JP2795582B2 - 静電誘導型半導体装置 - Google Patents

静電誘導型半導体装置

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JP2795582B2
JP2795582B2 JP4143063A JP14306392A JP2795582B2 JP 2795582 B2 JP2795582 B2 JP 2795582B2 JP 4143063 A JP4143063 A JP 4143063A JP 14306392 A JP14306392 A JP 14306392A JP 2795582 B2 JP2795582 B2 JP 2795582B2
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聡 宮崎
貴保 川村
方紀 羽場
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Meidensha Corp
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
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Meidensha Corp
Tokyo Electric Power Co Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電誘導トランジスタや
静電誘導サイリスタ等の静電誘導型半導体装置に係り、
特にその制御電極部分の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年電力用半導体の分野では応用装置の
高効率化,低騒音化の観点から高周波化に対応できるデ
バイスの要求が高まってきている。静電誘導トランジス
タ(SIT)や静電誘導サイリスタ(SIサイリスタ)
に代表される静電誘導型の半導体デバイスはPCIM’
88(J Nishizawa APPLICATION OF THE POWER STATIC
INDUCTION(SI) DEVICES Proc of PCIM'88 CONFERENC
E,1−12,1988)等に示されるように他の電力用
デバイスに対して、優れた高周波特性が認められてい
る。しかしながら、これらのデバイスはターンオフ時に
ゲートから大電流を引き抜く必要があり、ゲート回路が
MOS型の半導体よりも複雑になるという欠点があっ
た。
【0003】そこでSIT(SIサイリスタ)のエミッ
タ(カソード)をNチャンネルMOSFETのドレイン
に、SIT(SIサイリスタ)のゲートを上記MOSF
ETのソースに接続(カスコード接続と呼ぶ)すること
により、高速のSIサイリスタを電圧制御型デバイスと
して簡単に駆動できるという報告がなされている(B.
J.Baliga Solid−St.Electron 25 No.5 PP
345−353,1982)。
【0004】図4は従来の静電誘導型サイリスタの概略
構成を示すもので、この静電誘導型サイリスタは、P型
半導体層であるP+層(主電極部であるアノード層)
1,N型半導体層であるN-層(ベース層)2、このベ
ース層2に形成されたP型半導体層であるP層(制御電
極部であるゲート層)4、およびゲート層4に隣接して
-層に形成されたN+層(主電極部であるカソード層)
3によって構成されている。ここで、P+層1,N-層2
およびP層4によってトランジスタが形成され、N-
2,P層4およびN+層3によって静電誘導トランジス
タが形成され、さらにP層(ゲート層)4とN+層(カ
ソード層)3の間に位置する部位にチャンネル領域5が
形成される。
【0005】図5は静電誘導サイリスタのカスコード接
続の一例を示すもので、6は静電誘導サイリスタ、7は
NチャンネルMOSFET、8はツェナーダイオード、
Aはアノード電極、Kはカソード電極、Gはゲート電極
である。
【0006】一般にSITやSIサイリスタは、ゲート
逆バイアスを印加しない状態でアノード・カソード間の
電圧を阻止することができるノーマリ・オフ型と阻止で
きないノーマリ・オン型に大別される。
【0007】図5に示される様なカスコード接続におい
ては、(1)ノーマリ・オン型のSIサイリスタを用い
ても、回路全体では完全にノーマリ・オフ特性を示す。
また、(2)図5の回路構成では、SIサイリスタに充
分なオンゲート電流を供給することができないため、ノ
ーマリ・オフ型のSIサイリスタを用いるとターンオン
特性が悪くなる。
【0008】これらの理由からノーマリ・オン型のSI
サイリスタが用いられている。
【0009】SIサイリスタのゲート及びカソードの構
造は図4に示す様にP型のゲート拡散層とn型のゲート
拡散層を短冊状に交互に配置する方法が広く用いられて
いる。ノーマリ・オン型とノーマリ・オフ型は隣接する
ゲート間隔(チャンネル幅)により主に決定され、チャ
ンネル幅を狭くするとノーマリ・オフ型に、チャンネル
幅を広くするとノーマリ・オン型に特性が変化する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ノーマリ・オン型SI
サイリスタは内部起電力により生じる空乏層がチャンネ
ル領域全面に広がらないため、ターンオン時はダイオー
ドの順方向特性と同様の優れた特性を示し、上述のカス
コード接続に適合する。しかし、ゲートカソード間に比
較的大きな逆電圧を印加しなければ、電流を遮断するこ
とができないことやチャンネル幅が広いことにより、タ
ーンオフ過程で電流集中を起こしやすく、結果としてノ
ーマリ・オフ型のSIサイリスタよりも遮断耐量が劣る
という問題があった。このため200A以上の電流を遮
断できるようなSIサイリスタのカスコードモジュール
を作ることは困難であった。
【0011】前述の様にSITやSIサイリスタでは短
冊状のゲートやカソードを多数配置する方法が採用され
ているが、従来技術ではどの領域も一様に動作させるた
めに各々のゲート及びカソードの幅や間隔は一定にして
きた。しかし実際には製造工程上の濃度やライフタイム
等のバラツキや電極端子からの距離の差(端子までの抵
抗値の差)等により、電気的に面内の均一性を高めるこ
とは難しく、特にノーマリ・オン型のSITやSIサイ
リスタの遮断電流の向上を大きく阻害していた。
【0012】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
もので、その目的はチャンネル領域のチャンネル幅を変
化させることにより、ターンオフ特性に優れた静電誘導
型半導体装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、互に極性の異なる少なくとも2つの半導
体層間に少なくとも1つの接合を有する半導体素子に少
なくとも2つの主電極部と、前記半導体素子の1つの半
導体層に設けられ該1つの半導体層とは同極性又は異極
性である半導体層を有する制御電極部からなるととも
に、該制御電極部とこの制御電極部に隣接する主電極間
にチャンネル領域が形成された半導体装置において、
記チャンネル領域に該チャンネル幅の広い領域とチャン
ネル幅の狭い領域を交互に構成したことを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の静電誘導型半導体装置によれば、ター
ンオフ過程で、まずチャンネル領域のチャンネル幅の狭
い部分を流れる電流がしゃ断され、次に幅広部分の領域
に電流が分散され、最後に幅広部を流れる電流がしゃ断
される。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を図1〜図3を参照し
ながら説明する。
【0016】図1は本発明の実施例による静電誘導型サ
イリスタを示すもので、本実施例においては、主電極部
であるカソード層3の幅は一定とし、制御電極部である
ゲート層4に幅広部4aと幅狭部4bを形成して、チャ
ンネル領域5に幅狭部5aと幅広部5bが形成されてい
る。これにより、チャンネル幅Dとdが形成され、D>
dとなる。実例としては、D=8μm,d=4μmとす
る。
【0017】図2は本発明の他の実施例による静電誘導
型サイリスタを示し、この実施例では、ゲート層4の幅
を一定とし、カソード層3に幅広部3aと幅狭部3bを
形成してチャンネル領域5に幅狭部5aと幅広部5bが
形成されている。
【0018】さらに、図3は本発明の更に他の実施例に
よる静電誘導型サイリスタを示し、カソード層3に幅広
部3aと幅狭部3bを形成するとともに、ゲート層4に
もカソード層3の幅広部3aと幅狭部3bにそれぞれ対
向する幅広部4aと幅狭部4bを形成し、チャンネル領
域5に幅狭部5aと幅狭部5bを形成したものである。
したがって、有効面積を殆ど低下させることなく、しゃ
断耐量,ターンオフ特性,ターンオン特性が改善され
る。
【0019】図1〜図3に示す各静電誘導型サイリスタ
によれば、ターンオフ過程において、まずチャンネル領
域5の幅狭部5aを流れる電流がしゃ断され、幅広部5
bの領域に電流が分散され最後に幅広部5bを流れる電
流がしゃ断される。このため、有効カソード面積を低下
させることなくチャンネル本数を増やしたのと同等のし
ゃ断性能を得ることができる。
【0020】なお、ターンオフ過程で広いチャンネル領
域への電流の分散を円滑に行わせるためには、広いチャ
ンネル幅(D)/狭いチャンネル幅(d)を1対2以上
にする必要がある。図1〜図3では静電誘導型サイリス
タについて述べたが、静電誘導トランジスタの場合も同
様な作用,効果が得られる。また、上述の実施例ではチ
ャンネル幅を2種類に変化させたものについて述べた
が、3種類以上変化させても同様な作用効果を期待でき
る。
【0021】上記実施例の静電誘導型半導体装置によれ
ば、図4に示す従来構造のものに比べてターンオフ時の
電流集中が緩和されるため、しゃ断耐量が20%以上向
上した。また、ターンオン過程においては、チャンネル
幅の広い領域が逆に点弧しやすい領域となるため、初期
点弧領域が分散されてターンオン特性も改善される。さ
らに、拡散用のマスクパターンを変更するだけで、製造
工程を何ら変えることなく、容易に製造できるので、製
作が容易になる。
【0022】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、N型半
導体よりなるNベース層の1方の主面にP型半導体より
なるアノード層を形成し、上記主面とは反対側の主面に
P型半導体よりなるゲートとN型半導体よりなるカソー
ド層を交互に配置した自己消弧型半導体(SIサイリス
タ)、またはN型半導体からなるNベース層の1方の主
面にN型半導体よりなるドレイン層を形成し、上記主面
とは反対側の主面にP型半導体よりなるゲートとN型半
導体よりなるソース層を交互に配置した自己消弧型半導
体装置(SIT)において、任意のチャンネル領域の幅
が長手方向で変化し、少なくともその幅が広狭2種類以
上有する半導体装置とするものであるから、しゃ断耐量
に優れ、ターンオフ特性とターンオン特性に優れた静電
半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による静電誘導型半導体装置の
正面斜視図。
【図2】本発明の他の実施例による静電誘導型半導体装
置の正面斜視図。
【図3】本発明の更に他の実施例による静電誘導型半導
体装置の正面斜視図。
【図4】従来の静電誘導型半導体装置の正面斜視図。
【図5】静電誘導型サイリスタとMOSFETのカスコ
ード接続図。
【符号の説明】
1…アノード層 2…ベース層 3…カソード層 3a…カソード層の幅広部 3b…カソード層の幅狭部 4…ゲート層 4a…ゲート層の幅広部 4b…ゲート層の幅狭部 5…チャンネル領域 5a…チャンネル領域の幅狭部 5b…チャンネル領域の幅広部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽場 方紀 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式 会社明電舎内 (56)参考文献 特開 平3−161975(JP,A) 実開 昭62−197868(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 29/74 H01L 29/744 H01L 29/78 H01L 29/80

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互に極性の異なる少なくとも2つの半導
    体層間に少なくとも1つの接合を有する半導体素子に少
    なくとも2つの主電極部と、前記半導体素子の1つの半
    導体層に設けられ該1つの半導体層とは同極性又は異極
    性である半導体層を有する制御電極部からなるととも
    に、該制御電極部とこの制御電極部に隣接する主電極間
    にチャンネル領域が形成された半導体装置において、
    記チャンネル領域に該チャンネル幅の広い領域とチャン
    ネル幅の狭い領域を交互に構成したことを特徴とする静
    電誘導型半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の静電誘導型半導体装置におい
    て、少なくとも前記主電極部又は制御電極部に幅の広い
    領域と幅の狭い領域を形成し、任意のチャンネル領域の
    幅が前記チャンネル領域の長手方向に変化し、少なくと
    もチャンネル領域の幅が広狭2種類以上あることを特徴
    とする静電誘導型半導体装置。
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JPH03161975A (ja) * 1989-11-21 1991-07-11 Matsushita Electric Works Ltd 静電誘導サイリスタ

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