JP2799027B2 - インバータ装置の起動方法 - Google Patents

インバータ装置の起動方法

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JP2799027B2 JP2018759A JP1875990A JP2799027B2 JP 2799027 B2 JP2799027 B2 JP 2799027B2 JP 2018759 A JP2018759 A JP 2018759A JP 1875990 A JP1875990 A JP 1875990A JP 2799027 B2 JP2799027 B2 JP 2799027B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は、可変電圧・可変周波数形のインバータ装
置に係り、特に、インバータ回路と負荷との間に変圧器
を接続したインバータ装置の起動方法に関するものであ
る。
(従来の技術) この種のインバータ装置によって電動機を速度制御す
るには、インバータ回路(以下、単にインバータとい
う)の出力電圧Vと出力周波数fとの比V/fを一定にす
る。しかしながら、周波数fを0から次第に増大させて
電動機を起動する場合、ケーブルのインピーダンスや電
動機の巻線抵抗による電圧降下が大きくなって起動でき
難くなる。そこで、第3図に示すように、電圧降下を問
題にする必要のない周波数f1に到達するまで、この周波
数f1に対応する電圧V1より僅かに低い電圧V0から起動
し、周波数が0からf1に変わる間に電圧をV0からV1に増
大させ、これ以降V/fを一定にして速度を増大させる。
ところで、インバータと負荷との間に変圧器を接続し
た状態でかかる起動をすると、周波数がf1に到達するま
でV/fが大きいことに伴って電圧時間積が増大し、これ
によって鉄心が飽和して正常な運転ができなくなる。
このため、出力側に変圧器を有するインバータ装置に
おいては、インバータの出力電圧がV1に到達するまで変
圧器を切離すと共に、インバータの出力電圧を直接電動
機に供給して起動し、インバータの出力電圧がV1に到達
した段階で変圧器を接続することによって変圧器の電圧
時間積を小さくしている。
第4図はこの種の起動方法を採用したインバータ装置
の構成例である。同図において、直流電源1の出力端子
間に、コンデンサ2Aおよび2Bを直列接続したコンデンサ
直列回路と、フルブリッジ形のインバータ3Rと、ハーフ
ブリッジ形のインバータ4Rとが接続されている。ここで
は三相の誘導電動機に対応して、インバータ3Rおよび4R
をそれぞれ3相分備えるものであるが、ここでは、理解
を容易にするために1相分のみを示している。しかし
て、インバータ3Rは帰還用ダイオードを逆並列接続した
4個のGTOがブリッジ接続され、インバータ4Rは帰還用
ダイオードを逆並列接続した2個のGTOが直列接続され
ている。また、インバータ3Rを構成する正側GTOおよび
負側GTOの相互接合点がしゃ断器CB2R1を介して変圧器Tr
の一次巻線にそれぞれ接続されている。さらに、変圧器
Trの二次巻線の一端は、しゃ断器CB2R2を介して電動機
Mの一端に、変圧器Trの二次巻線の他端は、しゃ断器CB
2R2を介してインバータ4Rを構成する正側GTOおよび負側
GTOの相互接合点に接続されている。また、電動機Mの
他端はコンデンサ2Aおよび2Bの相互接合点に接続されて
いる。一方、インバータ3Rを構成する正側GTOおよび負
側GTOの相互接合点の一つがしゃ断器CB1Rを介して電動
機Mの一端に、もう一つの接合点がしゃ断器CB1Rを介し
てインバータ4Rを構成する正側GTOおよび負側のGTOの相
互接合点に接続されている。
ここで、電動機Mを起動するとき、第5図のタイムチ
ャートに示すように、しゃ断器CB1Rを「閉」、しゃ断器
CB2R1およびCB2R2を「開」にして、インバータ3Rおよび
4Rを同時運転(以下、ゲートオンと言う)することによ
り、変圧器Trを介さずに、インバータ3Rの出力電圧にイ
ンバータ4Rの出力電圧が重畳されて電動機Mに加えられ
る。そして、出力電圧がV1(周波数がF1)に到達した時
点で、インバータ3Rおよび4Rを停止し(以下、ゲートオ
フという)、続いて、しゃ断器CB1Rを「開」にする。次
に、インバータ3Rおよび4Rを運転し(以下、ゲートオン
という)、その後、しゃ断器CB2R1およびCB2R2を「閉」
にして変圧器Trを介在させると共に、これ以降、変圧器
Trを介在させたままで電動機Mを速度制御する。
かかる起動操作に伴って、出力電圧の瞬時値vおよび
出力電流の瞬時値iは第5図中に示したように変化す
る。
これによって、V/fが大きくなるような低い周波数領
域での変圧器Trの電圧時間積を低く抑えることができ
る。
(発明が解決しようとする課題) 上述した従来のインバータ装置にあっては、インバー
タ3Rおよび4Rをゲートオンした後、出力電圧vがちょう
ど零であるときにしゃ断器CB2R1およびCB2R2を「閉」に
することもあり、このとき大きな突入電流が流れること
がある。すなわち、第5図に示すように、時刻t=t0
しゃ断器CB2R1およびCB2R2を「閉」にすると、誘導性負
荷の電流特性とその時の負荷状態に応じて、過大な突入
電流i0が流れることがある。このためGTOの破壊による
運転停止に陥ることがあった。一方、過大な突入電流i0
に耐え得るようにすれば、大容量の半導体素子を用いる
か、素子の並列接続個数を増やさなければならず、装置
コストを高騰させてしまうという問題があった。
この発明は、上記の問題点を解決するためになされた
もので、インバータの出力電圧が所定値になったときに
変圧器を介在させた運転に切換える際、電流容量の格段
に大きいインバータを用いなくとも、安定した運転を継
続することのできるインバータ装置の起動方法を提供す
ることを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) この発明は、インバータ回路の出力周波数が所定値に
到達するまで、前記インバータ回路と負荷とを直結し、
前記インバータ回路の出力周波数が所定値に到達した後
は、前記インバータ回路と負荷との間に変圧器を接続す
るインバータ装置において、前記インバータ回路の出力
周波数が所定値に到達したときに前記インバータ回路の
運転を休止させ、このインバータ回路の休止中に前記変
圧器を接続し、次に、ピーク電圧が現れる位相で前記イ
ンバータを再運転することを特徴としている。
(作 用) 周知の如く、変圧器に正弦波交流電圧を印加すると、
励磁電流はほぼ90度遅れた位相で流れる。したがって、
出力電圧の瞬時値がちょうど零のときにしゃ断器を
「閉」にして変圧器Trを接続すると第5図の実線で示し
たように大きな突入電流i0が流れる。従って、出力電圧
の瞬時値がピークにさしかかったときにしゃ断器を
「閉」にすれば、突入電流の増大が避けられる。しかし
ながら、出力電圧の瞬時値がピークにさしかかったとき
にしゃ断器を「閉」にすることは、しゃ断器の動作時間
等の関係で必ずしも容易ではない。
そこで本発明は、インバータ回路の休止中に、先ず、
変圧器を接続し、次に、ピーク電圧が最初に現れる位相
でインバータを再運転しているので、極めて容易に突入
電流を抑えることができる。
(実施例) 第2図は本発明を適用するインバータ装置の構成を示
す回路図である。図中、第4図と同一の符号を付したも
のはそれぞれ同一の要素を示す。ここでは、第4図を用
いて説明したと同様に、インバータ3R,4R、変圧器Tr、
および、しゃ断器CB1R,CB2R1,CB2R2によってR相分のイ
ンバータ装置10Rが構成されている。また、これと全く
同様に、インバータ3S,4S、変圧器Tr、およびしゃ断器C
B1S,CB2S1,CB2S2によってS相分のインバータ装置10Sが
構成され、さらに、インバータ3T,4T、変圧器Tr、およ
び、しゃ断器CB1T,CB2T1,CB2T2によってT相分のインバ
ータ装置10Tが構成されている。
そして、これらのインバータ装置10R,10S,10Tは直流
電源1から電力の供給を受け、電動機Mの各相巻線に交
流電力を供給している。
上記のように構成された本実施例の起動時の動作を、
第1図のタイムチャートをも参照して以下に説明する。
いま、R相を例にとると、出力電圧が第3図で示すV1
に到達するまでの低周波領域では、しゃ断器CB1Rを
「閉」にしたままインバータ3R,4Rをゲートオンするこ
とにより、電動機MのR相巻線に電力を供給する。この
とき、しゃ断器CB2R1およびCB2R2は「開」になってい
る。
次に、出力電圧がV1に到達したときにインバータ3R,4
Rがゲートオフにして、電動機Mへの電力の供給を休止
し、続いて、しゃ断器CB1Rを「開」にする。
次に、しゃ断器CB2R1およびCB2R2を「閉」にし、時刻
t=t1にてインバータ3R,4Rをゲートオンにして運転を
再開する。この運転再開時にはピーク電圧、すなわち、
正弦波形の90度または270度の電圧が現れる位相で運転
する。
このとき、出力電圧の瞬時値をvRとすると、電流はこ
れよりも位相が90度遅れるので、瞬時値が零から立上が
ることになる。
一方、インバータ装置10S,10Tにおいては、それぞれ
しゃ断器CB1Rと同時にしゃ断器CB1S,CB1Tを「開」に
し、しゃ断器CB2R1およびCB2R2と同時にCB2S1およびCB2
S2、CB2T1およびCB2T2を「閉」にする。しかし、インバ
ータ装置10S,10Tを構成するインバータ3Sおよび4Sと、
インバータ3Tおよび4Tとは相順に120度づつ遅れた時点
で、ピーク電圧が最初に現れる位相で運転され、電圧
vS,vTを出力する。しかして、S相、T相の電流iS,iT
これよりも90度遅れ、それぞれ、瞬時値が零から立ち上
がることになる。
この結果、変圧器の励磁電流特性に応じて流れる過大
な突入電流が抑えられると共に、出力周波数の上昇に合
わせて電動機Mの回転数を円滑に上昇させることができ
る。
この場合、突入電流が低く抑えられるので、インバー
タを構成する素子として、格別容量の大きいものを用い
る必要はなくなる。
なお、上記実施例では、R相の変圧器Trの一次側のし
ゃ断器CB2R1と、二次側のしゃ断器CB2R2とを同時に
「閉」にしているが、しゃ断器CB1Rを「開」にしてから
インバータ3R,4Rをゲートオンするまでの間であれば同
時でなくともよい。また、S相、T相についてもこれと
同様のことが言える。
また、これらの条件を満たしておれば、R相、S相、
T相の各しゃ断器を同時に「開」、「閉」しなくともよ
い。
なお、上記実施例ではスイッチング素子としてGTRを
用いたインバータについて説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、スイッチング素子としてパワ
ートランジスタを用いたインバータにも適用できること
は言うまでもない。
〔発明の効果〕
以上の説明によって明らかなように、この発明によれ
ば、出力周波数の低い領域での変圧器なしでのインバー
タ運転から、出力周波数の高い領域での変圧器を接続し
たインバータ運転に切換える際に、しゃ断器の「閉」後
にピーク電圧が現れる位相で再運転しているので、電流
容量の格段に大きいインバータを用いなくとも、安定し
た運転を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るインバータ装置の起動方法を示す
タイムチャート、第2図はこの起動方法を適用するイン
バータ装置の回路図、第3図はインバータ起動時におけ
る周波数と電圧との関係を示す線図、第4図は一般的な
インバータ装置の概略構成を示す回路図、第5図はこの
インバータ装置の動作を説明するためのタイムチャート
である。 1……直流電源、2A,2B……コンデンサ、3R,3S,3T,4R,4
S,4T……インバータ回路、Tr……変圧器、CB1R,CB2R1,C
B2R2,CB1S,CB2S1,CB2S2,CB1T,CB2T1,CB2T2……しゃ断
器、M……負荷としての電動機
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02M 7/42 - 7/98 H02P 7/63 H02P 1/00 - 1/58

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インバータ回路の出力周波数が所定値に到
    達するまで、前記インバータ回路と負荷とを直結し、前
    記インバータ回路の出力周波数が所定値に到達した後
    は、前記インバータ回路と負荷との間に変圧器を接続す
    るインバータ装置において、前記インバータ回路の出力
    周波数が所定値に到達したときに前記インバータ回路の
    運転を休止させ、このインバータ回路の休止中に前記変
    圧器を接続し、次に、ピーク電圧が現れる位相で前記イ
    ンバータを再運転することを特徴とするインバータ装置
    の起動方法。
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