JP2808772B2 - 車両用自動変速機 - Google Patents

車両用自動変速機

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JP2808772B2 JP34328289A JP34328289A JP2808772B2 JP 2808772 B2 JP2808772 B2 JP 2808772B2 JP 34328289 A JP34328289 A JP 34328289A JP 34328289 A JP34328289 A JP 34328289A JP 2808772 B2 JP2808772 B2 JP 2808772B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は車両用の自動変速機に関し、特にクラッチ
などの複数の摩擦係合手段の係合・解放によって変速段
を設定する自動変速機であって、所定の変速段を設定す
るための摩擦係合手段の係合・解放の組合せパターンが
複数種類ある自動変速機に関するものである。
従来の技術 車両用の自動変速機は、一般に、複数組の遊星歯車機
構を使用し、それぞれのサンギヤやリングギヤあるいは
キャリヤなどの回転部材のうちの所定の回転部材同士を
連結し、またいずれかの回転部材を入力軸にクラッチ手
段を介して選択的に連結し、さらに他のいずれかの回転
部材をブレーキ手段によって選択的に固定するとともに
更に他の回転部材に出力軸を連結する構成である。この
種の自動変速機では、使用する遊星歯車機構の数やそれ
ぞれの回転部材の連結の仕方、あるいはクラッチ手段や
ブレーキ手段などの摩擦係合手段の数や設置の仕方によ
って設定可能な変速段数やそれぞれの変速段での変速
比、あるいは回転部材の回転数や負荷トルクなどが様々
に変化し、そして原理的に構成可能なものは極めて多数
にのぼる。原理的に構成可能のものであっても全てが実
用できるものではなく、製造が容易であること、小型軽
量であること、変速制御性に富むこと、耐久性に優れて
いることなどの実用上の要求を充分満すものを創作する
ことは決して容易でない。例えば三組の遊星歯車機構を
使用して前進5段・後進1段の変速段を設定可能な自動
変速機であっても、クラッチなどの摩擦係合手段の配置
の仕方や各遊星歯車機構のギヤ比(サンギヤとリングギ
ヤとの歯数の比)の採り方によって後進段での変速比が
大きくなり過ぎる場合があり、このような自動変速機に
あっては摩擦係合手段の容量を大きくする必要があり、
またその摩擦係合手段や軸受などの耐久性が損なわれる
などの問題がある。このような問題点を解消するものと
して例えば特開昭60−57036号公報では、後進段での変
速比が前進第1速での変速比に近似するよう構成した自
動変速機が提案されている。
この提案にかかる自動変速機の構成を簡単に説明する
と、これは、三組のシングルピニオン型遊星歯車機構を
主体とするものであって、第1遊星歯車機構のサンギヤ
と第2遊星歯車機構のサンギヤとが常時もしくは選択的
に連結されるとともに、第1遊星歯車機構のサンギヤと
第2遊星歯車機構のキャリヤとが必要に応じてクラッチ
を介して連結され、また第2遊星歯車機構のリングギヤ
と第3遊星歯車機構のリングギヤとが連結されるととも
に、これらのリングギヤに第1遊星歯車機構のキャリヤ
が連結され、さらに第2遊星歯車機構のキャリヤと第3
遊星歯車機構のサンギヤとがクラッチを介して連結され
ている。入力軸は、互いに連結された前記第1遊星歯車
機構のサンギヤおよび第2遊星歯車機構のサンギヤにク
ラッチを介して連結される一方、第1遊星歯車機構のリ
ングギヤに他のクラッチを介して連結されるようになっ
ている。これに対して出力軸は第3遊星歯車機構のキャ
リヤに連結されている。そして回転を止めるブレーキ手
段としては、互いに連結された前記第1遊星歯車機構の
サンギヤおよび第2遊星歯車機構のサンギヤを固定する
ブレーキと、第3遊星歯車機構のサンギヤを固定するブ
レーキとが設けられている。
なお、上記の特開昭60−57036号公報には、第2遊星
歯車機構のキャリヤとケースとの間に一方向クラッチを
介装した構成がスケルトン図で示されているが、これに
対応した作動表が示されていず、また設定可能な変速段
についての説明がないので、その一方向クラッチが追加
設置された構成では、その公報に示されている他の例と
同様に各変速段が設定されるものと考えられる。
発明が解決しようとする課題 ところで車両の停止、後退、前進などの選択はシフト
レバーを手動操作することにより行なうが、自動変速機
を停止もしくは中立レンジに設定してあれば、入力軸
(トルクコンバータの出力軸)が歯車列に連結されない
ので出力軸のトルクは零であるが、前進などの走行レン
ジにシフトした場合、入力軸が歯車列に連結されるため
に出力軸にトルクがかかる。このような出力軸のトルク
の変動が急激であれば、車両の全体が一時的に振動する
シフトショックや車両のリヤ側が沈み込む所謂スクウォ
ート現象が生じ、乗心地が損われる。
しかるに上記従来の自動変速機において、停止状態で
中立レンジから走行レンジにシフトした場合、変速段は
第1速に設定されるが、第1速を設定するためのクラッ
チなどの摩擦係合手段の係合・解放の組合せパターンは
一種類であるから、その際に生じるシフトショックやス
クウォート現象を回避しようとすれば、変速比の小さい
他の変速段に一旦設定することになる。このような制御
を行なえば、シフトショックやスクウォートを低減でき
るかも知れないが、変速比の変更を伴う制御を行なうこ
とになるから、出力軸のトルクの増減によるショックを
生じるおそれがあり、あるいはこのようなショックを避
けるために複雑な制御を余儀無くされるおそれがあっ
た。
この発明は上記の事情を背景としてなされたもので、
中立もしくは停止レンジから走行レンジへシフトする際
のショックを回避することのできる自動変速機を提供す
ることを目的とするものである。
課題を解決するための手段 この発明は、上記の目的を達成するために、油圧によ
って動作される複数の摩擦係合手段とこれらの摩擦係合
手段の係合・解放の状態に応じて変速比の互いに異なる
複数の変速段に設定される歯車列とを有するとともに、
入力軸から出力軸への動力の伝達を行なわない中立レン
ジもしくは停止レンジとこれらの軸の間での動力の伝達
を行なう走行レンジとの少なくとも二つのレンジに選択
的に設定される車両用自動変速機において、前記歯車列
が、前記中立レンジもしくは停止レンジから前記走行レ
ンジに切り換えた際の変速段を設定するための摩擦係合
手段の係合・解放の組合せパターンが複数種類ある構成
とされ、前記中立レンジもしくは停止レンジから走行レ
ンジに切換えた際の変速段を設定する摩擦係合手段の係
合・解放の組合せパターンとして前記複数の組合せパタ
ーンのうちから、係合させるべき摩擦係合手段に対する
油圧の上昇が緩慢となるパターンを選択して設定する制
御手段を備えていることを特徴とするものである。
作用 この発明の自動変速機においても、中立レンジもしく
は停止レンジから走行レンジにシフトすると入力軸を歯
車列に連結するよう所定の摩擦係合手段に油圧が供給さ
れてその摩擦係合手段が係合する。この走行レンジにシ
フトした際に設定される変速段は、車両の状態、すなわ
ち車速やスロットル開度に基づいて決められ、あるいは
設計・製造段階で予め決められるが、その変速段を設定
するための摩擦係合手段の係合・解放の組合せパターン
は複数種類あり、この発明の自動変速機における制御装
置は、それらのパターンのうち係合させるべき摩擦係合
手段における油圧の立ち上がり、すなわち油圧の上昇が
緩慢となるパターンを選択してその変速段を設定する。
すなわち例えば係合させることのできる摩擦係合手段の
数の多いパターンを選択して設定する。あるいは油路の
途中にアキュームレータを備えている摩擦係合手段を係
合させることになるパターンを選択して設定する。その
結果、油圧の必要供給量が多くなるために油圧の上昇が
緩やかとなり、それに伴って出力軸トルクの増大割合が
抑制されるために、シフトショックが低減もしくは解消
される。
実施例 つぎにこの発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第1図に示す例は三組のシングルピニオン型遊星歯車
機構1,2,3を主体として歯車列を構成したものであっ
て、これらの各遊星歯車機構1,2,3における各要素が次
のように連結されて構成されている。すなわち第1遊星
歯車機構1のキャリヤ1Cと第3遊星歯車機構3のリング
ギヤ3Rとが一体となって回転するよう連結されるととも
に、第2遊星歯車機構2のリングギヤ2Rと第3遊星歯車
機構3のキャリヤ3Cとが一体となって回転するよう連結
されている。また第1遊星歯車機構1のサンギヤ1Sは第
2クラッチ手段K2を介して第2遊星歯車機構2のキャリ
ヤ2Cに連結される一方、第4クラッチ手段K4を介して第
2遊星歯車機構2のサンギヤ2Sに連結され、さらに第2
遊星歯車機構2のキャリヤ2Cは第5クラッチ手段K5を介
して第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sに連結されてい
る。
なお、上記の各要素の連結構造としては、中空軸や中
実軸もしくは適宜のコネクティングドラムなどの一般の
自動変速機で採用されている連結構造などを採用するこ
とができる。
入力軸4は、トルクコンバータや流体継手などの動力
伝達手段(図示せず)を介してエンジン(図示せず)に
連結されており、この入力軸4と第1遊星歯車機構1の
リングギヤ1Rとの間には、両者を選択的に連結する第1
クラッチ手段K1が設けられ、また入力軸4と第1遊星歯
車機構1のサンギヤ1Sとの間には、両者を選択的に連結
する第3クラッチ手段K3が設けられている。
上記の第1ないし第5のクラッチ手段K1,〜K5のうち
第4クラッチ手段K4は、互いに並列の関係にある一方向
クラッチ20と多板クラッチ22とによって構成されてお
り、他のクラッチ手段は多板クラッチによって構成され
ている。なお、実用にあたっては、各構成部材の配置上
の制約があるから、各クラッチ手段K1,K2,K3,K4,K5に対
する連結部材としてコネクティングドラムなどの適宜の
中間部材を介在させ得ることは勿論である。
また上記の遊星歯車機構1,2,3における回転部材の回
転を阻止するブレーキ手段として、第3遊星歯車機構3
のサンギヤ3Sの回転を選択的に阻止する第1ブレーキ手
段B1と、第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cの回転を選択
的に阻止する第2ブレーキ手段B2と、第2遊星歯車機構
2のサンギヤ2Sの回転を選択的に阻止する第3ブレーキ
手段B3と、第1遊星歯車機構1のサンギヤ1Sの回転を選
択的に阻止する第4ブレーキ手段B4とが設けられてい
る。これらのブレーキ手段のうち第1ブレーキ手段B1
は、第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sとトランスミッシ
ョンケース(以下、単にケースと記す)6との間に設け
られた一方向クラッチ40とこの一方向クラッチ40と並列
の関係にあるバンドブレーキ42とによって構成されてお
り、また第2ブレーキ手段B2は多板ブレーキであり、さ
らに第3ブレーキ手段B3および第4ブレーキ手段B4はそ
れぞれバンドブレーキによって構成されている。なお、
実用にあたっては、これらのブレーキ手段B1,B2,B3,B4
とこれらのブレーキ手段B1,B2,B3,B4によって固定すべ
き各要素との間もしくはケース6との間に適宜の連結部
材を介在させ得ることは勿論である。
そしてプロペラシャフトやカウンタギヤ(それぞれ図
示せず)に回転を伝達する出力軸5が、互いに連結され
た第2遊星歯車機構2のリンギギヤ2Rと第3遊星歯車機
構3のキャリヤ3Cに対して連結されている。
この第1図に示す構成の自動変速機では、前進5段・
後進1段を主たる変速段とし、これに前進第2速と第3
速との間に所謂第2.2速、第2.5速、第2.7速の変速段を
付加し、かつ前進第3速と第4速との間に所謂第3.2速
と第3.5速とを付加した前進10段・後進1段の変速段を
設定することが原理的には可能であり、また第2.2速、
第2.7速、第3.2速および第3.5速を除いた他の変速段で
は、当該変速段を設定するためのクラッチ手段およびブ
レーキ手段の係合・解放の組合せ(所謂係合・解放パタ
ーン)は複数組あり、これを作動表として示せば第1表
のとおりである。なお、第1表において、○印は係合す
ることを示し、空欄は解放することを示し、また*印は
係合させてもよいことを示し、さらにこの*印には第1
速の第5クラッチ手段K5や第1ブレーキ手段B1などのよ
うに解放しても変速比や回転状態に変化が生じないも
の、第4速のb欄のパターンにおける第1ブレーキ手段
B1のように解放すれば変速比は変化しないが回転状態が
変化するもの、第2速のb欄のパータンにおける第4ク
ラッチ手段K4や第3ブレーキ手段B3のように他の*印の
手段を係合させていれば解放しても変速比および回転状
態に変化が生じないものを含む。また第1表において第
2速、第3速、第4速、第5速および後進段でのa,b,c
…の符号を付した欄は、当該変速段を設定するための係
合・解放パターンのうち遊星歯車機構の回転要素の回転
数が異なるものの係合・解放パターンであることを示
し、さらに,,…の符号は遊星歯車機構の回転要
素の回転数が異ならないものの係合・解放パターン同士
の種別を表わす。
第1表は原理的に設定可能な変速段を示すものであ
り、実用の際にはこれらの変速段のうちから動力性能や
加速性などの点で優れたものとなる変速段を選択して設
定することになり、具体的には変速比が等比級数に近い
関係となる変速段を主要変速段として選択することにな
り、またそれぞれの変速段を設定するための係合・解放
パターンとして第1表に掲げるもののうちから変速制御
性や耐久性などの点で有利なものを選択することにな
る。また第1図に示す例では、第4クラッチ手段K4およ
び第1ブレーキ手段B1のそれぞれが、一方向クラッチ2
0,40を備えた構成であるから、第4クラッチ手段K4の係
合状態は、第1遊星歯車機構1のサンギヤ1Sと第2遊星
歯車機構2のサンギヤ2Sとの相対回転方向が一方向クラ
ッチ20の係合する方向であれば、通常時は一方向クラッ
チ20によって係合状態を維持し、エンジンブレーキを必
要とする際に多板クラッチ22を係合させ、また上記二つ
のサンギヤ1S,2Sの相対回転方向が一方向クラッチ20の
解放する方向であれば、多板クラッチ22を係合させて第
4クラッチ手段K4を係合状態とする。また第1ブレーキ
手段B1についても同様であって、第3遊星歯車機構3の
サンギヤ3Sの回転方向が一方向クラッチ40の係合する方
向であれば、一方向クラッチ40を係合させて第1ブレー
キ手段B1を係合状態とし、エンジンブレーキを必要とす
る際に多板ブレーキ42を係合させ、これとは反対に第3
遊星歯車機構3のサンギヤ3Sの回転方向が一方向クラッ
チ40の解放する方向であれば、多板ブレーキ42を係合さ
せて第1ブレーキ手段B1を係合状態とする。
第1表に示す自動変速機においても、停止(P)、後
退(R)、中立(N)、前進(D)等のレンジの選択を
手動操作によって行なうようになっている。そのための
構成は従来から知られているものと同様であって、シフ
トレバー(図示せず)によってシフトバルブ(図示せ
ず)を切換え動作させ、油圧の供給経路をこのシフトバ
ルブによって変えるようになっている。そして停止
(P)レンジや中立(N)レンジでは、少なくとも前述
した第1クラッチ手段K1および第3クラッチ手段K3のい
ずれをも解放して入力軸4と歯車列との連結を解き、ま
た前進(D)レンジにシフトすることに伴って第1クラ
ッチ手段K1およびその他の所定の摩擦係合手段を係合さ
せるよう油圧を供給して入力軸4と歯車列とを連結する
よう構成されている。また前進(D)レンジ等の走行の
ためのレンジにシフトしてある状態では、第1表に示す
各変速段の設定は従来の自動変速機と同様に、スロット
ル開度に代表されるエンジン負荷と車速とに応じて行な
われ、そのための制御手段として、前記各クラッチ手段
やブレーキ手段に対してこれらを係合・解放させるため
の油圧を給排する油圧制御装置Cと、車速Vやスロット
ル開度θあるいはシフトポジション、走行モードセレク
ト信号、油温などの入力データに基づいて油圧制御装置
Cに対して電気的な指示信号を出力する電子コントロー
ルユニット(ECU)Eとが設けられている。
これらの油圧制御装置Cおよび電子コントロールユニ
ットEとからなる制御手段は、係合・解放パターンが複
数種類ある変速段、特に前進第1速あるいは第2速につ
いては、シフトレバーによって中立(N)レンジもしく
は停止(P)レンジから走行レンジである前進(D)レ
ンジにシフトした場合とそれ以外の場合とで異なる係合
・解放パターンを選択して当該変速段を設定するように
なっている。
これを具体的に説明すると以下のとおりである。第2
図は上記の制御手段で実行される制御の一例を示すフロ
ーチャートであって、先ず最初に車速Vやスロットル開
度θ、走行モードセレクト信号、油温などの走行条件の
読み込みを行なう(ステップ1)。ついでステップ2で
は、中立(N)レンジから前進(D)レンジへのシフト
か否かを判断し、判断結果が“ノー”であれば走査過程
はリターンし、また“イエス”であれば、ステップ3に
進んで車速Vが零か否かの判断を行なう。判断結果が
“イエス”であれば、スロットル開度θが零か否かの判
断(ステップ4)を行ない、その結果が“イエス”であ
れば更にブレーキがオンか否かの判断(ステップ5)を
行なう。これらのステップ3からステップ5までの判断
過程は、車両が停止状態であることの確認を行なうため
のものであり、その判断順序は上記の順序に限定されな
い。
ステップ5の判断結果が“イエス”であれば、1st−
@の係合・解放パターンもしくは2nd−a−@の係合・
解放パターンを設定するための出力を行なう(ステップ
6)。この1st−@の係合・解放パターンは、前進第1
速を設定するにあたって可及的に多数の摩擦係合手段を
係合させるパターンであって、具体的には、第1クラッ
チ手段K1、第4クラッチ手段K4、第5クラッチ手段K5、
第1ブレーキ手段B1、第2ブレーキ手段B2を係合させる
パターンであり、第1表の前進第1速の欄のうち*印を
付したクラッチ手段あるいはブレーキ手段をも係合させ
るパターンである。また同様に、2nd−a−@のパター
ンは、前進第2速を設定するにあたって可及的に多数の
摩擦係合手段を係合させるパターンであって、具体的に
は第1クラッチ手段K1、第2クラッチ手段K2、第5クラ
ッチ手段K5、第1ブレーキ手段B1、第2ブレーキ手段B
2、第4ブレーキ手段B4を係合させるパターンであり、
第1表の前進第2速のa欄のうち*印を付したクラッチ
手段あるいはブレーキ手段をも係合させるパターンであ
る。なおここで、第1図に示す例では、第4クラッチ手
段K4が一方向クラッチ20と多板クラッチ22とで構成さ
れ、また第1ブレーキ手段B1が一方向クラッチ40とバン
ドブレーキ42とで構成されているから、第4クラッチ手
段K4を係合させることは、その多板クラッチ22を係合さ
せることであり、また第1ブレーキ手段B1を係合させる
ことは、そのバンドブレーキ42を係合させることであ
る。
したがってステップ6で出力される係合・解放パター
ンでは、係合させるべき摩擦係合手段の数が多く、必要
とする油圧の供給量が多くなるために、各摩擦係合手段
における油圧の立ち上がり、すなわち油圧の上昇度合い
が緩慢になり、その結果、出力軸5のトルクの変化が緩
かとなるので、中立(N)レンジから前進(D)レンジ
にシフトすることに伴うショックが解消され、もしくは
低減される。また特に2nd−a−@のパターンを出力し
た場合、その変速比が前進第1速の場合より小さい値で
あるから、出力軸トルクの変化量(増大量)が小さくな
り、この点でもシフトに伴うショックが解消もしくは低
減される。
ステップ6において上記の係合・解放パターンを出力
した後に、タイマT1を零リセットし(ステップ7)、そ
のタイマT1のカウント値が予め定めた値αとなるまでカ
ウントを継続し(ステップ8)、カウント値が予め定め
た値αを越えた時点、すなわちプリセット時間を経過し
た時点で1st−の係合・解放パターンを出力する(ス
テップ9)。このパターンは第1表に示すように、第1
クラッチ手段K1、第4クラッチ手段K4、第1ブレーキ手
段B1、第2ブレーキ手段B2を係合させるパターンであ
る。
ステップ9において1st−のパターンで前進第1速
を設定した後に走査過程はリターンする。また前述した
ステップ3ないしステップ5のいずれかの判断結果が
“ノー”の場合には、車両の停止状態を維持する意思の
下に中立(N)レンジから前進(D)レンジにシフトし
たのではないと判断されるので、直にステップ9に進ん
で前進第1速を1st−のパターンで設定する。
第2図に示す制御は前述した油圧コントロールユニッ
トEからの電気的な出力信号およびそれに伴う油圧制御
装置Cでの油圧の給排の制御によって行なわれる。そし
て走行レンジである前進(D)レンジにシフトすること
により、最終的には変速制御に有利な1st−のパター
ンで第1速が設定されるが、その前段階で1st−@のパ
ターンで第1速を設定し、あるいは2nd−a−@のパタ
ーンで前進第2速を設定するために、出力軸5のトルク
の変動割合い、すなわち単位時間当りの増大率が小さく
なり、その結果、前進(D)レンジにシフトすることに
伴うショックが解消もしくは低減される。
なおこの発明は上記の第1図に示す構成に限定され
ず、他の構成の自動変速機にも適用でき、その例を第3
図に示す。ここに示す構成は、前述した第1図に示す構
成のうち歯車列を構成する回転部材同士の連結を一部変
えたものである。すなわち同一軸線上に配置した入力軸
4と出力軸5との間に、シングルピニオン型の遊星歯車
機構である第1ないし第3の遊星歯車機構1,2,3が同一
軸線上に配列されており、第2遊星歯車機構2のリング
ギヤ2Rと第3遊星歯車機構3のリングギヤ3Rとが連結さ
れるとともに、これらのリングギヤ2R,3Rに第1遊星歯
車機構1のキャリヤ1Cが連結されている。そしてクラッ
チ手段としては、入力軸4と第1遊星歯車機構1のリン
グギヤ1Rとを連結する第1クラッチ手段K1、第1遊星歯
車機構1のサンギヤ1Sと第2遊星歯車機構2のキャリヤ
2Cとを連結する第2クラッチ手段K2、入力軸4と第1遊
星歯車機構1のリングギヤ1Rとを連結する第3クラッチ
手段K3、第1遊星歯車機構1のサンギヤ1Sと第2遊星歯
車機構2のサンギヤ2Sとを連結する第4クラッチ手段K
4、第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cと第3遊星歯車機
構3のサンギヤ3Sとを連結する第5クラッチ手段K5が、
それぞれ設けられている。またブレーキ手段としては、
第3遊星歯車機構3のサンギヤ3Sを固定する第1ブレー
キ手段B1、第2遊星歯車機構2のキャリヤ2Cを固定する
第2ブレーキ手段B2、第2遊星歯車機構2のサンギヤ2S
を固定する第3ブレーキ手段B3、第1遊星歯車機構1の
サンギヤ1Sを固定する第4ブレーキ手段B4が、それぞれ
設けられている。そして出力軸5が第3遊星歯車機構3
のキャリヤ3Cに連結されている。
この第3図に示す自動変速機であっても第2表として
示す作動表のとおり、複数の変速段で複数種類の係合・
解放パターンが可能である。
したがって第3図に示す構成の自動変速機において
も、前述した例と同様に、中立(N)レンジから前進
(D)レンジにシフトした場合に、前進第1速を第2表
のうち*印を付した摩擦係合手段をも係合させて設定
し、あるいは第2速をa欄の*印を付した摩擦係合手段
をも係合させて設定することにより、油圧の立ち上がり
およびそれに伴う出力軸5のトルクの変化が緩慢となっ
て、シフトに伴うショックを解消もしくは低減すること
ができる。またそのような係合・解放パターンの変更
は、第1図に示す例と同様に電子コントロールユニット
や油圧制御装置によって行なわれる。
ところで第3図には、各摩擦係合手段を多板構造のも
ののシンボルで示したが、第1図に示す構成と同様に、
それらの摩擦係合手段のいずれかを一方向クラッチを含
む構成とすることができる。
また上述した実施例では、油圧を供給すべき摩擦係合
手段の数を多くして油圧の必要供給量を多くすることと
したが、この発明は上記の実施例以外に、例えば油路の
途中にアキュームレータを備えた摩擦係合手段を係合さ
せるパターンを選択し、これにより油圧の必要供給量を
多くする構成としてもよい。さらにこの発明は要は、出
力軸トルクの急激な変化を抑えるよう係合・解放パター
ンを選択する制御を行なうものであり、したがって走行
レンジのシフトの際に先ず設定する変速段は例えば前進
第3速であってもよく、またエンジン出力が小さいなど
の条件に応じては、走行レンジにシフトした際に先ず第
2速を第1表もしくは第2表のb欄のうち*印の摩擦係
合手段をも係合させるパターンで設定する構成としても
よい。
そして上述した各実施例は三組のシングルピニオン型
遊星歯車機構によって歯車列を構成した例であるが、こ
の発明はダブルピニオン型遊星歯車機構を使用して歯車
列を構成した自動変速機にも適用することができ、要
は、例えば本出願人が既に出願した特願平1−185151
号、特願平1−185152号、特願平1−186991号、特願平
1−186992号、特願平1−205478号、特願平1−280957
号などの明細書および図面に記載した各構成のように、
いずれかの変速段を設定するための係合・解放パターン
が複数種類ある自動変速機にこの発明を適用することが
できる。
発明の効果 以上の説明から明らかなようにこの発明の自動変速機
によれば、走行レンジにシフトした際に必要とする油圧
の供給量が多くなるので、係合させるべき摩擦係合手段
での油圧の立ち上がりが緩慢となり、それに伴って出力
軸トルクの増大が緩かとなってショックの発生が解消さ
れ、あるいはショックが低減される。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示すスケルトン図、第2
図は係合・解放パターンの変更制御の一例を示すフロー
チャート、第3図はこの発明の他の実施例の歯車列を示
すスケルトン図である。 1,2,3…遊星歯車機構、1S,2S,3S…サンギヤ、1C,2C,3C
…キャリヤ、1R,2R,3R,…リングギヤ、4…入力軸、5
…出力軸、C…油圧制御装置、E…電子コントロールユ
ニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−18644(JP,A) 特開 昭58−109726(JP,A) 特開 昭51−34362(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧によって動作される複数の摩擦係合手
    段とこれらの摩擦係合手段の係合・解放の状態に応じて
    変速比の互いに異なる複数の変速段に設定される歯車列
    とを有するとともに、入力軸から出力軸への動力の伝達
    を行わない中立レンジもしくは停止レンジとこれらの軸
    の間での動力の伝達を行う走行レンジとの少なくとも二
    つのレンジに選択的に設定される車両用自動変速機にお
    いて、 前記歯車列が、前記中立レンジもしくは停止レンジから
    前記走行レンジに切り換えた際の変速段を設定するため
    の摩擦係合手段の係合・解放の組合せパターンが複数種
    類ある構成とされ、前記中立レンジもしくは停止レンジ
    から走行レンジに切換えた際の変速段を設定する摩擦係
    合手段の係合・解放の組合せパターンとして前記複数の
    組合せパターンのうちから、係合させるべき摩擦係合手
    段に対する油圧の上昇が緩慢となるパターンを選択して
    設定する制御手段を備えていることを特徴とする車両用
    自動変速機。
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