JP2796170B2 - グラスライニング機器の局部補修方法 - Google Patents
グラスライニング機器の局部補修方法Info
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- JP2796170B2 JP2796170B2 JP7724790A JP7724790A JP2796170B2 JP 2796170 B2 JP2796170 B2 JP 2796170B2 JP 7724790 A JP7724790 A JP 7724790A JP 7724790 A JP7724790 A JP 7724790A JP 2796170 B2 JP2796170 B2 JP 2796170B2
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- Chemically Coating (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、化学工業、医薬品工業、食品工業などで使
用される耐蝕性グラスライニング製反応機、貯槽、配管
部品、その他ほうろう機器類のライニング層に生じた局
部的な破損部を修理する方法に関する。
用される耐蝕性グラスライニング製反応機、貯槽、配管
部品、その他ほうろう機器類のライニング層に生じた局
部的な破損部を修理する方法に関する。
(従来の技術) グラスライニング機器のライニングガラス層に生じた
局部的な破損部を無機質材料で補修する有効な補修方法
として、先願の特願平1−63244号、同−63245号、同−
80830号には、金属アルコキシドに代表される有機金属
化合物および無機塩のゾル・ゲルガラス水溶液を出発原
料とする補修剤を使用する補修法が各種提案されてい
る。この補修は、補修剤の塗布、乾燥、ゾル化、ゲル化
および300℃程度までの温度に加熱してガラスを合成す
る操作を反復することにより正常なライニングガラス層
とほぼ同じ厚みの補修層を形成させる。特願平1−6324
4号には補修部に要求される諸特性に適合性を有する充
填材を選定して基本の補修剤のゲル化前に混合して使用
できることおよび適切な充填材の例が開示されている。
充填材はゾル・ゲルガラスの収縮に伴い発生する空隙を
填隙しつつこれと結合する。
局部的な破損部を無機質材料で補修する有効な補修方法
として、先願の特願平1−63244号、同−63245号、同−
80830号には、金属アルコキシドに代表される有機金属
化合物および無機塩のゾル・ゲルガラス水溶液を出発原
料とする補修剤を使用する補修法が各種提案されてい
る。この補修は、補修剤の塗布、乾燥、ゾル化、ゲル化
および300℃程度までの温度に加熱してガラスを合成す
る操作を反復することにより正常なライニングガラス層
とほぼ同じ厚みの補修層を形成させる。特願平1−6324
4号には補修部に要求される諸特性に適合性を有する充
填材を選定して基本の補修剤のゲル化前に混合して使用
できることおよび適切な充填材の例が開示されている。
充填材はゾル・ゲルガラスの収縮に伴い発生する空隙を
填隙しつつこれと結合する。
(発明が解決しようとする問題点) 従来技術の前記補修法は、健全ライニングガラス層の
表面の平滑さに較べて補修部表面のうねりおよび表面粗
さが大きいため、補修部に外部環境物質が付着して、補
修機器使用後の清掃、除去を困難にするまで強い付着力
を示すことが経験された。
表面の平滑さに較べて補修部表面のうねりおよび表面粗
さが大きいため、補修部に外部環境物質が付着して、補
修機器使用後の清掃、除去を困難にするまで強い付着力
を示すことが経験された。
(問題点を解決するための手段) 前記問題点の原因を探究の結果、特願平1−63244号
に例示されているような無機質微粉状充填材では、ゾル
・ゲルガラス化反応により合成されるガラスの状況に対
し、従来技術で用いられる通常の主として機械的手段に
よる粒子化、粉化の技術によりつくられる無機質粉状充
填物は粒度が大きくてこれが補修部表面のうねり、粗面
化を発現させる主因となることが判明した。
に例示されているような無機質微粉状充填材では、ゾル
・ゲルガラス化反応により合成されるガラスの状況に対
し、従来技術で用いられる通常の主として機械的手段に
よる粒子化、粉化の技術によりつくられる無機質粉状充
填物は粒度が大きくてこれが補修部表面のうねり、粗面
化を発現させる主因となることが判明した。
そこで本発明では、少なくとも補修部の表層側に使用
する補修剤としては、補修部に要求される諸特性に適合
性を有する無機質を特に粒子径が1μm以下の超微粉と
しこれを充填剤として基本の補修剤に添加して補修を実
施し、補修部表面の平滑化を図る。
する補修剤としては、補修部に要求される諸特性に適合
性を有する無機質を特に粒子径が1μm以下の超微粉と
しこれを充填剤として基本の補修剤に添加して補修を実
施し、補修部表面の平滑化を図る。
以下本発明の解決手段を例示とともに一層具体的に明
らかにすれば次のとおりである。
らかにすれば次のとおりである。
基本の補修剤としては、例えば、次の組成のゾルーゲ
ル水溶液を25℃で1時間撹拌混合してつくる。
ル水溶液を25℃で1時間撹拌混合してつくる。
シリコンテトラエトキシド 20gr 85%リン酸 1gr エタノール 20gr 水 20gr 粒子径が1μm以下の無機質超微粉末としては、シリ
コンカーバイト超微粉末(粒子径<1μm)、気相法で
製作したシリカ超微粉末(粒子径:数10Å)、ジルコニ
ア球状超微粒子(粒子径:数10Å)等を使用する。この
ような超微粉は、気相、液相の分散分子の集合の過程と
してつくることができる。これらの何れかを充填剤とし
て1〜10wt%の濃度で前記のゾル・ゲル溶液に添加しこ
れを補修剤Aとする。
コンカーバイト超微粉末(粒子径<1μm)、気相法で
製作したシリカ超微粉末(粒子径:数10Å)、ジルコニ
ア球状超微粒子(粒子径:数10Å)等を使用する。この
ような超微粉は、気相、液相の分散分子の集合の過程と
してつくることができる。これらの何れかを充填剤とし
て1〜10wt%の濃度で前記のゾル・ゲル溶液に添加しこ
れを補修剤Aとする。
別にライニングガラスと同等の熱膨張率および耐蝕性
を持った粗粒子無機質充填材を前記ゾル・ゲル溶液と混
合しこれを補修剤Bとする。
を持った粗粒子無機質充填材を前記ゾル・ゲル溶液と混
合しこれを補修剤Bとする。
第1図に示すように、グラスライニング機器の鉄素他
(1)上の正常なライニングガラス層(2)の破損部
(3)を本発明方法により補修するには、先ず粗粒充填
材含有補修剤Bを塗布し、30分間風乾したのち、350℃1
0分熱処理するガラス合成操作を繰り返して下層補修部
(4)を形成し、その厚さがライニングガラス層(2)
とほぼ等しくなるようにする。
(1)上の正常なライニングガラス層(2)の破損部
(3)を本発明方法により補修するには、先ず粗粒充填
材含有補修剤Bを塗布し、30分間風乾したのち、350℃1
0分熱処理するガラス合成操作を繰り返して下層補修部
(4)を形成し、その厚さがライニングガラス層(2)
とほぼ等しくなるようにする。
そののち、第2図に示すように、下層補修部(4)に
微粒子充填材含有補修剤Aを含浸し、30分風乾したの
ち、350℃10分間熱処理するガラス合成操作を数回繰り
返して上層補修部(5)を形成する。
微粒子充填材含有補修剤Aを含浸し、30分風乾したの
ち、350℃10分間熱処理するガラス合成操作を数回繰り
返して上層補修部(5)を形成する。
(作用) グラスライニング機器は、高温焼成融着の反覆により
ライニングガラス層の厚みは通常1〜2mmとする。その
破損部をゾル・ゲル法の定温加熱ガラス合成により補修
しようとすると、乾燥時の収縮によりガラス被膜にクラ
ツクが生じる。クラツクのないガラス膜を合成するには
1ケ月程度ゆっくり乾燥させる必要があり、こうして形
成される被膜は厚さ1μm以下の薄膜のため、反覆施工
回数が非常に多くなる。
ライニングガラス層の厚みは通常1〜2mmとする。その
破損部をゾル・ゲル法の定温加熱ガラス合成により補修
しようとすると、乾燥時の収縮によりガラス被膜にクラ
ツクが生じる。クラツクのないガラス膜を合成するには
1ケ月程度ゆっくり乾燥させる必要があり、こうして形
成される被膜は厚さ1μm以下の薄膜のため、反覆施工
回数が非常に多くなる。
無機質充填材を複合化したゾル・ゲル溶液を用いる
と、少ない反覆施工回数でクラツクのない厚膜補修部を
形成できるが通常得られる無機質粉状充填材はその粒度
と1回の施工操作で形成されるガラス被膜の厚さとの関
係では、充填材が補修部の表面を粗面化させる。
と、少ない反覆施工回数でクラツクのない厚膜補修部を
形成できるが通常得られる無機質粉状充填材はその粒度
と1回の施工操作で形成されるガラス被膜の厚さとの関
係では、充填材が補修部の表面を粗面化させる。
本発明では粒径1μm以下の超微細粉末を含有するゾ
ル・ゲル溶液により最終仕上げの上層補修部を形成する
ので、補修部表面が粗さの小さい滑沢面となり、機器内
容物の付着が抑制される。
ル・ゲル溶液により最終仕上げの上層補修部を形成する
ので、補修部表面が粗さの小さい滑沢面となり、機器内
容物の付着が抑制される。
(実 施 例) 〔I〕補修剤例 次の基準的な組成のゾル・ゲル水溶液を25℃で1時間
撹拌混合して基本の補修剤つくった。
撹拌混合して基本の補修剤つくった。
シリコンテトラエトキシド 20gr 85%リン酸 1gr エタノール 20gr 水 20gr この溶液に粒子径1μm以下のシリコンカーバイト超
微粉末を3wt%の濃度で添加し補修剤Aとした。
微粉末を3wt%の濃度で添加し補修剤Aとした。
またこの溶液に、ライニングガラスと同等の熱膨張率
および耐蝕性を持ったガラス粒子を添加混合し補修剤B
とした。
および耐蝕性を持ったガラス粒子を添加混合し補修剤B
とした。
〔II〕補修例 厚さ3.2m、100mm角のSS41鋼板に厚さ1mmのガラスライ
ニングを施工し、その中央部に径約40mmのライニングガ
ラス層の破損部を形成して補修対象とした。
ニングを施工し、その中央部に径約40mmのライニングガ
ラス層の破損部を形成して補修対象とした。
この破損部に、周囲のライニングガラス層とほぼ同じ
厚さになるまで、補修剤Bを塗布し、30分間風乾したの
ち、350℃10分間熱処理する操作を繰り返して下層補修
部(4)を形成した。
厚さになるまで、補修剤Bを塗布し、30分間風乾したの
ち、350℃10分間熱処理する操作を繰り返して下層補修
部(4)を形成した。
この下層部補修部に補修剤Aを含浸し30分間風乾した
のち、350℃で10分間熱処理する操作を数回繰り返し上
層補修部(5)を形成した。
のち、350℃で10分間熱処理する操作を数回繰り返し上
層補修部(5)を形成した。
〔III〕補修結果 上記の本発明の補修方法を実施した補修部の表面粗さ
は、上層補修部を有しない補修部と比較して1桁以上向
上した。また耐付着性の向上が認められた。
は、上層補修部を有しない補修部と比較して1桁以上向
上した。また耐付着性の向上が認められた。
(発明の効果) 以上のようにグラスライニング機器、部材、ほうろう
品等のライニング層の破損局部を本発明方法により補修
すると、物理的に補修部の表面粗さが向上するととも
に、機器使用上、耐付着性、耐薬品性が向上し、機器寿
命が延長される。
品等のライニング層の破損局部を本発明方法により補修
すると、物理的に補修部の表面粗さが向上するととも
に、機器使用上、耐付着性、耐薬品性が向上し、機器寿
命が延長される。
第1図は本発明の補修過程の途中でライニング層破損局
部を模式的に示す縦断面図、第2図はその補修完了後の
補修部を模式的に示す縦断面図である。 (1)……鉄素地、(2)……ライニングガラス層、 (3)……破損部、(4)……下層補修部、(5)……
上層補修部。
部を模式的に示す縦断面図、第2図はその補修完了後の
補修部を模式的に示す縦断面図である。 (1)……鉄素地、(2)……ライニングガラス層、 (3)……破損部、(4)……下層補修部、(5)……
上層補修部。
Claims (2)
- 【請求項1】グラスライニング機器のライニングガラス
層に生じた局部的な破損部を無機質材料で補修するた
め、補修剤としては有機金属化合物および無機塩のゾル
・ゲルガラス水溶液の出発原料として調製した補修剤を
使用し、これを破損部に塗布、乾燥、ライニングガラス
の転移点以下の温度に加熱処理して反応固化ガラス化さ
せる過程を反覆施工する方法において、少なくとも表層
側の補修部については、粒子径が1μm以下の無機質微
粉末を混合した前記ゾル・ゲルガラス補修剤を使用して
補修を実施することを特徴とするグラスライニング機器
の局部補修方法。 - 【請求項2】前記表層側補修部の下層に対しては、粒子
径が1μmより大きい無機質粉末を混合したゾル・ゲル
ガラス補修剤を使用して補修過程を反復する請求項1に
記載するグラスライニング機器の局部補修方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7724790A JP2796170B2 (ja) | 1990-03-26 | 1990-03-26 | グラスライニング機器の局部補修方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7724790A JP2796170B2 (ja) | 1990-03-26 | 1990-03-26 | グラスライニング機器の局部補修方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03274289A JPH03274289A (ja) | 1991-12-05 |
JP2796170B2 true JP2796170B2 (ja) | 1998-09-10 |
Family
ID=13628531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7724790A Expired - Lifetime JP2796170B2 (ja) | 1990-03-26 | 1990-03-26 | グラスライニング機器の局部補修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2796170B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102005017327B4 (de) * | 2005-04-14 | 2007-08-30 | EKATO Rühr- und Mischtechnik GmbH | Bearbeitungsanlage |
-
1990
- 1990-03-26 JP JP7724790A patent/JP2796170B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03274289A (ja) | 1991-12-05 |
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