JP2794483B2 - プレキャストコンクリート梁の上端鉄筋移動具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、プレキャストコンクリート梁を建込んだ
後、その上端鉄筋と隣接する上端鉄筋とを連結するため
に上端鉄筋を移動するための移動具に関するものであ
る。

［従来の技術］ 従来、建込まれたプレキャストコンクリート梁の上面
のコンクリート面とスターラップとの間に挿入された上
端鉄筋と隣接する上端鉄筋とを連結するには、２人の作
業員が上端鉄筋の両端部においてスターラップの間に手
を入れて上端鉄筋を少し持上げた後、横移動させて隣接
する上端鉄筋に当接させ、上端鉄筋のねじ山にねじ込ま
れた長ナットを他方の上端鉄筋のねじ山にねじ込むよう
にしていた。

［発明が解決しようとする課題］ 前記従来の上端鉄筋の移動方法は、上端鉄筋として通
常30kgから50kg程度の重量の大きい太径のねじ鉄筋が使
用されているので１人の作業員では持上げるのが困難で
あるため２人の作業員が必要であり省人化の要請を満た
すことができない問題点があり、またプレキャストコン
クリート梁の上面とスターラップとの間は15cm程度のわ
ずかな間隙であり、かつスターラップの間隔は15cm〜20
cmであるのに対して、ねじ鉄筋の移動量が大きいとスタ
ーラップの間隔分ずつ何回も大きな重量のねじ鉄筋を狭
い間隙内で移動させるため作業が大変やりにくく、かつ
スターラップとねじ鉄筋のねじ山に指を挟まれる等怪我
をしやすいという問題点があった。

この発明は、前記の問題点を解消し、重量物であるね
じ鉄筋の移動を軽快に危険なく１人の作業員で行うこと
ができるプレキャストコンクリート梁の上端鉄筋移動具
を提供することを課題とするものである。

［課題を解決するための手段］ この発明は、前記の課題を解決するため、枠体の前端
に反力係合部を設け、その後方に支持柱を立設し、支持
柱にはその上端部にハンドルの中間部を枢着するととも
に、その下端部に鉄筋移送部材の中央部を枢着し、鉄筋
移送部材の上端後部にストッパーを、その下端部にねじ
鉄筋のねじ山の間を挟むように２本の係合棒を設けた鉄
筋係合部をそれぞれ設けたプレキャストコンクリート梁
の上端鉄筋移動具の手段を講じるものである。

［作用］ この発明のプレキャストコンクリート梁の上端鉄筋移
動具を使用するには、第５図に示すように、プレキャス
トコンクリート梁１のスターラップ２上に枠体４を載置
しその前端の反力係合部３をスターラップ２に係合させ
た後ハンドル６を右下方の矢印方向へ押し下げることに
よりねじ鉄筋13上に置かれた鉄筋係合部８は軸10を中心
として右下方に傾斜して屈曲した状態となり、ねじ鉄筋
13を移動させることなく右方から左方へ移動して、その
先端をねじ山14、14間に位置させる。つぎに第６図に示
すように、ハンドル６を左方の矢印方向へ回動させるこ
とにより、鉄筋移送部材９は軸10を中心としてハンドル
６と一直線状となるまで回動し、鉄筋係合部８はねじ鉄
筋13のねじ山14、14間に係合する状態となる。さらに第
７図に示すように、ハンドル６を左下の矢印方向へ押し
下げることにより鉄筋移送部材９は、そのストッパー11
とハンドル６の先端の軸10とによりハンドル６と一直線
状を保ったまま左から右へ移動し、したがって、ねじ鉄
筋13はそのねじ山14に係合した鉄筋係合部８に押されて
プレキャストコンクリート梁１の上面を右方へ矢印のよ
うに移動されるので隣接するねじ鉄筋と接するまでハン
ドル６の左右動の動作を継続させるものである。

［実施例］ 第１図および第２図において、先端を折返し状に形成
されプレキャストコンクリート梁１のスターラップ２に
係合する反力係合部３を有する枠体４はその中央よりや
や前方に枠体４に直交して支持柱５が立設されており、
支持柱５の上端部にはハンドル６の中間部が軸７によっ
て回動可能に枢着されている。

ハンドル６の下端部には先端部に鉄筋係合部８を取付
けた鉄筋移送部材９の中央部が軸10によって回動可能に
枢着され、鉄筋移送部材９の上端後部にはストッパー11
が設けられている。

鉄筋係合部８は第３図および第４図に示すように鉄筋
移送部材９の下端部の取付板12にねじ鉄筋13のねじ山14
の1/2ピッチの間隔だけ中心位置をずれらせて、ねじ鉄
筋13のねじ山14、14の間を挟むように２本のボルト状の
係合棒15がねじ込まれ、その上部にナット16がねじ込ま
れたものからなっているが、係合棒15は必ずしもボルト
状でなく丸棒状のものでもよい。

［発明の効果］ この発明は、上端鉄筋を移動させるのに直接手を触れ
ることなく行えるので怪我の恐れがなく、かつ重量の大
きい鉄筋であるにもかかわらず立った姿勢のままハンド
ルを操作するだけで軽快に行うことができるので、従来
のうように中腰の姿勢で作業を行う必要がなく作業が容
易であると同時に、従来のように２人の作業員を必要と
せず１人で行うことができるので省人化が図られ、機構
が簡単で安価なプレキャストコンクリート梁の上端鉄筋
移動具を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部切断して示した正面図、第２図は側面図、
第３図は一部の平面図、第４図はその正面図、第５図、
第６図および第７図はそれぞれ正面図である。 ３……反力係合部、４……枠体、５……支持柱、６……
ハンドル、８……鉄筋係合部、９……鉄筋移送部材、11
……ストッパー、13……ねじ鉄筋、14……ねじ山、15…
…係合棒。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−90472（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−170308（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) E04G 21/12 105

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】枠体（４）の前端に反力係合部（３）を設
   け、その後方に支持柱（５）を立設し、支持柱（５）に
   は、その上端部にハンドル（６）の中間部を枢着すると
   ともに、その下端部に鉄筋移動部材（９）の中央部を枢
   着し、鉄筋移送部材（９）の上端後部にストッパー（1
   1）を、その下端部に鉄筋係合部（８）をそれぞれ設け
   たプレキャストコンクリート梁の上端鉄筋移動具。
2. 【請求項２】鉄筋係合部（８）がねじ鉄筋（13）のねじ
   山（14）、（14）の間を挟むように２本の係合棒（15）
   を設けたものである請求項１記載のプレキャストコンク
   リート梁の上端鉄筋移動具。