JP2808493B2 - 検体中の生体数の測定方法 - Google Patents

検体中の生体数の測定方法

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哲郎 高橋
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  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品、排水、工業用純水
などの検体(液中)に存在する生体(微生物)の数を迅
速に計数する検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の検出方法として、従来寒天培養に
よる方法がよく使われるが、この方法は培養操作を必要
とするため、測定に24時間〜数日の長時間を必要とす
る。このため生体測定時間の短縮が試みられている。例
えば、ATP法やウンベリフェロン誘導体、フルオレセ
イン誘導体を用いる方法が提案されている。
【0003】ATP法は生体細胞に存在するATPにル
シフェリンルシフェラーゼ酵素を作用させると発光する
ことを利用して、この光量を計測することにより生体の
濃度を測定する方法である。
【0004】ウンベリフェロン誘導体を用いる方法は生
菌にウンベリフェロン誘導体を作用させたときに生ずる
ウンベリフェロンの蛍光を測定する方法である。
【0005】しかし、ATP法、ウンベリフェロン誘導
体法のいずれも発光量が微弱であるため、生体細胞濃度
で104 個/ml以上存在しないと測定が困難である欠
点があり、低濃度では4〜5時間以上かけて予備培養し
て濃度を高めた後に測定する必要がある。
【0006】フルオレセイン誘導体を用いる方法は式1
に示すように生体細胞中のエステラーゼが触媒となり、
加水分解反応により細胞周辺に蛍光物質が生成され、こ
の蛍光を検出することにより生体を検出する方法であ
る。
【化1】
【0007】生体細胞中に生じたフルオレセインを励起
するのに必要な波長を有する光を照射した際に得られる
蛍光スペクトルは波長510nm〜550nm付近に最
大蛍光強度を有する。従って、特定の波長の発光を検出
する必要がある。この事から、検体の溶液成分に同じ波
長の発光がある場合には生体による発光との区別ができ
なくなりS/N比(検出した生体からの光の信号Sと計
測上のノズルNとの比)が低下する。すなわち、この方
法が適用できる検体溶液には溶液自体が該特定波長の発
光を含まないことが必要で、使用できる溶液の種類に制
約があった。またこの方法は加水分解を利用した間接的
方法であるため、溶液のpHにより発光量が大幅に変化
するので、検体液はpH調整した後、一定のpH条件下
で発光させる必要があるなど、測定前の前処理が複雑で
ある欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記技術水準
に鑑み、生体細胞と直接的に反応して溶液のpHの発光
量への影響が少なく、検体溶液自体の吸発光スペクトル
に応じてその波長領域を避けるような蛍光物質をその誘
導体の中で選択でき、かつ生体の存在により十分大きな
発光が得られる生菌の検出方法を得る方法を提供しよう
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は検体中の生体と
直接反応して発光物質に変化するマレイミド基を有する
非発光物質を検体中の生体に添加し、生成した発光物質
に励起光を照射し、これにより発光する光を検出するこ
とを特徴とする検体中の生体数の測定方法である。
【0010】すなわち、本発明では生体細胞と直接的に
反応して非蛍光体を蛍光物質や燐光物質に変換するマレ
イミド基の誘導体を検体に添加して、生体の発光を光電
子増倍管で検出し計数する手段を採用するものである。
【0011】なお、マレイミド基の誘導体としては例え
ば、N−(3−フルオランチル)マレイミド、N−(1
−ピレニル)マレイミド、エオシン−5−マレイミドな
どを使用し、これらは検体を含む溶液の種類(溶液自体
の吸発光スペクトル)により選択される。
【0012】この反応機構を式2に示す。
【化2】
【0013】
【作用】マレイミド基の誘導体は一般に非発光性であ
り、生体細胞に存在するSH基と反応して蛍光物質を生
成する。SH基はほとんど全ての生体に存在して、この
反応の活性は細胞が死んでいるときは小さくなりほとん
ど発光しない。マレイミド基誘導体による方法は、先に
挙げた方法のように生体が触媒となり加水分解により蛍
光体を生成するような間接的な発光でないため検体溶液
のpHに影響を受けにくい。
【0014】また吸発光のスペクトルはマレイミド基自
体により決まるのではなく、マレイミド基と結合する物
質の分子構造により決まる。従ってこの分子構造を変え
ることにより300〜600nmの波長範囲で任意の発
光波長が得られる。例えばマレイミドと結合する物質を
フルオランチル{N−(3−フルオランチル)マレイミ
ド}とすれば、460nm付近、またピレニル{N−
(1−ピレニル)マレイミド}とすれば370〜450
nmの生体による発光が得られることを実験により確認
している。この場合、マレイミド基は生体のSH結合と
反応して結合物質の電子状態を変えて蛍光物質に変える
作用を担う。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例を図1により説明する。反
応槽3に被検査体である検体溶液を流入ライン1から流
入させ、ここでマレイミド基をもつ薬品注入ライン2を
介して蛍光薬品、すなわちマレイミド基の誘導体と混合
させる。薬品量は概略0.01〜1mg/mlとする。
混合して生体による発光体を含んだ試料液は一定の滞留
時間を経て試料液流入ライン4から連続的にフローセル
5に達する。
【0016】ここで励起光を光源7から光の幅を制限す
るスリット8、一定波長の光を得るフィルタ9及び焦光
レンズ10を介してフローセル5内の試料に照射する
と、生体はマレイミド基誘導体と反応して特定波長の発
光を発生する。この光を焦光レンズ11、特定の発光を
検出するフィルタ12を介して光電子増倍管13で検出
し、この数をカウンタ14でカウントすることにより検
体液中の生体個数が計数できる。
【0017】実施例で、例えばN−(1−ピレニル)マ
レイミドでは395nm付近、または375nm付近、
またN−(3−フルオランチル)マレイミドでは460
nm付近の発光波長を検出すれば高いS/N比で生体細
胞を識別できる。図2にN−(1−ピレニル)マレイミ
ドを用いた生体(大腸菌)の発光スペクトルの測定例を
示す。フルオレセイン誘導体と同様に、十分強い蛍光
が得られるにも拘らずフルオレセインと異なり溶液のp
H依頼性が極めて小さい。なお、図2中は生きた菌の
蛍光スペクトル、は死んだ菌の蛍光スペクトルを示
す。図3の(a)、(b)に、N−(1−ピレニル)マ
レイミドとフルオレセインジアセテートをそれぞれ大腸
菌の生きたものを含有する液(生菌)と死んだものを含
有する液(死菌)に加え反応させて、得られた蛍光スペ
クトルの強度とブランク比の例を示す。菌体を含有する
液のpHは4〜10の間のものを使用した。生菌と死菌
の含有液中の菌体濃度は同一とした。図中の発光強度は
観測した蛍光波長に於けるものであり、菌体を含む液の
蛍光強度より菌体を含まない液のみの場合の蛍光強度を
差し引いた値(A 1 およびA 2 )である。ブランク比は
蛍光強度A 1 またはA 2 と液のみの場合の蛍光強度(ブ
ランク値)との比(A/ブランク値)である。N−(1
−ピレニル)マレイミドを使用した際の励起波長(E
X)は340nm、観測した蛍光波長(EM)は395
nmであり、フルオレセインジアセテートを使用した際
の励起波長(EX)は456nm、観測した蛍光波長
(EM)は545nmである。 N−(1−ピレニル)マ
レイミドを用いた場合、pH4〜9の広い範囲で生菌の
発光強度は死菌の発光強度より十分に高い事を示してお
り、生菌と死菌の両者を含有する液中で生菌を検出する
のにN−(1−ピレニル)マレイミドが適していること
を示している。実施例の図1に示した装置で生菌を検出
し計数するにはブランク比が高いことが望ましい。N−
(1−ピレニル)マレイミドを使用して広いpH範囲で
高いブランク比が実現できている。 フルオレセインジア
セテートを使用した際には検討したpH範囲内で生菌は
死菌よりも発光強度が高いが、その差はN−(1−ピレ
ニル)マレイミド使用の場合と比較して少ない。また、
生菌と死菌共に発光強度は液のpHの影響を受けて 上昇
している。蛍光顕微鏡で観察したところ、pH値が高く
なるにつれて菌体以外の液部分の発光強度が上昇してい
た。pH値が上昇すると共に死菌および液自身の発光強
度が上昇することは、生菌のみを検出する為には好まし
くない。この事はブランク比の値に現れている。つま
り、ブランク比の値のピーク部分がpH5〜6.5と狭
い上に、ブランク比の値はN−(1−ピレニル)マレイ
ミドを使用した際より大幅に小さい。 広いpH範囲の検
体液に含有される生体数を測定するのにフルオレセイン
ジアセテートに比べN−(1−ピレニル)マレイミドは
適しており、検体中の生体と直接反応して発光物質に変
化するマレイミド基を有する非発光物質を検体中の生体
に添加し、生成した発光物質に励起光を照射し、これに
より発光する光を検出することで検体中の生体数を測定
できることを見出した。
【0018】
【発明の効果】本発明により、従来24時間〜数日の長
時間要していた生体細胞の測定が5〜20分程度で、連
続的に実施可能となり、また低濃度の生体の検出にも適
用できる。かつマレイミド基と結合する分子の構造を適
当に選択すれば検体の溶液自体の発光波長域を避けるこ
とができるため、多くの種類の溶液中の生体検出に適用
可能となる。したがって本発明により、食品溶液や半導
体の洗浄用純水などに含まれる微生物の検出を速やか
に、かつ高精度で実施することが可能となり、検査の省
力化や品質管理の質の向上など経済的・技術的効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す説明図。
【図2】本発明の一実施例の結果を示す図。
【図3】本発明の一実施例の結果を示す図。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体中の生体と直接反応して発光物質に
    変化するマレイミド基を有する非発光物質を検体中の生
    体に添加し、生成した発光物質に励起光を照射し、これ
    により発光する光を検出することを特徴とする検体中の
    生体数の測定方法。
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