JP2805794B2 - 気体分離膜の製造方法 - Google Patents

気体分離膜の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、気体分離膜の製造方法に関する。更に詳し
くは、透過気体の透過安定性を向上せしめた気体分離膜
の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
現在実用化されている気体分離性薄膜は、ポリジメチ
ルシロキサン、ポリ4−メチルペンテン、ポリフェニレ
ンオキサイドなどから成膜されており、これらは一般に
多孔質支持体と複合化させることにより、薄膜化を可能
としている。
このようにして形成される気体分離膜は、気体の分離
性の点では十分満足されるものの透過速度が十分ではな
く、大量の空気の酸素富化に用いる場合には、大型のモ
ジュールを必要とするという欠点がみられる。
気体の透過速度を改善させる材料としては、最近ポリ
トリメチルシリルプロピンが注目されている。この材料
は、ポリジメチルシロキサンと比較して、分離係数は1.
3〜1.7とやや劣るものの、初期の透過係数は10倍以上の
値を示している。
ところが、ポリトリメチルシリルプロピンは安定性が
悪く、数10時間で透過速度が1桁以上低下するという問
題がみられ、その対策として紫外線照射、グロー放電処
理、低分子化合物または他の重合体との混合、他の重合
体膜との複合化、共重合化、水面展開膜化あるいはこれ
らの組合せなど種々の方法が提案されているが、いずれ
も満足される結果は得られていない。
ポリトリメチルシリルプロピンの透過性減少の主な原
因は、重合体の緻密化にあるとされており、即ち時間の
経過と共に重合体主鎖が動いて主鎖間の隙間が小さくな
るためと考えられる。そこで、その膜表面に水面展開膜
を形成させると、ある程度重合体の配向が揃い、安定化
させることができると考えられるが、こうした方法では
中空糸状のものに適用できないため、気体分離膜を体積
効率の良い中空糸モジュールとして利用することができ
ない。
また、低分子化合物や他の重合体を混合し、重合体主
鎖の動きを抑えて安定化する方法の場合、低分子化合物
では滲出がみられ、また重合体も緻密に混合されないの
で、いずれにしても安定化は十分に行われなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
かかる現況に鑑み、本発明は透過気体の透過安定性を
向上せしめ、また体積効率は良いものの水面展開膜化を
適用することのできない中空糸状のものにも適用可能な
気体分離膜を提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
かかる本発明の目的は、多孔質支持体の表面にポリト
リメチルシリルプロピンおよびポリオルガノシロキサ
ン、ポリトリメチルビニルシラン、パーフルオロ芳香族
炭化水素またはエステル基中にトリメチルシリル基を有
するフマル酸ジエステルの混合物よりなる気体分離性薄
膜を形成させ、該気体分離性薄膜の表面を低級アルカン
フッ素化物または塩素化低級アルカンフッ素化物の雰囲
気下でプラズマ処理して気体分離膜を製造することによ
り達成される。
多孔質支持体としては、酢酸セルロース、ポリプロピ
レン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフッ化ビ
ニリデンなどの多孔質体であって、支持体としての十分
な強度を保持する膜厚を有する平膜状、中空糸状などの
膜状体が一般に用いられる。
これらの多孔質支持体の表面に形成される気体分離性
薄膜は、ポリトリメチルシリルプロピンと低蒸気圧(約
0.01〜300mmHg)のポリオルガノシロキサン、ポリトリ
メチルビニルシラン、パーフルオロ芳香族炭化水素また
はエステル基中にトリメチルシリル基を有するフマル酸
ジエステルとの混合物をキャストする方法などによって
形成される。
ポリオルガノシロキサンとしては、一般式 R1(RiRR′−O)nSiRR′−R2 R,R′:同一または異なる低級アルキル基、好ましくは
共にメチル基 R1,R2:同一または異なるH、OH、低級アルキル基また
はビニル基であり、R1およびR2が共にOHのとき脱水環化
され、−O−結合を形成し得る n:1〜10程度 で表わされる化合物が、ポリトリメチルシリルプロピン
との混合物中約0.5〜70重量%、好ましくは約2〜30重
量%の割合で用いられる。また、ポリトリメチルビニル
シランは、ポリトリメチルシリルプロピンとの混合物中
約0.5〜50重量%、好ましくは約5〜20重量%の割合で
用いられる。
パーフルオロ芳香族炭化水素としては、ベンゼン、ト
ルエン、ナフタレン、アントラセンなどのパーフルオロ
化物が、ポリトリメチルシリルプロピンとの混合物中約
0.5〜80重量%、好ましくは約2〜50重量%の割合で用
いられる。
また、エステル基中にトリメチルシリル基を有するフ
マル酸ジエステルとしては、一般式 (CH33Si(R)nOCOCH=CHCOO(R′)mSi(CH3
R,R′:同一または異なる低級アルキレン基で、これら
の低級アルキレン基は更に1個以上の低級アルキル基で
置換されていてもよい n,m:0または1 で表わされる化合物、例えばジ(トリメチルシリル)フ
マレート、ジ(トリメチルシリルメチレン)フマレート
などが用いられ、これらのフマル酸ジエステルは、ポリ
トリメチルシリルプロピンとの混合物中約0.5〜50重量
%、好ましくは約1〜20重量%の割合で用いられる。
混合物中のポリオルガノシロキサン、ポリトリメチル
ビニルシラン、パーフルオロ芳香族化合物またはエステ
ル基中にトリメチルシリル基を有するフマル酸ジエステ
ルの使用割合がこれより少ないと所期の効果が得られ
ず、一方これより多い割合で用いると、透過速度の減
少、平均分子量の低下、重合体膜強度の低下などを招く
ようになり、好ましくない。
これらの混合物から形成される気体分離性薄膜の表面
は、低級アルカンフッ素化物または塩素化低級アルカン
フッ素化物の雰囲気下でプラズマ処理される。プラズマ
処理は、例えば一端側が細長くなっており、そこに高周
波発振器に接続されたコイルを巻き付けた円筒状プラズ
マ反応装置を用いて行われる。
具体的な処理は、この反応装置の他端側の排気口から
排気して装置内を10-4〜10-6Torrのオーダー迄減圧した
後、パーフルオロメタンCF4、パーフルオロエタンC
2F6、パーフルオロプロパンC3F8、トリフルオロメタンC
HF3などの低級アルカンフッ素化物またはモノクロロト
リフルオロメタンCClF3、モノクロロペンタフルオロエ
タンC2ClF5、ジクロロテトラフルオロエタンC2Cl2F4
どの塩素化低級アルカンフッ素化物を10-2〜10-1Torrの
オーダー迄装置内に導入し、出力約1〜200Wの高周波を
約1/2〜10分間程度グロー放電することにより行われ、
グロー放電に用いられるこれらのフッ素系ガスは、ガス
透過性の減少を小さくすることができる。
〔発明の効果〕
本発明方法は、平膜状ばかりではなく中空糸状の気体
分離膜に適用することができ、しかもポリトリメチルシ
リルプロピン中に添加されたポリオルガノシロキサン、
ポリトリメチルビニルシラン、パーフルオロ芳香族炭化
水素またはエステル基中にトリメチルシリル基を有する
フマル酸ジエステルのプラズマ処理による固定化作用に
より、得られた気体分離膜の透過気体の透過安定性を透
過速度および分離係数のいずれの点においても満足せし
めている。従って、この気体分離膜は、空気の酸素富化
などに有効に用いることができる。
〔実施例〕
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1 ポリトリメチルシリルプロピン0.1gおよびヘキサメチ
ルシクロトリシロキサン0.01gをn−ヘプタン10gに溶解
させて調製したキャスト液の0.3mlを、酢酸セルロース
系多孔質膜状体(日本ミリポリアミテッド製品ミリポア
フィルター、孔径0.22μm)上にキャストし、自然乾燥
させた。
この複合膜をグロー放電処理装置の真空容器内に入
れ、10-4Torr迄排気した後四フッ化炭素を0.05Torr導入
し、有効電力3Wで2分間グロー放電してプラズマ処理し
た。
実施例2 実施例1において、ヘキサメチルシクロトリシロキサ
ンの代りに、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサ
ンの同量が用いられた。
比較例1〜2 実施例1〜2において、複合膜のプラズマ処理が行わ
れなかった。
比較例3 実施例1において、ヘキサメチルシクロトリシロキサ
ンが用いられなかった。
以上の各実施例および比較例で得られた、プラズマ処
理されたあるいは処理されない複合膜に、2Kgf/cm2の加
圧空気を透過させ、酸素富化した空気の透過密度Q(単
位:10-4×cm3/cm2・sec・cmHg)および酸素濃度(分離
係数αとして記載)を透過前、透過100時間後および200
時間後についてそれぞれ測定した。得られた結果は、次
の表1に示される。
実施例3 実施例1において、キャスト液としてポリトリメチル
シリルプロピン0.15gおよびパーフルオロトルエン0.03g
をn−ヘプタン15gに溶解させて調製した溶液の同量が
用いられた。
実施例4 実施例3において、パーフルオロトルエンの代りに、
パーフルオロナフタレンの同量が用いられた。
比較例4 実施例4において、複合膜のプラズマ処理が行われな
かった。
比較例5 実施例3において、パーフルオロトルエンが用いられ
なかった。
以上の実施例3〜4および比較例4〜5で得られた、
プラズマ処理されたあるいは処理されない複合膜につい
て、前記と同様の測定が行われた。得られた結果は、次
の表2に示される。
実施例5 実施例1において、ヘキサメチルシクロトリシロキサ
ンの代りに、ジ(トリメチルシリル)フマレートの同量
が用いられた。
実施例6 実施例1において、ヘキサメチルシクロトリシロキサ
ンの代りに、ジ(トリメチルシリルメチレン)フマレー
トの同量が用いられた。
比較例6〜7 実施例5〜6において、複合膜のプラズマ処理が行わ
れなかった。
以上の実施例5〜6および比較例6〜7で得られた、
プラズマ処理されたあるいは処理されない複合膜につい
て、前記と同様の測定が行われた。得られた結果は、次
の表3に示される。
実施例7 ポリトリメチルシリルプロピン0.12gおよびポリトリ
メチルビニルシラン6.5mgをn−ヘプタン12.8gに溶解さ
せて調製したキャスト液の0.3mlを、酢酸セルロース径
多孔質膜状体(日本ミリポアリミテッド製品ミリポアフ
ィルター、孔径0.22μm)上にキャストし、自然乾燥さ
せた。
この複合膜をグロー放電処理装置の真空容器内に入
れ、10-6Torr迄排気した後四フッ化炭素を0.05Torr導入
し、有効電力10Wで2分間グロー放電してプラズマ処理
した。
実施例8 実施例7において、ポリトリメチルビニルシランの使
用量が30mgに変更された。
比較例8 実施例7において、複合膜のプラズマ処理が行われな
かった。
比較例9 実施例7において、ポリトリメチルビニルシランが用
いられなかった。
以上の実施例7〜8および比較例8〜9で得られた、
プラズマ処理されたあるいは処理されない複合膜につい
て、前記と同様の測定(ただし、透過後は100時間後の
み)が行われた。得られた結果は、次の表4に示され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 71/70 B01D 69/12 B01D 67/00 C08J 9/36

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質支持体の表面にポリトリメチルシリ
    ルプロピンおよびポリオルガノシロキサンの混合物より
    なる気体分離性薄膜を形成させ、該気体分離性薄膜の表
    面を低級アルカンフッ素化物または塩素化低級アルカン
    フッ素化物の雰囲気下でプラズマ処理することを特徴と
    する気体分離膜の製造方法。
  2. 【請求項2】多孔質支持体の表面にポリトリメチルシリ
    ルプロピンおよびポリトリメチルビニルシランの混合物
    よりなる気体分離性薄膜を形成させ、該気体分離性薄膜
    の表面を低級アルカンフッ素化物または塩素化低級アル
    カンフッ素化物の雰囲気下でプラズマ処理することを特
    徴とする気体分離膜の製造方法。
  3. 【請求項3】多孔質支持体の表面にポリトリメチルシリ
    ルプロピンおよびパーフルオロ芳香族炭化水素の混合物
    よりなる気体分離性薄膜を形成させ、該気体分離性薄膜
    の表面を低級アルカンフッ素化物または塩素化低級アル
    カンフッ素化物の雰囲気下でプラズマ処理することを特
    徴とする気体分離膜の製造方法。
  4. 【請求項4】多孔質支持体の表面にポリトリメチルシリ
    ルプロピンおよびエステル基中にトリメチルシリル基を
    有するフマル酸ジエステルの混合物よりなる気体分離性
    薄膜を形成させ、該気体分離性薄膜の表面を低級アルカ
    ンフッ素化物または塩素化低級アルカンフッ素化物の雰
    囲気下でプラズマ処理することを特徴とする気体分離膜
    の製造方法。
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