JP2796746B2 - 水硫化ソーダの製造方法及び製造装置 - Google Patents

水硫化ソーダの製造方法及び製造装置

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Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は、硫化ソーダを実質的に含まない高純度の水
硫化ソーダを製造すると同時に排出ガス中に含まれて放
出される硫化水素を低減する方法を提供するものであ
る。
[従来の技術] 苛性ソーダ又は硫化ソーダの水溶液に硫化水素を吸収
させて水硫化ソーダを製造する方法は以前から知られて
いる。
一例をあげると、特公昭37−6501号では石油分解ガス
中に含まれる硫化水素を石油精製工程中において生ずる
苛性ソーダ廃液に吸収させて水硫化ソーダを製造してい
る。
このような製造法においては、環境を保護する観点か
ら排出ガスに同伴する硫化水素の放出を抑える必要があ
る。
このため特公昭38−11951号にみられるように、廃苛
性ソーダ液を適宜の位置まで仕込んだ吸収塔を数基設置
して、最前段の吸収塔の液中に硫化水素を含むガスを送
入し、未吸収ガス分を次段の吸収塔に順に送り、最前段
吸収塔より硫化水素を飽和した液を抜き出して新液と更
新し、その吸収塔を最後段にして第2段目の吸収塔を最
前段に充てて同様に運転をする回分式処理装置、或はラ
ッシヒリングを充填した吸収塔を数基設置して最前段の
吸収塔下部より硫化水素を含むガスを連続的に送入し塔
頂の排出口を経て次段に順に送り、一方廃苛性ソーダ液
を最後段の吸収塔上部より連続的に滴下し、ポンプ循環
しながら一部を前段の吸収塔に順に送り最前段吸収塔よ
り水硫化ソーダをを溶液として取り出す連続式処理装置
が提案されている。特開昭59−26902号には、硫化水素
中に含まれる炭酸ガスを分離除去しながら硫化水素と苛
性ソーダ水溶液を反応させて水硫化ソーダ水溶液を製造
するに際して、第1気泡槽、第2気泡槽及びラッシヒリ
ングを充填した吸収塔を直列に設けて第1気泡塔の底部
より生成液を抜き出す方法が示されている。
しかしこれらの方法においては、製品水硫化ソーダ中
に苛性ソーダ又は硫化ソーダが混入するのを避けること
ができなかった。
水硫化ソーダは染料及び中間体の還元、加硫、皮革の
脱毛、ビスコースレーヨンの脱硫、硫化染色、パルプ蒸
解剤、浮遊選鉱助剤など広い分野で使用されている。市
販の水硫化ソーダは不純物として硫化ソーダをかなり含
んでいるが、上記のような用途に対しては特段の問題を
生じていない。しかしながら、有機硫黄化合物の合成な
どの原料として使用しようとすると副生成物などの生成
により製品の品質上の問題が生じるために硫化ソーダを
実質的に含まない高純度の水硫化ソーダが求められるよ
うになってきた。
苛性ソーダ(NaOH)または硫化ソーダ(Na2S)と硫化
水素(H2S)を反応させて水硫化ソーダ(NaSH)を製造
する反応は 2NaOH+H2S→Na2+2H2O (1) Na2S+H2S→2NaSH (2) で表わされる。即ち苛性ソーダとの反応では、まず
(1)式が進行して硫化ソーダが生成した後(2)式に
より硫化ソーダが水硫化ソーダに変換されると言われて
いる。
(1)式と(2)式をまとめると(3)式となる。
NaOH+H2S→NaSH+H2O (3) 出発原料が硫化ソーダの場合には(2)式に従って水
硫化ソーダが生成する。
苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダと硫化水素を反応さ
せて水硫化ソーダを製造する場合、硫化ソーダを含まな
い高純度の水硫化ソーダを製造し、かつ未反応の硫化水
素の放出を避けるためには、原料である苛性ソーダ及び
/又は硫化ソーダと硫化水素の供給量の比を一定に保つ
ことが必要となる。苛性ソーダ又は硫化ソーダが過剰な
場合には(3)又は(2)式の反応が完結せず、苛性ソ
ーダ又は硫化ソーダが製品の中に混在することになり、
一方硫化水素が過剰であれば排ガス中に硫化水素が残留
し系外に放出されてしまうからである。
ソーダと硫化水素の供給比は、(2)及び(3)式か
ら1.0mol/molとなる。ソーダの供給流量、ソーダ濃度、
原料ガス供給流量及び原料硫化水素濃度が変動するとこ
の比は変化するので、正確に1.0に保った運転を行うこ
とは困難である。
従来法では、排ガスに同伴されて放出される硫化水素
量の低減化や不純物の少ない水硫化ソーダを製造するた
めには、吸収塔を3基以上必要なため、製造のコスト高
やフロースキームが複雑とならざるを得ない。また原料
ガス流量、原料ガスの硫化水素濃度、ソーダの供給流量
やソーダ濃度の変動に対して十分対処しえる方法とは必
ずしも言えない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダと硫化水
素を反応させて水硫化ソーダを製造するにあたり、硫化
ソーダを含まない高純度の水硫化ソーダを製造し、かつ
未反応の硫化水素の系外への放出を低減することができ
る水硫化ソーダの製造方法及び製造装置を提供すること
を目的とする。
ロ.発明の構成 [課題を解決するための手段] 本発明による水硫化ソーダの製造法は、気泡塔構造
を有する第1吸収塔の下部から硫化水素を含む原料ガス
を連続的に導入し、第1吸収塔の上部から連続的に導入
され且つ前記連続的に導入される原料ガス中に含まれる
硫化水素を全量反応させるに必要な化学量論量よりも少
ない量の苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダを含む吸収液
と接触させて水硫化ソーダを生成させ、水硫化ソーダを
含む反応生成液を第1吸収塔の底部から連続的に排出
し、第1吸収塔の頂部から排出される残留硫化水素を
含有するガスを塔内又は塔外に大量の吸収液を保持する
貯留槽を有する第2吸収塔に導入して前記原料ガス中に
含まれる硫化水素を全量反応させるに必要な化学量論量
よりも過剰な量の苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダを含
む吸収液と接触させ、第2吸収塔の頂部から硫化水素の
除去されたガスを排出し、第2吸収塔で使用した吸収
液の一部を第1吸収塔で使用する吸収液として供給し、
系外から新鮮な苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダを含
む吸収液を第2吸収塔で使用する吸収液に追加供給する
ことを特徴とする。
また本発明にかかわる水硫化ソーダの製造装置は下部
に硫化水素を含む原料ガスの送入管(ライン11)、底部
に反応生成液の排出管(ライン19)、頂部に未反応ガス
排出管(ライン12)、上部に下記第2吸収塔で使用した
吸収液の一部を供給する供給管(ライン18)を備えた気
泡塔構造を有する第1吸収塔(1)、頂部にガスの排出
管(ライン13)、その下方に第1吸収塔の頂部から排出
されるガスの送入管(ライン12)を備え、塔内又は塔外
に大量の吸収液を保持する貯留槽(3)を有する第2吸
収塔(2)及び新鮮な吸収液を第2吸収塔の吸収液とし
て追加供給する供給管(ライン14)より構成され、且つ
第1吸収塔頂部から排出される未反応ガス中の硫化水素
濃度を検出しその値が一定値となるよう第2吸収塔から
第1吸収塔への吸収液の供給量を制御する機構(濃度計
2‥‥収液供給制御弁22)、第1吸収塔の吸収液が一定
液面を保持するよう第1吸収塔の吸収液を系外へ排出す
る制御機構(液面計23‥‥排出弁24)及び第2吸収塔の
塔内又は塔外に設けた貯留槽の液面が一定液面を保持す
るよう新鮮な吸収液を第2吸収塔の吸収液として追加供
給する制御機構(液面計25‥‥追加吸収液供給弁26)を
備えていることを特徴とする。
以下添付図面を用いて本発明を具体的に説明する。な
お添付付図面においては、煩雑さを避けるために、反応
熱除去のための熱交換器は省略してある。
第1図は本発明の実施態様の一つの例を示すもので、
第1吸収塔1は気泡塔であり、下部に硫化水素を含む原
料ガスの送入管(ライン11)、底部に反応生成液を排出
する排出管(ライン19)頂部に未反応ガスを排出する排
出管(ライン12)及び上部に第2吸収塔2つの吸収液の
一部を供給する供給管(ライン18)を備えている。第2
吸収塔2は塔内下部に苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダ
を含む吸収液を大量保持する貯留槽3を有する充填塔で
あるり、頂部にガス排出管(ライン13)を備え、このガ
ス排出管の下方に第1吸収塔の頂部から排出されるガス
の送入管(ライン12…第1吸収塔の未反応ガスの排出管
からのライン)を備えている。さらに新鮮な吸収液を第
2吸収塔の吸収液として追加供給するための供給管(ラ
イン14)が、貯留槽からの吸収液の循環ライン17と合流
し、ライン15を介して第2吸収塔に導かれている。
第2吸収塔で使用した吸収液の一部、すなわち貯留槽
3に保持されている吸収液の1部はライン18を通して第
1吸収塔へ供給される。
第1吸収塔1は気泡塔を使用することが必要である。
即に第1吸収塔では吸収液中の苛性ソーダ及び/又は硫
化ソーダ含有量が少ないため反応速度が液の滞留時間に
支配されるようになるので、充填塔や棚段塔を使用する
と気泡塔に比べて非常に高い吸収塔高が必要となり、実
用的でない。
第2吸収塔の形式は気泡塔でも、充填塔でも、棚段塔
でも良く、系の圧力損失の許容量や気液接触性能の特性
によって選択すればよいが、第1図では充填塔を用いた
場合について説明する。
気泡塔構造を有する第1吸収塔の下部からライン11よ
り硫化水素を含む原料ガスを連続的に導入し、第1吸収
塔の上部からライン18により連続的に導入される苛性ソ
ーダ及び/又は硫化ソーダを含む吸収液と接触させて水
硫化ソーダを生成させ、水硫化ソーダを含む反応生成液
を第1吸収塔の底部からポンプ5、ライン19により連続
的に排出し製品化する。
第1吸収塔に連続的に導入される吸収液中に含まれる
苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダの量は、第1吸収塔に
連続的に導入される原料ガス中に含まれる硫化水素を全
量反応させるに必要な化学量論量よりも少ない量にする
ことが必要で、好ましくは0.5〜0.75倍量程度とする。
第1吸収塔への吸収液の供給量のコントロールの仕方
は、上記の条件、即ち第1吸収塔へ導入される原料ガス
中に含まれる硫化水素を全量反応させるに必要な化学量
論量よりも少ない量にすることを達成し得るならばどの
ような方式でも採用できるが、特に第1吸収塔から排出
されるガス中の硫化水素濃度を測定し、これにより第1
吸収塔への吸収液の供給量を制御するようにすれば、原
料ガス供給流量や原料硫化水素濃度などの急激な変動に
対しても短時間に対応でき、高純度の水硫化ソーダが安
定して得られやすい。
具体的には、第1吸収塔から排出されるガス中の硫化
水素濃度を濃度計21により測定し、カスケードコントロ
ールなどの制御装置を介して吸収液供給制御弁22を作動
させて、排出されるガス中の硫化水素が所定の濃度に維
持されるように制御すればよい。
第1吸収塔には液面計23を設置し、液面が所定値を維
持するように排出弁24を作動させて第吸収塔吸収液の排
出量を制御する。
このように制御することにより、第1吸収塔の底部か
ら排出される水溶液中には未反応の苛性ソーダ又は硫化
ソーダは存在しなくなり、高純度の水硫化ソーダ水溶液
が得られる。
第1吸収塔の頂部からはライン12より残留硫化水素を
含有するガスが排出されるが、このガスは大量の吸収液
を保持する貯留槽3を有する第2吸収塔2に導入して前
記原料ガス中に含まれる硫化水素を全量反応させるに必
要な化学量論量よりも過剰な量の苛性ソーダ及び/又は
硫化ソーダを含む吸収液と接触させ、第2吸収塔の頂部
からライン13により硫化水素の除去されたガスを排出
し、第2吸収塔で使用した吸収液の一部をポンプ4、ラ
イン18を経て第1吸収塔で使用する吸収液として供給
し、系外から新鮮な苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダを
含む吸収液をライン14、ライン15を経て第2吸収塔で使
用する吸収液に追加供給する。
また第2吸収塔で使用した吸収液の残部は、貯留槽3
からポンプ4、ライン17を経て、ライン14から供給され
る新鮮な苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダを含む吸収液
と合せてライン15より第2吸収塔2の上部に循環供給し
てライン12から導入される残留硫化水素を含有するガス
と接触させる。
第2吸収塔の吸収液貯留槽3には液面計25を設置し、
液面が所定値を維持するように吸収液追加供給弁26を作
動させてライン14から新鮮な吸収液を第2吸収塔に導入
する。
この場合、第2吸収塔においてガスと接触する吸収液
中に含まれる苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダの量は、
第1吸収塔に連続的に導入される原料ガス中に含まれる
硫化水素を全量反応させるに必要な化学量論量よりも過
剰な量とすることが必要で、好ましくは1.5倍量以上と
する。
ライン14から供給される吸収液中の新鮮な苛性ソーダ
及び/又は硫化ソーダの量の平均値は理論上第1吸収塔
に連続的に導入される原料ガス中に含まれる硫化水素を
全量反応させるに必要な化学量論量の1.0倍量となるの
で、貯留槽3から抜き出され再度第2吸収塔上部に導入
される循環吸収液中の苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダ
の量を第1吸収塔に連続的に導入される原料ガス中に含
まれる硫化水素を全量反応させるに必要な化学量論量の
0.5倍量以上とすれば、合計して1.5倍量以上とすること
ができる。
このように制御することにより、第2吸収塔の頂部か
らライン13により排出されるガス中には未反応の硫化水
素は殆ど無くなり、環境に悪影響を与える恐れがなくな
る。
なおライン14から供給される新鮮な苛性ソーダ及び/
又は硫化ソーダを含む吸収液は貯留槽3に導入するよう
にしても良い。
第2吸収塔の塔内又は塔外に設ける貯留槽3の容量
は、原料ガス中の硫化水素濃度の変動巾や、系外から供
給する新鮮な苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダ溶液の制
御方式などによって異なるが、少なくとも原料ガス中に
含まれる硫化水素1時間分の供給量を吸収させるに必要
な吸収液を保持し得る容量とすることが必要である。
このようにすることにより苛性ソーダ及び/又は硫化
ソーダの供給流量、それらの濃度、原料ガス供給流量及
び原料硫化水素濃度の変動をカバーすることができ、安
定操業が容易になる。この値よりも少ない場合には原料
ガス中の硫化水素量が変動した時などに短時間の内に排
出ガス中に硫化水素が漏洩する恐れがある。
第2図は本発明の実施態様の他の例を示すもので、貯
留槽3が第2吸収塔2の塔外に設けられていることを除
けば第1図の実施態様と全く同じ構成であり、操業方法
も第1図の場合と全く同様である。なおライン16は第2
吸収塔2から外部の貯留槽3への送液ラインである。
第3図は本発明の実施態様のまた別の例を示すもの
で、第2吸収塔2が気泡塔であり、それ自身が吸収液の
貯留槽3を兼ねている。
この場合第1吸収塔の頂部から排出される残留硫化水
素を含有するガスは、第2吸収塔に貯留されている大量
の吸収液中の下部から吹き込まれ気泡状で吸収液中を上
昇するので、吸収液を循環させなくても、残留硫化水素
を含有するガスは原料ガス中に含まれる硫化水素を全量
反応させるに必要な化学量論量よりも過剰な量の苛性ソ
ーダ及び/又は硫化ソーダを含む吸収液と接触させられ
るようになる。もちろん吸収液を循環させても差し支え
ない。その他の操業方法は第1図の場合と全く同様であ
る。
第4図は第2図により説明した実施態様において、第
2吸収塔2が第1吸収塔1の上部に重ねて設置された構
造の装置を用いた場合を示す。なおライン20は操業開始
時に使用する第1吸収塔吸収液の循環ラインである。こ
の第1吸収塔吸収液の循環ラインは第1図、第2図及び
第3図においては記載を省略した。
また反応熱を除去するために、ライン20内に熱交換器
を設置して、操業中もこの循環ラインを使用するように
しても良い。
原料ガスは、二酸化炭素など苛性ソーダ及び/又は硫
化ソーダ液と反応する物質を実質的に含まず、硫化水素
の分圧が0.1kg/cm2A以上であることが好ましい、苛性ソ
ーダはJIS規格に規定されている最高品位のものを使用
するのが好ましい。水硫化ソーダや苛性ソーダ以外の不
純物を実質的に含まないのであれば除害等に用いた廃ソ
ーダも使用することができる。
[実施例] 第4図に示したフロースキームをもつ装置を使用して
本発明の有効性を検証した。
第1吸収塔として内径1.0m、有効液層高さ2.0mの気泡
塔、第2吸収塔として内径0.5mで5/8インチのボールリ
ングを層高2.0m充填した充填層を有するものを用いた。
第1吸収塔内に26重量%苛性ソーダ水溶液を1.6m3
第2吸収塔の塔底と吸収液貯留槽3にそれぞれ0.2m3
3.0m3の前記水溶液を張り込んだ後、第1吸収塔への吸
収液供給ライン18上のバルブ及び第1吸収塔吸収液排出
ライン19上のバルブを閉じ、第1吸収塔ポンプ5及び第
2吸収塔ポンプ4を起動して、各々の吸収塔で苛性ソー
ダ液を循環させた。次に原料ガスライン11から硫化水素
を含む原料ガスを導入した。
第1吸収塔の循環液中に硫化ソーダが検出されなくな
り且つ第2吸収塔の循環液中のソーダがほぼ全量硫化ソ
ーダに変換された時点で、ライン18を通じて第2吸収塔
の循環液の第1吸収塔への導入と、ライン14、15を通じ
て新鮮な26重量%苛性ソーダ水溶液(比重1.26)0.440m
3/hの第2吸収塔への導入を開始すると共に、ライン19
を通じて水硫化ソーダ水溶液を抜き出した。ライン15及
びライン18の温度は50度に調整した。
原料ガスの供給条件及び組成は下記の通りであった。
流量:1105Nm3/h 圧力:2.2kg/cm2G 温度:50℃ 組成:H2S:7.3mol%、 H2:84.8mol%、 H2O:3.9mol%、 CH4:4.0mol% ライン17による第2吸収塔吸収液の循環量を0.995m3/
hとし、第1吸収塔に連続的に導入される吸収液中に含
まれるソーダの量が第1吸収塔に連続的に導入される原
料ガス中に含まれる硫化水素を全量反応させるに必要な
化学量論量の0.5倍となるように制御して定常状態とな
った時の、ライン18からの第1吸収塔吸収液供給量は0.
497m3/h、ライン19からの第1吸収塔吸収液排出量は0.5
45m3/hとなった。また第2吸収塔においてガスと接触す
る吸収液中に含まれる苛性ソーダ及び硫化ソーダの量が
第1吸収塔に連続的に導入される原料ガス中に含まれる
硫化水素を全量反応させるに必要な化学量論量の約3倍
であった。
また第2吸収塔の塔内及び塔外の貯留槽での吸収液の
保持量は原料ガス中の硫化水素3.6時間の供給分を吸収
しえる量であった。
このようにしてライン19より得られた水硫化ソーダ水
溶液0.545m3/hの水硫化ソーダ濃度は31.4重量%(水溶
液の比重1.18)で、硫化ソーダ濃度は100重量ppm以下で
あった。
また第2吸収塔出口ガス中のH2S濃度を分析したが検
出されなかった。
次に新鮮な苛性ソーダ水溶液の供給量を0.400m3/hま
で減らし、第1吸収塔からの排出液量をそれに応じて変
えた以外は他の条件は変えずに運転を続けたが24時間後
においても製品中の硫化ソーダの分析値は100重量ppm以
下で且つ第2吸収塔からの排出ガス中に硫化水素は検出
されなかった。
上記から明らかなように、本発明の制御法によれば、
変動に際しても良好に運転ができることがわかる。
なお、吸収液貯留槽を設置しないで同様に新鮮な苛性
ソーダの供給量を変えたところ、3時間後の製品中の硫
化ソーダ濃度は100重量ppm以下であったが、第2吸収塔
から排出されるガス中には硫化水素280容量ppmが検出さ
れた。
また第1吸収塔に連続的に導入される吸収液中に含ま
れる苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダの量が第1吸収塔
に連続的に導入される原料ガス中に含まれる硫化水素を
全量反応させるに必要な化学量論量の0.9倍量としたと
ころ、製品中の硫化ソーダ濃度は980重量ppmとなった。
また、第2吸収塔においてガスと接触する吸収液中に
含まれる苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダの量が第1吸
収塔に連続的に導入される原料ガス中に含まれる硫化水
素を全量反応させるに必要な化学量論量の1.2倍量と
し、新鮮な苛性ソーダの供給量を0.440m3/hから0.400m3
/hに変えたところ、24時間後の製品中の硫化ソーダ濃度
は100重量ppm以下であったが、第2吸収塔から排出され
るガス中には硫化水素100容量ppmが検出された。
ハ.発明の効果 大量生産が可能な連続方式で、2基の吸収塔を用いる
だけの簡単なフロースキームで硫化ソーダを実質的に含
まない水硫化ソーダを製造すると同時に排ガスに同伴さ
れて放出される硫化水素の量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施態様の一例を示す図、第2図は他
の実施態様を示す図、第3図はまた別の実施態様を示す
図、第4図は第2図により説明した実施態様において、
第2吸収塔が第1吸収塔の上部に重ねて設置された構造
の装置を用いた場合を示す図である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気泡塔構造を有する第1吸収塔の下部か
    ら硫化水素を含む原料ガスを連続的に導入し、第1吸収
    塔の上部から連続的に導入され且つ前記連続的に導入さ
    れる原料ガス中に含まれる硫化水素を全量反応させるに
    必要な化学量論量よりも少ない量の苛性ソーダ及び/又
    は硫化ソーダを含む吸収液と接触させて水硫化ソーダを
    生成させ、水硫化ソーダを含む反応生成液を第1吸収塔
    の底部から連続的に排出し、第1吸収塔の頂部から排
    出される残留硫化水素を含有するガスを塔内又は塔外に
    大量の吸収液を保持する貯留槽を有する第2吸収塔に導
    入して前記原料ガス中に含まれる硫化水素を全量反応さ
    せるに必要な化学量論量よりも過剰な量の苛性ソーダ及
    び/又はソーダを含む吸収液と接触させ、第2吸収塔の
    頂部から硫化水素の除去されたガスを排出し、第2吸
    収塔で使用した吸収液の一部を第1吸収塔で使用する吸
    収液として供給し、系外から新鮮な苛性ソーダ及び/
    又は硫化ソーダを含む吸収液を第2吸収塔で使用する吸
    収液に追加供給することを特徴とする水硫化ソーダの製
    造法。
  2. 【請求項2】第1吸収塔に連続的に導入される吸収液中
    に含まれる苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダの量が第1
    吸収塔に連続的に導入される原料ガス中に含まれる硫化
    水素を全量反応させるに必要な化学量論量の0.5〜0.75
    倍量である請求項第1項記載の水硫化ソーダの製造法。
  3. 【請求項3】第2吸収塔においてガスと接触する吸収液
    中に含まれる苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダの量が第
    1吸収塔に連続的に導入される原料ガス中に含まれる硫
    化水素を全量反応させるに必要な化学量論量の1.5倍量
    以上である請求項第1項記載の水硫化ソーダの製造法。
  4. 【請求項4】吸収液貯留槽における吸収液の保持量が原
    料ガス1時間以上の供給量に含まれる硫化水素を反応さ
    せるに必要な苛性ソーダ及び/又は硫化ソーダを含む量
    である請求項第1項記載の水硫化ソーダの製造法。
  5. 【請求項5】下部に硫化水素を含む原料ガスの送入管、
    底部に反応生成液の排出管、頂部に未反応ガス排出管、
    上部に下記第2吸収塔で使用した吸収液の一部を供給す
    る供給管を備えた気泡塔構造を有する第1吸収塔、頂部
    にガスの排出管、その下方に第1吸収塔の頂部から排出
    されるガスの送入管を備え、塔内又は塔外に大量の吸収
    液を保持する貯留槽を有する第2吸収塔及び新鮮な吸収
    液を第2吸収塔の吸収液として追加供給する供給管より
    構成され、且つ第1吸収塔頂部から排出される未反応ガ
    ス中の硫化水素濃度を検出しその値が一定値となるよう
    第2吸収塔から第1吸収体への吸収液の供給量を制御す
    る機構、第1吸収塔の吸収液が一定液面を保持するよう
    第1吸収塔の吸収液を系外へ排出する制御機構及び第2
    吸収塔の塔内又は塔外に設けた貯留槽の液面が一定液面
    を保持するよう新鮮な吸収液を第2吸収塔の吸収液とし
    て追加供給する制御機構を備えていることを特徴とする
    水硫化ソーダの製造装置。
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