JP2808137B2 - 金属錯塩染料及びその染料の製造方法並びに金属なめし革染色用金属錯塩染料及び金属なめし革の染色方法 - Google Patents

金属錯塩染料及びその染料の製造方法並びに金属なめし革染色用金属錯塩染料及び金属なめし革の染色方法

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JP2808137B2
JP2808137B2 JP1156404A JP15640489A JP2808137B2 JP 2808137 B2 JP2808137 B2 JP 2808137B2 JP 1156404 A JP1156404 A JP 1156404A JP 15640489 A JP15640489 A JP 15640489A JP 2808137 B2 JP2808137 B2 JP 2808137B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、主に皮革の染色に用いられる新規な金属錯
塩染料及びその製造方法並びにその金属錯塩染料を使用
して金属なめし革を染色する方法及び金属なめし革染色
用金属錯塩染料に関する。
[従来の技術] 皮革の染色において使用される染料の大半は、水可溶
性基を有する酸性染料、直接染料、金属錯塩染料、媒染
染料等のアニオン系染料であって、カチオン性の高い、
クロムなめし革等に対しては、従来ほとんど、スルホン
基を有する染料が使用されている。
例えば、特開昭58−40357号、特開昭56−59871号、特
開昭57−171776号、特開昭57−171778号及び特開昭60−
259685号には、摩擦堅牢性、耐水性、耐洗濯性、耐光
性、染着性、均染性、浸透性等の諸性質の向上を目的と
して金属錯塩染料が提案されているが、これらの染料は
何れも、水可溶性基としてスルホン基またはカルボキシ
ル基を有する。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来、皮革、取り分け金属なめし革の
染色に使用されてきた染料及び染色方法は、染着力の強
さ、摩擦堅牢性及び浸透性の点で、十分に満足し得るも
のとは言えなかった。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、特に金
属なめし革の染色において浸透性が良好で、染色物の摩
擦堅牢性及び、就中耐光堅牢性に優れた、金属錯塩染料
及びその染料の製造方法並びに金属なめし革染色用金属
錯塩染料及び金属なめし革の染色方法を提供することを
目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を
重ねた結果、ホスホン基を有する特定のポリアゾ色素の
新規な金属錯塩染料が、特に金属なめし革の染色に用い
た場合に、浸透性が良好であり、染色物の摩擦堅牢性及
び、就中耐光堅牢性に優れるものであることを見出し、
本発明を完成したものである。
本発明の金属錯塩染料は、下記式〔I〕〜〔III〕で
それぞれ表わされる、金属化可能なポリアゾ色素金属錯
塩染料である。
[式〔I〕〜〔III〕中、 Psは遊離酸又は塩の形でホスホン基を示し、Sfは遊離酸
又は塩の形でスルホン基を示し、mは0、1又は2であ
る。また、R1は水素原子又はアミノ基を示し、Xは水酸
基、炭素数1もしくは2のアルコキシ基又はカルボキシ
ル基を示す。
Yは水酸基、炭素数1もしくは2のアルコキシ基、カル
ボキシル基又はメチル基を示し、R2は水素原子又は水酸
基を示し、Aは、下記〜よりなる群 (〜中、Sfは前記と同意義であり、nは0、1又は
2である。また、R3は水酸基又はカルボキシル基を示
し、R4は水酸基、カルボキシル基又はアミノ基を示し、
R5及びR6は、それぞれ、水酸基又はカルボキシル基を示
し、R7及びR8は、それぞれ、水素原子、水酸基又はアミ
ノ基を示す。) から選ばれたフェニル基又はナフチル基を示す。
Bは、上記において、R3に代えて、水酸基、カルボキ
シル基又はアミノ基を示すR9を有する以外は、前記Aと
同意義である。] すなわち、本発明の金属錯塩染料は、式〔I〕〜〔II
I〕で表わされるテトラキスアゾ色素又はトリスアゾ色
素を金属化することにより得られるものであり、式
〔I〕で表わされる金属化可能なポリアゾ色素の金属錯
塩染料は、例えば次式〔a〕のような構造のものであ
る。
また、式〔II〕で表わされる金属化可能なポリアゾ色
素の金属錯塩染料は、例えば次式〔b〕〜〔d〕のよう
な構造のものである。
更に、式〔III〕で表わされる金属化可能なポリアゾ
色素の金属錯塩染料は、例えば次式〔e〕〜〔h〕のよ
うな構造のものである。
[式〔a〕〜〔h〕中、Ps、Sf、R1、R2、R4、R7、R8
X、Y、m及びnは前記と同意義である。また、Zは−
O−又は−COO−を示し、Meは、銅、ニッケル、コバル
ト、鉄又はクロムなどの金属を示す。] 金属は、式〔I〕及び〔III〕の色素に対しては、ほ
とんどの場合、色素1分子につき、最大で2原子が配位
しているが、何れか1原子のみ配位するものも、本発明
の金属錯塩染料に含まれる。
本発明において、Psは、アゾ基に対してo−、m−又
はp−位に置換したホスホン基であって、遊離酸又は塩
の形をとる。
このホスホン基を−P(=O)(OM)と表わすと、
遊離酸の形ではMは水素、塩の形では、Mは、ナトリウ
ム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属、NH4など
のアンモニウム又はアルカノールアミンなどのアミン等
となる。
また、本発明の染料は、スルホン基を有してもよい。
この場合のスルホン基は、上記ホスホン基の場合と同
様に、遊離酸又は塩の形をとる。
この、遊離酸又は塩の形のスルホン基を、−SO3Mと表
わすと、遊離酸の形では、Mは水素、塩の形では、M
は、アルカリ金属、アンモニウム又はアミン等となる。
但し、本発明の染料において、1個又は2個のホスホ
ン基及び1個又は2個以上のスルホン基中のMは、同じ
であっても、互いに異なっていてもよい。
式〔I〕で表わされる金属化可能なポリアゾ色素は、
o−、m−又はp−アミノベンゼンホスホン酸のジアゾ
ニウム塩を、酸性雰囲気下で、 式〔IV〕 [式中、R1、Sf及びmは前記と同意義である。] を形成するナフトール類又はそのスルホン酸誘導体と反
応させて、 式〔V〕 [式中、R1、Ps、Sf及びmは前記と同意義である。] で表わされるモノアゾ化合物を得、次いで、そのモノア
ゾ化合物を、アルカリ性雰囲気下で、 式〔VI〕 [式中、Xは前記と同意義である。] で示されるベンジジン誘導体のテトラゾニウム塩とカッ
プリングさせることにより得ることができる。
また式〔II〕で表わされる金属化可能なポリアゾ色素
は、 式〔VII〕 [式中、Yは前記と同意義である。] で示されるベンジジン誘導体のテトラゾニウム塩を、酸
性雰囲気下で、 式〔VIII〕 [式中、R2、Sf及びmは前記と同意義である。] を形成するカップラーと反応させることにより、 式〔IX〕 [式中、Y、R2、Sf及びmは前記と同意義である。] で示される化合物を得、次いでその化合物を、o−、m
−又はp−アミノベンゼンホスホン酸のジアゾニウム塩
と、アルカリ性雰囲気下で反応させた後、その反応生成
物を、好ましくは中性雰囲気下で、更に、A(Aは前記
と同意義である。)を形成するカップラーと反応させる
ことにより得ることができる。
更にまた、式〔III〕で表わされる金属化可能なポリ
アゾ色素は、前記式〔VI〕で表わされるベンジジン誘導
体のテトラゾニウム塩を、酸性、中性又はアルカリ性雰
囲気下で、B(Bは前記と同意義である。)を形成する
カップラーと反応させ、その反応生成物を、更に前記式
〔V〕で表わされるモノアゾ化合物と反応させることに
より得ることができる。
次に、上記式〔I〕〜〔III〕のポリアゾ色素の製造
において適宜選択して用いられる化合物を例示列挙す
る。
アミノベンゼンホスホン酸としては、o−、m−又は
p−アミノベンゼンホスホン酸を使用し得る。好ましく
は、m−又はp−アミノベンゼンホスホン酸である。
ベンジジン誘導体としては、例えば、3,3′−ジヒド
ロキシベンジジン、3,3′−ジメトキシベンジジン、3,
3′−ジエトキシベンジジン、3,3′−ジカルボキシベン
ジジン及び3,3′−ジメチルベンジジンを挙げることが
できる。
式〔IV〕を形成するカップリング成分としては、例え
ばH酸、S酸、K酸が挙げられる。
また式〔VIII〕を形成するカップリング成分として例
えばH酸、S酸、K酸が挙げられる。
更に、Aを形成するカップラーとしては、m−ヒドロ
キシ安息香酸、m−アミノフェノール、m−フェニレン
ジアミン、ピロカテコール、サリチル酸、H酸、S酸、
K酸、M酸、クロモトロープ酸、J酸、2R酸、R酸、NW
酸、シェーファ酸等が挙げられる。
本発明の金属錯塩染料は、上記ポリアゾ色素を、酸性
又は塩基性雰囲気下、水および/または有機溶媒中、金
属付与剤と反応させることにより得ることができる。こ
の場合の金属化は、それ自体公知の方法、例えば、特開
昭58−40357号記載の方法により行なうことができる。
具体的には、式〔I〕〜〔III〕で表わされる金属可
能なポリアゾ色素1モルに対して、金属付与剤を加え
て、酸性又は塩基性雰囲気下、水および/または有機溶
媒中、70℃〜150℃で色素が完全に認められなくなるま
で反応することにより得られる。
本発明製造方法においては、銅、ニッケル、コバル
ト、鉄又はクロム錯塩は、用いる色素によって、色素1
分子につき金属1又は2原子が配位した金属策塩染料と
して得られる。
生成した金属錯塩染料は、噴霧乾燥、ドラム乾燥など
の直接的手段により、或は、酸析、塩析などにより単離
することができる。また、酸析物をアミンで処理すれ
ば、所望のアミン塩として得ることができる。
金属化の際に使用できる溶媒としては、水溶性有機溶
剤、例えば、ホルムアミドもしくはジメチルホルムアミ
ド、グリコール類又はそのモノアルキルエーテルが挙げ
られる。
金属付与剤は、主として無機又は有機酸の、銅、ニッ
ケル、コバルト、鉄又はクロム塩等を使用し得る。銅付
与剤としては、例えば、硫酸銅、塩化銅、酢酸塩、蟻酸
銅及び炭酸銅である。ニッケル付与剤としては、例えば
硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル及び蟻酸ニ
ッケルである。他の金属付与剤としては、例えば、酢酸
コバルト、塩化コバルト、塩化第二鉄、酢酸クロム、蟻
酸クロム、硫酸クロム及びサリチル酸クロムを使用し得
る。
金属付与剤の使用量は、用いる色素により異なるが、
色素1分子に配位する金属原子の数をqとすると、金属
量を、(1.0〜1.5)×qグラム原子とすることが好まし
い。
金属化は、好適にはアルカリ金属及びアルカリ土金属
の炭酸塩又はアンモニアもしくは低級アミンの存在下で
行なわれる。
尚、本発明製造方法において、ポリアゾ色素の置換基
X又はYがC1〜C2のアルコキシである場合は、金属化は
有機溶媒中で行なうことが好ましい。
このようにして得られるホスホン基を有する新規な金
属錯塩染料は、皮革染料に要求される、温度約50℃、pH
3〜6の条件下、従来の酸性染料と同様な処理法におい
て染色に使用することができる。
金属なめし革の染色工程としては、一般の染色工程を
用いることができる。
染色対象となる革の金属なめしの種類としては、クロ
ムなめしのほか、アルミニウムなめし、チタンなめし、
ジルコニウムなめし等がある。
染色工程の例を挙げれば次の通りである。
一定の厚さにシェービングされたクロムなめし革に、
染色の前処理工程として水洗工程及び中和工程を施した
後、染色を行ない、蟻酸を加えて定着し、引き続き加脂
を行ない、中和する。
前処理工程における水洗工程は、革中の未結合なめし
剤の除去、革中の未結合酸の除去、革に付着した異物の
除去及び革の組織をほぐすこと等を目的とするものであ
り、ドラムを用いた流水水洗によることができる。
前処理工程における中和工程は、水洗だけでは除去さ
れない革のコラーゲンやクロム錯塩に結合している酸を
中和して染料や加脂剤の浸透の均一化を計るものであっ
て、アルカリ性または弱アルカリ性塩類等の中和剤を用
いたpH5〜6での30分〜2時間の中和処理によることが
できる。
中和剤としては、重炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、蟻酸ナトリウム等が挙げられる。
染色は、本発明方法に使用する染料を用いてドラム染
色,パドル染色等により希望の色に染める。ドラム染色
は、シェービング重量に対して190〜300%の水(50〜60
℃)を使用し、回転しながら染料溶液を添加し、pH4,5
〜6で所定時間処理することにより行い得る。
加脂は、染色の後、新たな浴中に加脂剤を添加して行
うことができる。加脂剤としては、生油,合成油脂のほ
か、ノニオン性,アニオン性,カチオン性の加脂剤等を
使用し得る。
なお、本発明方法は、ウエットブルー等のクロム単独
なめしの革のほか、クロムなめし後タンニン再なめしを
行った革やタンニンなめし後クロム再なめしを行った革
にも適用できる。而してクロムなめしを施した革であれ
ば、牛,豚,馬,羊,山羊等の革の種類を問わない。ま
た、アルミニウムなめし革、チタンなめし革、ジルコニ
ウムなめし革にも適用できる。
[作用] 本発明の金属錯塩染料が金属なめし革の染色において
果たす作用の機構自体は明かでないが、本発明の染料が
有するホスホン基が金属なめし革中の金属、例えば、ク
ロムイオンと配位結合又は反応して結合することによ
り、従来使用されてきたスルホン基やカルボキシル基を
有する染料に比し摩擦堅牢性に優れ且つ浸透性が良好な
ものとなり、而も、金属化により光に対して安定な金属
錯塩構造を形成し、耐光性が向上するものと推定され
る。
[発明の効果] 本発明の金属錯塩染料は、金属なめし革に対する浸透
性が良好であり、本発明の金属錯塩染料による金属なめ
し革の染色物は、ホスホン基を有しないアゾ系酸性染料
等に比し摩擦堅牢性に優れ、ホスホン基を有するアゾ染
料に比し耐光堅牢性に優れる。
[実施例] 以下、実施例により、さらに詳細に本発明を説明する
が、いうまでもなく、本発明は、その要旨を越えない限
り、以下の実施例により何ら制約を受けるものではな
い。
[金属化可能なジスアゾ色素の合成] 実施例1 104g(0.6mol)の3−アミノベンゼンホスホン酸を、
400mlの水に90gの濃塩酸を溶解させた水溶液中に溶解さ
せ、氷を加えて0℃とし、42gの亜硝酸ナトリウムを溶
解した水溶液を用いてジアゾ化した。そして、生成した
ジアゾニウム塩の溶液中の過剰の亜硝酸をスルファミン
酸を用いて分解した後、そのジアゾニウム塩の溶液に30
gの尿素を加えて0℃で30分間撹拌した。
一方、191g(0.6mol)のH酸を1500mlの水に完溶し、
炭酸ナトリウムを加えてpH6.5〜7.0に調整し、これを上
記ジアゾニウム塩の溶液に加えた後、50gの酢酸ナトリ
ウムを加え、次いで、炭酸ナトリウム水溶液でpH3と
し、0℃〜10℃で一夜撹拌し、モノアゾ色素液を調製し
た。
次に、65g(0.3mol)の3,3′−ジヒドロキシベンジジ
ンを、500mlの水に90gの農塩酸を溶解させた水溶液に溶
解させ、氷を加えて0℃とし、42gの亜硝酸ナトリウム
を溶解した水溶液を用いてテトラゾ化し、これを先のモ
ノアゾ色素液に加え、pH8〜9、0℃〜8℃で5時間撹
拌後、60℃に昇温して、ろ過、水洗、乾燥することによ
り、350gのテトラキスアゾ色素(色素例(1)。色素例
は、遊離酸の形で後記する。)を得た。
実施例2 28g(約0.1mol)のベンジジン−3,3′−ジカルボン酸
を600mlの水に加え、次に、炭酸ナトリウムを加えて60
℃で加熱溶解した。この溶液に30gの塩酸を加え、氷で
2℃とし、15gの亜硝酸ナトリウムを溶解した水溶液を
用いてテトラゾ化した。ついで、20gの尿素を加えてし
ばらく撹拌した。
一方、32gのH酸を150mlの水に加えて60℃迄加熱して
溶解した。その溶液を、炭酸ナトリウム水溶液でpH7と
した後、上記のテトラゾ化物に加えた。炭酸ナトリウム
水溶液でpH3.0〜3.5に調節しながら0℃〜10℃で一夜撹
拌後、このモノアゾ液を炭酸ナトリウム水溶液でpH8.5
にした。これに17.5g(0.1mol)の3−アミノベンゼン
ホスホン酸を常法でジアゾ化したものを加え、pH8.5で
4時間撹拌した。次に、レゾルシン11g(0.1mol)を加
えて、15時間撹拌した。これに塩酸を加えて酸析し、70
℃に昇温した後、ろ取して、トリスアゾ色素(色素例
(3))を含む500gのケーキを得た。
実施例3 17.3g(約0.1mol)の3−アミノベンゼンホスホン酸
を、20gの農塩酸を100mlの水に溶解させた水溶液中に溶
解させ、氷を加えて0℃とし、7gの亜硝酸ナトリウムを
溶解させた水溶液を用いてジアゾ化した。そして、生成
したジアゾニウム塩溶液中の過剰の亜硝酸を10gの尿素
を用いて分解した後、これに31.9g(0.1mol)のH酸を
炭酸ナトリウムにてpH7に調整した水溶液を加え、pH3.0
〜3.5で24時間撹拌した。これを炭酸ナトリウムを用い
てpH8とし、完溶させ、モノアゾ色素液を調製した。
一方、24.4g(0.1mol)の3,3′−ジメトキシベンジジ
ンを前記方法にてテトラゾ化し、10gの尿素を加えてし
ばらく撹拌した。このテトラゾニウム塩溶液に11g(0.1
mol)のレゾルシンを溶解した液を加え、pH5で2時間撹
拌した。4次に、先のモノアゾ色素液を加え、pH8〜8.5
で5時間撹拌後、希塩酸を用いて酸・塩析し、ろ過、水
洗、乾燥することにより、90gのトリスアゾ色素(色素
例(9))を得た。
[金属錯塩染料の合成] 実施例4(銅錯塩染料) 実施例1で得た色素(色素例(1))125g(約0.1mo
l)を200mlの水に混合し、これに、50gの硫酸銅(CuSO4
・5H2O)(Cu:約0.2グラム原子)を200mlの温水に溶解
したものを加え、更に、100gのアンモニアを加え、pH7.
0〜8.0、70℃〜80℃で24時間撹拌した。未反応色素がな
いことを確認した後、100gの塩化アンモニウム塩を加
え、ろ過、水洗、乾燥することにより、170gの銅錯塩染
料(染料例1。染料例は後記第1表に示す。尚、同表中
の色は、被染物である染色革における色である。)を得
た。
実施例5(ニッケル酸塩染料) 実施例1で得た色素(色素例(1))125g(約0.1mo
l)を、50gの酢酸ニッケル(Ni(CH3COO)・4H2O)を
実施例4と同様にして処理して、ニッケル錯塩染料(染
料例2)を得た。
実施例6(銅錯塩染料) 実施例2で得た色素(色素例(3))を含む500gの湿
潤ケーシを水3000mlで希釈し、90℃に昇温した後、これ
に、30gの硫酸銅(CuSO4・5H2O)(Cu:約、0.2グラム原
子)を100mlの温水で溶解したものと30gの25%アンモニ
ア水を加え、pH7.0〜8.0、80℃〜90℃で20時間撹拌し
た。未反応色素がないことを確認した後、100gの塩化ア
ンモニウムを加え、ろ過、水洗、乾燥することにより97
gの銅錯塩染料(染料例5)を得た。
実施例7(銅錯塩染料) 500mlのエチレングリコールに、実施例3で得た45g
(約0.05mol)の色素(色素例(9))及び20gの30%ア
ンモニア水を加えた後、20gの酢酸銅(Cu(CH3COO)
・H2O)を加え、95℃〜100℃で未反応色素がなくなるま
で撹拌した。次に、約500mlの温水及び100gのNH4Clを加
え、塩析後、ろ過、乾燥することにより500gの銅錯塩染
料(染料例11)を得た。
実施例8(コバルト錯塩染料) 実施例3で得た色素(色素例(9))45g(約0.05mo
l)を、30gの硫酸コバルト(CoSO4・7H2O)を用いて実
施例7と同様にして処理し、コバルト錯塩染料(染料例
12)を得た。
実施例9(クロム錯塩染料) 30gの蟻酸クロム(Cr(HCOO))を2000mlの水に完
溶し、これに実施例1で得た色素(色素例1)125g(約
0.1mol)と酢酸ナトリウムを加え、pH4〜5、70℃〜80
℃で30時間撹拌した後、15gのエタノールアミンで処理
し、ろ過、水洗、乾燥することにより、エタノールアミ
ン塩の形で200gのクロム錯塩染料(染料例4)を得た。
実施例10〜16 後記色素例(2)、色素例(4)、色素例(5)、色
素例(6)、色素例(7)、色素例(8)、及び色素例
(10)の各色素を、それぞれ硫酸銅で金属化することに
より、銅錯塩染料(染料例3、染料例6、染料例7、染
料例8、染料例9、染料例10及び染料例13)を得た。
実施例17〜29 [本発明の金属錯塩染料(染料例1〜13)を用いた、ク
ロムなめし革の染色] 前処理工程として、ウエットブルー(クロムなめし牛
革、厚さ1mmの衣料用革)を流水水洗後、重炭酸ナトリ
ウム水溶液を用いpH5〜6で30〜40℃に保ち、30分間中
和処理した。次いで、前記ウエットブルーの重量に対し
2%の第1表に示す染料及び190%の水を使用し、60℃
で30分間ドラム染色した。なお、染料の水可溶性基が遊
離酸の形であるものについては、予めアンモニア水で溶
解し、染料液として用いた。染色後、蟻酸を加えて定着
した。更に、ウエットブルーの重量に対し250%の水を
加えて60℃とし、中性油1.4%(吉川製油社製,皮革加
脂用油脂)と合成油脂5.6%(オリエント化学工業社製,
MMP)を加脂剤として加え、60分間処理した。最後に蟻
酸を加えて中和し、染色革を得た。
得られた染色革の摩擦堅牢度及び浸透性を後記第2表
に示す。均染性は、全て良好であった。なお、耐光性は
フェードメーター(カーボン・アーク式)に80時間か
け、常態との比較をブルー・スケール(JIS LO841)に
て調べた。摩擦堅牢度は、摩擦試験(JIS LO849)に従
い学振形摩擦試験機を用いて行った湿潤試験の判定結果
を示す。浸透性は、染色革の断面を観察することにより
判定した。
[比較例] ホスホン基の有無及び金属化による効果の差異を確認
するために、比較試験を行なった。
比較例1 実施例17で用いた染料例1の金属錯塩染料を、対応す
る色素例(1)のテトラキスアゾ色素(比較染料u)に
代えた他は、実施例17と同様にして黒色の染色革を得
た。試験結果を後記第3表に示す。
比較例2 実施例21で用いた染料例5の金属錯塩染料を、対応す
る色素例(3)のトリスアゾ色素(比較染料v)に代え
た他は、実施例21と同様にして黒色の染色革を得た。試
験結果を後記第3表に示す。
比較例3 実施例27で用いた染料例11の金属錯塩染料を、反応す
る色素例(9)のトリスアゾ色素(比較染料w)に代え
た他は、実施例27と同様にして黒色の染色革を得た。試
験結果を後記第3表に示す。
比較例4 下記構造式xで表される染料(比較染料x)を用いて
実施例17〜29と同様にして染色を行ない、黒色の染色革
を得た。試験結果を後記第3表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺崎 美奈子 大阪府寝屋川市讃良東町8番1号 オリ ヱント化学工業株式会社研究所内 (56)参考文献 特開 平7−30518(JP,A) 特開 平5−80956(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 45/24 CA(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式〔I〕 [式中、Psは遊離酸又は塩の形でホスホン基を示し、Sf
    は遊離酸又は塩の形でスルホン基を示し、mは0、1又
    は2である。R1は水素原子又はアミノ基を示し、Xは水
    酸基、炭素数1もしくは2のアルコキシ基又はカルボキ
    シル基を示す。] で表わされる金属化可能なポリアゾ色素の金属錯塩染
    料。
  2. 【請求項2】式〔II〕 [式中、Psは遊離酸又は塩の形でホスホン基を示し、Sf
    は遊離酸又は塩の形でスルホン基を示し、mは0、1又
    は2である。また、yは水酸基、炭素数1もしくは2の
    アルコキシ基、カルボキシル基又はメチル基を示し、R2
    は水素原子又は水酸基を示し、Aは、下記〜よりな
    る群 (〜中、Sfは遊離酸又は塩の形でスルホン基を示
    し、nは0、1又は2である。また、R3は水酸基又はカ
    ルボキシル基を示し、R4は水酸基、カルボキシル基又は
    アミノ基を示し、R5及びR6は、それぞれ、水酸基又はカ
    ルボキシル基を示し、R7及びR8は、それぞれ、水素原
    子、水酸基又はアミノ基を示す。) から選ばれたフェニル基又はナフチル基を示す。] で表わされる、金属化可能なポリアゾ色素の金属錯塩染
    料。
  3. 【請求項3】式〔III〕 [式中、Psは遊離酸又は塩の形でホスホン基を示し、Sf
    は遊離酸又は塩の形でスルホン基を示し、mは0、1又
    は2である。R1は水素原子又はアミノ基を示し、Xは水
    酸基、炭素数1もしくは2のアルコキシ基又はカルボキ
    シル基を示す。また、Bは、下記〜よりなる群 (〜中、Sfは前記と同意義であり、nは0、1又は
    2である。また、R4及びR9は、それぞれ水酸基、カルボ
    キシル基又はアミノ基を示し、R5及びR6は、それぞれ、
    水酸基又はカルボキシル基を示し、R7及びR8は、それぞ
    れ、水素原子、水酸基又はアミノ基を示す。) から選ばれたフェニル基又はナフチル基を示す。] で表わされる、金属化可能なポリアゾ色素の金属錯塩染
    料。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載の金属錯塩染料を
    用いることを特徴とする、金属なめし革の染色方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2又は3記載の金属なめし革染
    色用金属錯塩染料。
  6. 【請求項6】o−、m−又はp−アミノベンゼンホスホ
    ン酸のジアゾニウム塩を式〔IV〕 [式中、Sfは遊離酸又は塩の形でスルホン基を示し、m
    は0、1又は2である。また、R1は水素原子又はアミノ
    基を示す。] を形成するナフトール類又はスルホン酸誘導体と反応さ
    せて、式〔V〕 [式中、Psは遊離酸又は塩の形でホスホン基を示し、S
    f、m及びR1は前記と同意義である。] で表わされるモノアゾ化合物を得、次いで、そのモノア
    ゾ化合物を、式〔VI〕 [式中、Xは水酸基、炭素数1もしくは2のアルコキシ
    基又はカルボキシル基を示す。] で示されるベンジジン誘導体のテトラゾニウム塩とカッ
    プリングさせることにより式〔I〕 [式中、Ps、Sf、m、R1及びXは前記と同意義であ
    る。] で表わされるテトラキスアゾ色素を得、そのテトラキス
    アゾ色素を、酸性又は塩基性雰囲気下、水および/また
    は有機溶媒中、金属付与剤と反応させることを特徴とす
    る、金属錯塩染料の製造方法。
  7. 【請求項7】式〔VII〕 [式中、Yは水酸基、炭素数1もしくは2のアルコキシ
    基、カルボキシル基又はメチル基を示す。] で示されるベンジジン誘導体のテトラゾニウム塩を、式
    〔VIII〕 [式中、Sfは遊離酸又は塩の形でスルホン基を示し、m
    は0、1又は2である。また、R2は水素原子又は水酸基
    を示す。] を形成するカップラーと反応させることにより、式〔I
    X〕 [式中、Y、R2、Sf及びmは前記と同意義である。] で示される化合物を得、次いでその化合物を、o−、m
    −又はp−アミノベンゼンホスホン酸のジアゾニウム塩
    と反応させた後、その反応生成物を、更に、A [Aは、下記〜よりなる群 (〜中、Sfは前記と同意義であり、nは0、1又は
    2である。また、R3は水酸基又はカルボキシル基を示
    し、R4は水酸基、カルボキシル基又はアミノ基を示し、
    R5及びR6は、それぞれ、水酸基又はカルボキシル基を示
    し、R7及びR8は、それぞれ、水素原子、水素基又はアミ
    ノ基を示す。) から選ばれたフェニル基又はナフチル基を示す。] を形成するカップラーと反応させることにより式〔II〕 [式中、Ps、Sf、m、Y、R2及びAは、前記と同意義で
    ある。] で表わされるトリスアゾ色素を得、そのトリスアゾ色素
    を、酸性又は塩基性雰囲気下、水および/または有機溶
    媒中、金属付与剤と反応させることを特徴とする、金属
    錯塩染料の製造方法。
  8. 【請求項8】式〔VI〕 [式中、Xは水酸基、炭素数1もしくは2のアルコキシ
    基又はカルボキシル基を示す。] で表わされるベンジジン誘導体のテトラゾニウム塩を、
    B [Bは、下記〜よりなる群 (〜中、Sfは遊離酸又は塩の形でスルホン基を示
    し、nは0、1又は2である。また、R4及びR9は、それ
    ぞれ水酸基、カルボキシル基又はアミノ基を示し、R5
    びR6は、それぞれ、水酸基又はカルボキシル基を示し、
    R7及びR8は、それぞれ、水素原子、水酸基又はアミノ基
    を示す。) から選ばれたフェニル基又はナフチル基を示す。] を形成するカップラーと反応させ、その反応生成物を、
    更に式〔V〕 [式中、Psは遊離酸又は塩の形でホスホン基を示し、Sf
    は前記と同意義であり、mは0、1又は2である。ま
    た、R1は水素原子又はアミノ基を示す。] で表わされるモノアゾ化合物と反応させることにより式
    〔III〕 [式中、Ps、Sf、m、R1、X及びBは、それぞれ前記と
    同意義である。] で表わされるトリスアゾ色素を得、そのトリスアゾ色素
    を、酸性又は塩基性雰囲気下、水および/または有機溶
    媒中、金属付与剤と反応させることを特徴とする、金属
    錯塩染料の製造方法。
JP1156404A 1989-06-13 1989-06-19 金属錯塩染料及びその染料の製造方法並びに金属なめし革染色用金属錯塩染料及び金属なめし革の染色方法 Expired - Lifetime JP2808137B2 (ja)

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