JP2795731B2 - 有機非線形光学薄膜素子 - Google Patents

有機非線形光学薄膜素子

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、光混合、光パラメトリック発振、光高調
波発生或いは電気光学効果など光信号処理用素子に用い
得る非線形光学効果が大きい新規な有機非線形光学薄膜
素子に関するものである。
(従来の技術) 最近、系外からの入射光に対し、入射光以外の成分の
光を発生する物質がいわゆる非線形光学材料として注目
されている。これは、この種の材料が、振動数の異なる
2種の入射光の和の振動数の光を発生する光混合、入射
光が振動数の異なる2種の光となる光パラメトリック発
振、入射光の二次または三次の高調波への変換(それぞ
れSHG、THGと称される)、或いは電場により屈折率が変
化する電気光学効果などを示すことから、光信号処理用
材料として重要な役割を演ずるからである。さらにまた
この種の材料が有するこのような性質が、光通信技術や
光電子集積回路(OEIC)技術の進歩に伴い実現されるで
あろう光コンピュータの要素技術になると考えられてい
るからである。
従来の非線形光学材料としては、無機のものが知られ
ており、具体例として、一軸結晶ではKH2PO4(KDPと略
称される。)、NH4H2PO4(ADPと略称される。)、LiNbO
3、Ag3AsS3、AgGaSe2、CdGeAs2、SeまたTeなど、さらに
二軸結晶ではKTiPO4(KTPと略称される。)、Ba2NaNb5O
15などの強誘電性結晶が知られていた。しかしこれらの
物質は、水分を吸収し易いこと、非線形定数が小さいた
め例えば光混合を行う際の効率が悪いこと等の欠点を有
するものが多かった。
これに対し、最近は上述した無機のものより非線形定
数が大きい有機の非線形光学材料が注目されてきてい
る。かかる有機の非線形光学材料については例えば文献
(加藤政雄、中西八郎監修「有機非線形光学材料」シー
エムシー(1985.7.25第1版))等に詳しく記載されて
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、有機の非線形光学材料の中には、上述
の文献にも記載されているように、p(パラ)−ニトロ
アニリンの場合に代表されるように、分子状態では大き
な非線形分極率βを有しながら結晶状態では2次の非線
形光学効果を全く示さないものがしばしば見られる。分
子状態でのp−ニトロアニリンが大きな分子感受率βを
持つ理由は、π電子共役環に電子供与基(−NH2)及び
電子吸引基(−NO2)が付与された構造を有しているた
めである。また、結晶状態でのp−ニトロアニリンが二
次の非線形光学効果を示さなくなる理由は、これが反転
対称性を有する構造であるために、各分子の分極は打ち
消しあいマクロな分極の大きさが0になってしまうため
である。
また、非線形光学材料を光コンピュータや光通信用の
能動素子へ応用する場合この材料を薄膜化出来ることが
必須である。このため非線形光学材料を平板状の結晶に
育成するとか、低分子の非線形材料を高分子材料中に分
散させること等の種々の試みが従来からなされている
が、必ずしも満足のゆく結果は得られていなかった。
この発明はこのような点に鑑みなされたものであり、
従ってこの発明の目的は、有機非線形光学材料の分子の
配列を制御することにより、光−光変換素子等の光学素
子の実現を可能ならしめる、非線形光学効果の大きい薄
膜素子を提供することにある。
(課題を解決するための手段) この目的の達成を図るため、この出願に係る発明者は
種々の検討を重ねた。その結果、分子の非線形感受率が
大きいことで知られる2−アミノ−5−ニトロピリジン
に着目し、さらにそれのアミノ基に、末端に二重結合を
もった長鎖アルキル基を導入して得た化合物が、ラング
ミュア・ブロジェット法(LB法)により成膜が可能であ
ることを見出しこの発明を完成するに至った。
従って、この出願の第一発明の有機非線形光学薄膜素
子によれば、下記(1)式で示される2−アルケニルア
ミノ−5−ニトロピリジンの単分子膜を複数層累積して
成る薄膜を有することを特徴とする(但し、(1)式中
のnは12〜28の範囲内の整数値である)。
また、この出願の第二発明の有機非線形光学薄膜素子
によれば、次の一般式(2)で示されるポリマーを含む
薄膜を有することを特徴とする(但し、(2)式中のn
は12〜28の範囲内のいずれかの整数値であり、mは重合
度を示す正の整数値である。)。
そして、この第二発明の実施に当たり、(2)式で示
されるポリマーを含む前述の薄膜を、上記一般式(1)
で示される化合物の単分子膜を複数層累積して成る薄膜
に対し放射線又は紫外線を照射して得た薄膜で構成する
のが好適である。
なお、この第二発明の有機非線形光学薄膜素子が有す
る(2)式で示されるポリマーを含む薄膜とは、(1)
式で示される化合物の単分子膜の累積膜全体に対し放射
線又は紫外線を照射して得た上述の薄膜の場合の他、
(2)式で示されるポリマーの単分子膜を複数層累積し
て成る薄膜、例えば(1)式で示される化合物のLB法に
よる単分子膜(展開膜)に例えば紫外線を照射しこの単
分子膜をポリマー化し、このポリマー化した単分子膜を
複数層累積して成る薄膜であっても良い。
(作用) この出願の第一発明の構成によれば、当該有機非線形
光学薄膜素子の薄膜を構成する2−アルケニルアミノ−
5−ニトロピリジンがLB法により分子の配列制御及び薄
膜化が可能な特性を有しているため、所望の分子配列を
有しかつ膜質が良好な薄膜を有する有機非線形光学薄膜
素子が得られる。
さらに、この第一発明の構成によれば、当該有機非線
形光学薄膜素子の薄膜を構成する2−アルケニルアミノ
−5−ニトロピリジンが末端に重合性基を持つため、該
薄膜に紫外線や放射線等を照射することにより該薄膜が
重合膜に容易に変わる。このため、より強固な有機非線
形光学薄膜素子が容易に得られる。
また、この出願の第二発明の有機非線形光学薄膜素子
は、ポリマーを含む薄膜で構成されているので第一発明
の有機非線形光学薄膜素子に比べ強固な素子になる。
(実施例) 以下、図面を参照してこの発明の有機非線形光学薄膜
素子(以下、有機薄膜素子と略称することもある。)の
実施例につき説明する。
(a)有機薄膜素子の膜形成材料の合成例 まず、上述の一般式(1)で示される有機化合物の一
例として、(1)式中のnが21である、下記(4)式で
示される2−(ω−トリコセニルアミノ)−5−ニトロ
ピリジン(以下、tri−ANPと略称することもある。)の
合成方法の一例につき説明する。
しかしながら、以下の合成例中で述べる使用薬品名、
数値的条件、処理方法等は、単なる一例にすぎないこと
は理解されたい。
先ず、7.0g(0.05mol)の2−アミノ−5−ニトロピ
リジンと、24.2g(0.06mol)の臭化ω−トリコセニル
と、4.2g(0.05mol)の炭酸水素ナトリウムとを、100ml
のヘキサメチルホスホリックトリアミドに加え、その
後、この混合物を窒素気流下で100℃の温度で還流加熱
する。
次に、この混合物を100mlのエタノールに加温溶解さ
せ、熱濾過後放冷し、生成した沈殿を濾取する。
次に、濾取したものを100mlのトルエンに加温溶解さ
せた後放冷し生成した沈殿を濾取して有機化合物(tri
−ANP)を得る。
下記の(5)式は、上述の合成方法を示す反応式であ
る。
上述のように合成した有機化合物を元素分析及び赤外
線吸収スペクトルによってそれぞれ同定する。
元素分析の結果は、以下に示す通りであった。
C:73.01% H:10.80% N: 9.15% なお、計算値は、C:73.16、H:10.74、N:9.14%であ
る。
また、赤外吸収スペクトルの測定の結果は、波数2900
cm-1付近にメチレン基の吸収、波数3400cm-1付近にアミ
ノ基の吸収、波数1600cm-1付近に芳香環の吸収、波数16
45cm-1付近にアルケンの吸収がそれぞれ認められた。
(b)第一発明の有機薄膜素子の説明 次に上述の如く合成したtri−ANPの単分子膜の説明及
びtri−ANPの単分子膜をLB法により複数層累積して成る
薄膜を有する第一発明の有機薄膜素子の実施例の説明を
行う。なお、LB法についてその概要を説明すると次の通
りである。
同一分子内に親水基と疎水基とを持つ分子を水面に浮
べ(以下、展開するという言葉を用いる。)、横方向か
ら適当な圧力を加えると、この分子は親水基が水面に接
触して規則正しく配列し単分子膜を形成する。また、こ
の単分子膜が展開された水中に固体基板(例えばガラス
基板)を浸漬しこの基板を引き上げるとこのガラス基板
上にこの単分子膜が付着する。この操作を繰り返し行う
ことによってガラス基板上には単分子膜が累積された薄
膜が得られる。この方法は、垂直浸漬法と称されてい
る。また、水面上の単分子膜平面にガラス基板を膜面に
平行に近づけ接しさせることによりこのガラス基板に単
分子膜を付着させるいわゆる水平付着法を繰り返して行
なうことによっても単分子累積膜が得られる。
先ずこの実施例の場合、tri−ANPの展開膜の特性を評
価するために、tri−ANPの表面圧−面積曲線を測定す
る。その測定条件は、以下に示す通りとする。サブフェ
イズ(水相)は純水とし、その水温は15℃にする。また
試料は、tri−ANPをクロロホルムに溶解したものとす
る。そして、この試料をサブフェイズに展開する。第1
図は、横軸に展開膜の面積(nm2/分子)、縦軸に展開膜
の表面圧(mN/m)をそれぞれとって示した表面圧−面積
曲線である。第1図からも明らかなようにtri−ANPは、
表面圧−面積曲線に屈曲がほとんどみられないことか
ら、単独で安定に水面上単分子膜を形成出来るものであ
ることが分った。
次に、以下に説明するような手順で水面上のtri−ANP
の単分子膜をガラス基板に複数層累積させ、第一発明の
実施例の有機薄膜素子を作製する。
ガラス基板は大きさが38×13mmで厚さが0.5mmのもの
でその表面を臭化セチルトリメチルアンモニウムで疎水
処理したものを用いる。そして、tri−ANPをクロロホル
ムに溶解させた試料をサブフェイズに展開した後約10分
間放置して溶媒(クロロホルム)を蒸発させ、その後水
面をゆっくりと圧縮し展開膜の表面圧が30mN/mと一定と
なるように保つ。この状態でガラス基板を2cm/分の速度
で水面を横切るように上下に移動させ展開膜をガラス基
板に移し取る。
展開膜の累積がうまく行われているかどうかは、ガラ
ス基板が水面を横切った面積と、その時減少した水面上
の展開膜の面積との比率(累積比と称する。)で評価す
る。展開膜の表面圧が常に一定になるよう展開膜面積を
保つように制御を行っているので、累積がうまく行われ
ている場合には累積比は1になる。この実施例の場合は
累積比がほぼ1で累積が行えた。
上述の手順に従いtri−ANPの単分子膜の累積層数を種
々に変えた複数の有機薄膜素子を作製する。
次に、累積層数の異なるこれら有機薄膜素子毎のLB膜
の吸収スペクトルを測定する。この測定は、tri−ANPの
吸収ピークが370nmにあるので、この波長の光を用いて
行う。第2図は、横軸にtri−ANPの累積層数をとり、縦
軸に波長370nmの光の吸光度をとって両者の関係を示し
た特性図である。両者は良好な直線関係を示した。この
ことからも累積が良好に行われていることが分る。
また、有機薄膜素子のLB膜の面内配向性を調べるため
に、偏向吸収スペクトルを各有機薄膜素子毎に測定す
る。第3図にその測定結果の一例を縦軸に吸光度をとり
横軸に波長をとって示す。第3図において、Iで示す特
性(実線)はLB膜形成時の基板の浸漬方向に対して平行
な偏光に対するLB膜の吸収スペクトルであり、IIで示す
特性(破線)は基板の浸漬方向に対して垂直な偏光に対
する吸収スペクトルである。実施例の有機薄膜素子のLB
膜は、顕著な二色性を示した。このことから、実施例の
有機薄膜素子のLB膜は、基板面内で分子が良く配向して
いる膜であることが分る。
また、各有機薄膜素子のLB膜を走査型電子顕微鏡によ
り観察したところ、凝集体等は認められず均質で平坦な
膜であることが分った。
次に、各有機薄膜素子の非線形光学特性を以下に説明
するような方法に従い確認する。なお、非線形光学効果
は、光第二高調波発生(SHG)により評価する。
まず、高調波発生の有無を測定する装置であるが、こ
の実施例の場合以下に説明するような装置を用いる。第
4図は、この測定装置を概略的に示すブロック図であ
る。なお、測定装置は他の構成であっても良いことは明
らかである。
第4図において、1はレーザ光を発するレーザ光源を
示す。この実施例の場合のレーザ光源1は、Nd:YAGパル
スレーザ(波長1064nm、パルスエネルギー10mJのもの)
を用いている。さらに2は分光器、3は光電子増倍管、
4は電流増幅器、5は積分器、6は記録計をそれぞれ示
す。さらに、7はレーザ光源1と積分器5とを同期させ
るための同期回路を示す。
このような装置に、上述の実施例の有機薄膜素子を、
この実施例の場合、有機薄膜素子のガラス基板の主面に
直角な方向からレーザ光源1のレーザ光が照射されるよ
うに組み込む(第4図参照。なお、第4図中8で示すも
のが有機薄膜素子である)。
なお、測定の原理は次の通りである。有機薄膜素子8
からの散乱光を分光器2で分光し、その光を光電子増倍
管3によって受光させる。この分光器2は、分解能が可
変できるものとしてあり、この実施例の場合、ある分解
能で波長300〜600nmにわたって順次走査する。そして、
その時の波長帯を示す情報(波長情報)を分光器2は記
録計6にその都度出力する。また、光電子増倍管3で受
光した光に対応する電流は電流増幅器4で増幅した後、
レーザ発振に同期させてある積分器5によって平均化処
理し、記録計6で記録する。このようにして散乱光スペ
クトルを得る。
第一発明の実施例の各有機薄膜素子の散乱光スペクト
ルをこの装置により測定したところ、いずれの素子にお
いても532nmにピークを持つ光が観測された。この光は
有機薄膜素子に入射したレーザー光波長(1064nm)の第
二高調波に対応するものであることから、第一発明の有
機薄膜素子が、非線形光学特性を有することが分る。
また、各実施例の有機薄膜素子でLB膜の累積層数を違
えてあることを利用し、累積層数と波長532nm光の強度
との関係を調べる。第5図は、横軸に累積層数をとり縦
軸に波長532nm光の強度の平方根をとって両者の関係を
プロットした特性図である。両者は比例関係にあること
が分った。
(c)第二発明の有機薄膜素子の説明 次に、上述の(2)式で示すポリマーを含む薄膜を有
する第二発明の有機薄膜素子を作製するため、この実施
例の場合、tri−ANPの単分子膜を複数層累積したLB膜を
有する第一発明の有機薄膜素子の当該LB膜に対しγ線を
照射線量128メガラド(Mrad)で照射する。
このγ線照射済みの有機薄膜素子のLB膜の赤外吸収ス
ペクトルを測定したところ、γ線照射前の状態では認め
られたアルケンに由来する波数1645cm-1付近の吸収が消
失していることが分った。また、これらγ線照射済みの
有機薄膜素子のLB膜は、tri−ANPの溶媒として用いてい
たクロロホルムに溶けなくなっていることが分った。こ
れらのことから、第一発明の有機薄膜素子のLB膜にγ線
を照射することによりこのLB膜は強固な重合膜に変わる
ことが分る。
次に、このようにして作製した第二発明の有機薄膜素
子の薄膜を走査型電子顕微鏡により観察したところ、凝
集体等は認められず均質で平坦な膜であることが分っ
た。
また、このようにして作製した第二発明の有機薄膜素
子の非線形光学特性を第4図を用いて説明した装置によ
り第一発明の有機薄膜素子の場合と同様にして測定す
る。この結果、この第二発明の有機薄膜素子の場合も、
有機薄膜素子に入射したレーザー光波長(1064nm)の第
二高調波に対応する波長532nmにピークを持つ光が観測
された。このことから、第二発明の有機薄膜素子が非線
形光学特性を有するものであることが分る。
上述においてはこの出願の第一及び第二発明の有機非
線形光学薄膜素子の実施例につき説明したが、これら発
明は上述の実施例のみに限定されるものではなく以下に
説明するような種々の変更を加えることが出来る。
例えば上述の各実施例は一般式(1)中のnが21であ
る化合物(tri−ANP)を用い第一及び第二発明の有機非
線形光学薄膜素子を形成していたが、これらの発明の目
的はtri−ANPのみによって達成されるものではなく、LB
膜の形成が可能な範囲であるnが12〜20及び22〜28の化
合物を用いた場合であっても達成出来る。
また、第二発明の有機非線形光学薄膜素子の実施例に
おいては、tri−ANPの単分子膜を複数層累積したLB膜に
対しγ線を照射し第二発明の有機非線形光学薄膜素子を
形成していたが、tri−ANP展開膜に紫外線を照射しこの
展開膜をガラス基板に移し取る操作を繰返して紫外線照
射済み展開膜をガラス基板に累積させて当該素子を作製
しても良い。この素子の場合も実施例と同様な効果を期
待することが出来る。
(発明の効果) 上述した説明からも明らかなように、この出願の第一
発明の有機非線形光学薄膜素子によれば、当該素子の薄
膜を2−アルケニルアミノ−5−ニトロピリジンで構成
しているので、所望の分子配列を有しかつ膜質が良好な
薄膜を有する有機非線形光学薄膜素子が得られる。さら
に、この第一発明の構成によれば、当該有機非線形光学
薄膜素子の薄膜を構成する2−アルケニルアミノ−5−
ニトロピリジンが末端に重合性基を持つため、該薄膜に
紫外線や放射線等を照射することにより該薄膜が重合膜
に容易に変わる。のため、第二発明の有機非線形光学薄
膜素子が容易に得られる。
また、この出願の第二発明の有機非線形光学薄膜素子
は、ポリマーを含む薄膜で構成されているので第一発明
の有機非線形光学薄膜素子に比べ強固な素子になる。
また、第一及び第二発明の有機非線形光学薄膜素子に
よれば、いずれも入射された光の第二高調波に相当する
光を発し顕著な非線形光学効果を示す。従って、これら
有機非線形光学薄膜素子によれば、高性能な光−光変換
素子、光変調素子、光スイッチなどの素子の実現が期待
出来る。さらにこれら素子を応用して光コンピュータ用
の基本素子の実現も期待出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、tri−ANPの表面圧−面積曲線を示す図、 第2図は、tri−ANPのLB膜の吸光度の累積層数依存性を
示す図、 第3図は、tri−ANPのLB膜の面内異方性を示す図、 第4図は、非線形光学効果の確認に用いた測定装置を示
すブロック図、 第5図は、tri−ANPのLB膜の累積層数とSHG強度との関
係を示す図である。 1……レーザ光源、2……分光器 3……光電子増倍管、4……電流増幅器 5……積分器、6……記録計 7……同期回路、8……有機薄膜素子。
フロントページの続き (72)発明者 斎藤 稔 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (72)発明者 加藤 雅一 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−5031(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/35 - 3/02 C08F 26/02 C07C 211/00 - 255/67 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(1)で示される化合物の単分
    子膜を複数層累積して成る薄膜を有することを特徴とす
    る有機非線形光学薄膜素子(但し、(1)式中のnは12
    〜28の範囲内のいずれかの整数値である。)。
  2. 【請求項2】次の一般式(2)で示されるポリマーを含
    む薄膜を有することを特徴とする有機非線形光学薄膜素
    子(但し、(2)式中のnは12〜28の範囲内のいずれか
    の整数値であり、mは重合度を示す正の整数値であ
    る。)。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の有機非線形光学薄膜素子
    において、 前記薄膜を、次の一般式(3)で示される化合物の単分
    子膜を複数層累積して成る薄膜に対し放射線又は紫外線
    を照射して得た薄膜としたことを特徴とする有機非線形
    光学薄膜素子(但し、(3)式中のnは12〜28の範囲内
    のいずれかの整数値である。)。
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