JP2796596B2 - 空間光変調器の駆動方法及び空間光変調器 - Google Patents

空間光変調器の駆動方法及び空間光変調器

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JP2796596B2 JP4192537A JP19253792A JP2796596B2 JP 2796596 B2 JP2796596 B2 JP 2796596B2 JP 4192537 A JP4192537 A JP 4192537A JP 19253792 A JP19253792 A JP 19253792A JP 2796596 B2 JP2796596 B2 JP 2796596B2
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    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像処理装置、光情報処
理用空間光変調器等に応用される光書き込み型強誘電性
液晶空間光変調器及びその駆動方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、強誘電性液晶を用いた空間光変調
器は入力された画像情報を、リアルタイムで強度変調出
力する素子として用いられている。また筆者らは、特願
平02−239594号公報によって、上記素子におい
て連続階調を有する出力を得る駆動方法をも示した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の強誘電
性液晶を用いた空間光変調器及びその駆動方法によって
は、いずれも書き込み光強度に対して一つの閾値を持つ
のみであり、例えば2入力光(書き込み光)に対して1
出力光(読み出し光)のデジタルなロジックを考えた場
合、閾値に対する入力光強度の設定によってANDまた
はORを得る事は出来ても、XORやXNORを得る事
は出来ず、素子を幾つもカスケードに接続して、同期さ
せて用いる等の方法を用いなければならず、光コンピュ
ーティング等への応用を妨げていた。また、アナログの
フーリエ光情報処理系に於いては、0次光の処理、ダイ
ナミックレンジの点で高次領域は利用不可能であった。
【0004】そこで、この発明の目的は、従来のこのよ
うな課題を解決するため、強誘電性液晶を用いた空間光
変調器の駆動方法において、特殊な素子構造を用いるこ
となく光情報処理において有用な機能を示す事が可能
な、第2の閾値を発現させることを可能とし、これを応
用する事によってデジタル系、アナログ系いずれに関し
てもその応用範囲を飛躍的に増大せしめるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、光による書き込み手段、光による読み
出し手段及び電圧印加手段を具備し、透明電極上に光導
電膜が形成されたガラス基板と、透明電極の形成された
ガラス基板のそれぞれの対向する表面に液晶配向膜が形
成された一組のガラス基板が対向配置され、その間隙に
強誘電性液晶組成物が封入されてなる強誘電性液晶空間
光変調器において、該光導電膜は0.5〜4μmの厚み
を有するイントリンシックな水素化アモルファスシリコ
ンであり、該強誘電性液晶層は0.5〜5μmの厚みを
有し、読み出し光を常時照射しながら駆動する場合にお
いて、駆動波形として、空間光変調器の有効面全面を書
き込み光が照射されていない状態で強誘電性液晶分子が
安定化されている一方の安定状態にする第1のパルス電
圧と、十分な書き込み光が照射された場合に強誘電性液
晶分子を第一の安定状態から第二の安定状態に遷移させ
る第1のパルス電圧とは逆極性の第2のパルス電圧と、
さらに強い書き込み光が照射された場合に強誘電性液晶
分子を第二の安定状態から第一の安定状態に遷移させる
第1のパルス電圧と同極性の第3のパルス電圧と、強誘
電性液晶分子が第3のパルス電圧印加後にとる状態のま
まメモリされるメモリ期間、とからなる波形を用いて書
き込みを行なう事により、書き込み光が照射されていな
い状態で強誘電性液晶分子が安定化されている一方の安
定状態から他方の安定状態へ遷移する場合の書き込み光
強度の第1の閾値よりも書き込み光が強い領域に、より
強い書き込み光が照射された領域の強誘電性液晶分子が
逆に前記一方の安定状態に遷移する第2の閾値を発現さ
せ、さらに駆動パルス幅、電圧、バイアス光の照射、に
よって第1及び第2の閾値を制御可能とした。
【0006】
【作用】前記の方法を用いる事により、書き込み光強度
に対して2つの閾値が得られ、しかもその値が制御可能
となり、これを利用する事によって、デジタル光情報処
理に於いては1つの素子を用いるのみで、2値2入力の
ブーリアンロジックを全て実現する事が可能である。ま
た、アナログ系においても0次光の除去等が簡単に行え
る。これによってデジタル系、アナログ系いずれに関し
ても、強誘電性液晶空間光変調器の応用範囲を飛躍的に
増大させる事ができる。
【0007】
【実施例】以下に図面を用いて本発明を詳細に説明す
る。 (実施例1)図3は、本発明に係る光書き込み型強誘電
性液晶空間光変調器の構造を示す模式図である。
【0008】液晶分子を挟持するための基板31a、3
1bとして、両面をHe−Neレーザー波長において平
行平面度λ/5以下に研磨した厚さ5mmの透明ガラス
基板を用いた。両基板の表面にはITO透明電極層31
a、31bを設けた。光による書き込み側の透明電極層
32a上には2.5μmの厚さの水素化アモルファスシ
リコン(a-Si:H)光導電層35を形成した。さらに両基
板の表面には基板の法線方向から85の入射角で、且つ
組み合わせた状態で書き込み側及び読みだし側の基板上
の入射方向が一致するように一酸化珪素を斜方蒸着した
配向膜層33a、33bを設けた。
【0009】次に、1.0μmの平均粒径を持つシリカ球
を外周シール材に混合分散し、凸版印刷法を用いて前記
シール材を印刷塗布した後2枚の基板を接着し、強誘電
性液晶を狭持する間隙を形成した。強誘電性液晶組成物
34としては、SCE−13(BDH社製)等を用い、
アイソトロピック相まで昇温したのち、真空注入しスメ
クチックC相まで徐冷して均一な配向を得た。
【0010】図1は、本発明に係る強誘電性液晶空間光
変調器を駆動するための波形である。波形は、有効面全
面を消去状態とする第1のパルス電圧11、第1のパル
ス電圧と逆極性の第2のパルス電圧12、第1のパルス
電圧と同極性の第3のパルス電圧13、及びメモリー期
間14、が連続したものであり、第2及び第3のパルス
のパルス幅及び電圧はそれぞれ別個に制御される。
【0011】図4は書き込み、読み出し実験を行った光
学系のシステム図である。書き込み光源41a、41b
としてハロゲンランプを用い、干渉フィルタ42a、4
2bを通して波長分布を制御した。書き込み光はハーフ
ミラー43で合成され、本発明に係る強誘電性液晶空間
光変調器44へ照射される。
【0012】なお、画像を書き込む場合は図中45a、
45bにそれぞれマスクを配置し、レンズ46で空間光
変調器44の入力面に結像した。読み出し光源47は、
ハロゲンランプを用い、波長分布を制御する干渉フィル
タ42c、光量を調節するための絞り48、偏光子4
9、ビ−ムスプリッタ50を通って本発明に係る強誘電
性液晶空間光変調器44の出力面へ照射され、強誘電性
液晶層で変調されつつ強誘電性液晶層と水素化アモルフ
ァスシリコン光導電層の界面で反射され、再びビームス
プリッタ50に入射する。
【0013】ここで、ビームスプリッタ面で反射された
光が検光子51で検光され、CCDカメラ52で観測さ
れる。偏光子49は書き込み光が照射されていない場合
の強誘電性液晶層の安定状態に対して偏波面が変調を受
けない方位に配置され、検光子51は上記の状態での反
射光に対しクロスに配置されている。即ち、書き込み光
の無い状態では読み出しは暗状態となる。観察はCCD
で取り込んだ画像をCRT51に表示し、撮影した。ま
た、フォトディテクター53を設置して光学応答をも測
定した。駆動は、自作のドライバ54を用いて行った。
【0014】なお、書き込みに用いられる光源はハロゲ
ンランプ、He−Neレーザー、Arレーザー、半導体
レーザー、のいずれかであり、読み出し光に用いられる
光源はハロゲンランプ、He−Neレーザー、Arレー
ザー、半導体レーザー、のいずれかであればよい。
【0015】上記のシステムを用いて、以下の書き込み
実験を行った。図5は、図4に示した光学系を用い、書
き込み光源のうち一方だけを用いて、100μW/cm
2 の読み出し光を照射し続けながら書き込み光強度を変
化させて、連続駆動状態で読み出した場合の読み出し光
強度を示したグラフである。書き込み光強度が大きくな
るに従って暗状態から明状態に遷移する第1の閾値61
と、明状態から暗状態に遷移する第2の閾値62が得ら
れている。なお、この実施例ではバイアス光は照射され
ておらず、駆動波形は消去パルス+15V、1ms、書
き込みパルス−10V、0.5ms、第3のパルス+
9.5V、0.5ms、フレーム周波数100Hzであ
る。第1の閾値は書き込み光強度228μW/cm2
近に、第2の閾値は書き込み光強度768μW/cm2
付近に現れている。
【0016】これにより、第1及び第2の閾値の発現が
明確に実証された。 (実施例2)図2は、図4に示した光学系を用い、書き
込み光学系のそれぞれのマスク45a、45bとして図
中、図2A,Bに示したような画像を用いて、画像間の
AND,OR,XORを出力させたものである。読み出
し光は100μW/cm2 の光を照射し続け、同一の駆
動波形を用い、書き込み光量のみを変化させて、連続駆
動状態で読み出した。
【0017】図2CはAND、図2DはOR、図2Eは
XORを得ている。書き込み光強度は、図2C(AN
D)の場合、入力Aが86μW/cm2 ,Bが214μ
W/cm2 であった。図2D(OR)の場合、入力Aが
263μW/cm2 ,Bが304μW/cm2 であっ
た。図2E(XOR)の場合、入力Aが618μW/c
2 ,Bが660μW/cm2 であった。
【0018】これから、本発明の方法を用いて、1個の
強誘電性液晶空間光変調器を用いるのみで、同時に同一
面内でAND,OR,XORの異なった演算を実行でき
ることがわかった。
【0019】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明の駆動方法
によれば、強誘電性液晶を用いた光書き込み型液晶空間
光変調器において、特殊な素子構造を用いることなく光
情報処理に於て有用な機能を示す事が可能な、第2の閾
値を発現させることを可能とし、これを応用する事によ
ってデジタル系、アナログ系いずれに関してもその応用
範囲を飛躍的に増大する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る強誘電性液晶空間光変調器を駆動
するための波形である。
【図2】本発明による空間光変調器の駆動方法を用い
て、書き込み光学系のそれぞれのマスクに画像を用い
て、画像間のAND,OR,XORを出力させた写真で
ある。
【図3】本発明に係る光書き込み型強誘電性液晶空間光
変調器の構造を示す模式図である。
【図4】書き込み、読み出し実験を行った光学系のシス
テム図である。
【図5】本発明による空間光変調器の駆動方法を用い
て、読み出し光を照射し続け乍ら書き込み光強度を変化
させて、連続駆動状態で読み出した場合の読み出し光強
度を示したグラフである。
【符号の説明】
11 第1のパルス電圧 12 第2のパルス電圧 13 第3のパルス電圧 14 メモリ期間 31a、31b 透明基板 32a、32b 透明電極 33a、33b 配向膜層 34 強誘電性液晶層 35 光導電膜 41a、41b 書き込み光源 42a、42b、42c 干渉フィルタ 43 ハーフミラー 44 強誘電性液晶空間光変調器 45a、45b マスク 46 レンズ 47 読み出し光源 48 絞り 49 偏光子 50 ビームスプリッタ 51 検光子 52 CCDカメラ 53 フォトディテクター 54 ドライバ 61 第1の閾値 62 第2の閾値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 修平 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイ コー電子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−196960(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/135 G02F 1/133 G09G 3/18 G09G 3/36 G02F 1/29 - 7/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明電極上に水素化アモルファスシリコ
    ンからなる光導電膜が形成された透明基板と、前記透明
    基板に対向して配置されるとともに対向面側に透明電極
    が形成された対向透明基板と、前記透明基板と前記対向
    透明基板との間隙に封入された、強誘電性液晶分子を含
    む組成物と、を有する液晶セルと、 前記液晶セルに、前記透明基板側から書込み光を照射す
    る書き込み手段と、 前記液晶セルに、前記対向透明基板側から読み出し光を
    照射する読み出し手段と、 前記透明基板および対向透明基板の透明電極に駆動電圧
    を印加する電圧印加手段と、を備える空間光変調器の駆
    動方法において、 前記駆動電圧の波形は、第1のパルス電圧を印加する期
    間と、前記第1のパルス電圧と逆極性の第2のパルス電
    圧を印加する期間と、前記第1のパルス電圧と同極性の
    第3のパルス電圧を印加する期間と、メモリー期間と、
    を連続して有するとともに、 前記第1のパルス電圧を印加して、前記書込み光が照射
    される部分の前記液晶分子の配列を一方の安定状態に遷
    移させ、 その後、前記第2のパルス電圧を印加して、前記書込み
    光のうち第1の閾値以上の光強度を持つ光が照射される
    部分の前記液晶分子の配列を一方の安定状態から他方の
    安定状態に遷移させ、 その後、前記第3のパルス電圧を印加して、前記書込み
    光のうち第2の閾値以上の光強度を持つ光が照射される
    部分の前記液晶分子の配列を他方の安定状態から一方の
    安定状態に遷移させ、 その後、前記一方または他方の分子配列状態を維持する
    ことにより、 前記書込み光のうち前記第1の閾値以上かつ前記第2の
    閾値以下の強度の光が照射された部分の前記液晶分子の
    配列と、前記書込み光のうち前記第1の閾値より小さい
    強度の光と前記第2の閾値より大きい強度の光が照射さ
    れた部分の前記液晶分子の配列とを、互いに異なる安定
    状態に維持することを特徴とする空間光変調器の駆動方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第2または第3のパルス電圧の、大
    きさあるいは時間幅を独立して制御することにより、前
    記第1および第2の閾値を定めることを特徴とする請求
    項1に記載の空間変調器の駆動方法。
  3. 【請求項3】 透明電極上に水素化アモルファスシリコ
    ンからなる光導電膜が形成された透明基板と、前記透明
    基板に対向して配置されるとともに対向面側に透明電極
    が形成された対向透明基板と、前記透明基板と前記対向
    透明基板との間隙に封入された、強誘電性液晶分子を含
    む組成物と、を有する液晶セルと、 前記液晶セルに、前記透明基板側から書込み光を照射す
    る書き込み手段と、 前記液晶セルに、前記対向透明基板側から読み出し光を
    照射する読み出し手段と、 前記透明基板および対向透明基板の透明電極に駆動電圧
    を印加する電圧印加手段と、を備える空間光変調器にお
    いて、 前記電圧印加手段が、 前記書込み光が照射される部分の前記液晶分子の配列を
    一方の安定状態にするために印加される第1のパルス電
    圧と、 前記書込み光のうち第1の閾値以上の光強度を持つ光が
    照射される部分の前記液晶分子の配列を一方の安定状態
    から他方の安定状態にするために印加される、前記第1
    のパルス電圧と逆極性の第2のパルス電圧と、 前記書込み光のうち第2の閾値以上の光強度を持つ光が
    照射される部分の前記液晶分子の配列を他方の安定状態
    から一方の安定状態にするために印加される、前記第1
    のパルス電圧と同極性の第3のパルス電圧と、を連続し
    て出力することにより、 前記書込み光のうち前記第1の閾値より小さい強度の光
    と前記第2の閾値より大きい強度の光が照射された部分
    の前記液晶分子の配列を一方の安定状態にし、前記書込
    み光のうち前記第1の閾値以上かつ前記第2の閾値以下
    の強度の光が照射された部分の前記液晶分子の配列を他
    方の安定状態にすることを特徴とする空間光変調器。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2の閾値を、前記第2
    または第3のパルス電圧の大きさあるいは時間幅を独立
    して制御することにより、前記液晶分子の配列の一方の
    安定状態と他方の安定状態との境界を任意に設定するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の空間変調器。
  5. 【請求項5】 書き込み側または読み出し側からバイア
    ス光を照射するバイアス光源を備えるとともに、前記バ
    イアス光の強度を制御して前記第1または第2の閾値を
    制御することを特徴とする請求項3に記載の空間光変調
    器。
  6. 【請求項6】 前記書き込み手段は独立に強度を制御可
    能な2つ以上の照射系からなり、2つ以上の像が同一の
    書き込み面に同時に照射されることを特徴とする請求項
    3に記載の空間光変調器。
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