JP2795888B2 - 被覆配管の固定方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、建築物などの床パネルにおける被覆配管の
固定方法に関するものである。

［従来の技術］ 一般に、建築物などの給湯設備を施すには、給湯用の
配管に断熱被覆材を被覆し、この配管を連結して各所に
温水などを供給している。この被覆された配管を床パネ
ルなどの開口部に固定する方法としては、通常、予め配
管に被覆材を装着し、この配管と略同径を有する床パネ
ルの開口部を形成し、この開口部に配管を貫通した後、
開口部内周面と被覆材との間にシーリング材などを介在
させて床パネルと屋外との気密性を高めながら配管を開
口部に固定していた。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、現場の作業者が被覆配管と略同径の開
口部を形成して被覆配管を固定する作業は、その開口部
の位置決めを行うことに精度を要するという問題点、さ
らに略同径の配管を開口部に貫通することが極めて難し
いという問題点がある。

さらに、シーリング材を開口部内周面と被覆材との間
に介在させる作業は、その作業に多大な時間を要すると
いう問題点がある。

この発明は、上記事情を背景としてなされたもので、
被覆配管の直径と床パネルの開口部直径との寸法合わせ
をせずに容易に被覆配管を固定し、また床パネルの開口
部においる断熱効果を高め、さらに気密性を保つことが
できる被覆配管の固定方法を提供することを目的とす
る。

［課題を解決するための手段］ この発明に係わる被覆配管の固定方法は、床パネルに
形成された開口部に配管を固定する方法において、配管
周面に配管被覆部材を被覆する。この配管被覆部材は、
全周がビニール製などのフィルムで覆われかつ真空方法
等により収縮状態に保持された固定部材から形成されて
いる。この配管被覆部材に被覆された配管を床パネルに
形成された開口部に遊貫状態で挿入し、配管被覆部材の
フィルムを切断することにより固定部材の容積を膨張さ
せ、この膨張させた固定部材により上記開口部に配管を
固定することを特徴とするものである。

［作用］ この発明の被覆配管の固定方法によれば、配管被覆部
材を被覆した配管の直径より大きな径を有する床パネル
の開口部を形成しておき、その開口部に被覆配管を遊貫
状態で挿入し、配管被覆部材のフィルムを切断すること
により、固定部材は簡単に任意の大きさの容積に膨張
し、この固定部材が配管を開口部の内周面に密接に介在
される。

［実施例］ 本発明による被覆配管の固定方法を第１図（Ａ）、
（Ｂ）および第２図により説明する。

第１図（Ａ）は被覆配管を床パネルの開口部に挿入し
た状態を示しており、符号１は床パネルであり、この床
パネル１には開口部２が形成されている。上記開口部２
には、配管３が遊貫状態で挿入されており、この配管３
の周面は開口部２内周面上では被覆部材４が被覆され、
またその他においては従来の被覆材料５が施されてい
る。

上記配管被覆部材４は、第２図に示されるように、容
積が収縮状態の固定部材６とフィルム７とフイルム切断
材８とから構成されており、その全体の形状が中空円筒
を有している。上記固定部材６は、ウレタン発泡材など
を真空方法等によって収縮状態に保持したものであり、
その全面がフィルム７により被覆されている。

また、固定部材６とフィルム７との間には紐などのフ
ィルム切断材８が付設されており、このフィルム切断材
８は、上部フィルム端面7aの上部中空部付近9aにてその
端部が固定され、固定部材６とフイルム外周面7cとの間
に介在させて下部フィルム端面7bの下部中空部付近9bま
で延在している。また、このフィルム切断材８は、下部
中空部付近9bより解放されて一定長さの自由端部8aを有
している。

上記の配管被覆部材４を使用して配管を固定するに
は、配管３の周面に接着剤などを塗布したのち、配管被
覆部材４の中空部に配管３を装着する。

次に、床パネル１に上記配管３の直径より径の大きな
開口部２を形成し、上記配管３を挿入し仮設状態にす
る。ここで、紐８の自由端部8aは床パネル１上部に載置
しておく。

次に、紐８の自由端部8aを上方に引き上げることによ
り、紐８が下部フイルム端面7bの下部中空部付近9bから
フィルムの切断を開始し、この紐８が下部フイルム端面
7bとフイルム外周面7cと上部フイルム端面7aとを切断し
続ける。

上記のように、配管被覆部材４の周面を被覆している
フイルムの一部を切断すると、収縮状態を保持していた
発泡ウレタンなどの固定部材６がフィルム外周面7cと上
部フイルム端面7aと下部フィルム端面7bとを押し広げな
がら膨張していく。この膨張している固定部材６は床パ
ネル１の開口部２の内周面まで容積を拡大していき、第
１図（Ｂ）に示されるように固定部材６が配管３と開口
部２の内周面との間に密接に介在され、しかして配管３
の固定を行う。

このように上記実施例においては、配管被覆部材４に
被覆された配管３の直径より大きな径を有する床パネル
１の開口部２を形成しておき、その開口部２に被覆配管
３を遊貫状態で挿入し、紐８の自由端部8aを上方に引き
上げることによりフィルム材が切断され、これにより固
定部材６は簡単に任意の大きさの容積に膨張し、この固
定部材６が配管10を開口部13の内周面に密接に介在され
る。

なお、上記実施例においては、膨張した固定部材６が
床パネル１の上部面から符号Ｌの幅で突出した状態にな
っているが、被覆金具10を取り付けて、この突出した被
覆部Ｌを下方に圧縮してもよい。

［発明の効果］ この発明の被覆配管の固定方法によれば、床パネルに
形成された開口部に配管被覆部材に被覆された配管を遊
貫状態で挿入し、この配管被覆部材のフィルムを切断し
て固定部材が任意の大きさの容積に形成されることによ
り、この固定部材は床パネルの開口部において断熱効果
を高め、また気密性を保つことができる。

また現場の作業者は、被覆配管の直径と床パネルの開
口部直径との寸法合わせをせずに、容易に被覆配管を固
定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）、（Ｂ）は本発明により構成した被覆配管
の固定構造の断面図であって、同図（Ａ）は配管被覆部
材に被覆された配管が床パネルの開口部に遊貫状態で挿
入されていることを示す断面図、同図（Ｂ）は配管被覆
部材の固定部材が膨張している状態を示す断面図であ
る。第２図は本発明に使用される配管被覆部材の概略構
成を示す斜視図である。 １……床パネル、２……開口部 ３……配管、４……配管被覆部材 ６……固定部材、７……フイルム ８……フイルム切断材

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】床パネルに形成された開口部に配管を固定
   する方法において、配管周面に全周がフィルムで覆われ
   かつ容積が収縮状態の固定部材を被覆し、この上記配管
   を床パネルに形成された開口部に遊貫状態で挿入し、上
   記フィルムを切断することにより固定部材の容積を膨張
   させ、該膨張させた固定部材により上記開口部に配管を
   固定することを特徴とする被覆配管の固定方法。