JP2803491B2 - 自動変速機のワンウェイクラッチフリクション防止装置 - Google Patents

自動変速機のワンウェイクラッチフリクション防止装置

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JP2803491B2 JP4258220A JP25822092A JP2803491B2 JP 2803491 B2 JP2803491 B2 JP 2803491B2 JP 4258220 A JP4258220 A JP 4258220A JP 25822092 A JP25822092 A JP 25822092A JP 2803491 B2 JP2803491 B2 JP 2803491B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の動力伝達系
に設けられたワンウェイクラッチの開放時におけるフリ
クションを防止する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は各種摩擦要素(摩擦クラッ
チや摩擦ブレーキ)の選択的油圧作動(締結)により対
応変速段を選択し、作動する摩擦要素の変更により他の
変速段への変速を行うよう構成する。
【0003】ところで低速段から高速段へのアップシフ
ト変速に当たっては、低速段での動力伝達をワンウェイ
クラッチを介して行い、高速段への変速が当該ワンウェ
イクラッチの開放により完遂されるようにするのが変速
ショックの対策上好ましく、今日多くの自動変速機がこ
の方式を採用している。
【0004】本願出願人が開発使用中で、「NISSA
Nマキシマ新型車解説書J30型系車変更点の紹介」1
991年8月発行(FOO7671)に記載の自動変速
機もその例外ではない。この自動変速機においては、フ
ォワードワンウェイクラッチが上記のワンウェイクラッ
チに相当し、このフォワードワンウェイクラッチは第1
速乃至第3速で係合して動力伝達に寄与し、第3速状態
においてバンドブレーキを追加作動させる時に遂行され
る第4速への変速に当り開放され、当該変速を滑らかに
行わせ得る。
【0005】しかし、第4速でフォワードワンウェイク
ラッチが内外レースを夫々に別々の回転を行う回転メン
バに結合されたままであるため、これら内外レース間の
相対回転にともなうワンウェイクラッチのフリクショッ
クを避けられず、その分動力損失が多くなって燃費の悪
化を招く。
【0006】この問題解決のために本願出願人は先に、
特願平4−50734号により、ワンウェイクラッチに
係る摩擦要素(フォワードクラッチ)が当該第4速では
動力伝達に関与しないことから、これを開放するよう該
要素の作動圧をドレンするコントロール弁を変速制御油
圧回路に付加し、これによりワンウェイクラッチの上記
フリクションを防止するようにした装置を提案済みであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかして、このように
高速段(第4速)で低速段選択用の摩擦要素を解放する
対策を行うと、この摩擦要素を締結すべき低速段へのダ
ウンシフト変速に際し、該要素のシリンダ容量が低速段
用であるが故に大きいと共に、該要素の作動圧回路中に
変速ショック対策のためにアキュムレータを具えている
ため、該要素の締結が遅れ気味とり、以下の問題を生ず
る。
【0008】即ち、上記先願発明における自動変速機に
つき詳述すると、図5に破線で示すように第4速から第
3速へのダウンシフト変速指令が発せられる瞬時t1
りフォワードクラッチ圧PF/C が上昇するが、フォワー
ドクラッチは上記の理由によって締結遅れを免れず、当
該変速中に一瞬自動変速機を中立状態にする。ところ
で、ダウンシフト変速は通常、エンジンアクセルペダル
を踏み込んだパワーオン走行において生ずることから、
この時エンジンが図5に破線で示すようにフォワードク
ラッチ締結開始瞬時t2 の直前で空吹けし、変速遅れだ
けでなく、空吹けに伴う大きな変速ショックを発生す
る。
【0009】本発明は、低速段選択用の摩擦要素(フォ
ワードクラッチ)に、ワンウェイクラッチフリクション
防止用の解放中も残圧を残しておき、これにより当該摩
擦要素を作動流体が充満された締結直前の状態に保つこ
とで、ダウンシフト変速時にこの摩擦要素を速やかに締
結させ得るようワンウェイクラッチフリクション防止装
置を構成して上述の問題を解消することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的のため本発明の
ワンウェイクラッチフリクション防止装置は、或る摩擦
要素の締結によりワンウェイクラッチを介し動力伝達を
行う低速段選択状態で他の摩擦要素を締結する時、前記
ワンウェイクラッチが開放されて高速段への変速を行う
ことができ、この高速段で前記或る摩擦要素の作動圧を
コントロール弁によりドレンして前記ワンウェイクラッ
チのフリクションを防止するようにした自動変速機にお
いて、前記コントロール弁による前記或る摩擦要素の作
動圧のドレン中、該或る摩擦要素に作動流体を補充し
て、該或る摩擦要素に残圧を印加させる残圧手段を設け
て構成した点に特徴づけられる。
【0011】なお、上記の構成において、前記残圧手段
は前記コントロール弁に内蔵させるのが有利である。
【0012】
【作用】自動変速機は或る摩擦要素の締結により、ワン
ウェイクラッチを介して動力伝達を行う低速段選択状態
となる。この状態で上記他の摩擦要素を締結すると、上
記ワンウェイクラッチの解放を介し高速段への変速がな
される。この高速段でコントロール弁は、上記ワンウェ
イクラッチに係わる上記或る摩擦要素の作動圧をドレン
してこの摩擦要素を解放する。よって、高速段でこの摩
擦要素がワンウェイクラッチを対応する回転メンバから
切り離すこととなり、ワンウェイクラッチ内外レースの
強制的な相対回転が回避されてワンウェイクラッチのフ
リクションを防止することができる。
【0013】ところで、上記コントロール弁による上記
或る摩擦要素の作動圧のドレン中、残圧手段は当該或る
摩擦要素に作動流体を補充してこの摩擦要素に残圧を印
加させる。従って、ワンウェイクラッチのフリクション
を防止するため該摩擦要素は解放されていると雖も、作
動流体を充満された締結直前の状態で上記のフリクショ
ン防止作用を行っており、該摩擦要素を締結させるべき
ダウンシフト変速に際して該摩擦要素が締結遅れを生ず
ることがなく、この締結遅れに伴う変速遅れや、エンジ
ンの空吹け、更にはエンジンの空吹けに伴う大きな変速
ショックを回避することができる。
【0014】なお第2発明においては、上記残圧手段を
コントロール弁に内蔵させた構成によって、部品点数の
減少及び構成の簡易化が図れ、コスト上大いに有利であ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は本発明ワンウェイクラッチフリクショ
ン防止装置を適用した自動変速機の動力伝達列及び各種
摩擦要素の締結論理表を示す。この伝動列は前記文献に
記載されたと同じもので、トルクコンバータ1を介しエ
ンジンクランクシャフトからの回転動力を伝達される入
力軸2及びこれに同軸に出力軸3を具え、これら入出力
軸上に同軸に配した第1遊星歯車組4及び第2遊星歯車
組5と、後述の各種摩擦要素とで構成する。
【0016】第1遊星歯車組4はサンギヤ4S、リング
ギヤ4R、これらに噛合するピニオン4P及びピニオン
4Pを回転自在に支持するキャリア4Cよりなる通常の
単純遊星歯車組とし、第2遊星歯車組5もサンギヤ5
S、リングギヤ5R、ピニオン5P及びキャリア5Cよ
りなる単純遊星歯車組とする。
【0017】次に変速制御を司る各種摩擦要素を説明す
る。キャリア4CはハイクラッチH/Cを介して入力軸
2に適宜結合可能とし、サンギヤ4Sはバンドブレーキ
B/Bにより適宜固定可能とする他、リバースクラッチ
R/Cにより入力軸2に適宜結合可能とする。キャリア
4Cは更に多板式のローリバースブレーキLR/Bによ
り適宜固定可能にすると共に、ローワンウェイクラッチ
LO/Cを介して逆転(エンジンと逆方向の回転)を阻
止する。リングギヤ4Rはキャリア5Cに一体結合して
出力軸3に駆動結合し、サンギヤ5Sを入力軸2に結着
する。リングギヤ5RはオーバーランクラッチOR/C
を介して適宜キャリア4Cに結合可能とする他、フォワ
ードワンウェイクラッチFO/C及びフォワードクラッ
チF/Cを介してキャリア4Cに相関させる。フォワー
ドワンウェイクラッチFO/CはフォワードクラッチF
/Cの結合状態でリングギヤ5Rを逆転方向(エンジン
回転と逆の方向)においてキャリア4Cに結合させるも
のとする。
【0018】ハイクラッチH/C、リバースクラッチR
/C、ローリバースブレーキLR/B、オーバーランク
ラッチOR/C及びフォワードクラッチF/Cは夫々、
油圧の供給により作動されて前記の適宜結合及び固定を
行うものであるが、バンドブレーキB/Bは特に図1の
表に示す如く2速サーボアプライ室2A、3速サーボレ
リーズ室3R及び4速サーボアプライ室4Aを有し、常
態で開放され、室2Aのみへの圧力供給により締結さ
れ、室2Aに加え室3Rにも圧力を供給する時開放さ
れ、室2A,3Rに加え室4Aにも圧力を供給する時締
結されるものとする。
【0019】図1の動力伝達列は、摩擦要素B/B,H
/C,F/C,OR/C,LR/B,R/Cを同図の表
中に示す如く種々の組合せで作動(○印で示す)させる
ことにより、摩擦要素FO/C,LO/Cの適宜作動
(係合)と相俟って、遊星歯車組4,5を構成する要素
の回転状態を変え、これにより入力軸2の回転速度に対
する出力軸3の回転速度比を変えて前進4速後退1速の
変速段を得ることができる。なお、図1の表中△印も作
動(油圧流入)を示すが、この△印はエンジンブレーキ
が必要な時に作動させるべき摩擦要素を示す。そして、
△印の如くオーバーランクラッチOR/Cが作動されて
いる間、これに並置したフォワードワンウェイクラッチ
FO/Cは解放不能に保たれてエンジンブレーキを可能
にし、ローリバースブレーキLR/Bが作動している間
これに並置したローワンウェイクラッチLO/Cが解放
不能に保たれエンジンブレーキを可能にすること勿論で
ある。
【0020】更に、図1の表中フォワードクラッチF/
Cの点線丸印は、このクラッチが第4速で動力伝達に関
与しないにもかかわらず従来、変速制御油圧回路の都合
上締結のままにされていたことを示す。この場合第4速
で、フォワードワンウェイクラッチFO/Cのアウター
レースが入力回転と同速度で駆動されることとなり、増
速回転されているインナレースとの間に相対回転が存在
してワンウェイクラッチFO/Cのフリクションによる
燃費悪化を生ずる。
【0021】そこで本例においては、第4速でフォワー
ドクラッチF/Cを作動圧のドレンにより非作動にする
(解放する)ことにより、ワンウェイクラッチFO/C
のアウターレースがインナーレースに追従して回転し得
るようにし、ワンウェイクラッチのフリクションを防止
して燃費を向上させる。この目的のため、図1の動力伝
達列に対する変速制御油圧回路を図2の如くに構成す
る。但し、この回路を基本的には前記文献に記載の変速
制御油圧回路に同じとし、図2では本発明に係る部分の
みについて示した。
【0022】11はレギュレータ弁で、オイルポンプ12か
らの作動油を周知の作用により所定のライン圧PL に調
圧し、これを自動変速機の総ての元圧として使用するよ
う回路13に出力する。このライン圧はマニュアル弁14、
パイロット弁15、切換弁16に供給し、パイロット弁15は
ライン圧PL を減圧して一定のパイロット圧PP とな
し、これを回路17によりフォワードクラッチコントロー
ル弁18、シフトソレノイドA,B及びオーバーランクラ
ッチソレノイドCに供給する。
【0023】マニュアル弁14は運転者が希望する走行形
態に応じ手動操作するもので、駐(停)車を希望してP
(N)レンジにする時回路13のライン圧をどの出力回路
にも供給せず、全てをドレンする。又マニュアル弁14
は、自動変速走行を希望してDレンジにする時回路13の
ライン圧を回路19にDレンジ圧PD として出力し、他の
出力回路を全てドレンし、第2速エンジンブレーキ走行
を希望して2レンジにする時回路13のライン圧を回路20
にも2レンジ圧P2 として出力し、他の出力回路をドレ
ンし、第1速エンジンブレーキ走行を希望して1レンジ
にする時回路13のライン圧を回路21にも1レンジ圧P1
として出力し、他の出力回路をドレンするものとする。
更にマニュアル弁14は、後退走行を希望してRレンジに
する時回路13のライン圧を回路22にR レンジ圧として
出力し、他の出力回路を全てドレンするものとする。
【0024】Dレンジ圧回路19は一方でフォワードクラ
ッチコントロール弁18に接続し、この弁はスプール18a
の図示位置で回路23をDレンジ圧回路19に通じ、スプー
ル18 a の図中下降位置で回路23を2レンジ圧回路20に切
り換え接続するものとする。そして弁18はスプール18a
の上端に回路17のパイロット圧PP を常時作用され、逆
向きにばね18b と回路24からの圧力を作用されて、回路
24からの圧力の存否に応じスプール18a を図示位置と、
下降位置との間でストローク制御されるものとする。
【0025】スプール18aには更にオリフィス18c
を形成し、このオリフィス18cは図3に明示するよう
に、回路24からの圧力によりスプール18aが図中左
半部位置にストロークする時遮断されるが、回路24に
おける圧力の消失によりスプール18aが図中右半部位
置にストロークする時開通して回路19,23間を制限
下に通じるものとする。なおスプール18aは、後者の
位置で上記の通り回路20,23間を連通するが、その
連通度を後述の作用に照らしてオリフィス18cの開度
よりも小さくなす。
【0026】Dレンジ圧回路19は他方で切換弁16及びオ
ーバーランクラッチコントロール弁25に接続すると共
に、図示せざるDレンジ用変速制御油路に接続してシフ
トソレノイドA,Bの図4に示すON,OFFにより図
1の表に○印で示す油圧供給論理を達成させ、第1速乃
至第4速を自動選択可能とする。但し、シフトソレノイ
ドA,Bは夫々ON時回路17のパイロット圧PP を回路
26, 27に変速信号圧として出力し、OFF時回路26, 27
をドレンするものとする。
【0027】切換弁16はスプール16a の上端に回路28の
4速選択圧P4 を作用され、逆向きにばね16b 及び回路
20からの2レンジ圧P2 を作用され、スプール16a の図
示位置でフォワードクラッチコントロール弁18からの回
路24をライン圧回路13に通じると共にオーバーランクラ
ッチコントロール弁25からの回路29をコントロール弁制
御ソレノイドCからの回路30に通じ、スプール16a の下
降位置で回路24を回路30に、又回路29をDレンジ圧回路
19に切り換え接続するものとする。
【0028】なお、回路28の4速選択圧P4 は上記の自
動変速で4速を選択すべき時に生ずる圧力で、この圧力
はオーバーランクラッチコントロール弁25が回路31を回
路28に通じる時バンドブレーキB/Bの4速サーボアプ
ライ室4Aに供給されて第4速を選択することができ
る。又、コントロール弁制御ソレノイドCはシフトソレ
ノイドA,Bと同じもので、ON時回路17のパイロット
圧を回路30に出力し、OFF時この回路30をドレンする
ものとする。
【0029】オーバーランクラッチコントロール弁25は
スプールの上端にばね24a 及び回路21の1レンジ圧P1
を作用され、逆向きに回路29の圧力を作用され、図示の
下降位置で回路28をドレンポート25c に、又オーバーラ
ンクラッチOR/Cからの回路32をDレンジ圧回路19に
通じ、上昇位置で回路28, 32を夫々回路31及びドレンポ
ート25c に切り換え接続するものとする。
【0030】上記実施例の作用を次に説明する。マニュ
アル弁14をDレンジにした自動変速走行中、シフトソレ
ノイドA,Bの図4に示すON,OFFによって図1の
表に示す論理で第1速乃至第4速が選択される。第1速
乃至第3速では4速選択圧P4 が発生せず、切換弁16が
スプール16a を図示の上昇位置にし、回路24, 29を回路
13, 30に通じている。よって、回路24にライン圧が供給
され、フォワードクラッチコントロール弁18がスプール
18 a を図2に示す上昇位置にされる。これにより当該D
レンジで回路19に出力されたDレンジ圧は弁18、回路23
を経てフォワードクラッチF/Cに至り、これを締結状
態に保ち、第1速乃至第3速の選択を可能ならしめる。
【0031】第1速乃至第3速でエンジンブレーキが必
要な走行条件になると、これをコンピュータが判断して
ソレノイドCをOFFすることにより回路30をドレンす
る。よって回路30に通じている回路29もドレンされるこ
ととなり、オーバーランクラッチコントロール弁25は回
路32をDレンジ圧回路19に通じてオーバーランクラッチ
OR/Cを締結し、自動エンジンブレーキを実現する。
しかして、エンジンブレーキが必要でない間はソレノイ
ドCのONにより回路30にパイロット圧を供給し、これ
を回路29を経て弁25に供給することから、この弁25はオ
ーバーランクラッチOR/Cをドレンポート25c に通じ
て解放すると共に、回路28を回路31に通じている。
【0032】従って、回路31に4速選択圧P4 が発生す
ると、これが回路28から、バンドブレーキB/Bの室4
Aに至り、バンドブレーキの締結により第4速を選択す
ることができる。
【0033】ところで、この第4速選択状態においては
4速選択圧P4 が切換弁16の上端に作用し、下端に作用
する2レンジ圧P2 が当該Dレンジでは存在しないこと
もあって、切換弁16は下降位置にされ、回路24, 29を夫
々回路30, 19に切り換え接続する。回路24, 30の連通で
ソレノイドCによるフォワードクラッチコントロール弁
18の制御が可能となり、回路29, 19の連通でオーバーラ
ンクラッチコントロール弁25が上昇位置に保持されて4
速圧P4 によるバンドブレーキB/Bの締結保持(4速
選択保持)及び切換弁16の下降位置保持を可能にする。
【0034】ここで、4速選択状態においてコンピュー
タはソレノイドCをOFFする。これにより回路30のド
レン、従って回路24のドレンによりフォワードクラッチ
コントロール弁18は下降位置(図3の右半部位置)にさ
れ、回路23は2レンジ圧回路20に切り換え接続される。
ところで、当該Dレンジにおいては2レンジ圧回路20が
ドレンされているため、これを経てフォワードクラッチ
F/Cの作動圧がドレンされ、これを解放することがで
きる。以上により、第4速では動力伝達に寄与しないフ
ォワードクラッチF/Cが非作動状態となり、図1につ
き前述したフォワードワンウェイクラッチFO/Cのフ
リクションを防止して燃費を向上させることができる。
【0035】この間フォワードクラッチコントロール弁
18は、図3から明かなように、回路23からのフォワ
ードクラッチ締結圧PF/C を回路20からドレンして上
記のフリクション防止作用を可能ならしめるが、一方で
回路23にはオリフィス18cを経てDレンジ圧PD
補充され、この回路23のフォワードクラッチ締結圧P
F/C は0にならず、フォワードクラッチF/Cには図5
に示すPi程度の残圧が残り、このクラッチを作動流体
が充満された締結直前の状態に保つ。よって、フォワー
ドクラッチF/Cを締結して行う4→3ダウンシフト変
速時、以下の作用効果が奏し得られる。
【0036】この4→3ダウン変速に当たっては、図4
から明らかなようにシフトソレノイドAをOFFに切り
換え、回路31の4速選択圧P4 を消失させる。これに
より切り換え弁16は、図2の位置に切り換わり、回路
13,24間及び29,30間を連通させる。回路1
3,24間の連通によりフォワードクラッチコントロー
ル弁18も図2の位置に切り換わって、回路23からの
フォワードクラッチ締結圧PF/C を図5に実線で示すよ
うに上昇させ、フォワードクラッチF/Cの締結により
所定通りに当該変速を完遂させる。
【0037】ところで前述したように、フォワードクラ
ッチF/Cがその解放中も締結圧P F/C を0にされず、
残圧Piをもって作動流体を充満された締結直前状態に
されていることから、フォワードクラッチ締結圧PF/C
は図5に実線で示す如く速やかに上昇してフォワードク
ラッチF/Cの締結遅れを生ずることがなく、同図に同
じく実線で示すエンジン回転数の変化傾向からも明かな
ように、エンジンの空吹けをなくして、大きな変速ショ
ックが発生するのを防止することができる。
【0038】
【発明の効果】かくして本発明のワンウェイクラッチフ
リクション防止装置は請求項1に記載の如く、或る摩擦
要素(図示例では、フォワードクラッチF/C)の締結
によりワンウェイクラッチ(図示例では、フォワードワ
ンウェイクラッチFO/C)を介し動力伝達を行う低速
段(図示例では、第3速)選択状態で他の摩擦要素(図
示例では、バンドブレーキB/B)を締結する時、前記
ワンウェイクラッチが開放されて高速段(図示例では、
第4速)への変速を行うことができ、この高速段で前記
或る摩擦要素の作動圧をコントロール弁(図示例では、
フォワードクラッチコントロール弁18)によりドレン
して前記ワンウェイクラッチのフリクションを防止する
ようにした自動変速機において、前記コントロール弁に
よる前記或る摩擦要素の作動圧のドレン中、該或る摩擦
要素に作動流体を補充して、該或る摩擦要素に残圧を印
加させる残圧手段(図示例では、オリフィス18c)を
設けた構成になるから、高速段から低速段への変速に当
り締結すべき前記或る摩擦要素が、残圧により作動流体
を充満された締結直前状態から締結を行うこととなり、
この締結を速やかに完遂させ得て、当該変速中にエンジ
ンの空吹けを生じたり、この空吹けにより大きな変速シ
ョックが生ずる不都合をなくすことができる。
【0039】なお請求項2に記載の本発明によれば、上
記残圧手段をコントロール弁に内蔵させた構成によっ
て、部品点数の減少及び構成の簡易化が図れ、コスト上
大いに有利である
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施の態様になるワンウェイクラッチ
フリクション防止装置を適用した自動変速機の動力伝達
列を各種摩擦要素の締結論理表と共に示す説明図であ
る。
【図2】同伝動列の変速制御油圧回路を本発明に係る部
分のみについて示した回路図である。
【図3】同変速制御油圧回路中におけるフォワードクラ
ッチコントロール弁の詳細拡大断面図である。
【図4】同変速制御油圧回路中におけるシフトソレノイ
ドのON,OFFと選択変速段との関係を示す論理表で
ある。
【図5】同変速制御油圧回路による動作を従来装置のそ
れと比較して示す時系列タイムチャートである。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ 2 入力軸 3 出力軸 4 第1遊星歯車組 5 第2遊星歯車組 F/C フォワードクラッチ(或る摩擦要素) B/B バンドブレーキ(他の摩擦要素) FO/C フォワードワンウェイクラッチ(ワンウェイ
クラッチ) H/C ハイクラッチ OR/C オーバーランクラッチ R/C リバースクラッチ LR/B ローリバースブレーキ A シフトソレノイド B シフトソレノイド C コントロール弁制御ソレノイド 11 レギュレータ弁 12 オイルポンプ 14 マニュアル弁 15 パイロット弁 16 切換弁 18 フォワードクラッチコントロール弁(コントロール
弁) 18C オリフィス(残圧手段) 25 オーバーランクラッチコントロール弁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 或る摩擦要素の締結によりワンウェイク
    ラッチを介し動力伝達を行う低速段選択状態で他の摩擦
    要素を締結する時、前記ワンウェイクラッチが開放され
    て高速段への変速を行うことができ、この高速段で前記
    或る摩擦要素の作動圧をコントロール弁によりドレンし
    て前記ワンウェイクラッチのフリクションを防止するよ
    うにした自動変速機において、 前記コントロール弁による前記或る摩擦要素の作動圧の
    ドレン中、該或る摩擦要素に作動流体を補充して、該或
    る摩擦要素に残圧を印加させる残圧手段を設けて構成し
    たことを特徴とする自動変速機のワンウェイクラッチフ
    リクション防止装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記残圧手段を前記
    コントロール弁に内蔵させたことを特徴とする自動変速
    機のワンウェイクラッチフリクション防止装置。
JP4258220A 1992-09-28 1992-09-28 自動変速機のワンウェイクラッチフリクション防止装置 Expired - Fee Related JP2803491B2 (ja)

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