JP2802390B2 - 光周波数変調特性の測定装置 - Google Patents

光周波数変調特性の測定装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光通信装置の測定に利用する。本発明は周波
数変調された光信号の変調特性を測定するために利用す
る。本発明は半導体レーザから放出され周波数変調され
たコヒーレント光通信用の光信号の変調特性を測定する
に適する。
〔従来の技術〕
コヒーレント光通信では、周波数変調方式が優れてい
ることが知られている。またこのために、半導体レーザ
を直接変調することにより得られる周波数変調信号を用
いると簡単な送信回路を得ることができる。ところが半
導体レーザの直接変調により得られる光信号の周波数変
調信号は、周波数変調成分とともに振幅変調成分をも含
むので、この周波数変調特性の測定には振幅変調成分の
影響の少ない測定方法が必要である。
従来、このような測定にはマッハツェンダ干渉計が用
いられている。第3図にその測定系の構成図を示す。第
2図は入力光周波数と出力光強度を表わす特性図であ
る。横軸に光周波数をとり縦軸に出力光の光強度を表わ
す。この特性曲線の勾配の大きい点aを選び、この点a
の周波数faを中心周波数として周波数変調された入力光
をマッハツェンダ干渉計に与えると、入力された光を2
つに分け、その2つの光に光路差を与えて干渉させ周波
数変調成分を強度変化に変換するので、第2図(a)の
実線と破線で示したような光強度の変化に変換された2
つの光信号が得られる。この光強度に変換された2つの
光信号をそれぞれ光電変換素子で電圧信号に変換し、2
つの差分をとることにより振幅変調成分を打ち消すこと
ができる。これを第2図(b)に示す。
この差分電気信号を観測することにより周波数変調応
答特性を観測することができる。前記光路差は温度変化
などの環境の変化によって変化し、周波数faに対する点
が特性曲線の勾配の大きい位置でなくなってしまう。
そこでマッハツェンダ干渉計にヒータを装着してお
き、ヒータにより加熱される温度に従って実効的に光路
が変化して光路差が変化するように構成する。差分電気
信号の一部を周波数変調成分に影響されないために、低
域濾波器を通して制御回路に入力し差分電気信号が常に
平均的に零電位になるように上記ヒータを制御する。
また、別の方法として偏波保持ファイバを利用するも
のが考えられる。偏波保持ファイバには偏波を保持する
2つの直交軸が存在する。これらをそれぞれX軸、Y軸
とする。光がX軸およびY軸を通ると微妙に異なった伝
搬時間で伝搬する。偏波保持ファイバのX軸、Y軸に対
して光の偏波が45度の角度になるように光を入力し、光
の偏波のX軸成分、Y軸成分が異なった伝搬時間で伝搬
する。偏波保持ファイバの光出力端に偏波アナライザを
おき、偏波保持ファイバの1つの偏波保持軸に対して光
の偏波が45度の角度で出射するようにする。この出射光
信号を光電変換素子で電圧信号に変換する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、前記マッハツェンダ干渉計を利用した方法
では、安定測定のためにヒータを装着した光導波路が必
要であるが、光導波路は加工が難しく容易に入手できな
い。
また、前記偏波保持光ファイバを利用する方法では、
偏波保持光ファイバは容易に入手できるが、上記の構成
にすると制御が不可能で安定測定ができない。そのう
え、測定時に強度変調成分も同時に測定するため何らか
の方法で強度変調成分を除去しなければならない。これ
を解決する方法として、偏波保持ファイバへの入射角度
を90度回転して再度測定し、再測定結果から周波数変調
成分のみを取り出す方法が考えられる。しかし、これで
は2回の測定とその処理が必要なため非常に時間を要す
る。
本発明はこれを解決するもので、容易に入手できる偏
波保持光ファイバを利用し、かつ制御を行うことにより
安定な測定を可能にするとともに、その機構がきわめて
簡単であり取扱い工数の小さい装置を提供することを目
的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、偏波保持光ファイバの光出力端に偏波保持
光ファイバのX軸またはY軸それぞれに対してほぼ45度
の角度を成す2つの直交偏波成分をとり出せるように偏
波ビームスプリッタを設け、偏波ビームスプリッタから
の出力ポートにそれぞれ光電変換器を設けて、この2つ
の光電変換器の出力電気信号の差分を出力信号とする電
気回路手段を設けたことを特徴とする。
また、偏波保持光ファイバのX軸またはY軸の実効的
な光路長を制御する手段を設け、この手段に前記出力電
気信号の差分に応じる制御入力、特に望ましくは差分の
時間平均値が零になるような制御回路を備えることがで
きる。
〔作用〕
偏波ビームスプリッタの2つの出力光ポートには、入
力光の周波数変化に対して位相の異なる強度信号が得ら
れる。また、偏波ビームスプリッタの2つの出力光ポー
トには、入力光の振幅変化の影響がそのまま現れる。し
たがって、この2つの光出力ポートに現れる信号を減算
することにより、入力光の振幅変化の影響は除かれると
ともに、周波数変化に対する強度変化は2倍になる。ま
た、偏波保持ファイバのX軸またはY軸の実効的な光路
長を制御する手段を設け、この手段に前記出力電気信号
の差分に応じる制御入力、特に望ましくは差分の時間平
均値が零になるような制御回路を備えることができる。
上記2つの出力ポートの光出力を受信しこの差をとる
ことによる方法が、偏波保持ファイバを利用する測定方
法についても採用できるのは、偏波保持ファイバのX軸
およびY軸それぞれに対して45度の角度を成す2つの直
交偏波成分を同時にとりだせるように偏波ビームスプリ
ッタを設けることによって可能である。このことを式を
用いて説明する。
入力ポートの信号を次式で表わす。
S(t)=Acos{2πft+Φ(t)} …(1) ここで、Aは光の電界、fは光の周波数、Φ(t)は
周波数変調号である。偏波保持ファイバのX軸およびY
軸の信号はそれぞれ ここでτは、光信号がX軸またはY軸を通って偏波保
持ファイバから出力される時の時間差である。偏波ビー
ムスプリッタでX軸またはY軸それぞれに対して45度の
角度を成す2つの直交偏波成分に分けて取り出すのでそ
れぞれ S3(t)=Acos{2πft+Φ(t)} /2−Acos{2πf(t+τ)+Φ(t+τ)}/2 …(4) S4(t)=Acos{2πft+Φ(t)} /2+Acos{2πf(t+τ)+Φ(t+τ)}/2 …(5) これらは電界であるのでこれを受光素子で検波すると S5(t)=A2/4−A2/4 ×cos{2πft+Φ(t+τ)−Φ(t)} …(6) S6(t)=A2/4+A2/4 ×cos{2πft+Φ(t+τ)−Φ(t)} …(7) となる。すなわち、2つの出力ポートのそれぞれによ
る受信ではA2に含まれる強度変調成分も同時に測定する
ことになる。ところが両出力の差をとると S5(t)−S6(t) =A2/2cos{2πfτ+Φ(t+τ)−Φ(t)} …(8) となるため式(6)、(7)に第1項に含まれる強度変
調成分は除去される。もっとも、第2項の成分は差をと
っても除去できずに残るがこれは十分小さいため問題に
ならない。
〔実施例〕
第1図は本発明実施例装置の構成図である。この装置
は、入力光として周波数変調された被測定光の偏波状態
を制御する偏波制御器1と、偏波制御器1の出力光が入
射する偏波保持ファイバ2と、偏波保持ファイバ2の出
力光のX軸およびY軸それぞれに対して45度の角度を成
す2つの直交偏波成分であるX′軸およびY′軸方向成
分に分けて取り出す偏波ビームスプリッタ3と、偏波ビ
ームスプリッタ3の出力光の強度を電気信号に変換する
光電変換器4および5とを備える。偏波制御器1は偏波
保持ファイバ2の1つの偏波保持軸どちらかに対して45
度の角度を成すように制御しておく。偏波ビームスプリ
ッタ3を光のX′軸成分とY′軸成分とに分けて同時に
とり出すように設けられるところに特徴がある。2つの
光電変換器4および5の出力電気信号の差分を出力信号
とする電気回路手段として、この光電変換器4をアノー
ド側の電位と光電変換器5のカソード側の電位とが加算
されるように直列に接続し、この差分の出力は増幅器6
を介して出力端子7に送出される。また、偏波保持ファ
イバ2にはX軸とY軸の光路長の差を制御する手段とし
てピエゾ素子8が設けられ、このピエゾ素子8の電圧を
光電変換器4および5の差分出力にしたがって制御する
制御回路9が接続される。
偏波保持ファイバ2の偏波保持軸X軸およびY軸に
は、その光伝搬時間の差がτであるように実効的な長さ
に差があるから、偏波ビームスプリッタ3の2つの出力
光には干渉が発生する。したがって、ポート10の入力光
と2つの光電変換器4および5の出力との間には、第2
図に示すような周波数光強度特性が得られる。第2図に
おいて実線の曲線は光電変換器4の出力特性であり、破
線の曲線は光電変換器5の出力特性である。
第2図において、この曲線の勾配がほぼ一様である点
aを選び、ポート10に入力する入力光としてこの点aに
対応する周波数faを中心周波数とする周波数変調された
光信号を与えると、光電変換器4および5の出力信号は
この入力光の周波数の変化に応じてその出力が第2図
(a)のように変化する。この強度の変化は2つの光電
変換器4および5について逆方向であるから、これらを
減算することにより第2図(b)のように2倍の振幅と
なる。
この実施例では、ピエゾ素子8により加えられる圧力
にしたがって実効的に光路が変化して、上記時間τが変
化するように構成されている。すなわち、制御回路9の
入力には2つの光電変換器4および5の差分の信号が与
えられる。この制御回路9の入力にはこの入力に与えら
れる上記差分の信号が常に平均的に零電位になるように
制御する制御回路9とが設けられる。
したがって、第2図に示す被測定信号の中心周波数fa
が変動しても、a点は実線と破線のちょうど交点になる
ように追従することになる。
上記例では偏波保持ファイバ2にはX軸およびY軸の
光路長の差を変化させる手段としてピエゾ素子8を用い
たが、これに限らず、偏波保持ファイバの偏波保持X軸
およびY軸の実効的な光路差を変化させるさまざまな方
法を用いて同様に本発明を実施することができる。
偏波保持軸に対する角度は正確に45度でなくわずかに
ずれても本発明は成立する。
〔発明の効果〕
以上述べたように、簡単に得られる偏波保持光ファイ
バを用いて簡単な回路で光周波数変調特性を測定できる
装置が得られる。これはマッハツェンダ干渉計を用いる
ものに比べて、簡便であるとともに安定な測定を行うこ
とができる効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明実施例の構成図。 第2図は従来例装置および本発明実施例装置の動作説明
用波形図。 第3図は従来例装置の構成図。 1……偏波制御器、2……偏波保持ファイバ、3……偏
波ビームスプリッタ、4、5……光電変換器、6……増
幅器、7……出力端子、8……ピエゾ素子、9……光路
長制御回路、11……半導体レーザ、12……ミラー、13…
…モータ。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01J 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏波保持光ファイバと、 この偏波保持光ファイバの一つの偏波保持軸に対してほ
    ぼ45度の偏波面で被測定光を入射させる偏波制御器と、 前記偏波保持光ファイバの出射光を二つの偏波方向の成
    分に分波する偏波ビームスプリッタと、 この偏波ビームスプリッタの二つの出射光の強度をそれ
    ぞれ電気信号に変換する二つの光電変換器と、 この二つの光電変換器の各出力の差分を検出する回路
    と、 前記偏波保持光ファイバ内の二つの偏波保持軸方向成分
    の伝搬速度を前記差分が零になるように制御する手段と を備えたことを特徴とする光周波数変調特性の測定装
    置。
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