流検出手段(抵抗器)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁クラッチによって所定の駆動トルク
    を伝達し,また,電磁ブレーキによって所定のブレーキ
    トルクを吸収させる,電磁クラッチおよび電磁ブレーキ
    或いは電磁クラッチ又は電磁ブレーキ(以下電磁クラッ
    チ,電磁ブレーキの双方又は一方と称す)のトルク制御
    装置において, 交流電力を直流電力に変換する第1の整流回路と, 該直流電力を所定のパルス列に変換するブリッジタイプ
    スイッチング回路と,該パルス列を整流して当該電磁ク
    ラッチ又は電磁ブレーキに供給する第2の整流回路と, 当該電磁クラッチ又は電磁ブレーキに電圧又は電流を供
    給するタイミングを当該電磁クラッチ電磁ブレーキ
    双方又は一方を含む装置の稼動状況に対応し予め設定さ
    れた条件に従って作成指令し,当該電磁クラッチによっ
    て伝達する駆動トルク又は電磁ブレーキによって吸収す
    るブレーキトルクを規定する当該電磁クラッチ又は電磁
    ブレーキに供給する電圧値又は電流値を予め設定された
    条件に従って作成指令する制御回路と, 上記制御回路の制御条件を所望する条件に設定する設定
    手段と, 該設定手段により設定された当該電磁クラッチ又は電磁
    ブレーキに供給する電圧値又は電流値に対応して所定の
    条件に従った周期とデューティ比を有するパルス列を作
    成するパルス列作成回路と, 当該電磁クラッチ電磁ブレーキの双方又は一方に供給
    する電圧又は電流を上記制御回路からの指令によって入
    り切りする手段と, 当該電磁クラッチ又は電磁ブレーキへの印加電圧又は流
    れる電流を検出する手段とを備え, 上記パルス列作成回路により作成したパルス列によって
    前記スイッチング回路を作動するとともに, 前記検出手段によって検出した電圧値又は電流値と前記
    制御回路で作成指令した電圧値又は電流値とを比較し, 比較の結果得られた偏差値に基づき該偏差値を零ならし
    むるように上記パルス列作成回路によって得られるパル
    ス列のデューティ比を補正するとともに, 当該電磁クラッチ電磁ブレーキの双方又は一方に供給
    する電圧又は電流の入り切りを上記制御装置からの指令
    によって実行することによって,当該電磁クラッチによ
    り伝達する駆動トルク又は電磁ブレーキにより吸収する
    ブレーキトルクを前記設定手段により設定した条件の各
    タイミングとトルク値に維持するようにしたことを特徴
    とする電磁クラッチおよび電磁ブレーキのトルク制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁クラッチおよび電磁
    ブレーキのトルク制御装置の制御回路は, 当該電磁クラッチ電磁ブレーキの双方又は一方の作動
    開始時に所定時間過励磁電流を供給して当該電磁クラッ
    電磁ブレーキの双方又は一方の作動立上り時間を短
    縮するごとく形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の電磁クラッチおよび電磁ブレーキのトルク制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電磁クラッチおよび電磁
    ブレーキのトルク制御装置の制御回路は, 当該電磁クラッチ電磁ブレーキの双方又は一方の作動
    終了時に所定時間長の励磁電流停止時間を設けて当該電
    磁クラッチおよび電磁ブレーキの相互切換時における相
    互干渉を防止するごとく形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の電磁クラッチおよび電磁ブレーキのト
    ルク制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のブリッジタイプスイッチ
    ング回路はハーフブリッジタイプであることを特徴とす
    る請求項1記載の電磁クラッチおよび電磁ブレーキのト
    ルク制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のパルス列作成回路はPW
    M回路であることを特徴とする請求項1記載の電磁クラ
    ッチおよび電磁ブレーキのトルク制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の交流電力を直流電力に変
    換する整流回路は少なくとも2種類以上の異なった直流
    電圧を出力する整流回路を切換可能にしたことを特徴と
    する請求項1記載の電磁クラッチおよび電磁ブレーキの
    トルク制御装置。
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