JP2796386B2 - 浸炭された低シリコン鋼物品および製造方法 - Google Patents

浸炭された低シリコン鋼物品および製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、一般的には金属の熱処理に関し、更に詳し
くは炭素を含有するガスを用いた表面硬化処理およびそ
れにより得られる物品に関する。
背景技術 浸炭処理は低炭素非合金鋼または低炭素低合金鋼の表
面硬さを高める有効な方法の一つである。典型的には、
鋼物品を、その鋼の生地炭素量よりも多量の炭素を含有
する雰囲気中で、その鋼のオーステナイト変態温度より
も高温に加熱する。所望量の炭素が物品中に拡散した
後、急冷によって硬さを発現させる。
ガス浸炭法は、効率的且つ制御性があり、浸炭のため
の炭素含有雰囲気を生成させる方法として最も広く用い
られている方法の一つである。しかし、最も一般的に用
いられているガス混合物は典型的には少量の酸素を含ん
でおり、この酸素がシリコン、クロム、マンガンのよう
な酸素との親和力が強い1種または2種以上の鋼成分元
素の酸化物を物品表面に形成する傾向がある。粒界に沿
って、すなわち粒間に形成される酸化物が表面から内部
へ成長し、浸炭された物品の機械的性質に有害な影響を
及ぼす。
従来の浸炭法では典型的には表面炭化物(ケース炭化
物)の形成を回避し、実質的に炭化物の無いマルテンサ
イト組織を生成させるのが一般的であった。たとえ意図
しない表面炭化物が形成される場合でも、表面には炭化
物の孔が薄い層状に存在するのが特徴である。これは、
表層で炭化物形成元素が酸化するためである。
ガス浸炭処理中に起こる酸化による有害な影響につい
ては旧来から知られている。これまで、浸炭された物品
を設計する際には、粒界表面酸化物が起因する曲げ疲れ
強さの低下を考慮する必要があった。曲げ疲れ強さの低
下を回避するためには、浸炭処理中に形成された粒界表
面酸化物を機械加工や研削によって物理的に除去する
か、浸炭媒体中の酸素化合物を除去することによって表
面での形成反応を防止するか、何れかが必要であった。
これらは何れもコストがかかる。Ruth Chatterjee−Fis
cherの著した“Internal Oxidation During Carburizin
g and Heat Treating",Metallugical Transaction A
(発行:American Society for Metals and the Metallu
rgical Society of AIME),vol.9A,November 1978,pp.1
553−1560に、従来の浸炭処理法を行う場合、母材金属
中にシリコンが存在することが物品表面の酸化物形成の
主要因であると報告されている。しかし、この報告は、
シリコン量を低減することが表面酸化に対する一つの解
決策であることは認識しているが、低シリコン量と特殊
な浸炭法による表面炭化物形成の促進との間の関係につ
いては何ら認識が無い。
日本特許公報第57−23741号に、山陽特殊鋼株式会社
によって開発された低シリコン浸炭用鋼が記載されてい
る。この山陽の公報には、0.06%〜0.12%の低シリコン
量と比較的高い炭素量およびクロム量とを組み合わせる
ことによって、炭素の拡散が促進されて浸炭時間が短縮
されることが教示されている。この公報では鋼中クロム
量を制限することにより表面炭化物の形成を意識的に回
避している。更に、この公報では低シリコン組成の影響
と浸炭処理中の表面酸化物および表面炭化物の形成とが
関連付けられていない。上記公報に記載されている山陽
の低シリコン鋼はもはや商業生産されていない。
表面炭化物の形成を意図的に回避する用途に用いられ
る低シリコン浸炭用鋼が神戸製鋼所でも開発された。神
戸製作所の鋼組成は日本特許公報第61−253346号に記載
されており、その記載によると、この鋼組成は浸炭処理
後に熱処理して歯の谷部分の硬さを高める歯車用として
開発されたものである。神戸の鋼組成では、浸炭後に良
好な表面硬化性が確保できるように、炭化物形成元素の
量を意識的に制限することによって浸炭処理中の表面炭
化物形成を防止している。また、シリコン、マンガン、
クロムの量を制限することによって、浸炭された表層の
熱処理性を低下させる粒状炭化物の形成を防止してい
る。この公報は、低シリコン量と表面炭化物の有用な形
成との関係についても何ら開示していない。
大同特殊鋼は日本特許公報第61−104065号において、
表面近傍に炭化物を形成する浸炭物品用の低シリコン鋼
を開示している。大同の場合も上記公報と同様に、鋼組
成中のシリコン量を制限することが粒界酸化物の低減に
有用であることは認識している。しかしこの公報は、表
面またはその近傍に炭化物を形成するためには1.2%を
超えるクロム量が必要であると教示している。この公報
では、シリコンが酸化に対して影響を及ぼすばかりでな
く表面炭化物の形成にも影響を及ぼすこと、そして本発
明により教示されるように浸炭用鋼のシリコン量を制限
することによってかなり少量のクロム量で表面炭化物が
形成し得ることの認識も無い。
以上説明した従来のガス浸炭処理では、一般的に表面
炭化物の形成を防止することが意図されている。これら
従来の方法とは異なる特殊な方法として、Orville E.Cu
llenのカナダ特許第610,554号(1960年12月13日発行)
「鉄合金の浸炭処理」に、意識的に表層部に炭化物を形
成する浸炭処理法が記載されている。このカナダ特許
は、鋼物品を繰り返し浸炭してから急冷する低合金鋼の
浸炭処理方法を教示している。しかしこの方法は処理完
了までに約42時間というオーダーの非常に長時間を要
し、またそのために非常に費用を要する。更に、この方
法では表面酸化物の形成という問題に対して何ら解決策
が示されていない。
より最近においては、Takeshi Naitoらの米国特許第
4,202,710号(1980年5月13日発行)に2段階浸炭処理
方法が記載されている。この方法では、表面下0.1mm〜
0.4mmの範囲の領域に球状炭化物を形成するが、浸炭さ
れた表層部の外表面側に炭化物を高密度で生成させるこ
とはできない。その結果、この方法で処理した物品は初
期摩耗を起こす筈であるから、炭化物含有組織により高
められた耐ピッチング性や耐スポーリング性等の摩耗特
性および接触疲れ特性を有効に利用するには、表面下0.
1mmから始まる炭化物濃密領域に達するまで機械加工し
なければならない。また、この方法も前記のカナダ特許
と同様に、表面酸化物の形成という問題に対して何ら解
決策を提示していない。
本発明は以上説明した問題を解決するものである。浸
炭された鋼物品は表面の粒界酸化物が実質的に無く且つ
表面の炭化物比率が高いことが望まれる。また、この物
品を短い処理時間で処理できる、経済的且つ制御性のあ
る処理方法を提供することが望まれる。
発明の開示 本発明の一態様に従えば、浸炭された鋼物品の製造方
法は、0.10%を超えないシリコンおよび重量で1.1%未
満のクロムを含有する鋼で作られた物品を、該物品の表
面に、炭化物が高密度で分散したオーステナイトを形成
するのに十分な温度で浸炭を行う操作を含む。浸炭を行
った後、該物品を急冷することによって該浸炭された表
面の組織をマルテンサイト、残留オーステナイト、およ
び炭化物に変態させ、浸炭された表面に粒界酸化物が実
質的に無く且つ該表面の少なくとも20%を炭化物が占め
るようにする。
浸炭された鋼物品を製造する上記方法の他の特徴とし
て、所望浸炭深さの約75%〜95%を形成する浸炭策1段
階を行った後、表面炭化物を高密度で形成する第2段階
を行うことが有利である。
本発明のもう一つの態様においては、0.1%を超えな
いシリコンおよび1.1%未満のクロムを含有し、有害な
粒界酸化物が実質的に無い外表面を有し、この外表面に
高い比率が炭化物が存在することを特徴とする浸炭され
た低シリコン鋼物品が提供される。外表面の炭化物は少
なくともその20%を占めることが望ましい。
浸炭された低シリコン高物品のもう一つの特徴は、そ
の組成が、重量で、0.08%〜0.35%の炭素、0.3%〜1.7
%のマンガン、前記のクロムを含めて0.2%〜2.5%の炭
化物形成元素、6%未満の付加的な焼入性成分、1%未
満の細粒化元素、0.10%を超えないシリコン、0.15%を
超えない銅、および鉄および微量元素であることであ
る。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明に従った0.10%未満のシリコンを含
有する浸炭された低シリコン高物品のエッチングなしの
断面を示す倍率750倍の顕微鏡写真である。
第2図は、第1図の物品のエッチングした断面を示す
倍率750倍の顕微鏡写真である。
第3図は、第1図の物品と一緒に浸炭処理したシリコ
ン含有量0.26%の典型的な浸炭用低合金鋼製物品のエッ
チングなしの断面を示す倍率750倍の顕微鏡写真であ
る。
第4図は、第3図の物品のエッチングした断面を示す
倍率750倍の顕微鏡写真である。
第5図は、シリコン含有量0.26%の典型的な浸炭用低
合金鋼製の物品を従来の浸炭方法で浸炭した状態のエッ
チングした断面を示す倍率500倍の顕微鏡写真である。
第6図は、鋼組成中のシリコン含有量と、本発明に従
って浸炭を行った物品の表面に形成された酸化物および
炭化物の量との関係を示すグラフである。
第7図は、本発明に従った浸炭方法の一例における時
間と温度との関係を示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態 鋼物品を製造する方法は、低シリコン鋼を選択する工
程、この鋼を成形する工程、浸炭する工程、焼入温度に
まで制御冷却する工程、および急冷する工程を含む。本
明細書中、用語「低シリコン鋼」は、0%〜0.10%を超
えないシリコンを含有する鋼材料であって、その組成が
他の観点の全てから一般的に浸炭処理に適した鋼材料と
いう意味で用いる。鋼中シリコン量を制限しまたはゼロ
にすることにより、シリコン酸化物の形成が妨げられる
だけでなく、浸炭された物品の表面でのクロムおよびマ
ンガンの酸化も妨げられる。更に、低シリコン鋼物品を
本発明に従って処理することにより、表面に高比率で炭
化物を形成することが確実にできる。したがって、適切
な鋼組成の選択は重要な一工程である。
商業生産される低合金浸炭用鋼は典型的には下記の範
囲の組成を有する。すなわち、重量比で、 炭素 0.08%〜0.35% マンガン 0.3%〜1.7% クロム、モリブデン、または バナジウムのような炭化物形成元素 0.2%〜2.5% 付加的な焼入性成分 0.0%〜6% シリコン 0.15%〜0.35% 細粒化元素 0.0%〜1.0% 鉄および残留元素 残部 上記鋼組成のシリコンをゼロまたは0.10%未満に減少
させれば、本発明に従った浸炭された物品の製造に適す
る。
鋼産業分野で一般的に許容される鋼中残留銅量は0.35
%である。この上限近い量で銅を含有する低シリコン鋼
は、浸炭された表面での炭化物形成と相容れないことが
あることが見出されている。銅が表面炭化物の形成を妨
げることがあることは理論的に説明されている。したが
って、必ず必要なわけではないが、組成中の銅の量を0.
15%を超えないように制限することが望ましい。
更に詳しくは、SAE4110から4130までの鋼種のような
低合金浸炭用鋼は何れも、シリコンが0.10%を超えない
ように組成変更すれば、歯車、軸受、およびシャフトの
ような浸炭された物品の製造に特に適した鋼組成にな
る。したがって、比較的少量ではあるが必須量のクロ
ム、モリブデン、またはバナジウムのような炭化物形成
元素を含有する市販の低合金浸炭用鋼は、組成変更して
低シリコン鋼組成にすることができる。付加的な焼入性
成分は含有してもよいが、その量は約6%未満に制限す
べきである。細粒化促進のために、しばしば1%未満の
細粒化元素が添加される。前述したように、表面炭化物
の形成を更に促進するために残留あるいは微量元素であ
る銅の量を0.15%を超えないように制限することも望ま
しい。しばしば微量存在する燐および硫黄のような有害
元素については、燐は0.05%を超えないように、硫黄は
0.08%を超えないように制限することが望ましい。
上記の何れかの組成を有する物品を、圧延鋼材の機械
加工により、鋳造または鍛造により、鋼粉末の成形固化
により、またはこれら各操作を複数組み合わせた方法に
より成形する。
成形した物品を浸炭炉内に装入し、炉の雰囲気中の炭
素が物品中に拡散して物品表面に炭化物を高密度で形成
するのに十分な温度に加熱する。浸炭工程は2段階で行
うことが望ましい。浸炭の第1段階では、炉内のガス雰
囲気の炭素ポテンシャルを、オーステナイト中の炭素の
飽和限界にほぼ等しいレベルに維持する。オーステナイ
ト中の炭素の飽和限界は、一般的に「Acm」で表され、
温度に依存する。浸炭室内の温度が約843℃〜約1010℃
の範囲内にあり且つ雰囲気が物品の鋼組成に対応するA
cmとほぼ等しい、連続式の炉内に成形された物品を直接
装入することが望ましい。
第7図のグラフに示したように、浸炭処理の第1段階
では、最終的な所望浸炭深さの約75%〜約95%を得るの
に十分な時間、物品を浸炭室内に保持する。本明細書
中、用語「浸炭深さ」は炭素含有量が0.40%になる位置
の表面からの深さの意味で用いる。物品の所望浸炭深さ
を得るのに要する時間は、物品の化学組成、ガス雰囲気
の組成および温度のような多数のパラメータに依存して
いる。そのため、この第1段階で物品を浸炭室内に保持
する時間は約2時間から約25時間までの範囲で変動する
可能性がある。物品が既に説明した低シリコン組成を有
し、炉の雰囲気を鋼のAcmにできるだけ近くに維持し、
浸炭温度を約927℃に保持した場合、物品を炉内に約4
〜5時間保持すれば初期浸炭深さとして約1.0mmを得る
ことができる。この場合、以下に説明する浸炭第2段階
後に得られる最終的な浸炭深さは約1.1mmである。
上記の浸炭第1段階の後に、ベイナイトおよびパーラ
イトが生成を開始する温度より低い温度にまで(望まし
くはガス急冷によって)冷却する。この温度は一般的に
「Arl」と表示され、第7図には水平の破線で示してあ
る。この冷却操作においては、物品の表面を急冷して網
目状炭化物の生成を抑制することが望ましい。その結
果、鉄と炭素の過飽和準安定固溶体が形成される。冷却
速度が遅過ぎると粒界に炭化物が形成し、炭化物形成に
有効な粒内核が形成されない。
物品をArlよりも十分に低い温度まで冷却してベイナ
イトまたはパーライトへの変態を実質的に完了させた後
に、予熱した浸炭炉内に装入することによって物品を急
速に再加熱する。これにより、準安定固溶体から炭化物
が均一に析出し、その結果表層組織中に炭化物が分散す
る。
浸炭の第2段階の間、炉雰囲気の炭素ポテンシャルは
Acmよりも高いレベルに維持される。すなわち、雰囲気
の炭素ポテンシャルは物品のオーステナイト中炭素飽和
限界よりも高く維持される。例えば、0.055%CO2、1%
CH4、20%CO、40%H2、残部N2の組成を持つガスを用い
れば、約1.5%〜2%の炭素ポテンシャルを有する雰囲
気を調製することができる。典型的には、第2段階の浸
炭室の温度は約843℃〜1010℃、望ましくは約927℃に維
持される。この第2段階において必要なのは、過飽和ガ
ス雰囲気中で物品の表層(ケース部)を再度オーステナ
イト化し、これによって表層の炭素量を約1.5%より高
いレベルにまで増加させることである。物品を927℃に
ほんの15分〜60分程度保持すれば、必要な上記表層炭素
量を達成することができる。これより低温を用いること
もできるが、その場合には物品を炉内に保持する時間を
長くする必要がある。浸炭された物品に存在する表面炭
化物の寸法および体積率は、第2段階での浸炭温度と、
それに続く冷却(後に説明する)の冷却速度とを選択す
ることによって制御することができる。例えば、第2段
階の浸炭温度が高いほど物品の表面部に形成される炭化
物の量は多くなり、寸法の大きい炭化物の体積率が高く
なる。
浸炭第2段階が完了した時点では、表面炭化物が高密
度でよく分散したオーステナイト組織が形成されてい
る。その後、望ましくは物品を炉内に装入した状態のま
ま、芯部鋼組成の焼入温度にまで制御冷却する。一例と
して、低シリコン組成のSAE4118鋼の焼入温度は約838℃
である。この冷却中に既に形成されていた炭化物の寸法
および体積率が増加する。この作用を確保するために、
浸炭温度から焼入温度への物品の冷却速度を注意深く制
御する必要がある。この冷却速度は約0.6℃〜11℃/分
とすることが有利である。
物品の表面を上記の焼入温度にまで冷却した後、物品
の芯部温度が焼入温度にまで降下するのに十分な時間、
物品をこの焼入温度に保持することが望ましい。この操
作は均熱処理として知られており、第7図の操作手順グ
ラフにも示してある。均熱処理は焼き狂いを少なくする
ために望ましいのであって、所望の表面組織を得るのに
必要というわけではない。典型的な均熱時間は物品の重
量および形状によって5〜60分程度である。
先行する冷却中から均熱完了までの間、炭素含有雰囲
気を物品の周囲に維持することにより、物品表面から炭
素が抜けるのを防止することが望ましい。冷却と均熱と
を共に第2段階の浸炭炉内または連結された別の処理室
内で行い、浸炭に用いたガス雰囲気を単に冷却して物品
の周囲を循環させるようにしてもよい。
均熱処理後、表面組織をマルテンサイト、残留オース
テナイト、および炭化物に変態させることができる速い
速度で、物品を焼入温度から直接急冷することが望まし
い。そのために、必要な表面変態を確保できる高い焼入
速度の油媒体を用いる。
均熱処理後直ちに物品を直接急冷することが困難な場
合のために、その代替として第7図中に破線で示した方
法を開発した。一つの代替法は、物品を一旦冷却してか
ら鋼の焼入温度に再加熱し、均熱し、急冷する方法であ
る。もう一つの代替法は、物品の重量および形状が十分
に小さく、制御冷却速度が十分に遅い場合には、均熱を
行わなくてもよい。これらの条件が揃っていれば、物品
を低速の制御冷却工程後に直接急冷することができる。
シャフトおよび歯車は大きな曲げ荷重、表面摩耗、お
よび接触疲れが発生する典型的な物品である。これらの
物品を以上説明した方法に従って製造し、好結果を得
た。浸炭処理完了までに要する合計時間は、最終の急冷
工程を含め、典型的には約7時間に過ぎなかった。した
がって、本発明の方法は、表面の金属組織特性が向上し
た物品を製造するばかりでなく、望ましい表面炭化物組
織を形成するための従来法よりも非常に速い。
第1図および第2図に、本発明に従った物品の代表サ
ンプルの顕微鏡写真を示す。第3図〜第5図は以下に説
明するように本発明とは異なる方法で製造された物品の
代表サンプルの顕微鏡写真であり、これらと第1図およ
び第2図とを比較すると本発明の利点が非常に明瞭に分
かる。第1図および第3図は研磨ままの、エッチングな
しサンプルの顕微鏡写真であり、粒界酸化物の存在が認
められる。第2図および第4図のサンプルは第1図およ
び第3図のサンプルと同じものであるが、通常の1%ナ
イタル液でエッチングし、組織中の炭化物をより鮮明に
したものである。第5図は、通常の熱処理を施し、研磨
し、1%ナイタル液でエッチングしたサンプルである。
粒界酸化物はエッチングなしのサンプルの写真に細長い
黒の部分として現れている。典型的な粒界酸化物形成部
を参照番号10で示した。炭化物組織はエッチングしたサ
ンプルの写真に白い部分として現れており、典型的なも
のを参照番号12で示した。
〔実験例1〕 本発明に従って製造された物品の代表サンプルは、第
1図および第2図に倍率750倍で示したような断面ミク
ロ組織である。このサンプルは組成変更した圧延SAE411
8鋼から切り出したものであり、その組成は下記の通り
であった。
炭素 0.23% マンガン 0.99% 燐 0.009% 硫黄 0.010% シリコン 0.04% クロム 0.40% モリブデン 0.13% アルミニウム 0.029% 銅 0.03% 鉄および残留元素 残部 このサンプルを、従来の吸熱型ガス浸炭雰囲気(組
成:約0.07%CO2、0.6%CH4、20%CO、40%H2、残部
N2)の浸炭炉内に装入した。炉は約927℃に予熱した。
雰囲気の炭素ポテンシャルはAcmすなわち上記鋼組成の
オーステナイト中炭素溶解限に調整された炉制御システ
ムの近傍に維持した。上記物品を上記温度および雰囲気
に4.5時間保持した後、93℃まで急冷した。上記浸炭第
1段階に続く冷却の後、物品を浸炭炉内に装入し、約92
7℃に予熱し、そして炭素ポテンシャルが鋼材料のオー
ステナイト相中炭素飽和限界よりも大きくなるようにガ
ス雰囲気を制御した。温度をそのまま変えず、物品をこ
の高炭素雰囲気中に約30分保持してから、この鋼の焼入
温度である838℃まで約60分で、すなわち約1.5℃/分の
速度でゆっくり冷却した。物品を838℃に約40分保持し
て、物品内部の温度をこの焼入温度と均熱化した。均熱
処理の後に、物品を油媒体中に直接急冷した。
第2図の物品の顕微鏡観察サンプルの写真から分かる
ように、この物品は表面に炭化物12が高体積率が形成さ
れている。写真の最上部に黒い帯状に見える埋込み材料
部に隣接する表面の炭化物を直接測定した結果、炭化物
は物品面積の約50%を占めていた。更に、第1図のエッ
チングなしの断面に最も明瞭に示されているように、物
品表面の炭化物が濃密に形成されている領域には粒界酸
化物が実質的に無い。
〔実験例2〕 第3図および第4図に示したミクロ組織サンプルの物
品は、市販の同様の材料の典型的なシリコン範囲内のシ
リコン含有量を有する組成変更した圧延SAE4118鋼から
製造された。詳しくは、本実験例の物品の組成は下記の
通りである。
炭素 0.22% マンガン 0.76% 燐 0.009% 硫黄 0.016% シリコン 0.26% クロム 0.78% モリブデン 0.24% アルミニウム 0.033% 銅 0.12% 鉄および残留元素 残部 本実験例の材料はシリコン含有量が0.26%であり、こ
れは同様の組成を持つ従来の浸炭用鋼に通常存在するシ
リコン量を代表するものである。上記材料で作製された
物品を実験例1の物品と同時に、すなわち本発明と同様
の工程で熱処理した。
第4図から、表面炭化物の形成に及ぼすシリコン量増
加の影響が分かる。このサンプルの表面には炭化物12が
事実上全く無い。更に、炭化物の無い表層部は粒界酸化
物10の深さに相当する。したがって、従来の一般的方法
とは異なる、表面炭化物を形成する浸炭処理を施す場合
であっても、浸炭された物品の表面に実質的に炭化物組
織を形成するには生地鋼中のシリコン量を制限すること
が必要である。第3図から最もよく分かるように、第1
図の低シリコン材料よりもかなり多量の粒界酸化物が存
在する。この写真の視野内で、粒界酸化物と物品表面の
長さとの比は約.50:1である。すなわち、第3図で識別
できる粒界酸化物の長さをその主軸に沿って測定した合
計が、同視野内の物品表面長さの約50%である。
〔実験例3〕 変更SAE4118H組成(シリコン量0.026%)を有し、従
来の1段浸炭処理を施した物品のサンプルを第5図に示
す。この物品の組成は下記の通りである。
炭素 0.21% マンガン 0.93% 燐 0.011% 硫黄 0.013% シリコン 0.26% クロム 0.95% モリブデン 0.34% アルミニウム 0.032% 銅 0.06% 鉄および残留元素 残部 この実験例は、標準的な浸炭用鋼を従来法で処理して
表面炭化物を形成した場合を示すためのものである。こ
の場合、典型的な炭化物消失帯域が物品の表面から約.2
mmの深さにまで及んでいる。この帯域内では粒界および
粒内の両方にかなりの数の酸化物形成が認められる。よ
く知られているように、粒界酸化物10は曲げ疲れ特性に
対して悪影響を及ぼす。更に、表面に炭化物が存在しな
いため、物品の外表層約0.02mmが摩耗消失するまでは炭
化物組織による利点を有効に利用することができない。
以上説明した実験例で、本発明の実施態様の特徴の幾
つかが分かる。第一に、物品を作製する鋼材料はシリコ
ン含有量が0.10%を超えてはならない。シリコン含有量
をこの量に制限することにより、粒界酸化物の形成が防
止されるばかりでなく、望ましい表面炭化物の形成が促
進され高められる。第二に、物品の表面下の有限深さの
位置、例えば0.1mmの深さの位置にではなくて外表面
に、炭化物が高い比率で形成される。この作用も最も有
利に確保するためには、物品を前記説明のように浸炭す
ることにより、物品表面のオーステナイト中に高密度で
よく分散した炭化物を形成し、その後の制御冷却により
これを成長される。実験例2および3で分かるように、
上記二つの特徴の一つでも欠けると、浸炭された物品の
外方面を粒界酸化物が実質的に無く且つ炭化物が高い体
積率で形成された状態にすることができない。
シリコン量(2つのサンプルについてはクロム量)以
外については同様の基本組成を有する多数のサンプルを
準備し、実験例1で説明した浸炭方法で熱処理した。次
に各サンプルを切断し、研磨した状態で粒界酸化物およ
び表面炭化物の存在を調べた。詳しくは、下記組成の9
サンプルについて試験した。
各サンプルの断面について等倍率の代表3視野で各酸
化物の各主軸に沿って測定した粒界酸化物の合計長さを
平均し、視野内の物品外表長さに対する比率(%)で表
示した。同様に、炭化物が存在する直線表面の長さを各
サンプルの断面について等倍率の代表3視野で測定し、
平均し、代表視野内の物品表面の長さに対する比率
(%)で表示した。
上記測定結果を第6図にグラフとして示す。同グラフ
中、上記各サンプルの酸化物比率(%)を小さい丸印で
示す。同グラフの基線にシリコン%の目盛りを、酸化物
の比率(%)の目盛りを右側の縦軸に示す。各データの
プロットに良く合わせた実線で示されるように、粒界酸
化物の量はサンプルのシリコン量の増加に伴って増加す
る。これらのデータから、これらのサンプルについては
シリコン量が.11%または.12%まで高くなっても代表表
面長さに対する粒界酸化物の比率はまだ約15%未満であ
ることが分かる。
同様に、上記各サンプルの炭化物比率(%)を同グラ
フ中に小さい三角印で示し、グラフの左側縦軸の目盛り
に従ってプロットしてある。各データ点に良く合わせた
曲線から、表面に対する炭化物比率(%)はサンプルの
シリコン量の増加に伴って大勢として減少することが直
ちにわかる。サンプルeの両側にあるサンプルdおよび
fはシリコン量がサンプルeよりもそれぞれ少ないか多
いが、サンプルeは炭化物量がこれらのいずれよりも少
ない。したがって、上記のサンプルについてのデータ集
約結果ではシリコン量が.11%あるいは.12%程度でも20
%程度の望ましい炭化物レベルが得られてはいるが、浸
炭された物品の表面に対する炭化物比率をより安定して
約20%よりも多く確保するには、シリコン量の限界を
約.10%とすることが望ましい。
産業上の利用可能性 本発明に従って製造された物品は、大きな曲げ荷重、
表面摩耗、および接触疲れが組み合わさって負荷される
歯車、継手、シャフト、軸受、その他類似の物品として
特に有用である。
銅の残留量を制限した低シリコン鋼は、従来の浸炭用
合金鋼とほぼ同等の価格である。したがって、本発明の
処理は多くの従来処理よりも経済的に行えるなので、本
発明の方法は非常に広範囲に利用可能であり、得られる
物品も浸炭された物品を必要とする広範な用途に用いる
ことができると考えられる。
以上説明したように、本発明は、粒界酸化物が実質的
に無い物品外表面に炭化物を高比率で形成する低シリコ
ン鋼材料の浸炭処理方法である。表面の粒界酸化物が物
品の曲げ疲れ強さを低下させることは知られている。炭
化物密度の高い組織が高い硬さを有し且つ摩耗および接
触疲れ寿命の向上に貢献することも知られている。望ま
しくない表面酸化物の形成を防止すると共に有用な表面
炭化物組織を形成する結果、本発明に従って製造された
物品の曲げ疲れ強さ、摩耗特性、および接触疲れ特性は
非常に高められている。
本明細書および添付した請求の範囲を研究することに
より本発明の他の態様、特徴および利点が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 8/22 C23C 8/22 (72)発明者 ホロウェイ.グレゴリー エス. アメリカ合衆国,イリノイ 61548,メ タモラ,ホランド ロード 816 (72)発明者 グロマー,デイブ アール. アメリカ合衆国,イリノイ 61550,モ ートン,ノース オレゴン コート 52 (72)発明者 ビルトゥゲン,ギャリー エル. アメリカ合衆国,イリノイ 61614,ペ オリア,ノース フォックス ポイント ドライブ 7111 (56)参考文献 特開 昭61−253346(JP,A) 特開 昭62−274052(JP,A) 特開 昭61−104065(JP,A) 特公 昭62−4465(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 6/00 C22C 38/00 - 38/60 C23C 8/22

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、0.08%〜0.35%の炭素、0.3%
    〜1.7%のマンガン、0.10%を超えないシリコン、0.15
    %を超えない銅、1.1%未満のクロム、このクロムとモ
    リブデンとバナジウムとから成る群から選択された0.2
    %〜2.5%の炭化物形成元素、および残部の鉄および微
    量不純物を含む鋼材料を選択する工程、 上記鋼材料を物品に成形する工程、 オーステナイトとこのオーステナイト中に高密度で分散
    した炭化物とを含む表面を形成するのに十分な温度およ
    び時間で上記物品を浸炭する工程、 上記浸炭された物品を急冷することにより、その表面を
    マルテンサイト、オーステナイト、および炭化物から成
    る組織に変態させる工程、 前記急冷の前に、浸炭された物品の少なくとも表面を、
    浸炭処理温度から前記鋼材料の焼入温度にまで制御冷却
    することによって前記炭化物の寸法を増加させ且つ該表
    面での該炭化物の比率を高めることにより、上記炭化物
    が上記表面の少なくとも20%を占め且つ該表面に粒界酸
    化物が実質的に無いように制御し、それにより、浸炭さ
    れた表面に更に仕上げ処理を施す必要がない浸炭された
    鋼物品とする工程を含む、粒界酸化物が実質的に無い浸
    炭された表面を有し且つ上記浸炭された表面に少なくと
    もその20%を占める炭化物を有し、更に仕上げ処理をす
    る必要がない鋼物品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記浸炭された物品を焼入温度にまで冷却
    する工程が、炉の雰囲気温度を0.6℃/分〜11℃/分の
    速度で降下させる操作を含む請求項1記載の浸炭された
    鋼物品の製造方法。
  3. 【請求項3】前記焼入温度まで冷却した後に行う工程で
    あって、前記浸炭された物品を、前記鋼材料の焼入温度
    に、該物品の芯部温度を該焼入温度に均熱化するのに十
    分な時間保持する工程を含む請求項1記載の浸炭された
    鋼物品の製造方法。
  4. 【請求項4】前記物品を浸炭する工程の第1段階とし
    て、843℃〜1010℃の温度に予熱された炉であって、該
    炉温度で炭素で飽和したオーステナイトと実質的に平衡
    状態となる炭素含有量の雰囲気を有する炉内に該物品を
    装入し、最終的な浸炭深さの75%〜95%を形成するのに
    十分な時間該物品を該炉内に保持する段階を含む請求項
    1記載の浸炭された鋼物品の製造方法。
  5. 【請求項5】前記第1段階の間、前記炉温度を927℃に
    保持し、前記物品を該炉内に4〜5時間保持する請求項
    4記載の浸炭された鋼物品の製造方法。
  6. 【請求項6】前記浸炭工程が前記第1段階の後に前記物
    品をガス急冷する操作を含み、該ガス急冷は浸炭された
    表層部内での炭化物核発生を防止するのに十分な速度で
    行い、該表層部の温度がオーステナイトの変態が実質的
    に完了する温度より低くなるまで該速度を維持する請求
    項4記載の浸炭された鋼物品の製造方法。
  7. 【請求項7】前記物品を浸炭する工程の第2段階とし
    て、843℃〜1010℃の温度に予熱された炉であって、該
    炉温度でのオーステナイトの炭素飽和限界よりも高いレ
    ベルの炭素含有量の雰囲気を有する炉内に該物品を装入
    し、前記表面を表面炭化物が高密度で分散した実質的な
    オーステナイト組織に変態させるのに十分な時間該物品
    を該炉内に保持する段階を含む請求項6記載の浸炭され
    た鋼物品の製造方法。
  8. 【請求項8】前記第2段階の間、前記炉温度を927℃に
    保持し、前記物品を該炉内に15分〜60分間保持する請求
    項6記載の浸炭された鋼物品の製造方法。
  9. 【請求項9】前記物品を前記鋼材料の焼入温度に保持す
    る工程が、前記物品を838℃に5分〜60分間保持する操
    作を含む請求項3記載の浸炭された鋼物品の製造方法。
  10. 【請求項10】前記浸炭された物品を前記鋼材料の焼入
    温度から急冷する工程が油中での急冷を含む請求項3記
    載の浸炭された鋼物品の製造方法。
  11. 【請求項11】浸炭されたままの表面に粒界酸化物が実
    質的に無く且つ該表面の少なくとも20%を炭化物が占め
    るように低シリコン鋼物品を浸炭する方法であって、 重量で0.10%を超えないシリコンおよび重量で1.1%未
    満のクロムを含有する鋼で作られた物品を、該物品の表
    面に、オーステナイト中に炭化物が高密度で分散した浸
    炭された表面を形成するのに十分な温度および時間の浸
    炭を行った後、該物品を制御急冷することによって該浸
    炭された表面の組織をマルテンサイト、残留オーステナ
    イト、および炭化物に変態させ、前記急冷の前に、浸炭
    された物品の少なくとも表面を、浸炭処理温度から前記
    鋼材料の焼入温度にまで制御冷却することによって前記
    炭化物の寸法を増加させ且つ該表面での該炭化物の比率
    を高めることにより、浸炭されたままの表面に粒界酸化
    物が実質的に無く且つ該表面の少なくとも20%を炭化物
    が占めるようにし、それにより、浸炭された表面をそれ
    以上仕上げ処理する必要のない浸炭された低シリコン鋼
    物品を製造する低シリコン鋼物品の浸炭方法。
  12. 【請求項12】0.1%を超えないシリコンおよび1.1%未
    満のクロムを含有し、何ら除去処理を施さなくとも有害
    な粒界酸化物が実質的に無い浸炭された表面を有し、該
    表面に少なくとも該表面の面積の20%を占める炭化物が
    存在し、更に仕上げ処理を施す必要がないことを特徴と
    する浸炭された低シリコン鋼物品。
  13. 【請求項13】浸炭された表面全体に粒界酸化物が実質
    的に無い請求項12記載の浸炭された低シリコン鋼物品。
  14. 【請求項14】前記物品の横断面における粒界酸化物の
    長さが、該横断面における該物品の浸炭された表面の長
    さの15%を超えない請求項12記載の浸炭された低シリコ
    ン鋼物品。
  15. 【請求項15】前記物品の組成が、重量で、0.08%〜0.
    35%の炭素と、前記クロムとモリブデンとバナジウムと
    から成る群から選択された0.2%〜2.5%の炭化物形成元
    素を含有する請求項12記載の浸炭された低シリコン鋼物
    品。
  16. 【請求項16】前記物品の組成が、重量で、0.08%〜0.
    35%の炭素、0.3%〜1.7%のマンガン、0.10%を超えな
    いシリコン、1.1%未満のクロム、このクロムとモリブ
    デンとバナジウムとから成る群から選択された0.2%〜
    2.5%の炭化物形成元素、0.15%を超えない銅、および
    残部鉄および微量元素から実質的に成る請求項12記載の
    浸炭された低シリコン鋼物品。
  17. 【請求項17】炭素含有量が0.18%〜0.25%、マンガン
    含有量が0.8%〜1.1%、クロム含有量が0.4%〜1.1%、
    モリブデン含有量が0.1%〜0.5%、シリコン含有量が0.
    05%を超えず、銅含有量が0.15%を超えず、且つ微量元
    素として0.05%を超えない燐および0.08%を超えない硫
    黄が存在する請求項16記載の浸炭された鋼物品。
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