JP2800533B2 - 磁気探傷装置 - Google Patents

磁気探傷装置

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JP2800533B2
JP2800533B2 JP4044825A JP4482592A JP2800533B2 JP 2800533 B2 JP2800533 B2 JP 2800533B2 JP 4044825 A JP4044825 A JP 4044825A JP 4482592 A JP4482592 A JP 4482592A JP 2800533 B2 JP2800533 B2 JP 2800533B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属体の表面または内部
に存在する欠陥を磁気を用いて検出する磁気探傷装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】金属体としての薄鋼帯の内部または表面
に疵,異物等の欠陥が存在すると、この薄鋼帯を絞り加
工する場合や、曲げ加工する場合に亀裂が発生して致命
的な損傷を被る懸念がある。したがって、薄鋼帯製造工
場の検査ラインにおいて、欠陥の発生と欠陥規模とを精
度よく検出する必要がある。
【0003】従来から、薄鋼帯の表面または内部に存在
する欠陥を効率よく検出する検出法として磁気探傷方法
が提唱されている。この磁気探傷方法においては、薄鋼
帯の表面に対向させて磁化器を配置して、この磁化器の
磁化コイルに励磁電流を流し、薄鋼帯を直流磁化する。
そして、直流磁化された薄鋼帯内に欠陥が存在すると、
欠陥の規模に応じた漏洩磁束が生じる。そして、この漏
洩磁束を薄鋼帯表面の近傍に配設された磁気センサでも
って検出することによって、欠陥の発生位置と欠陥規模
を測定できる。
【0004】そして、薄鋼帯を静止した状態で測定する
のみならず、例えば工場等の製造ライン等において、走
行中の薄鋼帯に存在する欠陥を連続的に検出できる磁気
探傷装置が提唱されている(実開昭63−107849
号公報,実開昭61−170068号公報)。
【0005】この磁気探傷装置においては、走行する薄
鋼帯の一方面に当接して、薄鋼帯が走行することによっ
て回転する中空ロール内に、磁化器と磁気センサとが中
空ロールに連動して回転しないように固定軸に固定され
ている。そして、磁化器でもって薄鋼帯内の走行方向に
磁界を生起させ、薄鋼帯内に存在する欠陥に起因する漏
洩磁束を磁化器の磁極間に配設された前記磁気センサで
検出する。欠陥規模は漏洩磁束の大きさに比例するの
で、磁気センサの出力信号レベルが欠陥規模に対応す
る。このような磁気センサを中空ロール内の軸方向、す
なわち、薄鋼帯の幅方向に多数配設すれば、薄鋼帯の厚
さ,材質が一定の条件においては、薄鋼帯に存在する欠
陥の幅方向の発生位置と概略の欠陥規模を検出できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような漏洩磁束を測定する磁気探傷装置においてもま
だ解消すべき次のような問題かあった。
【0007】図12(a)(b)を用いて問題点を説明
する。図12(a)(b)は薄鋼帯内に磁化器でもって
磁界を発生させた状態を示す。そして、図12(a)は
内部に欠陥が存在する場合の磁力線を示し、図12
(b)は欠陥が全く存在しない健全部における磁力線の
状態を示す。
【0008】欠陥が存在する図12(a)においては、
薄鋼帯の外部に磁力線が大きくはみ出て、漏洩磁束Φ1
を形成する。そして、この漏洩磁束Φ1 が薄鋼帯の表面
近傍に配設された磁気センサで検出される。
【0009】一方、欠陥が存在しない図12(b)の健
全部においては、薄鋼帯の外部に全く磁力線がはみ出な
いことはなく、例えば材質の組成等の影響等によって、
微小な磁力線が必ずはみ出る。このように、たとえ健全
部であってもある程度の磁力線は外部へはみ出て、浮遊
磁束Φ0 を形成する。また、磁化器の一方の磁極から出
力されたが、全く薄鋼帯に入力されずに、そのまま他方
の磁極に入力する磁束Φ2 も存在する。したがって、磁
気センサにて検出される磁束Φは上述した3つの各磁束
を加算した磁束となる。 Φ=Φ1 +Φ0 +Φ2 …(1)
【0010】この(1) 式からも理解できるように、磁気
センサの検出磁束Φはたとえ健全部であっても浮遊磁束
Φ0 および薄鋼帯を通過しない磁束Φ2 を含む。逆に、
欠陥が存在している場合には、欠陥に起因する漏洩磁束
と浮遊磁束と薄鋼帯を通過しない磁束との合計磁束が磁
気センサの検出磁束Φとなる。
【0011】一般に、小規模欠陥に起因する漏洩磁束Φ
1 を感度よく検出するためには、磁化器の励磁電流を増
加して、検査対象としての薄鋼帯内を通る磁束を高くす
ればよい。励磁電流を増加すると、確かに欠陥に起因す
る漏洩磁束Φ0 は増大する。しかし、検査対象の透磁率
等の材料特性に起因して、励磁電流がある値を越える
と、薄鋼帯は磁気飽和する。磁気飽和すると、薄鋼帯内
をそれ以上磁束が通りにくくなるので、たとえ励磁電流
を増大しても、薄鋼帯内の磁束はほとんど増加しない。
その結果、大規模欠陥が存在したとしても、その欠陥規
模に対応した漏洩磁束Φ0 が得られない問題が生じる。
【0012】さらに、薄鋼帯の磁気状態が磁気飽和点を
越えて磁気飽和状態に移行しているにも係わらず、励磁
電流を増加すると、上記漏洩磁束Φ0 は増加しないのみ
ならず逆に低下する。しかし、上述した浮遊磁束Φ0
よび薄鋼帯を最初から通らない磁束Φ2 は励磁電流の増
加に対応して急激に増加する。したがって、見掛上は磁
気センサの検出磁束Φは増加する。浮遊磁束Φ0 と薄鋼
帯を通らない磁束Φ2は、欠陥に対応する漏洩磁束Φ1
を検出する測定作業においては雑音成分となる。したが
って、磁気センサにて検出された磁束Φ内における(Φ
0 +Φ2 )の割合が急激に増加して、欠陥を検出する場
合のΦ/(Φ0 +Φ2 )で示されるS/Nが大幅に低下
する。
【0013】また、通常、磁気センサで検出された磁束
Φから欠陥に起因する漏洩磁束Φ0を抽出する場合に、
予め設定された閥値と磁気センサの検出電圧とを比較し
て、検出電圧のうちの閥値を越えた検出電圧を欠陥検出
電圧として抽出する。しかし、上述したように浮遊磁束
Φ0 及び薄鋼帯を通らない磁束Φ2 が増加すると、これ
らの合計磁束(Φ0 +Φ2 )が前記閥値を越えてしまっ
て、欠陥以外の雑音成分が欠陥と判断されてしまう。
【0014】また、前述したように、薄鋼帯の磁気状態
が磁気飽和点を越えて磁気飽和状態に移行しているにも
係わらず、励磁電流を増加し続けると、上記漏洩磁束Φ
0 は一定状態を維持するのではなく逆に低下することが
確認されている。したがって、励磁電流を0から磁気飽
和点を越えるまで増加すると、その上昇過程で、欠陥
検出感度は磁気飽和点を山の頂点とする山型形状を有し
た特性となる。すなわち、欠陥の検出感度には極大点が
存在する。したがって、検出感度を上昇させるために励
磁電流を増加すると、欠陥の存在は確認できるが、その
規模は測定できない。よって、磁気探傷装置全体におけ
る欠陥検出の信頼性が低下する問題がある。
【0015】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、検査対象の金属体を磁化する磁化器の励磁
電流を制御することによって、金属体の磁気的特性に依
存することなく、磁気センサの欠陥検出電圧において高
い検出感度と高いS/Nを維持でき、かつ検出電圧は、
常に欠陥規模に正確に対応した値となり、結果として、
欠陥検出精度を向上でき、装置全体の信頼性を向上でき
る磁気探傷方法及び磁気探傷装置を提供することを目的
とする。
【0016】
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、本発明の磁気探傷装置は、金属体の表面に対向配設
され、金属体内に磁界を発生させる磁化器と、この磁化
器に励磁電流を供給する磁化電源と、金属体の近傍に配
設され、金属板の内部または表面の欠陥に起因して生じ
る漏洩磁束を検出する磁気センサとを備えた磁気探傷装
置において、金属体における欠陥が生じていない健全部
に発生する浮遊磁束を磁気センサで検出する浮遊磁束検
出手段と、金属体の磁化状態が磁気飽和状態に対して所
定比率で低減された磁化状態に対応する規定浮遊磁束を
記憶する浮遊磁束記憶手段と、検出された浮遊磁束が規
定浮遊磁束に一致するように励磁電流を制御する励磁電
流制御手段とを備えたものである。さらに、上述した発
において、前記金属体の磁化状態の磁気飽和状態に対
する低減比率を50%以上でかつ80%未満の範囲内で
設定している。
【0018】
【作用】このように構成された磁気探傷装置において
は、検査対象としての金属体の磁気状態は磁気飽和状態
に対して予め定められた所定比率の磁化状態に制御され
る。なお、この磁化状態は好ましくは前記磁気飽和状態
に対して50%以上80%未満の範囲内で設定されるの
が望ましい。
【0019】前述したように、磁化器の励磁電流を増加
していくと、金属体の欠陥に起因する漏洩磁束は金属体
が磁気飽和するまで増加して、磁気飽和以降は逆に減少
する傾向にある。一方、健全部においても発生する浮遊
磁束は励磁電流の増加に伴って増加する。そして磁気飽
和近傍に達するとその増加率が急激に増加する。さらに
磁気飽和した後においても、そのままこの増加は継続す
る。したがって、漏洩磁束と浮遊磁束と金属体を全く通
らない磁束との合計磁束である磁気センサの検出磁束、
すなわち検出感度は磁気飽和開始点(磁気飽和点)が最
大値となる。
【0020】したがって、この山型形状の検出磁束特性
と、健全部における単調増加形状の検出磁束特性との比
で示されるS/Nが最大となる磁化状態が、前記磁気飽
和点より少し下方の磁気状態において一義的に定まる。
よって、この磁化状態を維持するように励磁電流を制御
すれば、磁気センサの検出電圧は検出感度が高くかつ最
良のS/Nを有する。
【0021】よって、前述したように、金属体の磁気状
態を磁気飽和状態に対して所定比率だけ低く設定すれば
よい。そして、その比率は実験的に50〜80%の範囲
内に設定すればよい。金属体の磁化状態は磁化器の励磁
電流に応じて変化するので、この発明においては、励磁
電流を制御する。
【0022】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。図2は実施例の磁気探傷装置の概略構成を示す図で
あり、同図(a)(b)はそれぞれ異なる方向から見た
断面模式図である。
【0023】非磁性材料で形成された中空ロール1の中
心に固定軸2の一端が貫通されている。この固定軸2の
他端は図示しない建屋のフレームに支持されている。そ
して、固定軸2は中空ロール1の中心に位置するように
一対のころがり軸受3a,3bでもって中空ロール1の
両端の内周面に支持されている。したがって、この中空
ロール1は固定軸2を回転中心軸として自由に回転す
る。
【0024】中空ロール1内に、略コ字断面形状を有し
た磁化鉄心4cが、その各磁極4a,4bが中空ロール
1の内周面に近接する姿勢で、支持部材5を介して固定
軸2に固定されている。この磁化鉄心4cに磁化コイル
6が巻装されている。したがって、この磁化鉄心4cと
磁化コイル6とで磁化器4を構成している。磁化鉄心4
cの磁極4a,4bの間に複数の磁気センサ7aを軸方
向にアレイ状に配列してなる磁気センサ群7がやはり固
定軸2に固定されている。
【0025】磁化コイル6に励磁電流を供給するための
電源ケーブル8および磁気センサ群7の各磁気センサ7
aの検出信号を取出すための信号ケーブル9は固定軸2
内を経由して外部へ導出されている。したがって、磁化
器4および磁気センサ群7の位置は固定され、中空ロー
ル1が磁化器4および磁気センサ群7の外周を微小間隙
を有して回転する。
【0026】このような構成の磁気探傷装置の中空ロー
ル1の外周面を例えば矢印a方向に走行状態の金属体と
しての薄鋼帯10の一方面に所定圧力でもって押し当て
ると、固定軸2はフレームに固定されているので、中空
ロール1が矢印b方向に回転する。図1は各磁気センサ
7aから得られた検出信号を処理するとともに、磁化器
4を制御する制御装置11を示すブロック図である。
【0027】各磁気ンサ7aから各信号ケーブル9を介
して導出された検出信号は制御装置11内のマルチプレ
クサ12へ入力される。マルチプレクサ12はデータ処
理部14からの指令によって、一定のサンプリング周期
でもって、各磁気センサ7aから入力された各検出信号
を時分割多重化して次の信号処理回路13へ送出する。
信号処理回路13は、内部に雑音除去のためのローパス
フィルタ,ピーク値検出回路.加減演算回路,増幅器,
A/D変換器等を内臓している。そして、信号処理回路
13は入力した各磁気センサ7aの検出信号を漏洩磁束
に対応したデジタルの出力電圧V0 に変換して次のデー
タ処理部14へ送出する。
【0028】データ処理部14は、例えばマイクロコン
ピュータから構成されており、マイクロプロセッサ(M
PU),各種可変データを記憶するRAM,各種制御用
プログラム等の固定データを記憶するROM,入出力イ
ンタフェース(I/O IF)等で構成されている。そ
して、前記ROM内には、前述した制御用プログラムの
他に各磁気センサ7a毎の感度係数Ka が記憶されてい
る。また、このデータ処理部14には、操作パネル1
6、および磁化器4の磁化コイル6に励磁電流Iを供給
する磁化電源17が接続されている。
【0029】そして、データ処理部14は、入力された
各磁気センサ7aの出力電圧V0 に各感度係数Ka を乗
算して、欠陥規模に対応する欠陥検出電圧Vfを求めて
表示器15へ表示する。 Vf=Ka ・V0 …(2)
【0030】また、データ処理部14内の前記RAM内
には、前記欠陥検出電圧Vfから浮遊磁束Φ0 や薄鋼帯
10を通らない磁束Φ2 を除去するための閥値電圧VSH
が記憶されている。さらに、このRAM内には、検査対
象の薄鋼帯10の種類毎に、磁気飽和点における浮遊磁
束から所定比率αだけ低下した規定浮遊磁束Φsに対応
する規定浮遊磁束電圧Vnsが記憶されている。なお、
前記所定比率αは50〜80%の範囲内の一つの値に設
定されている。前記閥値電圧VSH及び各規定浮遊磁束電
圧VNSは操作者によって前記操作パネル16を用いて予
め設定されている。
【0031】この規定浮遊磁束電圧VNSの具体的設定手
法を説明する。規模が既知の人工欠陥が形成された薄鋼
帯10に対する磁気探傷を実施する。そして、磁化器の
励磁電流Iを0から順番に増加していった場合における
欠陥に対向する各磁気センサ7aからの欠陥検出電圧V
fの変化を測定する。人工欠陥に対向する磁気センサ7
aの欠陥検出電圧Vfは例えは図4に示すように、磁気
飽和点で最大値を示す。
【0032】逆に、人工欠陥が存在しない健全部に対向
する磁気センサ7aから得られる浮遊磁束Φ0 および薄
鋼帯10を全く通らない磁束Φ2 に起因する雑音電圧V
nは励磁電流Iの増加に対して単調増加特性となる。そ
して、人工欠陥に対応する欠陥検出電圧Vfの最大値に
対応する励磁電流Iにおける雑音の出力電圧Vnにおけ
る前記所定率αだけ低下した値を規定浮遊磁束ΦNSに対
応する規定浮遊磁束電圧VNSとする。
【0033】このような構成の磁気探傷装置において、
磁化電源17から磁化コイル6に励磁電流Iを供給する
と、磁化鉄心4cの各磁極4a,4bと走行中の薄鋼帯
10とで閉じた磁路が形成される。そして、薄鋼帯10
の内部あるいは表面に欠陥が存在すると、薄鋼帯10内
の磁路が乱れ、漏洩磁束が生じる。この漏洩磁束が磁気
センサ群7を構成する該当欠陥位置に対向する磁気セン
サ7aで検出され、この磁気センサ7aから該当欠陥に
対応する検出信号が出力される。そして、信号処理回路
13から出力された薄鋼帯10の幅方向に各位置の出力
電圧V0 は欠陥規模に対応する欠陥検出電圧Vfに変換
されて表示器15に表示さる。
【0034】そして、前記データ処理部14は図3に示
す電流調整処理を実行するようにプログラム構成されて
いる。なお、今回検査する薄鋼帯10の種類は予め操作
パネル16から指定されている。
【0035】すなわち、流れ図が開始されると、磁気セ
ンサ郡7の幅方向の中央部におけるM個の磁気センサ7
aからの各電圧Vfを取出す。そして、実際の欠陥が存
在していた場合を考慮して、RAMに記憶された閥値電
圧VSH以上の欠陥検出電圧Vfを破棄する。そして、破
棄後の各電圧Vf、すなわち各雑音電圧Vnの平均値V
AVを算出する。そして、この平均値VAVをm個単位で移
動平均する。
【0036】そして、RAMに記憶された該当薄鋼帯1
0の種類に対応する規定浮遊磁束電圧VNSからこの移動
平均値VAVを減算して、この偏差ΔV(=VNS−VAV
が予め設定された±0.5Vの許容誤差ΔVa 範囲内に
入るか否かを判断する。許容範囲に入っていれば、なに
もしない。許容範囲を上方に外れれば、磁化器17へ磁
化電流Iの増加指令を送出し、逆に許容範囲を下方に外
れれば、磁化器17へ磁化電流Iの減少指令を送出す
る。したがって、検出された移動平均値VAVが規定浮遊
磁束電圧VNSになるように、磁化器4に対する励磁電流
Iが変化し、最終的に、検出された浮遊磁束Φ0 と薄鋼
帯10を通らない磁束Φ2 の和の磁束が予め設定された
規定浮遊磁束ΦNSに一致する。
【0037】したがって、たとえ薄鋼帯10の板厚や材
質が変化したとしても、薄鋼帯10の磁化状態が該当種
類における磁気飽和状態に対して所定率だけ低減された
磁気状態に自動的に制御される。よって、磁気センサ7
aの欠陥検出電圧Vfは常に最良のS/N状態を維持す
る。また、薄鋼帯10が磁気飽和した状態で欠陥探傷が
実施されることはない。よって、測定結果の信頼性も向
上する。発明者は実施例装置の効果を確認するために予
め既知の規模を有する人工欠陥が形成された複数のサン
プルを用いて欠陥測定を実施した。
【0038】サンプルとして、同一材質Aを用いて、3
種類の板厚t=0.16 mm ,0.45 mm,0.63 mm の鋼板に
それぞれ直径0.6 mm.深差d=0.16mmの規模を有する人
工欠陥を形成したものを用いた。さらに、透磁率μが前
記材質Aと異なる材質B,材質Cのサンプルを用いた。
材質A,B,Cはそれぞれマンガンの含有率が異なり、
各透磁率μA ,μB ,μC の関係は(3) 式に示す通りで
ある。 μC <μA <μB …(3) 各材質A,B,Cのサンプルにそれぞれ直径0.6 m
m.深差d=0.16mmの同一条件の人工欠陥が形成されて
いる。
【0039】そして、これらのサンプルに対して、磁化
器4に対する励磁電流Iを0Aから磁気飽和状態を大き
く越える3Aまで徐々に増加した場合おける欠陥に対向
する磁気センサ7aの欠陥検出電圧Vfおよび健全部に
対向する磁気センサ7aから出力される雑音電圧Vnの
変化を測定した。測定結果は図4に示されている。
【0040】図4に示す実験結果によると、励磁電流I
を増加させると、欠陥に対向する磁気センサ7aから得
られる欠陥検出電圧Vfは急激に大きくなるが、健全部
に対向する磁気センサ7aから得られる前述した浮遊磁
束Φ0 とサンプルを通らない磁束Φ2 とに起因する雑音
電圧Vnは緩やかに増加する。そして、励磁電流Iをさ
らに増加すると、欠陥検出電圧Vfは最大値に達する。
そして、それ以降は低下する。一方、雑音電圧Vnは欠
陥検出電圧Vfが最大値に達する少し前から増加率が大
きくなり、それ以降急激に増加する。
【0041】欠陥検出電圧Vfが最大値を示す点、また
は雑音電圧Vnが急激に増加開始する点を磁気飽和点と
する。そして、この磁気飽和点における励磁電流値Ip
は、サンプルの厚みtに応じて変化する。例えばt=0.
16mmで、Ip=1.3 Aであり、t=0.45mmで、Ip=1.
6 Aであり、またt=0.63mmで、Ip=1.8 Aである。
このように、厚い薄鋼帯10ほど磁気飽和させるための
励磁電流Iが高くなることが理解できる。
【0042】当然、図4における欠陥検出電圧Vfは雑
音電圧Vnを含むので、各励磁電流Iにおける欠陥検出
電圧Vfを雑音電圧Vnで除算したS/N特性を求め
た。算出されたS/N特性は図5に示されている。
【0043】図5から理解できるように、各厚みtにお
けるS/N特性の最大値を示す励磁電流値Isは、各S
/N特性が最大値を示す励磁電流値Ipより低い値であ
る。そして、S/N最大の電流値Isの欠陥検出電圧最
大の電流値Ipに対する比率α(=Is/Ip)はほぼ
一定水準である。また、このS/N最大の電流値Is条
件における欠陥検出電圧値Vfsは図4から読取ると、そ
れぞれ下記のようになる。さらに、同一条件における各
雑音電圧値Vnsも読取って下記に示す。 t=0.16mm、Is/Ip=69%,Is=0.90,Vfs=4.
24,VnS=0.94 t=0.45mm、Is/Ip=66%,Is=1.05,Vfs=4.
15,VnS=0.90 t=0.63mm、Is/Ip=67%,Is=1.20,Vfs=4.
10.VnS=0.87
【0044】このように、各厚みtが異なるサンプル
(薄鋼帯10)においても、磁化器4の励磁電流Iを最
大S/Nが得られるそれぞれ異なる電流値Isに設定し
たとしても、欠陥に対向する磁気センサ7aから得られ
る欠陥検出電圧Vfの検出感度はほぼ一定値になる。ま
た、該当励磁条件における各雑音電圧Vnsもほぼ一定値
となる。したがって、前記欠陥検出電圧VfのS/Nも
ほぼ一定値を維持できる。
【0045】次に、図4における欠陥検出電圧Vfと雑
音電圧Vnとの関係を各厚みtをパラメータとして図6
に示した。この図6によれば、たとえは薄鋼帯10の厚
みtが変化したとしても、欠陥検出電圧Vfと雑音電圧
Vnとの関係はほとんど変化しないことが理解できる。
ここで、前述した最大S/Nが得られる磁気状態の磁気
飽和状態からの低下率率αの許容範囲を検証する。
【0046】例えば、最大S/Nの90%以上のS/N
が得られれば充分実用に耐えると仮定すると、図5か
ら、厚みt=0.16mmのサンプルに対しては、欠陥検出電
圧最大の電流値Ipに対して46%の0.61Aから8
6%の1.46Aとなる。同様に各厚みtに対して許容
範囲を算出すると下記のようになる。 t=0.16mmの場合、46%(0.60A)<α<86%(1.12
A) t=0.45mmの場合、43%(0.64A)<α<85%(1.27
A) t=0.63mmの場合、39%(0.71A)<α<85%(1.
53A)
【0047】したがって、この低下率αを50%以上で
かつ80%未満の範囲の一つの値に設定することによっ
て、実用上充分に満足できるS/Nが得られることが理
解できる。
【0048】次に、前述した同一欠陥を有する複数の材
質A,B,Cの各サンプルに対して前述と同様の手順で
探傷試験を実施した。試験結果を図7に示し、図8に励
磁電流IとS/Nとの関係を示し、図9に雑音電圧Vn
と欠陥検出電圧Vfとの関係を示す。
【0049】先の厚みtを変化させた場合と同様に、各
材質A.B.Cに対して、各厚みtにおけるS/N特性
の最大値を示す励磁電流値Isは、各S/N特性が最大
値を示す励磁電流値Ipより低い値である。そして、S
/N最大の電流値Isの検出電圧最大の電流値Ipに対
する比率αはほぼ一定の水準である。また、このS/N
最大の電流値Is条件における欠陥検出電圧値Vfsは
図7から読取ると、それぞれ下記のようになる。さら
に、同一条件における各雑音電圧値Vnsも読取って下記
に示す。 材質Aの場合、Ip=1.6 ,Is=0.90,Is/Ip=
69%, Vfs=4.24,VnS=0.94 材質Bの場合、Ip=1.4 ,Is=0.82,Is/Ip=
68%, Vfs=4.15,VnS=0.92 材質Cの場合、Ip=2.1 ,Is=1.02,Is/Ip=
68%, Vfs=4.18.VnS=0.97
【0050】このように、たとえ異なる材質のサンプル
(薄鋼帯10)においても、磁化器4の励磁電流Iを最
大S/Nが得られるそれぞれ異なる電流値Isに設定し
たとしても、欠陥に対向する磁気センサ7aから得られ
る欠陥検出電圧Vfの検出感度はほぼ一定値になる。ま
た、該当励磁条件における各雑音電圧Vnsもほぼ一定値
となる。したがって、欠陥検出電圧VfのS/Nもほぼ
一定値を維持できる。さらに、図9に示すように、たと
え材質が変化したとしても、欠陥検出電圧Vfと雑音電
圧Vnとの関係はほとんど変化しないことが理解でき
る。
【0051】また、厚みtの場合と同様に、最大S/N
に対して90%のS/Nが確保できる励磁電流Iの範囲
および最大S/Nが得られる磁気状態の磁気飽和状態か
らの低下率率αの許容範囲は下記のようになる。 材質Aの場合、46%(0.60A)<α<86%(1.12A) 材質Bの場合、48%(0.58A)<α<81%(0.97A) 材質Cの場合、42%(0.63A)<α<83%(1.24A)
【0052】したがって、厚みtの場合と同様に、低下
率αを50%以上でかつ80%未満の範囲の一つの値に
設定することによって、実用上充分に満足できるS/N
が得られることが理解できる。
【0053】よって、検査対象としての薄鋼帯10の磁
気探傷を行う実施例装置においては、雑音電圧Vnを
0.6vから1.12vの範囲の一つの規定浮遊磁束電
圧VNSに設定し、この規定浮遊磁束電圧VNSが±0.2
v程度の範囲に入るように励磁電流Iを制御している。
その結果、最適なS/Nの条件で安定した欠陥検出電圧
Vfか得られる。
【0054】図10,図11は前述した磁化器4に対す
る励磁電流制御を実施した状態で、前述した既知規模の
人工欠陥が形成された各サンプルに対する探傷測定を実
施した場合における測定結果を示す図である。
【0055】図10は、同一材質Aでもって、厚みt
が、0.16mm,0.32mm,0.50mm,0.62mm,0.75mm,0.98mm
の6種類の厚みtを有した各サンプルにそれぞれ、直径
が0.2mm ,0.3mm ,0.6mm で深さd=0.16mmのドリルに
よる3つの人工欠陥が形成された合計18種類の人工欠
陥に対する探傷結果を示す図である。
【0056】この図10に示す測定結果から、薄鋼帯1
0の厚さtが変化したにもかかわらず、同一規模の欠陥
に対してはは同一レベルの欠陥検出電圧Vfが得られる
ことが理解できる。
【0057】図11は、同一厚みt=0.5mm を有する3
種類の材質A.B.Cの各サンプルに対して、直径が0.
2mm ,0.3mm ,0.6mm で深さd=0.16mmのドリルによる
3つの人工欠陥が形成された合計18種類の人工欠陥に
対する探傷結果を示す図である。
【0058】この図11に示す測定結果から、薄鋼帯1
0の材質が変化したにもかかわらず、同一規模の欠陥に
対してはは同一レベルの欠陥検出電圧Vfが得られるこ
とが理解できる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明の磁気探傷装
置によれば、検査対象としての金属体内の磁化状態が磁
気飽和状態に対して例えば50〜60%の範囲内の所定
の比率でもって低減された磁化状態になるように、磁化
器の励磁電流を制御している。したがって、透磁率等の
金属体の磁気的特性に依存することなく、磁気センサか
ら得られる欠陥検出電圧において高い検出感度と高いS
/Nを維持できる。また、欠陥検出電圧は、常に欠陥規
模に正確に対応した値となり、結果として、欠陥検出精
度を向上でき、装置全体の信頼性を向上できる。さら
に、たとえ金属体の厚さや材質が変化したとしても、結
果的に常に一定した欠陥検出感度を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる磁気探傷装置の制
御装置を示すブロック図、
【図2】 同装置の概略構成を示す断面模式図、
【図3】 同装置の動作を示す流れ図、
【図4】 異なる厚みを有する人工欠陥サンプルを測定
した結果を示す図、
【図5】 同人工欠陥測定結果における励磁電流とS/
Nとの関係を示す図、
【図6】 同人工欠陥測定結果における雑音電圧と欠陥
検出電圧との関係を示す図、
【図7】 異なる材質を有する人工欠陥サンプルを測定
した結果を示す図、
【図8】 同人工欠陥測定結果における励磁電流とS/
Nとの関係を示す図、
【図9】 同人工欠陥測定結果における雑音電圧と欠陥
検出電圧との関係を示す図、
【図10】 励磁電流を制御した状態で、異なる厚みを
有する人工欠陥サンプルを測定した結果を示す図、
【図11】 励磁電流を制御した状態で、異なる材質を
有する人工欠陥サンプルを測定した結果を示す図、
【図12】 一般的な薄鋼帯内を通過する磁束の状態を
示す図。
【符号の説明】
1…中空ロール、2,2a…固定軸、4…磁化器、6…
磁化コイル、7a,7b…磁気センサ、10…薄鋼帯、
11…制御装置、12…マルチプレクサ、13…信号処
理回路、14…データ処理部、15…表示器、17…磁
化電源。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属体の表面に対向配設され、前記金属
    体内に磁界を発生させる磁化器と、この磁化器に励磁電
    流を供給する磁化電源と、前記金属体の近傍に配設さ
    れ、前記金属板の内部または表面の欠陥に起因して生じ
    る漏洩磁束を検出する磁気センサとを備えた磁気探傷装
    置において、 前記金属体における欠陥が生じていない健全部に発生す
    る浮遊磁束を前記磁気センサで検出する浮遊磁束検出手
    段と、前記金属体の磁化状態が磁気飽和状態に対して所
    定比率で低減された磁化状態に対応する規定浮遊磁束を
    記憶する浮遊磁束記憶手段と、前記検出された浮遊磁束
    が前記規定浮遊磁束に一致するように前記励磁電流を制
    御する励磁電流制御手段とを備えた磁気探傷装置。
  2. 【請求項2】 前記所定比率は50%以上でかつ80%
    未満の範囲内で設定される請求項1記載の磁気探傷装
    置。
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