JP2846432B2 - 非線形光学材料及び非線形光学素子 - Google Patents

非線形光学材料及び非線形光学素子

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、非線形光学材料に関するものであり、当該
材料は光カーシャッター、光双安定、光スイッチング等
の非線形光学効果を応用する光機能デバイスを構成する
非線形光学素子の材料として利用できる。
〔従来の技術〕
従来この種の材料としてはポリジアセチレン、ポリア
セチレン等の結晶性高分子が代表的な材料であり、その
非線形光学定数等の測定が行われている〔文献(1)C.
サウテレト(C.Sauteret)ほか、フィジカル レビュー
レターズ(Phys.Rev.Letter.)第36巻、第956〜959頁
(1976)〕が、デバイス応用のために単結晶、あるいは
単結晶薄膜を作製する必要があり、良質結晶の作製は非
常に困難な場合が多く、光デバイスに用いるには光損失
が多く実用的な素子作製には不向きである。
一方、上記の問題点を解決するため、非線形感受率の
大きな低分子を高分子に分散させたり、溶液に溶かした
材料を非線形デバイスの材料として用いる例がある。こ
の種の材料は光学的質損失が低いこと、導波路作製が容
易である点で有利である。
〔発明が解決しようとする課題〕
一般的に非線形感受率の大きな低分子材料は非線形性
に関与するπ共役鎖をある程度以上長くする必要があ
る。その結果分子自体が剛直となり、有機溶媒、高分子
材料への溶解性が非常に低くなる。このため、高分子、
あるいは溶媒へ分散させた非線形光学材料系は非線形光
学定数が現状では一般的にはそれほど大きくなく、実用
的なデバイスへの適用は困難である。
例えば、大きな非線形感受率を発現した低分子材料と
してはπ共役鎖の末端に強い電子供与基、アミノ基等を
持つものが多い。具体的には 等が挙げられ、3次の非線形光学定数χ(3)値は10-11es
u程度と大きな値が報告されている〔文献(2):栗原
隆ほか、ケミカル フィジクス レターズ(Chem.Phy
s.Letter.)第165巻、第171〜174頁(1990)〕。
これらの材料をデバイスに適用するためには、高分子
材料に分散させた形態で使用するのが損失面、加工の容
易性、安定性から考えて有利だが、高々数wt%までしか
溶解できないため、分散材料自体のχ(3)値は10-13esu
程度と低いχ(3)値しか得られず、有効な材料となって
いない。
本発明の目的は、上記の課題を解決した非線形光学材
料及び非線形光学素子を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕 本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は非線形光
学材料に関する発明にあって、下記一般式I: 〔式中、 は、π電子共役環であり、相互に等しい構造でも異なる
構造であってもよい。X1〜Xn-1及びY1〜Yn-1は、それぞ
れN若しくはCHのいずれかであり、相互に等しくても異
なっていてもよい。またR及びR′は置換基を示すが、
その少なくとも一方は、下記一般式II又はIII: {式中、Z及びZ′はH又は−OCOCpH2p+1(式中、p≧
1)を示すが、少なくとも一方はH以外の基を示す。k
>1、m>1}、 (式中、x及びy≧3)で表される基を示す。またnは
3〜8の整数を示す〕で表される構造を有する有機材料
を含有することを特徴とする。
また、本発明の第2の発明は非線形光学素子に関する
発明であって、非線形屈折率あるいは非線形吸収係数を
有する光学媒質と、その他の光学素子とで構成される非
線形光学装置に用いられる非線形光学素子において、第
1の発明に記載のいずれかの材料を光学媒質とすること
を特徴とする。
本発明は、従来の有機材料を分散させた材料の問題点
である低い非線形性を改善するために、高分子、あるい
は有機溶媒への溶解性を高めた置換基を付与する手段に
より、高い非線形性を発現することを可能とした材料系
とそれを高分子あるいは溶媒へ分散させた材料の両者に
関したものである。
本発明では、溶解性を高めた置換基を付与することに
よってπ電子共役鎖に基づく光非線形性の低減を防ぐた
め、π電子共役鎖に付随した電子供与基を構成するアミ
ノ骨格のみを溶解性を高めた置換基で化学修飾する手法
により、溶液あるいは高分子への溶解度を高めた材料を
実現している。
式II、式III以外の基の例には NO2等の電子吸引性の大きな基がある。
本発明の一般式〔I〕で表される化合物中のnの数を
3〜8とした材料については、同程度の溶解度及びχ
(3)値が得られた。しかし、nを9とすると溶解度が1
%以下となり約1×10-13esuの低いχ(3)値しか得られ
なかった。また、一般式〔II〕中のpが1〜4で同程度
の結果が得られた。
更に、本発明の非線形光学材料の実例としては、第1
の発明に記載の有機材料の1種あるいは2種以上を高分
子あるいは溶液へ分散させたものがある。
本発明の実施例において、分散媒体としては、酢酸エ
チル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のみ記述して
いたが、他の溶媒、高分子を用いても同程度の非線形性
が得られる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1 4−(N−エチル−N−ヒドロキシエチル)アミノ−
アニリンの0.2モルと2,5−ジクロロテレフタルアルデヒ
ドの0.1モルをテトラヒドロフラン(THF)中に溶解さ
せ、ベンゼントルエンスルホン酸を触媒にして反応させ
た。溶媒除去後、得られるOH−SBAC 分子構造: 0.05モルとアセチルクロライド0.1モルをTHF中で反応さ
せ、本発明材料の一つであるAc−SBAC 分子構造: を得た。
このAc−SBACを蒸着法によりガラス基板上に0.1μm
堆積させ、この材料のχ(3)値を第3高調波の強度から
求めた。基本波1.9μmにおいてχ(3)値は10-11esu程度
であった。
次にこの材料をPMMA中に分散させ、本発明の一つであ
る高分子分散材料を得た。SBACがPMMAに1wt%までしか
溶けないのに対し、Ac−SBACはPMMAに20wt%まで溶解可
能であった。
Ac−SBACの蒸着膜と同様にこの分散材料の薄膜をスピ
ンコーティングにより作製し(厚さ;0.1μm)、χ(3)
値を第3高調波の強度から求めたところ、2×10-12esu
程度であった。
またこの材料を用いて、厚さ5mmの高分子ロッドを作
製し、三次の非線形光学効果(光により材料の屈折率が
変化する光カー効果)を利用した光カーシャッター素子
の実験を行った。その光学系を第1図に示す。1は直線
偏光成分をもつ信号光(波長:0.84μm)、2はゲート
光(波長:0.7μm)、3は本発明の材料サンプルであ
る。4は偏光子、5はゲート光除去用フィルター、6は
光検出器である。2のゲート光を照射しない場合は、4
がクロスニコルに配置してあるため、7の信号光は偏光
子を通過できず、6の光検出器で検出される光強度は0
である。しかし、2のゲート光を3のサンプルに照射し
た場合は3次の非線形光学効果により材料の屈折率が変
化し、直線偏光であったゲート光が3のサンプル通過の
際、楕円偏光に変化し、4の偏光子を通過できるように
なり、光検出器で信号光を観察することが可能であり、
光カーシャッター動作を確認した。求めたχ(3)値は2.2
×10-12esu程度であり、第3高調波の強度から求めたχ
(3)値とほぼ一致した。スイッチング速度はnsオーダー
以下の高速の応答性を確認した。
またこの材料の損失値としては0.1dB/cm以下の値を得
た。
実施例2 実施例1と同様の反応により、 Ac2−SBAC:分子構造 を得た。実施例1と同様に蒸着法により、Ac2−SBACの
蒸着膜を作製し、χ(3)値を測定したところ、ほぼ10-11
esu程度であった。
また、同様に材料をPMMA中に分散させたところ、Ac2
−SBACは30wt%まで溶解可能であった。試料の第3高調
波の強度を求めたところ、3×10-12esu程度であった。
上記実施例1と同様に光カーシャッター実験を行ったと
ころ、ゲート光による信号光の検出が観察でき、光カー
シャッター動作を確認した。
実施例3 実施例1と同様の反応により、下記に示すHH−SBAC:
分子構造 を得た。この材料の蒸着膜のχ(3)値は10-11esu程度で
あり、有機溶媒酢酸エチル中に溶解させたところ、40wt
%まで溶解でき、ガラスセル中でのこの液状試料の第3
高調波の強度を求めたところ、4×10-12esu程度であっ
た。上記実施例1と同様に光カーシャッター実験を行っ
たところ、ゲート光による信号光の検出が観測でき、光
カーシャッター動作を確認した。
実施例4 実施例3におけるHH−SBACと実施例2におけるAc2−S
BACの2種を同時にPMMAに分散させたところ、HH−SBAC
10wt%、Ac2−SBAC 30wt%まで溶解することがで
き、χ(3)値で4×10-12esuを得た。HH−SBAC単独ではP
MMAには5wt%までしか溶けないのに対し、異種の分子を
混合することにより、PMMAへの溶解を上昇させることが
できた。この材料においても同様にカーシャッター動作
を確認した。
表1に本発明により提案したこの他の主な材料とその
高分子分散材料の第3高調波の強度より求めたχ(3)
を示す。
上記表1の化合物において式〔II〕中のpの数を4ま
で変更した低分子材料についても同様のことを試みたが
表1中に示されるものと同程度の溶解度であり、χ(3)
値についても大きな差異はなかった。
実施例5 実施例1及び2に示した高分子分散材料をガラスキャ
ピラリー中で合成することにより、第2図に示す形状の
光ファイバーを作製した。コアの直径は125μm、ファ
イバーの長さは、10cmである。このファイバーで、実施
例1と同様に光カーシャッター素子の実験を行ったとこ
ろ実施例1及び2で示したロッド形状の材料に比べて約
10倍の信号光強度が得られた。なお、第2図中、7はガ
ラスキャピラリー、8は本発明の材料によるコアであ
る。
実施例6 実施例1及び2に示した高分子分散材料をガラス基板
上にスピンコートすることにより、第3図に示す形状の
導波路を得た。膜厚は5μm、光路長は1cmである。実
施例5と同様に光カーシャッター実験を行い比較したと
ころ、ロッド形状の材料に比べて、約20倍の信号光強度
を得た。なお、第3図において、9は本発明の材料によ
る薄膜、10はガラス基板である。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の材料は、高分子あるい
は有機溶媒への溶解性が高い低分子材料を用いるため、
容易に低損失でしかも高効率な非線形光学材料とするこ
とができる利点を有している。このため低損失で有効な
実用的な非線形光学素子を容易に実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の材料を用いた光カーシャッター実験の
測定系を示す概略図、第2図は本発明の光ファイバーの
構成例を示す図、第3図は本発明の導波路の構成例を示
す図である。 1……直線偏光成分をもつ信号光、2……ゲート光、3
……本発明の材料サンプル、4……偏光子、5……ゲー
ト光除去用フィルター、6……光検出器、7……ガラス
キャピラリー、8……本発明の材料によるコア、9……
本発明の材料による薄膜、10……ガラス基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戒能 俊邦 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/35 504 CAS File

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式I: 〔式中、 は、π電子共役環であり、相互に等しい構造でも異なる
    構造であってもよい。X1〜Xn-1及びY1〜Yn-1は、それぞ
    れN若しくはCHのいずれかであり、相互に等しくても異
    なっていてもよい。またR及びR′は置換基を示すが、
    その少なくとも一方は、下記一般式II又はIII: {式中、Z及びZ′はH又は−OCOCpH2p+1 (式中、p≧1)を示すが、少なくとも一方はH以外の
    基を示す。k>1、m>1}、 (式中、x及びy≧3)で表される基を示す。またnは
    3〜8の整数を示す〕で表される構造を有する有機材料
    を含有することを特徴とする非線形光学材料。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の有機材料の1種あるいは
    2種以上を、高分子あるいは溶液へ分散させたことを特
    徴とする非線形光学材料。
  3. 【請求項3】非線形屈折率あるいは非線形吸収係数を有
    する光学媒質と、その他の光学素子とで構成される非線
    形光学装置に用いられる非線形光学素子において、請求
    項1に記載のいずれかの材料を光学媒質とすることを特
    徴とする非線形光学素子。
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