JP2804464B2 - 焼却炉 - Google Patents

焼却炉

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JP2804464B2
JP2804464B2 JP558096A JP558096A JP2804464B2 JP 2804464 B2 JP2804464 B2 JP 2804464B2 JP 558096 A JP558096 A JP 558096A JP 558096 A JP558096 A JP 558096A JP 2804464 B2 JP2804464 B2 JP 2804464B2
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明俊 宮崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外において使用
される焼却炉に関し、特に、風雨の影響を受けないよう
にした焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、焼却炉は、箱状の炉本体とこの
炉本体の上部に連結された煙突とから構成されている。
また、炉本体には、焼却物を投入するための投入口と、
炉本体内に空気を供給するための通気孔が設けられてい
る。
【0003】上記の焼却炉の通気孔は、一般に、水平に
形成されているが、焼却炉を屋外で使用する場合、雨が
通気孔を通って炉本体内に降りこんで焼却物を濡らすた
めに、焼却を効率よく行うことができないという問題が
あった。また、燃焼後の燃えかすが通気孔を通って焼却
炉の回りにこぼれ落ちて周囲が汚れたり、火の粉が散っ
て危険であるという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、風雨
の影響を受けることが少なく、かつ、燃焼後の燃えかす
が外部に漏れることが少なく燃焼効率のよい焼却炉を提
供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の焼却炉は、側壁
に上向きに凸に折り曲がった通気孔を有することを特徴
とする。
【0006】また、前記通気孔が、内側から外側に向か
って上方に傾斜した第1の通気部と該第1の通気部と連
通し、外側に向かって下方に傾斜した第2の通気部とか
らなることを特徴とする。
【0007】また、前記第1の通気部と前記第2の通気
部との境界部の下端位置が、前記第1の通気部の側壁内
周面における上端位置よりも上方に位置し、前記第2の
通気部の側壁外周面における上端位置が前記第1の通気
部と前記第2の通気部との境界部の上端位置よりも下方
に位置することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の焼却炉の実施例
を示す断面図である。
【0009】焼却炉は、全体としてコンクリートからな
るほぼ四角筒状体であり、本実施例においては、下方か
ら、燃焼部1、通気部2、投入部3、煙突部4の4段構
成となっている。
【0010】燃焼部1においては、燃焼部側壁5の内側
に燃焼室6を形成するための、前後方向に伸延する、す
なわち、図1において紙面に対して垂直な方向に伸延す
る対向する一対の内壁7が設けられており、この内壁7
の上端部と燃焼部側壁5との間に上側に向かってテーパ
ー状に開く傾斜壁8が設けられている。なお、燃焼部1
の前後の方向に関しては、内壁7と傾斜壁8は設けられ
ておらず、燃焼部側壁5の内側が直接燃焼室6に対向し
ている。内壁7と傾斜壁8の境界近傍には、鋳鉄製のグ
リル9が載置されている。また、燃焼部側壁5及び内壁
7には通気孔10,11,12が形成されている。
【0011】燃焼部1の上部に載置された通気部2にお
いては、通気部側壁13に垂直方向及び水平方向に所定
の間隔で多数の通気孔14が形成されている。本発明
は、通気孔14の構造に特徴を有するものであるが、通
気孔14の構造の詳細については後述する。
【0012】通気部2の上部に載置された投入部3の投
入部側壁15の側面には、焼却物を投入するための投入
口16が設けられている。また、この投入口16を開閉
自在に覆う把手17を備えた鉄製の蓋体18と、投入口
16の上部に揺動自在に吊り下げられた鉄板19が設け
られている。
【0013】投入部3の上部に載置された煙突部4の煙
突部側壁20の下端部には上側に向かってテーパー状に
狭くなる傾斜壁21が設けられている。煙突部側壁20
と傾斜壁21の境界近傍において、煙突部側壁20には
排水用透孔22が形成され、また、煙突部側壁20の傾
斜壁21の上端部の高さと対応する位置の近傍にも排水
用透孔23が形成されている。
【0014】傾斜壁21の上端部には、煙突本体24が
取り付けられる。煙突本体24は、傾斜壁21の上端部
に取り付けられ径小角筒部25と、この径小角筒部25
に対して図示しない連結部を介して連結された径大角筒
部26とから構成されている。径小角筒部25の外周面
には抜け落ち防止用の環状のリブ27が設けられてい
る。また、径大角筒部26の下端近傍には、雨水の侵入
を防止するための遮蔽板28が設けられ、この遮蔽板2
8と径大角筒部26の境界近傍において、径大角筒部2
6に排水用透孔29が形成されている。なお、径小角筒
部25の上端部は、径大角筒部26の下端部より上方に
位置するように寸法が設定されている。
【0015】図2は、図1に符号Pで示す焼却炉の通気
孔の近傍を拡大して示す断面図である。本実施例におい
ては、通気孔14は、側壁13の内周面から外側に向か
って側壁13の厚みの途中まで上昇する第1の通気部3
0と、この第1の通気部30の上端から外側に向かって
側壁の外周面まで下降する第2の通気部31とから構成
されている。本実施例においては、図2において、第1
の通気部30の側壁13の内周面における上端位置を
A、第1の通気部30と第2の通気部31との境界部の
上端位置をB、第2の通気部31の側壁13の外周面に
おける上端位置をC、第1の通気部30の側壁13の内
周面における下端位置をD、第1の通気部30と第2の
通気部31との境界部の下端位置をE、第2の通気部3
1の側壁13の外周面における下端位置をF、位置Dと
位置Fを結ぶ直線が側壁13の外周面を横切る位置をG
としたとき、以下の条件を満足するように、第1の通気
部30と第2の通気部31の傾斜、直径、及び長さを設
定する。
【0016】[条件1] 位置Eの高さを位置Aの高さ
よりも高くする。
【0017】[条件2] 位置Cの高さを位置Bの高さ
よりも低くする。
【0018】別の表現をするならば、内側の第1の通気
部30は外側に向かって上方に傾斜し、外側の第2の通
気部31は、外側に向かって下方に傾斜している。ま
た、通気を良好に行うために、通気孔14の径は一定で
あることが望ましい。
【0019】次に、上述した焼却炉の動作について説明
する。
【0020】先ず、投入部3の蓋体18を開き、焼却物
を焼却炉内に投入する。このとき、投入口16の上部か
ら鉄板19が吊り下げられているので、焼却炉内の高温
の空気や煙や燃えかすが、投入部3から外部に噴出する
ことがなく、作業者は安全に作業を行うことができる。
また、鉄板19は揺動可能であるので、焼却物の投入の
邪魔になることはない。投入された焼却物はグリル9上
に落下し、燃焼室6内の燃焼物の熱及び炎により加熱さ
れて燃えはじめる。燃焼の際に必要な空気は、燃焼部側
壁5、内壁7に形成された複数の通気孔10,11,1
2、及び、通気部2に形成された通気孔14を介して焼
却炉内に取り入れられる。
【0021】燃焼により生じた高熱空気及び燃焼ガス
は、通気部2、投入部3を通過して上昇し、煙突部4の
煙突本体24の遮蔽板28に突き当たって進路が変更さ
れ、煙突本体24の径小角筒部25と径大角筒部26と
の間の空間を通過して下向きに進み、傾斜壁21で再度
進路が変更され、煙突部側壁20と径大角筒部26との
間の空間を通過して上向きに進み大気中に排出される。
このように、燃焼ガスを直接大気中に排出するのではな
く、一旦煙突部4内で屈曲させて排出することにより、
炎や火の粉が外部に漏れることがなくなり、安全性が高
まる。更にこの屈曲部の存在により、外部の強風が直接
焼却炉内に吹き込むことがないので、燃焼状態が急激に
変化することがなく、安定して焼却を行うことができ
る。また、径小角筒部25の内側の面積S1と径小角筒
部25の外周と径大角筒部26の内周との間の環状部の
面積S2をほぼ等しくし、且つ、径大角筒部26の外周
と煙突部側壁20の内周との間の面積を上記面積S2よ
りも大きくすることにより、径小角筒部25を通過して
上昇する燃焼ガスの速度よりも、径大角筒部26の外周
と煙突部側壁20の内周との間を通過して上昇する燃焼
ガスの速度の方が遅くなり、燃焼ガスとともに吹き上げ
られる燃えかすが自重により空気中を沈殿するので、燃
えかすが大気中に排出されることが少なくなる。また更
に、排水用透孔23を塞いで、傾斜壁21と煙突部側壁
20との間に水を溜めておくことにより、燃焼ガスが屈
曲部を通過する時に、燃焼ガスが冷却されるとともに火
の粉が消されるので、燃焼ガスを安全に大気中に排出す
ることができる。
【0022】燃焼後の燃えかすは、一部はグリル9を通
過して燃焼室6に落下し、一部はグリル9の上に順次堆
積する。堆積した燃えかすの高さが、通気部2の通気孔
14の高さに達すると、燃えかすの一部は通気孔14に
流れ込むが、[上記条件1]により、通気孔14の位置
Eの高さは位置Aの高さよりも高いので、通気孔14か
ら流入した燃えかすが位置Eを乗り越えて通気部側壁1
3の外側に流出することはない。燃焼部1の内壁7に形
成された通気孔11も通気孔14と同様な構造を有して
折り、同様な機能を有する。
【0023】次に、降雨時の動作状態について説明す
る。本実施例においては。[上記条件2]により、通気
孔14の位置Cの高さは位置Bの高さよりも低いので、
すなわち、第2の通気部31は外側に向かって下方に傾
斜しているので、雨が通気孔14を通って焼却炉の内部
に降りこむことはない。従って、焼却物が濡れることが
なく、燃焼効率を高めることができる。また、通気孔1
4の位置Cの高さは位置Gの高さよりも低いことが望ま
しい。更に、通気孔14の位置Cの高さを位置Eの高さ
よりも低くしておけば、一層確実に雨の降りこみを防止
することができる。
【0024】また、煙突部4には遮蔽板28が設けてあ
るので、雨が直接焼却炉の内部に降りこむことはない。
遮蔽板28の上に降った雨は、径大角筒部26に形成さ
れた排水用透孔29を通して排出され、傾斜壁21の上
に落下する。排水用透孔22が貫通している場合には、
傾斜壁21の上に落下した雨は、排水用透孔22を通し
て焼却炉の外部に排出される。排水用透孔22が塞がれ
ている場合には、傾斜壁21と煙突部側壁20との間に
雨水が溜まり、燃焼ガスに対して冷却、消火等の機能を
果たす。雨水の量が排水用透孔23の高さ以上になる
と、雨水は排水用透孔23を通して焼却炉の外部に排出
され、傾斜壁21と煙突部側壁20との間に溜まった雨
水の水位は、傾斜壁21の上端よりも低い一定の高さに
維持される。したがってたまった雨水が焼却炉内にあふ
れることはない。
【0025】
【発明の効果】通気孔を上向きに凸に折り曲げたので、
焼却炉内部の燃えかすが通気孔を通して外部に漏れ出す
ことがない。したがって周囲を汚すことがなく、また、
安全である。また、雨水が通気孔を通して焼却炉内部に
降りこむことがないので、燃焼効率を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の焼却炉の実施例を示す断面図であ
る。
【図2】 図1に符号Pで示す焼却炉の通気孔の近傍を
拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1…燃焼部、2…通気部、3…投入部、4…煙突部、5
…燃焼部側壁、6…燃焼室、7…内壁、8…傾斜壁、9
…グリル、10,11,12…通気孔、13…通気部側
壁、14…通気孔、15…投入部側壁、16…投入口、
17…把手、18…蓋体、19…鉄板、20…煙突部側
壁、21…傾斜壁、20…煙突部側壁、21…傾斜壁、
22…排水用透孔、23…排水用透孔、24…煙突本
体、25…径小角筒部、26…径大角筒部、27…リ
ブ、28…遮蔽板、29…排水用透孔、30…第1の通
気部、31…第2の通気部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側壁に上向きに凸に折り曲がった通気孔
    を有することを特徴とする焼却炉。
  2. 【請求項2】 前記通気孔が、内側から外側に向かって
    上方に傾斜した第1の通気部と該第1の通気部と連通
    し、外側に向かって下方に傾斜した第2の通気部とから
    なることを特徴とする請求項1記載の焼却炉。
  3. 【請求項3】 前記第1の通気部と前記第2の通気部と
    の境界部の下端位置が、前記第1の通気部の側壁内周面
    における上端位置よりも上方に位置し、前記第2の通気
    部の側壁外周面における上端位置が前記第1の通気部と
    前記第2の通気部との境界部の上端位置よりも下方に位
    置することを特徴とする請求項2記載の焼却炉。
JP558096A 1996-01-17 1996-01-17 焼却炉 Expired - Lifetime JP2804464B2 (ja)

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