JPH0331331A - Lb膜の形成材料及びこれを用いた薄膜構造体 - Google Patents

Lb膜の形成材料及びこれを用いた薄膜構造体

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JPH0331331A
JPH0331331A JP16579289A JP16579289A JPH0331331A JP H0331331 A JPH0331331 A JP H0331331A JP 16579289 A JP16579289 A JP 16579289A JP 16579289 A JP16579289 A JP 16579289A JP H0331331 A JPH0331331 A JP H0331331A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、均質なLB膜を作製することが可能な新規
な材料及びこれを用いた薄膜構造体に関するもので、特
に非線形光学素子を構築するうえで有用な極性構造を有
する有機薄膜構造体の作製に用いて好適なLB膜の形成
材料及び薄膜構造体に関するものである。
(従来の技術) 最近、系外からの入射光に対し、入射光以外の成分の光
を発生する物質がいわゆる非線形光学材料として注目さ
れている。これは、この種の材料が、振動数の異なる2
種の入射光の和の振動数の光を発生する光混合、入射光
が振動数の異なる2種の光となる光パラメトリック、或
いは入射光の二次または三次の高調波への変換(SHG
、THGと称される)など、光信号処理用材料として重
要な役割を演するからである。ざらにまたこの種の材料
が有するこのような性質が、光通信技術や光電子集積回
路(OEIC)技術の進歩に伴い実現されるであろう光
コンピュータの要素技術となると考えられているからで
ある。
このような非線形光学材料としては、有機物から成るも
のと無機物から成るものとが知られている。そして有機
物から成る非線形光学材料は、それの非線形性が分子内
非局在π電子に起因する電子分極であるために、無機物
から成る非線形光学材料に比し速い応答や高い光学破壊
しきい値が得られると期待され、活発に研究されている
例えば、下記(A)式で示されるp−ニトロアニリン(
以下、p−NAと略称することもある。)は、■電子共
役環に電子供与性基(’−NH2)及び電子吸引性基(
−NO3)が付与された構造を有し、分子の分極の大き
ざを示す二次の非線形分子分極率Bが大きな値を示すこ
とが知られでいる。
しかし、p−NAは、結晶状態か反転対称性を有する構
造であるために各分子の分極は打ち消し合うようになり
、このため、マクロな分極の大きざを示す二次の非線形
感受率X12)は0となってしまう、従って、p−NA
は、第二次高調波発生(SHG)活性ではなかった。
そこで、各分子の分子分極が打ち消されないでマクロな
分極が残っている構造(極性構造)を確保するため、以
下に説明するような方法で分子をある一定の方向に配向
させp−N4分子の持つ分子分極を有効に利用し大きな
x”%実現することが試みられてきた。
その一つの方法は、p−N4分子の2位にメチル基を導
入しp−NAを2−メチル−4−ニトロアニリン(以下
、MNAと略称することもある。)とすることである、
このMNA結晶は、対称中心を欠く構造になるので、大
きなSHG!発するようになる。MNAについては、例
えば文献(ジャーナル 才ブ アプライド フィジック
ス(J、Appl、Phys、) 50 (4) (1
979,4) pp、2523〜2527)に開示され
ている。
他の方法は、高分子中にo−NA!分散させ配向させる
方法である。この方法の具体例としでは、例えば文献(
ポリマー ブリブリンツ、ジャパン(Polymer 
Preprints、Japan) 36 (8) (
1987)pp、 2522〜2524  )に開示さ
れているものがあった。この文献に開示された方法によ
れば、ポリエチレンオキサイドにp−NAを分散させた
ものが、MNAのSHGの2.6倍の強度の5)−IG
を発すると云う。
また、さらに別の方法は、p−NAに長鎖アルキル基を
導入し分子を両親媒性とすることでLB法による薄膜形
成を可能ならしめ、p−NAの分子分極の配向を制御し
て極性構造を有した有機薄膜を作製しようとするもので
あった。ここでし方法とは、薄膜化したい所望の分子を
水面上に展開し、或いは、この所望の分子と、成膜ff
V良好にするための補助の分子とを混合したものを水面
上に展開し、展開された膜を基板に移し取ることで薄膜
(LB膜)を形成する方法である。
LB法による極″注構造を有した薄膜の形成例としては
、下記(B)式で表されるN−ステアリル−p−ニトロ
アニリン(以下、5t−pNAと略称する。)をLB膜
形成材料として用いた例があった(特開昭62−398
27号公報)。
さらに、N−ステアリル−2−メチル−4−二トロアニ
リンをしB膜の形成材料として用いた例があった(文献
(ジャパニーズ ジャナル オブアプライド フィジッ
クス(Japanese Journalof App
lied Physics) 27 (9) (198
8,9) pp、l635〜+637) 。
上述した各方法の中でもLB法は、分子単位で膜厚制御
が出来熱も均質な薄膜が得られるという点で、光信号処
理デバイス等の微細光集積回路素子を構築するうえでは
最も有望な方法と云える。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、p−NA誘導体の薄膜uLB法により作
製しようとした場合、従来知られていた5t−pNAや
N−ステアリル−2−メチル−4ニトロアニリンという
LB膜の形成材料では、分子の凝集性が強いため、水面
上にその分子のみが凝集し3次元の微結晶に成長してし
まうという現象が起こっていた。この現象は、N−ステ
アリル−2−メチル−4−ニトロアニリンに関しては、
上記文献(ジャパニーズ ジャナル 才プ アプライド
 フィジックス(Japanese Journal 
ofApplied Physics) 27 (9)
 (1988,9) pp1635−1657)に報告
されている。また、5t−pNAに関しては、この出願
に係る発明者が、確認している。
このような分子の凝集か起こると、この分子を一方向に
配向させることか出来ないばかりでなく均質なLB膜を
得ることが出来ない、これがため、非線形光学素子を構
築するための極性構造を有する有機薄膜構造体を得るこ
とが出来ないことになる。
この発明はこのような点に鑑みなされたものであり、従
ってこの発明の目的は、大きな分子分極を有する材料で
あってLB法において分子の凝集が起こりにくく均質な
LB膜を形成することが出来るLB膜の形成材料と、こ
れを用いた薄膜構造体とを提供することにある。
(課題を解決するための手段) この目的の達成を図るため、この出願の第一発明のしB
膜の形成材料は、下記の(1)式で表される末端に二重
結合を持つN−アシル−p−ニトロアニリンであること
を特徴とする(但し、(1)式中のnは12〜28の整
数である)。
またこの出願の第二発明の薄膜構造体は、下記の(1)
式で表される化合物を含む単分子膜を1層以上含んで成
ることを特徴とする(但し、(1)式中のnは12〜2
日の整数である)。
ここで上述した「(1)式で表される化合物を含む単分
子膜」の意味は、例えば下記■又は■のことである。
■・−・(1)式で表される化合物のみから成る単分子
膜の場合。
■・−(1)式で表される化合物と、これの成膜性を良
好にするための補助の物質とを含む単分子膜の場合。
また、上述の「単分子膜を1層以上含んで成る」の意味
は、例えば下記■又は■のことである。
■・・・上記■又は■で云う単分子膜1層のみから成る
場合又は複数層積層させ7と場合。
■・・・上記■又は■で云う単分子膜及びこれ以外の物
質の単分子膜を任意fこ積層させた場合。
また、この出願の第三発明の薄膜構造体は、下記の(2
)式で表される構造単位を含むポリマーの単分子膜を1
層以上含んで成ることを特徴とする(但し、(1)式中
のnは12〜28の整数である)。
ここで上述した「(2)式で表される構造単位を含むポ
リマーの単分子膜」の意味は、例えば下記■又は0のこ
とである。
■・・・(2)式で表される構造単位が繰り返されてい
るポリマーのみから成る単分子膜の場合。
■・・・(2)式で表される構造単位と、これの成膜性
を良好にするための補助の分子との共重合体から成る単
分子膜の場合。
また、上述の[単分子膜を複数層含んで成る」の意味は
、例えば下記■又は■のことである。
■・・・上記■又は■で云う単分子膜1層のみから成る
場合又は複数層積層させた場合。
■・・・上記■又は■で云う単分子膜及びこれ以外の物
質の単分子膜とを任意に積層させた場合。
(作用) この出願の第一発明のしB膜の形成材料である(1)式
で表される物質は、分子の非線形感受率が大きいp−ニ
トロアニリン(p−NA)のアミノ基に、末端に二重結
合をもった長鎖アルキル基がアミド結合した構造になっ
ている。
従って、例えば以下のような独特な作用が得られる。
■・・・p−NAの属性を利用出来る。
■・−・分子中にアミド結合があるため親水性が5t−
pNAに比べると強くなり、よって、LB膜形成の際に
5t−1)NAより水面上に凝集しずらい。
■・・・分子中に、末端に二重結合をもった長鎖アルキ
ル基があるため、しB膜に紫外線や放射線を照射すると
重合し容易にポリマー化する。
また、第二及び第三発明の薄膜構造体は、非線形光学素
子を構築するうえで好適な薄膜構造体になる。
(英施例) 以下、この出願の第一発明のLB膜の形成材料の寅施例
と、第二及び第三発明の薄膜構造体の寅施例とにつき説
明する。
<LB膜の形成材料の合成例の説明〉 先ず、第一発明のLB膜の形成材料である上述の一般式
(1)で示される有機化合物の一例として、(1)式中
のnが20である下記(3)式で示されるN−(ω−ト
リコセノイル)−p−ニトロアニリン(以下、tri−
pNAと略称することもある。)の合成方法の一例につ
き説明する。しかしながら、以下の合成例中で述べる使
用薬品名、数値的条件、処理方法等は、単なる一例にす
ぎないことは理解されたい。
先ず、ナトリウムで脱水したテトラヒドロフラン(丁H
F)100mIllこ7.09 (0,02mol)の
ω−トリコセン酸を溶解させ、その後、この溶液に7、
 1 G!(0,06mol)の塩化チオニルと、3.
29(0,04mol)のピリジンとを加える。この混
合物を50℃の温度で1時間攪拌した後、未反応の塩化
チオニルとTHFとを減圧留去する。さらに温度を上昇
させて減圧蒸留を続けて塩化ω−トリコセノイルを得た
次に、p−ニトロアニリン1 、49 (0,Olmo
l)!50m1のTHFに溶解し、この溶液を攪拌しな
がらこれに上述の塩化ω−トリコセノイル4.5g (
0,OI2mol)を滴下する。次いでこの溶液にトリ
エチルアミン(TEA ) 0 、89 (0,QI2
mol)%i下した後、ざらに30分間攪拌する。生成
した沈殿(TEA−)ICII) lit’別し、濾液
を濃縮乾固する。これをエタノール100mI2に加温
溶解し、熱濾過後放言冷却し、生成した沈殿を濾取する
。下記(4)式及び(5)式は上述の合成方法を示す反
応式である。
CH2□CH−(Cf(2)2ocOOH+5OC12
CH2□CH−(CH2)zocOc(L  ・・・(
4)上述のように合成した有機化合物を元素分析及び赤
外線吸収スペクトルによってそれぞれ同定した。
元素分析の結果は、以下に示す通りであった。
Cニア3.48% H:  9.90% N:  5.95% なあ、計算値は、Cニア3.69、H:]0゜23、N
:5.93%である。
また、赤外線吸収スペクトルの測定の結果は、波数29
00crrr’付近にメチレン基の吸収、波数3340
cm−’  1680cm−’及び1540cm−’に
第ニアミド基の吸収、波数1600cm−付近に芳香環
の吸収、波数1645cm付近にアルケンの吸収がそれ
ぞれ認められた。
このように合成したtri−pNAは、良好なLB膜形
成が可能な材料であることが分った。その詳細について
は、次の「薄膜構造体の説明」の項にて説明する。
く薄膜構造体の説明(その1)〉 次に、第二発明の薄膜構造体の実施例を、tri−pN
A7:含む単分子膜の例と、この単分子膜をLB法によ
り複数層積層した薄膜構造体の例とにより説明する。
なお、LB法は公知技術であるが、その概要は以下に説
明するようなものである。
同一分子内に親木基と細長い疎水基とを持つ分子を水面
に浮べ(以下、展開するという言葉を用いる)、横方向
から適当な圧力を加えると、この分子は親木基が水面に
接触して規則正しく配列し単分子膜を形成する。また、
この単分子膜中に固体基板(例えばガラス基板)を浸漬
しこの基板を引き上(プるとこのガラス基板上にこの単
分子膜が付着する。この操作を繰返し行なうことによっ
て単分子累積膜が得られる。この方法は垂直浸漬法と称
されでいる。また、水面上の単分子膜平面に平行にガラ
ス基板を近づけ接しさせることによりこのガラス基板に
単分子膜を付着させるいわゆる水平付着法を繰り返し行
うことによっても単分子累積膜が得られる。
(a)単分子膜での特性評価 先ず、tri−pNAのL8法fこよる展開膜の特性評
価を行なうため、tri−pNAと、ω−トリコセン酸
[CH2=CH(CH2)20COO1(]との混合比
をパラメータとし、いわゆる表面圧〜面積曲線を測定し
た。
その測定条件は、以下に説明する通りとした。
サブフェイズ水溶液は、塩化カドミウム(CdCQ2)
をモル濃度で4 X till−’及び炭酸水素カリウ
ム(にHCO3)をモル濃度で5 X 10−’含み、
pHを6゜8とし水温を20°Cとしたものとしている
。また試料は、tri−pNA単独のもの、tri−p
NAとω−トリコセン酸と81:1(モル比、以下同様
)で混合したもの、同]:4で混合したものとした。い
ずれの試料も溶媒としてのクロロホルム溶解させ、そし
て、上記サブフェイズに展開した。なお、ω−トリコセ
ン酸を用いた理由は、これをtri−pNAに混合させ
ると、tri−pNA分子が安定に配向出来ることが期
待出来るがらである。
第1図は、上述した各試料の表面圧−面積曲線を横軸1
こ展開膜の面積(nm2/分子)、縦軸に展開膜の表面
圧(mN/m)7:それぞれとって示したものである。
第1図ウニがtri−1)NA単独の試料の展開膜のも
の、■がtri−pNAとω−トリコセン酸との混合比
が]:1の試料の展開膜のもの、■が同混合比が1:4
の試料の展開膜のものである。
また、これとは別に比較例として、サブフェイズの条件
等は実施例と同様にして、N−ステアリルーp−ニトロ
アニリン(st−pNA)の展開膜の表面圧−面積曲線
も求めた。その結果を第2図に示した。第2図中■は5
t−pNA単独の展開膜のもの、IIは5t−pNAと
アラキン酸との混合比が1:1の展開膜のもの、■は同
混合比が1:4の展開膜のもの、■はアラキン酸単独の
展開膜のものである。なお、アラキン酸を用いた理由は
、これを5t−1)NAに混合させると、水面上に安定
な膜が出来るからである。
第1図及び第2図からも理解出来るように、tri−p
NA及び5t−pNA共に、単独の展開膜は不安定であ
ることが分る。つまり展開膜を圧縮してゆくに従い表面
圧が上昇してゆくが、tri−pNA単独の展開膜では
その面積が0.30付近で、5t−pNA単独の展開膜
ではその面積が0.40付近で、表面圧の減少が起きて
いる。
これは、膜の崩壊或いは膜の急激な構造変化が起こった
ことを示している。寅際、tri−pNA単独の展開膜
を基板へ、また、5t−pNA単独の展開膜を基板へそ
れぞれ累積古せようと試みたが、うまく累積出来なかっ
た。
これに対し、tri−pNAにω−トリコセン酸を混合
させた場合の展開膜の表面圧−面積曲線は、tri−p
NA単独の場合のものとは異なったものとなった。また
、5t−pNAにアラキン酸を混合させた場合の展開膜
の表面圧−面積曲線も、5t−ONA単独の場合のもの
とは異なったものとなった。ここで、tri−pNA分
子が水面に垂直に配列したときの1分子当たりの展開膜
中に占める面積はω−トリコセン酸のそれとほぼ同じで
あるので、tri−pNAとω−トリコセン酸との混合
が均質に行なわれているならば、展開膜中におけるtr
i−pNA分子の凝集状態での占有面積(表面圧−面積
曲線で分子が凝集した時、展開膜の表面圧と面積との間
には直線関係があり、この直線を表面圧:0に補外した
分子面積を占有面積と云う、)は、tri−ONAとω
−トリコセン酸との混合比によってはほとんど変化しな
いはずである。このことは、at−pNAとアラキン酸
との関係においても同様に云える。
このような観点に立ち第1図及び第2図を見比べてみる
と、比較例である5t−pNAは、占有面積が第2図の
■、■及び■の曲線で示されるようにアラキン酸の混合
比によって変化してしまい、ざらに表面圧−面積曲線に
おいても屈曲が見られる。従って、アラキン酸との混合
が均質に行なわれず、展開膜の構造変化が起こっている
ことが分る。これ(こ対し、実施例であるtri−pN
Aは、占有面積が第1図の■及び■の曲線で示されるよ
うにアラキン酸の混合比によってはほとんど変化せず、
さらに表面圧−面積曲線においても屈曲が見られないこ
とから、アラキン酸との混合が均質に行なわれ、均質で
安定な水面上単分子膜が作製出来ることが分る。
(b)累積膜での特性評価(その1) 次に、上記(a)項で説明すた実施例の各試料と、比較
例の各試料とをそれぞれ用い、各々の試料の水面上単分
子膜を以下に説明するようにガラス基板に累積させて累
積wAを作製し、その後、各累積膜の特性を評価した。
試料を水面(上述のサブフェイズ)上に展開した後約1
0分間放置し、溶媒(クロロホルム)を蒸発させた。そ
の後、水面をゆっくりと圧縮し展開膜が30mNm−’
で一定に圧縮されるように保った0次に、ガラス基板を
2cm毎分の速度で水面を横切るように上下に繰り返し
移動させ展開膜をガラス基板に移し取った。累積数は5
0層とした。なお、寅験に用いたガラス基板は、大きざ
が38x13mmで厚さが0.5mmのもので、その表
面を臭化セチルトリメチルアンモニウムで疎水処理した
ものである。
累積がうまく行なわれているか否かは、ガラス基板が水
面を横切った面積と、これにより減少した水面上の展開
膜の面積との比率(以下、累積比と称する。)で評価し
た。展開膜の表面圧は常に一定(この例では30mNm
−’)になるよう1こ制御されているので、累積がうま
く行なわれているとすれば、累積比は1になる。比較例
及び実施例いずれ(こおいても、アラキン酸或いはω−
トリコセン酸との混合比が1:]、1:4の各試料の場
合に累積比がほぼ]で累積が行なわれた。
続いて、上述の如く累積した各試料の累積膜の吸光度の
累積数依存牲を、累積数を異ならせた種々の累積膜を作
製して測定した。その結果、実施例及び比較例いずれの
累積膜も、吸光度と累積数との関係は百線闇係を示した
。なお、5t−pNAの吸収ピークは420nmであり
、tri−pNAの吸収ピークは310nmであるので
、吸光度の測定はそれぞれそのピーク波長の光を用いて
行なった。なあ、アラキン酸は波長420nrnには吸
収はなく、ω−トリコセン酸は波長310nmには吸収
はない。
次に、各試料の累積膜の表面形態を走査型電子顕微鏡(
SEM)を用いそれぞれ観察したところ、比較例である
5t−pNAを用し)た各累積膜ではサブミクロンサイ
ズの3次元の凝集体が多数見られたが、実施例であるt
ri−pNAt用いた各累積膜ではそのような凝集体は
見られず均質なLB膜が得られていることが分った。
(c)累積膜での特性評価(その2) 次に、tri−pNA分子が基板に対して常に一定の方
向に揃い全体として極在構造を有する薄膜構造体を得る
ために、基板上にtri−pNAを含む単分子膜と、ω
−トリコセン酸のみの単分子膜とを交互に累積し交互累
積膜を作製した。具体的には、基板を水中(サブフェイ
ズ水溶液中)に浸漬するときは水面上にはtri−1)
NAを含む単分子膜を展開しておき、基板を水中から引
き上げるときは水面上にはω−トリコセン酸の単分子膜
を展開しておくようにしLB法により基板上にこれら展
開膜を順次に移し取る。またはその逆でも良い、このよ
うにすることによって、tri−pNAを含む単分子膜
は、常に基板に対し一定の方向に累積される。このよう
な交互累積膜は、実際には、以下に説明するような交互
累積膜作製装Nを用いで作製した。
第3図は、この交互累積膜作製装置の構造を概略的に示
した図である。
この装置は、水槽11を有しておつ、この水槽11中に
サブフェーズ水溶液が入れである。この水槽11中の水
溶液は固定バリア12によってA及びBで示v2つの水
面に仕切られている。また固定バリア12の中央部は切
れていて、この切れた部分では、この両側の固定バリア
部分それぞれに設けたテフロンフィルム13が向かい合
って接触する構造としてあり水面へ及び水面B上に展開
したそれぞれの膜が混合しないようにしである6ざらに
この装置は、基板ホルダ14を有しており、この基板ホ
ルダ14は、テフロンフィルム13の接触部をすりぬけ
て水槽11のへて示す水面を有する領域とBで示す水面
を有する領域との間を移動出来るようになっている。
ざらにこの装置は、固定バリア12で仕切られる2つの
領域それぞれの水面に浮かせである可動バリア21(又
は31)を有している。これら可動バリア2L 31は
、それぞれが固定バリア12側に引かれるように、糸2
2.32によって滑車23.33 %介して錘に24.
34につながれている。
このような構成の装置によれば、可動バリア21及び3
1を水槽11の縁部まで寄せた状態で水面へ及び水面B
に試料をそれぞれ展開し計X里の錘を乗せることにより
、水面上の展開膜をそれぞれ一定の表面圧で圧縮するこ
とが出来る。ざらに基板ホルダ14にガラス基板41を
取付けこのガラス基板41を先ず水面Aを横切って水槽
中に下降させると、このガラス基板41に水面Aに在る
展開膜を付着させることが出来る。次いでガラス基板4
1が水面下にある状態で基板ホルダ14ヲテフロンフイ
ルム13の接触部をすり抜けさせ水槽11の水面Bを有
する領域に移動させ、ざらにガラス基板41を水面Bを
横切って上昇させると、このガラス基板41には今度は
水面Bに在る展開膜を付着させることが出来る。その復
また、ガラス基板41を水面への領域に移動し水槽中(
こ下降させ上述した一連の操作を繰り返すと、水面Aに
展開させた膜と、水面Bに展開させた膜とを交互に累積
させた膜がガラス基板上に形成出来る。
この実施例では水面Aにω−トリコセン酸を展開し30
 m N / mの表面圧に保った。一方水面Bにはt
ri−pNAとω−トリコセン酸とを1:1(モル比)
の割合で混合したものを展開し30m N / mの表
面圧に保った。サブフェイズの条件及びガラス基板の大
きさや疎水化処理条件は、上述の(b)項で説明した条
件と同様にした。そして上述した手順に従い50回の累
積操作を行い水面Aの展開膜と水面Bの展開膜それぞれ
が50層づつ交互に累積された試料薄膜構造体を得た。
なお、累積状態は、上述のCB)項で説明した累積比に
より評価した。累積は、累積比がほぼ1の状態で行なえ
た。
また、この交互累積膜の吸光度を上述の(B)項の方法
と同様な方法で測定したところ、1層当たりの吸光度は
、上述の評価1のときのちょうど半分の値であることが
分った1以上のことから、累積は良好に行なわれている
と判断出来る。
また、SEMによりこの交互累積膜の表面形態を観察し
たところ、凝集体は見られず、均質なしB膜であること
が分った。
く薄膜構造体の説明(その2)〉 次に、第三発明の実施例の薄膜構造体を以下に説明する
ように作製し、その評価を行なった。
(I)−・・薄膜構造体の説明(その1)の項の(b)
項において作製した実施例の累積膜即ちtri−pNA
と、ωトリコセン酸とを混合したものの単分子膜を順次
累積した累積膜に、γ線を照射線量128メガラド(M
rad)で照射した。γ線照射後の累積膜の赤外線吸収
スペクトルを測定したところ、アルケンに由来する波数
1645cm−’付近の吸収が消失していることが分っ
た。また、γ゛線照射後の累積膜は、累積膜作製の際に
溶媒として用いたり00ホルムに不溶になった。これら
のことから、γ線により重合が起こり、強固な重合膜と
なったことが確認された。
また、γ線照射後の累積膜の表面形態をSEMにより観
察したところ、凝集体は見られず、均質な膜が作製出来
ていることが分った。
(II)・・・薄膜構造体の説明(その1)の項の(C
)項において作製した交互累積膜即ちtri−pNA及
びω−トリコセンMを混合したものの単分子膜と、ω−
トリコセン酸のみの単分子膜とを交互に累積した交互累
積膜に対しても、上記(I)項と同様にγ線照射を行な
った。
その後この交互累積膜の赤外線吸収スペクトルを測定し
たところ、アルケンに由来する波数1645 c m−
’付近の吸収が消失していることが分った。また、クロ
ロホルムに不溶になった。ことがら、γ線により重合し
、強固な重合膜となったことが確認された。
また、γ線照射後の累積膜の表面形態をSEMにより観
察したところ、凝集体は見られず、均質な膜が作製出来
ていることが分った。
上記(I)項において作成した薄膜構造体は、下記(6
)式で示されるポリマーの単分子膜を含む積層体である
。但し、(6)式中のm、β各々は正の整数であり、互
いに同じ場合も具なる場合もある。また、上記CIり項
において作製した薄膜構造体は、下記(6)式で示され
るポリマーの単分子膜と、下記(7)式で示されるポリ
マーの単分子膜とか交互に積層された積層体である。但
し、(7)式中のkは正の整数である。
以上がこの出願に係る各発明の詳細な説明である。しか
しこれら発明は上述の実施例のみに限定されるものでは
なく種々の変更を加えることが出来る。
例えば各発明の実施例は、−最大(1)中のnが20で
あるtri−pNA%用いた例で説明している。しかし
、−最大(1)中のnが12〜19及び21〜28の化
合物についても実施例と同様な効果か期待出来る。
また、tri−pNAの展開膜を良好にする補助物質は
ω−トリコセン酸に限られるものではなく、これと同様
な効果を得ることが出来るものであれば他の物質でも勿
論良い。
また、L8膜を移し取る基板はガラス基板に限られるも
のではなく、非線形光学素子の設計に応じ変更されるも
のであることは理解されたい。
また、第三発明の詳細な説明中において、tri−pN
Aのポリマー化をγ線照射により行なっている。しかし
、γ線の照射線量は単なる例にすぎず、この発明の目的
の範囲内において変更出来ることは明らかである。また
、上述のポリマー化はγ線によってのみ達成されるとい
うものではなく、例えば他の放射線、或いは紫外線、電
子線等によっても可能である。
(発明の効果) 上述した説明からも明らかなように、この出願の第一発
明のLB膜の形成材料は、分子の非線形感受率が大きい
p−ニトロアニリン(p−NA)のアミノ基に、末端に
二重結合をもった長鎖アルキル基がアミド結合した構造
になっている。
従って、アミド結合により親木性が5t−pNA等に比
し高められるのでしB膜形成の際に5t−pNA等に比
し均質な膜が得られる。
ざらに、分子中に、末端に二重結合をもった長鎖アルキ
ル基があるため、LB膜に紫外線や放射線を照射すると
重合し容易にポリマー化する。このため、強固な膜が得
られる。
また、第二及び第三発明の薄膜構造体は、非線形光学素
子を構築するうえで好適な薄膜構造体になる。
これかため、第一〜第二発明各々によれば、極性を有す
る所望の薄膜構造体を得ることが出来るようになるので
、高性能な光−光変換素子、光変調素子、光スィッチ等
の光学素子の実現か可能になる。さらに、これら光学素
子を用いた光コンピュータの実現が期待出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例のしB膜形成材料の展開膜の表面圧−
面積曲線を示す図、 第2図は、比較例のLB膜形成材料の展開膜の表面圧−
面積曲線を示ず図、 第3図は、交互累積膜を作製するために用いた装置の説
明に供する図である。 11・・・水槽、      12・・・固定バリア1
3・・・テフロンフィルム、14・・・基板ホルダ21
.31−・・可動バリア、 22.32・・・糸23、
33・・・滑車、    24.34・・・錘41・・
・ガラス基板。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)下記の(1)式で表されることを特徴とするラン
    グミュア・プロジェット法による薄膜(LB膜)の形成
    材料(但し、(1)式中のnは12〜28の整数である
    )。 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・(1)
  2. (2)下記の(1)式で表される化合物を含む単分子膜
    を1層以上含んで成ることを特徴とする薄膜構造体(但
    し、(1)式中のnは12〜28の整数である)。 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・(1)
  3. (3)下記の(2)式で表される構造単位を含むポリマ
    ーの単分子膜を1層以上含んで成ることを特徴とする薄
    膜構造体(但し、(1)式中のnは12〜28の整数で
    ある。)。 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・(2)
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