JP2808769B2 - サーマルヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

サーマルヘッドおよびその製造方法

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ファクシミリやプリンタ等の記録部品であ
るサーマルヘッドおよびその製造方法に関するものであ
る。
従来の技術 薄膜型のサーマルヘッドとしては、従来より第3図に
示した構造のものが用いられている。図において、1は
絶縁性基板、2はその絶縁性基板1上の主走査方向に一
列に設けた発熱抵抗体群、3はその発熱抵抗体群2上に
設けた一対の対向電極群、4は発熱抵抗体群2上と対向
電極群3上の発熱抵抗体群2の近傍部分に設けた耐摩耗
保護膜である。このサーマルヘッドの耐摩耗保護膜4に
は、感熱紙に圧接して摺動させることから生じる摩耗を
防止するために、耐摩耗性に優れていることが要求され
る。また耐摩耗保護膜4は発熱抵抗対向群2より熱エネ
ルギーを伝えられ、高温に熱せられるので耐熱性にも優
れていることが要求される。
従来のサーマルヘッドには、スパッタリング法により
形成された酸化タンタル(Ta2O5)、炭化シリコン(Si
C)、窒化シリコン(SiN)等が用いられてきた。しか
し、Ta2O5は硬度が小さく耐摩耗性に劣り、SiCは遊離カ
ーボンと感熱紙が反応し異常摩耗がおこり、さらにSiN
はひずみによる応力が大きいため膜を厚くするとはがれ
やすくなる。一般にスパッタリング法では、高速成膜時
に大電力を投入した際、スプラッツ粒が発生しやすく、
これにより耐摩耗保護膜4に粒状突起物や、その脱離に
よるピンホールが発生したり、導体層パターン(導体層
厚み1μm程度)の段差被覆が不十分等のため、これら
欠陥部分を通して、下層膜の電界腐食を招くケースがあ
る。
以上のことを解決するため、プラズマCVD(ケミカル
ベーパー デポジション)法は有用である。プラズマ
CVD法は原料にガスを用い、これに高周波をかけ、プラ
ズマ中で分解し基板上に膜を堆積させる方法である。プ
ラズマCVD法はスパッタリング法に比べ、エネルギー
(電力)が小さくてすみ、異常放電による粒状突起、ピ
ンホール等が生じにくい、また緻密かつ段差被覆性に優
れているため、下層膜の電界腐食が生じにくく、信頼性
が格段に改善される。
またプラズマCVD法を用いた保護膜としては、SiN(シ
リコンナイトライド)膜が一般的に用いられているが、
前述したように応力が大きく、サーマルヘッド保護膜と
して必要な5μm程度に厚くつけると、ひずみによる応
力割れが生じる。そのためこのSiN膜にO(酸素)原子
を加え応力を緩和したSiON(シリコンオキシナイトライ
ド)膜が使用されている。
発明が解決しようとする課題 しかし、このSiON膜を熱転写記録方式サーマルヘッド
耐摩耗保護膜に用いると、熱転写シートもSiON膜も絶縁
物のため、両者の間の摩擦により静電気が発生し、耐摩
耗保護膜に絶縁破壊が生じてしまう。そのため絶縁破壊
の生じない耐摩耗保護膜が必要とされている。
本発明はこのような課題を解決し、絶縁破壊の生じな
い耐摩耗保護膜を有するサーマルヘッドおよびその製造
方法を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 この課題を解決するために本発明は、絶縁性基板上の
主走査方向に一列に発熱抵抗体群を設ける工程と、この
発熱抵抗体群上に一対の対向電極群を設ける工程と、前
記発熱抵抗体群上と前記対向電極群上の発熱抵抗体群の
近傍部分に、原料ガスとしてSiH4と、N2と、B2H6を用い
プラズマCVD法により耐摩耗保護膜を形成する工程とを
有し、前記耐摩耗保護膜の抵抗率が1010Ω・m以下にな
るように前記SiH4と前記B2H6の流量比を調整することを
特徴とするものである。
作用 以上のように耐摩耗保護膜の形成に原料ガスとしてSi
H4と、N2と、B2H6を用い前記SiH4と前記B2H6の流量比を
調整することによりプラズマCVD法で前記耐摩耗保護膜
の抵抗率を1010Ω・m以下にすることができるため、前
記耐摩耗保護膜に適度な導電性が付与され接触型記録ヘ
ッドを利用するファクシミリやプリンタにおいて必須と
なる30kmの印字走行試験を行っても静電気による絶縁破
壊が発生しないようにすることができる。
実施例 以下本発明を実施例を用いて説明する。
第3図において、絶縁性基板1上の主走査方向に一列
に発熱抵抗体2群と、一対の対向電極3群を形成すると
ころまでは従来例と同じであるから省略する。本実施例
では、その後の耐摩耗保護膜4を形成する時、SiH4,N2
を原料ガスとして用い、Bの供給源としてB2H6ガスを用
い、プラズマCVD法により堆積したSiBxNy膜について述
べる。成膜条件としては、SiH4流量20sccm、N2流量400s
ccm、入射電力500W、基板温度30℃、圧力1Torr、電極間
隔20mmとし、B2H6流量を変化させた。
第1図にB2H6流量を変化させた場合の抵抗率の変化を
示した。横軸はSiH4とB2H6の流量比をとっている。B2H6
流量が0sccmのとき、すなわちSiN膜では1012Ω・m台だ
った抵抗率が、B2H6流量の増加に伴って減少していくこ
とがわかる。抵抗率は109Ω・m台に達し、従来のSiON
膜の抵抗率1013Ω・m台に比べ大幅な抵抗率の低下とな
った。第2図にB2H6流量を変化させた場合の硬度を示
す。硬度HvはB2H6流量によってはあまり変化せず、1500
kg/mm2程度の値を示した。
さらに、いくつか条件を変えてプラズマCVD法により
形成した本発明のSiBxNyを保護膜としたサーマルヘッド
とプラズマCVD法により形成したSiONを保護膜としたサ
ーマルヘッドについて比較実験を行った。実験は熱転写
方式印字走行試験で行い、通電条件はパルス幅3.6mse
c.,1ライン周期10msec.,印加電力0.3W/dotである。SiON
保護膜を持つサーマルヘッドでは摺動時に転写シートと
の間に生じる静電気により抵抗体、保護膜が破壊し、1k
mも印字走行しないうちに印字できなくなった。SiBxNy
保護膜のサーマルヘッドでは、1010Ω・m以下の抵抗率
を持つSiBxNy保護膜を有するサーマルヘッドについて
は、30km印字走行しても不良が生じなかった。これは膜
が導電性を有するため静電気による絶縁破壊が生じない
ためである。
本実施例では、原料ガスとしてSiH4,N2,B2H6を用い
たが、SiH4の代わりにSi2H6を用いれば、Si2H6→SiH2
SiH4の反応が起こり成膜速度を上げることができる。こ
の場合他のN2,B2H6の流量も多くし膜の組成を一定にす
る必要がある。またBF3を用いれば、H+F→HF↑の反
応により膜中の水素(H)が減り耐熱性が向上し、さら
に硬度も大きくなる。
また本実施例では、成膜時の基板温度を350℃とした
が、この理由は以下の通りである。サーマルヘッドが発
熱した場合、膜に珪素(Si)と結合した水素が含まれて
いると、Si−H結合が小さいため熱エネルギーによりそ
の結合が切れ水素が放出され、膜のクラック、気泡の原
因となる。そのため、基板をあらかじめ高い温度(350
℃程度)に保っておくと、成膜段階で膜から水素が放出
され、膜中に水素が取り込まれにくくなる。また膜中の
水素が少なくなると膜の密度が大きくなり、それにつれ
て硬度が大きくなる。このように、耐熱性、硬度の向上
を図るためには基板温度を高くする必要がある。さらに
抵抗体、電極等の下地との付着力の向上も図れる。
以上述べたように本発明によれば、熱転写記録方式用
サーマルヘッド耐摩耗保護膜をプラズマCVD法により形
成でき、その耐静電気性を高め性能を向上できる。
発明の効果 以上説明したように本発明は、耐摩耗保護膜の形成に
原料ガスとしてSiH4と、N2と、B2H6を用い前記SiH4と前
記B2H6の流量比を調整することによりプラズマCVD法で
前記耐摩耗保護膜の抵抗率を1010Ω・m以下にすること
ができるため、前記耐摩耗保護膜に適度な導電性が付与
され接触型記録ヘッドを利用するファクシミリやプリン
タにおいて必須となる30kmの印字走行試験を行っても静
電気による絶縁破壊が発生しないようにすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はSiBxNy膜の抵抗率に対するB2H6/SiH4流量比依
存性を示す特性図、第2図はSiBxNy膜の硬度に対するB2
H6/SiH4流量比依存性を示す特性図、第3図は一般的な
サーマルヘッドの断面図である。 4……耐摩耗保護膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平尾 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 北川 雅俊 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−156822(JP,A) 特開 平1−306564(JP,A) 特開 昭61−291154(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/335

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板上の主走査方向に一列に発熱抵
    抗体群を設ける工程と、この発熱抵抗体群上に一対の対
    向電極群を設ける工程と、前記発熱抵抗体群上と前記対
    向電極群上の発熱抵抗体群の近傍部分に、原料ガスとし
    てSiH4と、N2と、B2H6を用いプラズマCVD法により耐摩
    耗保護膜を形成する工程とを有し、前記耐摩耗保護膜の
    抵抗率が1010Ω・m以下になるように前記SiH4と前記B2
    H6の流量比を調整することを特徴とするサーマルヘッド
    の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の製造方法により形成され
    たサーマルヘッド。
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