JP2806205B2 - 分割精錬法と装置 - Google Patents
分割精錬法と装置Info
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- JP2806205B2 JP2806205B2 JP5136024A JP13602493A JP2806205B2 JP 2806205 B2 JP2806205 B2 JP 2806205B2 JP 5136024 A JP5136024 A JP 5136024A JP 13602493 A JP13602493 A JP 13602493A JP 2806205 B2 JP2806205 B2 JP 2806205B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶鋼の分割精錬法と装
置に関する。さらに具体的には、本発明は、小ロット材
の精錬に適した溶鋼の分割精錬法とそのための装置に関
する。
置に関する。さらに具体的には、本発明は、小ロット材
の精錬に適した溶鋼の分割精錬法とそのための装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、転炉で溶鋼を吹錬した後、そ
の溶鋼を減圧下で加熱装置を有する溶鋼処理炉(以下、
「VAD炉」という)を用いて高級鋼を製造する方法が
行われている。このような高級鋼(例えばSC材、SC
M材)はその用途が限定されるため、多品種少量生産の
鋼材(以下、「小ロット材」という)の製造が要求され
ることが多い。
の溶鋼を減圧下で加熱装置を有する溶鋼処理炉(以下、
「VAD炉」という)を用いて高級鋼を製造する方法が
行われている。このような高級鋼(例えばSC材、SC
M材)はその用途が限定されるため、多品種少量生産の
鋼材(以下、「小ロット材」という)の製造が要求され
ることが多い。
【0003】このような高級鋼の小ロット材の製造法と
して、例えば (A)特開昭55−134117号公報には、転炉製
鋼法における出鋼の際に、転炉スラグを実質上含まない
溶鋼を必要量分湯し、残湯で普通鋼を製造するととも
に、分湯を真空アーク脱ガス装置に装入して特殊鋼を製
造する方法が提案されている。また、従来より、小ロッ
ト材の製造法に関する提案が種々行われている。
して、例えば (A)特開昭55−134117号公報には、転炉製
鋼法における出鋼の際に、転炉スラグを実質上含まない
溶鋼を必要量分湯し、残湯で普通鋼を製造するととも
に、分湯を真空アーク脱ガス装置に装入して特殊鋼を製
造する方法が提案されている。また、従来より、小ロッ
ト材の製造法に関する提案が種々行われている。
【0004】(B) 特開昭58−141315号公報には、溶銑を
事前処理してPを0.03%以下 (以下、本明細書において
は特にことわりがない限り「%」は「重量%」を意味す
るものとする) とした低P溶銑を転炉に装入して脱C反
応を主とする精錬を行った後、転炉内溶鋼の一部を出鋼
して次工程に送り、一方別に用意した溶銑を転炉内に追
加装入 (追銑) して再度脱C反応等の精錬を行う大型転
炉を用いて少量の鋼を製造する方法が提案されている。
事前処理してPを0.03%以下 (以下、本明細書において
は特にことわりがない限り「%」は「重量%」を意味す
るものとする) とした低P溶銑を転炉に装入して脱C反
応を主とする精錬を行った後、転炉内溶鋼の一部を出鋼
して次工程に送り、一方別に用意した溶銑を転炉内に追
加装入 (追銑) して再度脱C反応等の精錬を行う大型転
炉を用いて少量の鋼を製造する方法が提案されている。
【0005】(C) 特開昭62−134142号公報には、溶解炉
と精錬炉と、連続鋳造設備および/または造塊設備とか
らなり、溶解炉から出銑する溶銑を受けた後精錬炉に注
銑する溶銑取鍋と、精錬炉から出鋼する溶鋼を受けた後
連続鋳造設備および/または造塊設備に供給する溶鋼取
鍋とを具備する一連の製鋼設備を使用して鋼を溶製する
方法において、小製造ロット鋼向けに精錬を終えた溶鋼
を連続鋳造設備および/または造塊設備に供給し必要量
の鋼を溶製した後溶鋼取鍋内に残る溶鋼を精錬炉に戻
し、この戻り溶鋼と溶解炉で溶解し用意した溶銑とを精
錬炉内で合わせ湯した後別の製造ロット鋼向けに精錬し
直す小製造ロット鋼の溶製方法が提案されている。
と精錬炉と、連続鋳造設備および/または造塊設備とか
らなり、溶解炉から出銑する溶銑を受けた後精錬炉に注
銑する溶銑取鍋と、精錬炉から出鋼する溶鋼を受けた後
連続鋳造設備および/または造塊設備に供給する溶鋼取
鍋とを具備する一連の製鋼設備を使用して鋼を溶製する
方法において、小製造ロット鋼向けに精錬を終えた溶鋼
を連続鋳造設備および/または造塊設備に供給し必要量
の鋼を溶製した後溶鋼取鍋内に残る溶鋼を精錬炉に戻
し、この戻り溶鋼と溶解炉で溶解し用意した溶銑とを精
錬炉内で合わせ湯した後別の製造ロット鋼向けに精錬し
直す小製造ロット鋼の溶製方法が提案されている。
【0006】(D) 特開平1−132705号公報には、転炉内
に、その基準容量以上許容容量以下の溶銑を装入して吹
錬し、吹錬後転炉内の溶鋼の一部を所定量取鍋に出鋼
し、取鍋内の溶鋼中に成分調整剤を添加して所定の成分
に調整した後、溶鋼を連続鋳造機のタンディッシュに供
給して連続鋳造するとともに、タンディッシュに溶鋼を
供給した後の取鍋に、転炉内の溶鋼の残部を出鋼し、取
鍋内の溶鋼中に成分調整剤を添加して所定の成分に再調
整した後、溶鋼を連続鋳造機または他の連続鋳造機に供
給して連続鋳造する転炉における小ロット材の製造方法
が提案されている。
に、その基準容量以上許容容量以下の溶銑を装入して吹
錬し、吹錬後転炉内の溶鋼の一部を所定量取鍋に出鋼
し、取鍋内の溶鋼中に成分調整剤を添加して所定の成分
に調整した後、溶鋼を連続鋳造機のタンディッシュに供
給して連続鋳造するとともに、タンディッシュに溶鋼を
供給した後の取鍋に、転炉内の溶鋼の残部を出鋼し、取
鍋内の溶鋼中に成分調整剤を添加して所定の成分に再調
整した後、溶鋼を連続鋳造機または他の連続鋳造機に供
給して連続鋳造する転炉における小ロット材の製造方法
が提案されている。
【0007】しかし、上記(B) 、(C) 、(D) の製造方法
では、転炉等の精錬装置の耐火物への負担が大きく、ま
た能率も悪い。すなわち、(B) では分割出願した後追銑
して精錬するので分割出願の残分の湯は、同じ炉内で2
度精錬されることになり、処理トン当たりの耐火物費用
が高くなり、また能率が低い。
では、転炉等の精錬装置の耐火物への負担が大きく、ま
た能率も悪い。すなわち、(B) では分割出願した後追銑
して精錬するので分割出願の残分の湯は、同じ炉内で2
度精錬されることになり、処理トン当たりの耐火物費用
が高くなり、また能率が低い。
【0008】(C) では、取鍋から残鋼を炉内へリターン
するので、同上のことを生じ、さらに(D) では、先に分
湯した鋼が鋳込み終わるまで残鋼を炉内で抱えているた
め、耐火物がコスト高となり、また操業能率も低下す
る。
するので、同上のことを生じ、さらに(D) では、先に分
湯した鋼が鋳込み終わるまで残鋼を炉内で抱えているた
め、耐火物がコスト高となり、また操業能率も低下す
る。
【0009】また、図2に示すように、通常のフルチャ
ージ用の取鍋21よりも小さな適当容量の二基の取鍋22a
および22b に、転炉の1チャージを所定量ずつ分割して
出鋼し、必要に応じてLF装置23、RH装置24を用いて、そ
れぞれ所定成分および所定温度に出鋼中または/および
炉外精錬中に調整して造塊または連続鋳造を行う転炉分
割出鋼法が提案されている。(E) 特開平1−201412号公
報参照。
ージ用の取鍋21よりも小さな適当容量の二基の取鍋22a
および22b に、転炉の1チャージを所定量ずつ分割して
出鋼し、必要に応じてLF装置23、RH装置24を用いて、そ
れぞれ所定成分および所定温度に出鋼中または/および
炉外精錬中に調整して造塊または連続鋳造を行う転炉分
割出鋼法が提案されている。(E) 特開平1−201412号公
報参照。
【0010】しかし、上記(A) の製造方法および(E) に
示すこの転炉分割出鋼法には以下に列記する問題があ
る。 取鍋21から取鍋22a および取鍋22b へと2回出鋼を行
うため、転炉の能率が阻害される。すなわち、1回の出
鋼に通常は15分間程度を要するが、2回出鋼を行うため
に合計の出鋼時間が増加してしまう。
示すこの転炉分割出鋼法には以下に列記する問題があ
る。 取鍋21から取鍋22a および取鍋22b へと2回出鋼を行
うため、転炉の能率が阻害される。すなわち、1回の出
鋼に通常は15分間程度を要するが、2回出鋼を行うため
に合計の出鋼時間が増加してしまう。
【0011】ヒートサイズ (ロットサイズ) は、取鍋
の容量に合わせなければならず、取鍋種類を増やす必要
がある。そのため、全体の鍋の回転が悪化し、出鋼温度
が上昇してしまう。通常の炉外精錬設備では1基の鍋で
カバーできる処理容量の範囲が小さいからである。すな
わち、大きなフルヒート用の取鍋では小ロット材の処理
ができないからである。
の容量に合わせなければならず、取鍋種類を増やす必要
がある。そのため、全体の鍋の回転が悪化し、出鋼温度
が上昇してしまう。通常の炉外精錬設備では1基の鍋で
カバーできる処理容量の範囲が小さいからである。すな
わち、大きなフルヒート用の取鍋では小ロット材の処理
ができないからである。
【0012】1つの連続鋳造機で、分割出鋼した全て
の取鍋の溶鋼を鋳込むのは困難である。もし、1つの連
続鋳造機で鋳造しようとすると、後から鋳込む取鍋は、
炉外精錬と鋳造開始とをともに長時間待たねばならな
い。
の取鍋の溶鋼を鋳込むのは困難である。もし、1つの連
続鋳造機で鋳造しようとすると、後から鋳込む取鍋は、
炉外精錬と鋳造開始とをともに長時間待たねばならな
い。
【0013】取鍋の操作要員は、分割出鋼する取鍋の
基数だけ必要であるため、工数増となってしまう。 分湯量が不正確である。すなわち、1基の取鍋で処理
するためである。また、転炉に通常フルチャージ操業の
80〜90%の装入を行って操業する、いわゆる転炉ライト
チャージ法も知られている。
基数だけ必要であるため、工数増となってしまう。 分湯量が不正確である。すなわち、1基の取鍋で処理
するためである。また、転炉に通常フルチャージ操業の
80〜90%の装入を行って操業する、いわゆる転炉ライト
チャージ法も知られている。
【0014】しかし、この転炉ライトチャージ法には、
1チャージ当たりの生産性が通常の0.8 〜0.9 倍程度に
低下すること、1ロットといっても、通常1チャージ分
の0.8 〜0.9 倍程度までであり、これより少量のロット
に対しては余剰スラブが発生すること、さらには耐火物
および消耗用品も1.1 〜1.2 倍必要になってしまう。
1チャージ当たりの生産性が通常の0.8 〜0.9 倍程度に
低下すること、1ロットといっても、通常1チャージ分
の0.8 〜0.9 倍程度までであり、これより少量のロット
に対しては余剰スラブが発生すること、さらには耐火物
および消耗用品も1.1 〜1.2 倍必要になってしまう。
【0015】また、上記(A) については、上記〜
のデメリットに加えて、真空アーク脱ガス装置による取
鍋耐火物コストの悪化が生じる。さらに、特開昭58−97
46号公報には、この公報により提案された方法を示す説
明図である図3(a) または図3(b) に示すように、小ロ
ット鋼材の溶製方法として、転炉31から取鍋32に受けた
溶鋼の一部 (図3(a) 参照)、または転炉31から取鍋32
に受け加熱装置を有する溶鋼処理炉33で処理した溶鋼の
一部を、鋳型または連続鋳造機に鋳込んで鋼塊または鋳
片を製造し、残部を溶鋼処理炉34により成分調整を行
い、先に出鋼した鋼塊または鋳片と異なる鋼種の鋼塊ま
たは鋳片を製造する小ロット鋼材の溶製方法が提案され
ている。
のデメリットに加えて、真空アーク脱ガス装置による取
鍋耐火物コストの悪化が生じる。さらに、特開昭58−97
46号公報には、この公報により提案された方法を示す説
明図である図3(a) または図3(b) に示すように、小ロ
ット鋼材の溶製方法として、転炉31から取鍋32に受けた
溶鋼の一部 (図3(a) 参照)、または転炉31から取鍋32
に受け加熱装置を有する溶鋼処理炉33で処理した溶鋼の
一部を、鋳型または連続鋳造機に鋳込んで鋼塊または鋳
片を製造し、残部を溶鋼処理炉34により成分調整を行
い、先に出鋼した鋼塊または鋳片と異なる鋼種の鋼塊ま
たは鋳片を製造する小ロット鋼材の溶製方法が提案され
ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】特開昭58−9746号公報
により提案された溶製方法は、その実施に際して、加熱
装置を有する溶鋼処理炉34としてVAD あるいはLF型の炉
が不可欠である。しかし、VAD あるいはLF型の炉の説明
図である図4に示すように、溶鋼処理炉41により電弧加
熱(VAD、LF方式) を行う際には、底吹ガスによる攪拌を
行う必要があり、スラグライン部42が溶損するためにス
ラグライン部42に接するレンガ43を強化する必要があ
る。したがって、1つの鍋での処理可能量の範囲が限定
されてしまう。そのため、処理可能量を拡大しようとす
ると取鍋耐火物に要するコストが増加してしまう。ここ
に、本発明の目的は、小ロット材の精錬に適した溶鋼の
分割精錬法を提供することにある。
により提案された溶製方法は、その実施に際して、加熱
装置を有する溶鋼処理炉34としてVAD あるいはLF型の炉
が不可欠である。しかし、VAD あるいはLF型の炉の説明
図である図4に示すように、溶鋼処理炉41により電弧加
熱(VAD、LF方式) を行う際には、底吹ガスによる攪拌を
行う必要があり、スラグライン部42が溶損するためにス
ラグライン部42に接するレンガ43を強化する必要があ
る。したがって、1つの鍋での処理可能量の範囲が限定
されてしまう。そのため、処理可能量を拡大しようとす
ると取鍋耐火物に要するコストが増加してしまう。ここ
に、本発明の目的は、小ロット材の精錬に適した溶鋼の
分割精錬法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため種々検討を重ねた結果、スラグライン部の
溶損を防止するためには、底吹攪拌を必要とする電弧加
熱を行わず、RH、DH又はPM型の精錬炉を用い、該精錬炉
の構造を、取鍋の内部に自在にすなわち取鍋の内壁に接
触することなく、挿入自在な構造とすることにより、取
鍋で出鋼した後の取鍋内部における溶鋼のレベルに関係
なく、溶鋼の処理 (成分調整、温度調整等) が可能とな
り、上記課題を解決できることを知見して、本発明を完
成した。
解決するため種々検討を重ねた結果、スラグライン部の
溶損を防止するためには、底吹攪拌を必要とする電弧加
熱を行わず、RH、DH又はPM型の精錬炉を用い、該精錬炉
の構造を、取鍋の内部に自在にすなわち取鍋の内壁に接
触することなく、挿入自在な構造とすることにより、取
鍋で出鋼した後の取鍋内部における溶鋼のレベルに関係
なく、溶鋼の処理 (成分調整、温度調整等) が可能とな
り、上記課題を解決できることを知見して、本発明を完
成した。
【0018】ここに、本発明の要旨とするところは、一
次精錬炉から取鍋に溶鋼を受鋼し、受鋼した溶鋼の一部
を、該取鍋から連続鋳造機のタンディッシュに注湯しつ
つ鋳型に鋳込んだ後、取鍋内に残存した溶鋼を、外径が
取鍋の底部の内径以下であり、溶鋼に浸漬管を浸漬でき
る位置に配置できる精錬装置を用いて、溶鋼の処理を行
ってから鋳込むことを特徴とする分割精錬法である。
次精錬炉から取鍋に溶鋼を受鋼し、受鋼した溶鋼の一部
を、該取鍋から連続鋳造機のタンディッシュに注湯しつ
つ鋳型に鋳込んだ後、取鍋内に残存した溶鋼を、外径が
取鍋の底部の内径以下であり、溶鋼に浸漬管を浸漬でき
る位置に配置できる精錬装置を用いて、溶鋼の処理を行
ってから鋳込むことを特徴とする分割精錬法である。
【0019】また、別の面からは、本発明は外径が取鍋
の底部の内径以下であり、前記取鍋内部に配置されて前
記取鍋内の溶鋼に浸漬され得る寸法の浸漬管を有するこ
とを特徴とする二次精錬装置である。上記の本発明にお
ける一次精錬炉とは、転炉、電気炉等の精錬炉をいう。
の底部の内径以下であり、前記取鍋内部に配置されて前
記取鍋内の溶鋼に浸漬され得る寸法の浸漬管を有するこ
とを特徴とする二次精錬装置である。上記の本発明にお
ける一次精錬炉とは、転炉、電気炉等の精錬炉をいう。
【0020】本発明における精錬装置とは、外径が取鍋
の底部の内径以下であり、溶鋼に浸漬管を浸漬できる位
置に配置できる、RH装置、DH装置またはPM装置等
の精錬装置をいう。さらに、本発明における「溶鋼の処
理」とは、溶鋼の成分調整や温度調整をいう。
の底部の内径以下であり、溶鋼に浸漬管を浸漬できる位
置に配置できる、RH装置、DH装置またはPM装置等
の精錬装置をいう。さらに、本発明における「溶鋼の処
理」とは、溶鋼の成分調整や温度調整をいう。
【0021】本発明にかかる溶鋼の分割精錬法の手順
を、本発明の説明図である図1を参照しながら列記する
と、以下の通りである。 一次精錬炉11から取鍋12に溶鋼を全量(W) 受鋼する。 必要に応じて、RH装置13等により二次 (炉外) 精錬
を行う (取鍋内溶鋼重量W0、鋼種A) 。
を、本発明の説明図である図1を参照しながら列記する
と、以下の通りである。 一次精錬炉11から取鍋12に溶鋼を全量(W) 受鋼する。 必要に応じて、RH装置13等により二次 (炉外) 精錬
を行う (取鍋内溶鋼重量W0、鋼種A) 。
【0022】取鍋12から連続鋳造機14に溶鋼をW1 だ
け鋳込む (ただし、W0 >W1)。 取鍋12の内部に完全に収容される大きさのRH装置15
(またはDH装置さらにはPM装置) 等の二次 (炉外)
精錬装置を用いて、取鍋12内に残存した溶鋼の処理 (成
分調整、温度調整等) を行う (取鍋内溶鋼重量W0 −W
1 、鋼種B) 。
け鋳込む (ただし、W0 >W1)。 取鍋12の内部に完全に収容される大きさのRH装置15
(またはDH装置さらにはPM装置) 等の二次 (炉外)
精錬装置を用いて、取鍋12内に残存した溶鋼の処理 (成
分調整、温度調整等) を行う (取鍋内溶鋼重量W0 −W
1 、鋼種B) 。
【0023】なお、この際に用いる二次精錬装置の概要
を図5に示すが、同図に示すように、真空槽51の下部槽
の内径dと、取鍋52の外径との関係は、d≦D (d: 下
部槽外径、D: 取鍋底内径) とすればよい。
を図5に示すが、同図に示すように、真空槽51の下部槽
の内径dと、取鍋52の外径との関係は、d≦D (d: 下
部槽外径、D: 取鍋底内径) とすればよい。
【0024】また、本発明で用いる二次精錬装置は特に
電弧加熱装置を有さないが、真空槽51内にAlを投入して
酸素を吹込む (または吹付ける) ことにより昇熱を図れ
ることはいうまでもない。 再び、項で用いたのと同じように、連続鋳造機14a
、あるいは別の連続鋳造機14b に残量 (W0 −W1)を
鋳込む。
電弧加熱装置を有さないが、真空槽51内にAlを投入して
酸素を吹込む (または吹付ける) ことにより昇熱を図れ
ることはいうまでもない。 再び、項で用いたのと同じように、連続鋳造機14a
、あるいは別の連続鋳造機14b に残量 (W0 −W1)を
鋳込む。
【0025】
【作用】以下、本発明を作用効果とともに詳述する。本
発明では、1基の取鍋に一次精錬炉から全量を一度に出
鋼する。したがって、前述した特開平1−201412号公報
により提案された転炉分割出鋼法におけるような能率の
低下を伴わない。
発明では、1基の取鍋に一次精錬炉から全量を一度に出
鋼する。したがって、前述した特開平1−201412号公報
により提案された転炉分割出鋼法におけるような能率の
低下を伴わない。
【0026】本発明では、1種の取鍋を用いてすべての
小ロットに対応することができるため、多種類 (容量)
の取鍋を準備する必要がない。そのため、現場で準備し
なければならない取鍋の数を低減できるため、取鍋の稼
働率が上昇し、取鍋の耐火物への蓄熱が促進され、転炉
の出鋼温度を低下できる。例えば前述した特開平1−20
1412号公報により提案された転炉分割出鋼法では取鍋の
設置数だけ取鍋要員を必要とするが、本発明では一人で
よく、省力化を図ることができる。
小ロットに対応することができるため、多種類 (容量)
の取鍋を準備する必要がない。そのため、現場で準備し
なければならない取鍋の数を低減できるため、取鍋の稼
働率が上昇し、取鍋の耐火物への蓄熱が促進され、転炉
の出鋼温度を低下できる。例えば前述した特開平1−20
1412号公報により提案された転炉分割出鋼法では取鍋の
設置数だけ取鍋要員を必要とするが、本発明では一人で
よく、省力化を図ることができる。
【0027】転炉分割出鋼法では正確な量を分湯できな
いため、それぞれの取鍋における不足を防止するため、
幾分余分にそれぞれの取鍋に出鋼しなくてはならない。
これに対し、本発明では、1基の取鍋で最初の鋼種を所
要量鋳込んだ後に成分調整を行ってからそのまま次の鋼
種の溶鋼を鋳込むため、幾分余分にそれぞれの取鍋に出
鋼する必要が無いために歩留りも悪化しない。本発明で
は、取鍋に完全に収容される外径を有する2次精錬装置
を用いているため、1種類の取鍋で小ロットの対応が可
能である。
いため、それぞれの取鍋における不足を防止するため、
幾分余分にそれぞれの取鍋に出鋼しなくてはならない。
これに対し、本発明では、1基の取鍋で最初の鋼種を所
要量鋳込んだ後に成分調整を行ってからそのまま次の鋼
種の溶鋼を鋳込むため、幾分余分にそれぞれの取鍋に出
鋼する必要が無いために歩留りも悪化しない。本発明で
は、取鍋に完全に収容される外径を有する2次精錬装置
を用いているため、1種類の取鍋で小ロットの対応が可
能である。
【0028】さらに、電弧加熱のように、底吹ガス攪拌
による激しいスラグライン部の揺動がないため、スラグ
ライン部のレンガ長さに限定されるような、1つの取鍋
での処理量の範囲の制約がなく、さらには処理可能量の
拡大を図っても取鍋耐火物のコスト増大のおそれがな
い。さらに、本発明を実施例を参照しながら詳述する
が、これは本発明の例示であり、これにより本発明が限
定されるものではない。
による激しいスラグライン部の揺動がないため、スラグ
ライン部のレンガ長さに限定されるような、1つの取鍋
での処理量の範囲の制約がなく、さらには処理可能量の
拡大を図っても取鍋耐火物のコスト増大のおそれがな
い。さらに、本発明を実施例を参照しながら詳述する
が、これは本発明の例示であり、これにより本発明が限
定されるものではない。
【0029】
【実施例1】300 トン/ヒートの転炉を用いて、フルチ
ャージ吹錬を行い、1923Kで 300トン全量出鋼した。こ
の溶鋼を 300トンの取鍋 (底の内径3m) に受鋼し、R
H装置により成分調整および温度調整 (Al昇熱分含む)
を行った。
ャージ吹錬を行い、1923Kで 300トン全量出鋼した。こ
の溶鋼を 300トンの取鍋 (底の内径3m) に受鋼し、R
H装置により成分調整および温度調整 (Al昇熱分含む)
を行った。
【0030】このようにして得た溶鋼を、連続鋳造機を
用いて150 トンの溶鋼を鋳込んだ後(鋼種A) 、槽外径
2.7mのRH装置を用いて取鍋の内部に残った溶鋼に成
分調整および温度調整 (Alにより昇熱) を行い、残量の
150 トンを鋳込んだ (鋼種B) 。成分結果、および経時
的な温度推移を表1にまとめて示す。
用いて150 トンの溶鋼を鋳込んだ後(鋼種A) 、槽外径
2.7mのRH装置を用いて取鍋の内部に残った溶鋼に成
分調整および温度調整 (Alにより昇熱) を行い、残量の
150 トンを鋳込んだ (鋼種B) 。成分結果、および経時
的な温度推移を表1にまとめて示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1中に示すように、本発明法により、30
0 トン転炉を用いて、それぞれ150トンの小ロット材
(普通鋼の鋼種AとV鋼の鋼種B) を効率よく溶製する
ことができた。
0 トン転炉を用いて、それぞれ150トンの小ロット材
(普通鋼の鋼種AとV鋼の鋼種B) を効率よく溶製する
ことができた。
【0033】
【実施例2】300 トン/ヒートの転炉を用いて、フルチ
ャージ吹錬を行い、1933Kで300 トン全量を出鋼した。
この溶鋼を300 トン取鍋 (底の内径3m) に受鋼し、R
H装置により成分調整および温度調整 (Al昇熱分含む)
を行った。
ャージ吹錬を行い、1933Kで300 トン全量を出鋼した。
この溶鋼を300 トン取鍋 (底の内径3m) に受鋼し、R
H装置により成分調整および温度調整 (Al昇熱分含む)
を行った。
【0034】この溶鋼を連続鋳造機を用いて220 トン鋳
込んだ後 (鋼種C) 、槽外径2.7 mのRH装置により、
成分調整および温度調整 (Al昇熱分含む) を行い、残量
の80トンを鋳込んだ (鋼種D) 。成分結果、および経時
的な温度推移を表2にまとめて示す。
込んだ後 (鋼種C) 、槽外径2.7 mのRH装置により、
成分調整および温度調整 (Al昇熱分含む) を行い、残量
の80トンを鋳込んだ (鋼種D) 。成分結果、および経時
的な温度推移を表2にまとめて示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2中に示すように、本発明法により、30
0 トン転炉を用いて、220 トンのロットの鋼種Cと80ト
ンのロットの鋼種Dとをそれぞれ効率的に溶製すること
ができた。
0 トン転炉を用いて、220 トンのロットの鋼種Cと80ト
ンのロットの鋼種Dとをそれぞれ効率的に溶製すること
ができた。
【0037】
【実施例3】表3には、300 トン転炉を用いて、本発明
法(RH装置使用)、従来法1 (転炉ライトチャージ)
、従来法2 (転炉分割出鋼) 、さらには従来法3 (V
ADを用いて昇温、成分調整を行う)を行った場合につ
いて、それぞれの方法の効果を指数化して比較して示
す。
法(RH装置使用)、従来法1 (転炉ライトチャージ)
、従来法2 (転炉分割出鋼) 、さらには従来法3 (V
ADを用いて昇温、成分調整を行う)を行った場合につ
いて、それぞれの方法の効果を指数化して比較して示
す。
【0038】
【表3】
【0039】表3から、本発明法によれば、従来法1な
いし従来法3に比較して、処理コストも安価であって、
小ロット溶製可能範囲(T)が薄味側、濃味側双方とも
に広いという特徴がある。したがって、本発明法は、小
ロット材の溶製法として極めて優れていることがわか
る。
いし従来法3に比較して、処理コストも安価であって、
小ロット溶製可能範囲(T)が薄味側、濃味側双方とも
に広いという特徴がある。したがって、本発明法は、小
ロット材の溶製法として極めて優れていることがわか
る。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、小
ロット材の精錬に適した溶鋼の分割精錬法を提供でき
た。
ロット材の精錬に適した溶鋼の分割精錬法を提供でき
た。
【図1】本発明の説明図である。
【図2】特開平1−201412号公報により提案された方法
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図3】図3(a) または図3(b) は、特開昭58−9746号
公報により提案された方法を示す説明図である。
公報により提案された方法を示す説明図である。
【図4】VADあるいはLF型の炉の説明図である。
【図5】本発明で用いる炉外精錬装置の概要を示す説明
図である。
図である。
11:転炉 12:取鍋 13:二次精錬装置 14、14a 、14b :連続鋳造機 15:二次精錬装置 21:転炉 22a 、22b :取鍋 23:LF装置 24:RH装置 31:転炉 32:取鍋 33:溶鋼処理炉 34:溶鋼処理炉 41:溶鋼処理炉 42:スラグライン部 43:レンガ 51:RH炉 52:取鍋
Claims (2)
- 【請求項1】 一次精錬炉から取鍋に溶鋼を受鋼し、受
鋼した溶鋼の一部を、該取鍋から連続鋳造機のタンディ
ッシュに注湯しつつ鋳型に鋳込んだ後、前記取鍋内に残
存した溶鋼を、外径が前記取鍋の底部の内径以下であ
り、前記溶鋼に浸漬管を浸漬できる位置に配置できる精
錬装置を用いて、前記溶鋼の処理を行ってから鋳込むこ
とを特徴とする分割精錬法。 - 【請求項2】 外径が取鍋の底部の内径以下であり、前
記取鍋内部に配置されて前記取鍋内の溶鋼に浸漬され得
る寸法の浸漬管を有することを特徴とする二次精錬装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5136024A JP2806205B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 分割精錬法と装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5136024A JP2806205B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 分割精錬法と装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06344094A JPH06344094A (ja) | 1994-12-20 |
JP2806205B2 true JP2806205B2 (ja) | 1998-09-30 |
Family
ID=15165407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5136024A Expired - Fee Related JP2806205B2 (ja) | 1993-06-07 | 1993-06-07 | 分割精錬法と装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2806205B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116004944A (zh) * | 2021-10-24 | 2023-04-25 | 上海梅山钢铁股份有限公司 | 一种控制铸余热回收发泡的方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01272714A (ja) * | 1988-04-25 | 1989-10-31 | Nippon Steel Corp | 連続鋳造タンディッシュによる成分調整方法及び装置 |
JPH0313255A (ja) * | 1989-06-12 | 1991-01-22 | Topy Ind Ltd | タンディッシュ精錬法 |
-
1993
- 1993-06-07 JP JP5136024A patent/JP2806205B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06344094A (ja) | 1994-12-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |