JP2798177B2 - 全油圧式パワーステアリング制御装置 - Google Patents

全油圧式パワーステアリング制御装置

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JP2798177B2
JP2798177B2 JP63256338A JP25633888A JP2798177B2 JP 2798177 B2 JP2798177 B2 JP 2798177B2 JP 63256338 A JP63256338 A JP 63256338A JP 25633888 A JP25633888 A JP 25633888A JP 2798177 B2 JP2798177 B2 JP 2798177B2
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豊 中島
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株式会社豊田自動織機製作所
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はバッテーリーフォークリフトなどに使用され
る全油圧式パワーステアリング装置に関し、詳しくは、
ハンドルと操舵輪との角度ずれ補正に伴って生じる操舵
上の“抜け感”を解消させた全油圧式パワーステアリン
グ装置に関する。
[従来の技術] 一般に、全油圧式パワーステアリング装置は、ハンド
ルによって操作されるステアリングバルブユニット(ロ
ータリバルブ及びメータリング装置が一体に組付けられ
たもの)と、操舵輪を操舵させるパワーシリンダと、ス
テアリングバルブユニットとパワーシリンダとを連結す
る一対の油圧ラインとから構成され、ハンドルの回転角
に比例する量の作動油をステアリングバルブユニットを
経てパワーシリンダに供給することによって操舵輪を油
圧操舵させるようになっている。
ところが、上述の全油圧式パワーステアリング装置に
あっては、機械的なつながりを有しない関係で、前記ス
テアリングバルブユニット内の作動油のリークに原因し
てハンドルの回転角に基づく操舵輪の目標切角よりもそ
の実際切角が進む場合があり、その結果、フォークリフ
トのようにハンドルにノブを備えたものにあっては直進
時におけるハンドルの中立位置が狂って運転者に違和感
を与えたり操作性を悪くしたりするという問題がある。
この問題を解決するために、パワーシリンダへ供給す
る作動油をバイパスする電磁弁を設け、ハンドルの回転
に基づく操舵輪の目標切角と実際切角とのずれに応じて
上記電磁弁を随時開通して作動油をバイパスさせ、ハン
ドルの空転により上記ずれを補正するようにした角度ず
れ補正装置が提案されている。
上記した従来の角度ずれ補正装置の制御動作では、第
3図のフローチャートに示すように、ハンドル回転角か
ら計算した操舵輪の目標切角θ′と、実際に検出した操
舵輪の実際切角θとの角度ずれ△Θ=θ′−θを求め、
Θ<0の場合に(即ち、操舵輪の実際切角が目標切角よ
りも進みすぎる場合に)電磁弁を開通してハンドルを空
転させている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上述した角度ずれ補正装置をもつ従来の全
油圧式パワーステアリング装置では、ハンドルの回転角
に比例する量の作動油をパワーシリンダに供給している
ので、ハンドル回転角が大きい場合(即ち、操舵輪の実
際切角が大きい場合)に電磁弁が開通すると、大量の作
動油がバイパスすることによってハンドル回転が突然軽
くなる不具合があった。
特に、上記した作動油バイパス用の電磁弁をもたない
全油圧式パワーステアリング装置では、上記実際切角が
終端に達するとパワーシリンダへの作動油の供給ができ
なくなるため、その反動としてハンドル負荷が生じ、運
転者はこの負荷つまりエンド感”によって実際切角が終
端へ到達したことを認識していた。しかし、前記した角
度ずれ補正装置をもつものでは、実際切角が終端に近接
又は到達した場合に作動油がバイパスされると、上記エ
ンド感を生じるどころか逆にハンドルが軽くなっていわ
ゆる“抜け感”が生じる不具合があった。なお、ここで
言う抜け感とはハンドルと操舵輪との連結がはずれたよ
うな操舵感を言う。
又、実際切角が終端に達した場合の操舵感が電磁弁の
開通の有無によりまちまちとなるという不具合もあっ
た。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、操
舵輪の実際切角が終端に到達した場合の操舵感を改善す
るようにした全油圧式パワーステアリング装置を提供す
ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の装置は、パワーシリンダに供給される作動油
をバイパスさせる電磁弁と、ハンドルの回転に基づく操
舵輪の目標切角と実際切角とのずれを検出して上記電磁
弁を随時開通させ、かつ操舵輪の実際切角が終端に近接
したことを検出して上記電磁弁の開通を停止させる制御
手段とを包含するように構成されている。
ここで、終端とは、操舵輪を左もしくは右に最大操作
した場合の最終切角を意味する。
[作用] 制御手段は、操舵輪の実際切角が終端付近に達する
と、作動油をバイパスする電磁弁の開通を停止させるの
で、実際切角が終端に達した後における作動油のバイパ
スを生ぜず、その結果として実際切角が終端に到達した
後に前述したハンドルの“抜け感”が生じることはな
い。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明
する。第1図に示した油圧回路図において、1は操作性
を良くするためのノブ2を有したハンドル、3はハンド
ル1によって構成されるステアリングバルブユニットで
あり、このステアリングバルブユニット3はハンドル1
によって直接操作されるステアリング用のロータリバル
ブ4と、このロータリバルブ4と機械的に連動し、油圧
ポンプ9からロータリバルブ4を経て送り込まれた作動
油を油圧ライン6,7を通してハンドル1の回転角に対応
する油量でパワーシリンダ8に供給するメータリング装
置(一般的にはジロータと呼称されている)5とから構
成されている。なお、図中10は回路内圧力を設定圧に保
持するリリーフ弁、11はオイルタンクである。
また前記ロータリバルブ4は、タンクポートとメータ
リングポートとを連絡する通路には絞り弁12を、タンク
ポートとシリンダポートとを連絡する通路には絞り弁13
を、またメータリングポートとパワーシリンダとを連絡
する通路には絞り弁14を、さらにポンプポートとタンク
ポートとを連絡する通路には全量絞り弁15をそれぞれ備
えており、これら絞り弁のうち、通常の場合、メータリ
ングポートとシリンダポートとを連絡する通路に設けら
れた絞り弁14の絞り度が最大に設定されている。また、
前記パワーシリンダ8のロッド側油室に通じる油圧ライ
ン6と、ヘッド側油室に通じる油圧ライン7とはバイパ
スライン16によって相互に通過され、このバイパスライ
ン16には両方向について作動油流れを許容する形式の通
路開閉用の電磁弁17が設けられている。なお、この電磁
弁17は双方向通過性をもつ常閉形式の開閉弁である。
一方、前記ハンドル1のステアリングシャフト1aには
回転角検出器としてのロータリエンコーダ19が設けら
れ、旋回方向を判別するためのインクメンタル出力(A
相・B相)と回転角を検出するためのノブ2の位置に対
応した基準点信号(ノブの基準位置を示す信号)を回転
角信号として出力する。また、操舵輪20のキングピン21
には切角検出器としてのポテンショメータ22が取付けら
れ、操舵輪20の実際切角を検出して切角信号を出力す
る。そして、コントローラ23は前記ロータリエンコーダ
19及びポテンショメータ22からの回転角信号及び切角信
号を入力し、それに基づいて前記電磁弁17に対し制御信
号を出力するようになっている。
本実施例は上述のように構成したものであり、ハンド
ル1を右回り又は左回りに回転操作すると、ステアリン
グバルブユニット3におけるロータリバルブ4が直進時
の中立位置(b)から右旋回位置(a)又は左旋回位置
(c)に切換えらえ、油圧ポンプ9からロータリバルブ
4を経て送られた作動油がメータリング装置5によって
ハンドル1の回転角に対応する油量で油圧ライン6又は
7を経てパワーシリンダ8のロッド側油室又はヘッド側
油室に供給され、操舵輪20が右又は左に操舵される。
そして、上記ステアリング操作時において位置ずれ補
正作用が行なわれるものであり、以下、その作動を第2
図のフローチャートに従って説明する。
まず電源投入後に初期設定し(S100)、ポテンショメ
ータ22から切角信号を入力し、ロータリエンコーダ19か
ら回転角信号を入力する(S100)。次に、入力された切
角信号を判断して操舵輪20の実際切角θが終端に近接し
た位置にあるかどうかを試べ(S102)、位置していれば
S103へ、位置していなければS104に進む。S104では、ハ
ンドルの回転角信号から本来あるべき操舵輪20の切角が
目標切角θ′として算出される。本実施例では実際切角
が終端に達するまでは、目標切角はハンドルの回転角に
対して比例的に追従するように設定されている。つづい
て、目標切角θ′と実際切角θとのずれ角△θ=θ′−
θを計算する(S106)。次いで、ロータリエンコーダ19
からの出力に基づいてハンドル1の回転方向を判別し
(S108)、左旋回時もしくは右旋回時のそれぞれにおい
て、目標切角θ′が実際切角θよりも遅れている(即
ち、△θ=θ′−θ<0である)場合には(S110、S11
2)、電磁弁17を開通して作動油をバイパスし操舵を妨
害する(S114、S116)。また、左旋回時もしくは右旋回
時のそれぞれにおいて、目標切角θ′が実際切角θより
も進んでいる(即ち、△θ=θ′−θ≧0である)場合
には(S110、S112)、電磁弁17を遮断して作動油の全量
をパワーシリンダ8に送る(S118)。更に、ハンドル1
の回転角が0である直進時には(S108)、電磁弁17を遮
断して、作動油の無用のバイパスを停止する。
すなわち、ハンドル1の回転角に基づく目標切角θ′
がその回転方向において操舵輪20の実際切角よりも遅れ
ている場合に限りバイパスライン16を開いてパワーシリ
ンダ8に送られる作動油をステアリングバルブユニット
3を経てオイルタンク11に戻し、ハンドル1の空転によ
り位置ずれの補正作用を行う。
そして、実際切角θが終端もしくはその付近に位置す
る場合(S102)にも、電磁弁17の開通を停止する(S10
3)。その結果、たとえ目標切角θ′が実際切角θより
小さくても、作動油はバイパスすることはない。
以下、所定周期で第2図のフローチャートを実行す
る。
本実施例の特徴点について更に説明すると、ロータリ
ーバルブ4の負荷である油圧ライン6、7間の油圧抵抗
が小となると、ロータリーバルブ4の開閉に要する力も
小となり、ハンドル1の負荷は軽くなる。特に、ハンド
ル1の回転角が大きく、操舵輪20の実際切角θが終端付
近にある場合にはパワーシリンダ8に供給される作動油
流量も大きいので、そのバイパスによりハンドル1が軽
くなるという作用も大きかった。従って本実施例によれ
ば、実際切角θが終端もしくはその付近にある場合にお
いての上記ハンドル負荷の軽減を防止し、“抜け感”を
防止することができる。
なお、本実施例は作動油流れが双方向の電磁弁17を使
用しているが、作動油流れが一方向形式の2個の電磁弁
を使用し、これを2本のバイパスラインに逆向きに設け
てもよい。また、バイパスライン16にオリフィスを設け
てバイパスする作動油流量を制限することも可能であ
る。また、本実施例では両油圧ライン6、7をバイパス
ライン16により連通することによって位置ずれ補正用の
作動油流出ラインを構成したが、油圧ライン6,7にそれ
ぞれドレンラインを接続し、流出作動油を直にオイルタ
ンク11に戻す構成に変更しても差支えない。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の装置は、操舵輪の実際
切角が、終端に近接したことを検出して、パワーシリン
ダをバイパスする電磁弁の開通を停止しているので、操
舵輪の実際切角が終端に達した場合におけるハンドル操
作上の“抜け感”の発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す油圧回路図、第2図は
第1図のコントローラ23の制御動作を示すフローチャー
ト、第3図は従来の位置ずれ補正動作を示すフローチャ
ートである。 1……ハンドル 3……ステアリングバルブユニット 6,7……油圧ライン 8……パワーシリンダ 16……バイパスライン 17……電磁弁 18……オリフィス 10……ロータリエンコーダ 20……操舵輪 23……コントローラ(制御手段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−143263(JP,A) 特開 昭63−195064(JP,A) 特開 昭61−200060(JP,A) 特開 昭61−205557(JP,A) 実開 昭59−132470(JP,U) 実開 昭60−102173(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パワーシリンダに供給される作動油をバイ
    パスさせる電磁弁と、ハンドルの回転に基づく操舵輪の
    目標切角と実際切角とのずれを検出して上記電磁弁を随
    時開通させ、かつ操舵輪の実際切角が終端に近接したこ
    とを検出して上記電磁位弁の開通を停止させる制御手段
    とを包含してなる全油圧式パワーステアリング制御装
    置。
JP63256338A 1988-10-12 1988-10-12 全油圧式パワーステアリング制御装置 Expired - Lifetime JP2798177B2 (ja)

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JPS63195064A (ja) * 1987-02-10 1988-08-12 Toyota Autom Loom Works Ltd 全油圧式パワ−ステアリング装置

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