JP2793703B2 - ホイールアライメント測定装置 - Google Patents

ホイールアライメント測定装置

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JP2793703B2 JP20835690A JP20835690A JP2793703B2 JP 2793703 B2 JP2793703 B2 JP 2793703B2 JP 20835690 A JP20835690 A JP 20835690A JP 20835690 A JP20835690 A JP 20835690A JP 2793703 B2 JP2793703 B2 JP 2793703B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、車輌に取付けてある各タイヤのトー量若
しくはトー角とキャンバ角とを測定するホイールアライ
メント測定装置に関するものである。
〔従来の技術〕
車体を支持するとともに所定に移動走行するタイヤ
は、ホイールを介してアクスル軸の左右両端に夫々所定
の角度で、つまり一定のキャンバ角度及びトー角度で取
付けられており、その角度は予め所定の範囲内におさめ
ることが要求されている。キャンバ角度は車体重量が作
用することによりアクスル軸に取付けたホイールからタ
イヤが抜け落ちるのを防止するために必要なものであ
り、地面に対しタイヤが逆八字型になるよう、つまりタ
イヤ最上部がタイヤ最下部の接地面よりも外方に僅かに
突出するように傾斜するようになっている。また、トー
角度は、直進走行性を確保するために必要とするもので
あり、左右のタイヤの最前部間の幅寸法を最後部間の幅
寸法よりも小さくするようになっており、換言すれば左
右のタイヤを上方からながめたときに、前部の方が内側
に傾いた八字型となっている。このように、タイヤのキ
ャンバ角及びトー角度は車を安全走行する上で重要な要
素となっており、このためこれらの角度はタイヤ取付
後、或いは車検等の際に正確に測定・検査されるように
なっている。
このような事情から、これらの角度の測定装置や測定
方法が各種提案されている。
例えばこのような角度を測定する装置として、所定位
置に静置したタイヤに直接当て板等を接触させ、圧力計
等の測定手段でキャンバ角やトー角を測定するような構
成のものが知られている。
〔解決しようとする課題〕
ところが、このような測定装置の場合には、当て板等
を接触させるタイヤ表面に社名や規格等の模様を表示し
た凸部等が原因となって誤差を生じ、正確な角度を測定
できない場合がある。また、このような測定装置の場
合、タイヤに当て板を直接接触させるので、測定中にタ
イヤが僅かに動いて誤差を生じたり、精巧な測定機器等
を破損する虞れがある。
そこで、この発明は、上記した従来の欠点に鑑み、ト
ー角度若しくはトー量とキャンバ角度とを正確に測定す
ることができるとともに、測定の際に各種測定機器の破
損等をおこす虞れがないホイールアライメント測定装置
を提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
即ち、この発明は、所定位置に静置した車輌の各タイ
ヤについてトー量若しくはトー角とキャンバ角とを測定
するホイールアライメント測定装置であって、左右の車
輌間をつなぐアクスル軸方向に沿って進退するX移動体
と、このX移動体に対して上下方向に移動するY移動体
と、このY移動体に回転自在に軸支した回転軸の先端に
各タイヤの表面と対面するように取付けられ、この回転
軸と共に回転する回転板と、この回転板に対しタイヤと
対向する外面側においてその半径方向に沿って移動可能
に、かつ互いに中心角を180度離間して設けた発光手段
と、前記回転板と共に回転する発光手段から所定微小時
間を保持して多数回出射し、タイヤ表面の各部位で反射
して戻る光を入射する受光手段と、前記発光手段から受
光手段に至るまでに光が伝播するのに要する時間に基づ
いて各タイヤのトー量若しくはトー角及びキャンバ角を
算出する演算手段と、この演算手段が算出した各タイヤ
のトー量若しくはトー角等についてのデータを表示する
表示手段とを備えたものである。
〔作用〕
この発明のホイールアライメント測定装置は、発光手
段から出射する所定波長の光を介在としてタイヤの各部
位までの距離を計測し、これに基づいてトー角若しくは
トー量及びキャンバ角を測定することができ、タイヤに
対して非接触状態での測定を行うのでタイヤの揺れ等に
伴うトラブルが防止できる。
また、この発明のホイールアライメント測定装置は、
各タイヤの全周各部位に向けて多数回出射し反射させて
戻る光の所要時間に基づいて得たデータから演算手段が
適正に演算し、換言すればタイヤ凸部等に起因する誤差
を有効に補正し、これによって正確な測定を行うことが
できる。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例について添付図面をを参照
しながら説明する。
第1図はこの発明に係るホイールアライメント測定装
置を示すものであり、このホイールアライメント測定装
置は、各タイヤ1毎に設置されており、X移動体及びY
移動体を収めた本体部1と、この本体部1のハウジング
2側面2aから突出し回転する回転板3と、発光手段4
と、受光手段5と、演算手段6と、表示手段7とを備え
ている。
本体部1は、第2図に示すように箱状のハウジング内
2に収納されており、X移動体8と、このX移動体8を
駆動するX駆動用モータ9と、Y移動体10と、このY移
動体10を駆動するY駆動用モータ11と、回転板3を回転
させるθ駆動用モータ12と、回転板3上の発光手段4及
び受光手段5を一体的に回転板3の半径方向に移動させ
るR駆動用モータ13とから構成されている。X移動体8
は、ハウジング2底面側に設けた基台14上をスライドす
るようになっており、X駆動用モータ9により回転する
ボールネジ15に螺合し、ガイドシャフト16に案内されな
がらX方向にスライドするようになっている。Y移動体
10は、測定するタイヤ17の径の大きさに合わせて回転板
3の中心を各種サイズのタイヤ17の中心に一致させるた
めにX移動体8に対して上下方向、つまりY方向に移動
するものであり、Y駆動用モータ11により回転するボー
ルネジ18と螺合しガイドシャフト19に案内されながらス
ライド移動するようになっている。θ駆動用モータ12
は、トナー角やキャンバ角の測定のため回転板3をタイ
ヤ17の外面と対向した状態で回転させるものであり、X
移動体8上に固定されており、この実施例では回転板3
の中心に固着した中空状の回転軸20をギア21,22を介し
て回転させるようになっている。なお、この回転軸20
は、Y移動体10に回転自在に軸支されているとともに、
ハウジング2の側面2aに開口した長孔2bを貫通して設け
られている。R駆動用モータ13は、測定しようとするタ
イヤ17の径の大小に合せて発光手段4及び受光手段5を
回転板3の半径(ラジアル)方向に自在に変更移動させ
てタイヤ17外表面の適正位置にその発光手段4及び受光
手段5を対向配置させるものであり、この実施例では中
空状の回転軸20内に配設された駆動軸23を回転すること
により次に説明するR移動機構24を駆動して発光手段4
や受光手段5の移動を行うようになっている。R移動機
構24は、駆動軸23の先端に固着したバベルギア25に噛合
するバベルギア26と、このバベルギア26に固着したボー
ルネジ27と、このボールネジ27に螺合し、発光手段4及
び受光手段5を一体に搭載させたR移動体28と、このR
移動体28の移動を案内するガイドシャフト29とから構成
されている。
発光手段4は、所定の微小時間間隔毎に所定波長の光
をタイヤ17の外表面に向けて断続的に出射していくもの
であり、この実施例ではタイヤ17の全周に亙る1500ポイ
ントに向けて波長780nmのレーザ光を出射するレーザダ
イオード(LD)が使用されている。そして、この発光手
段4となるレーザダイオード(LD)は、次の受光手段5
ととも互いにπ(rad)だけ位相をずらした点対称位置
に一対設置されている。そして、これら一対のレーザダ
イオードのうち一方は、トー量若しくはトー角及びキャ
ンバ角の測定のときに作動させて使用するようになって
いる。またそのトー量若しくはトー角が所定の基準許容
値内におさめられていない場合にそのトー量若しくはト
ー角を基準許容値内におさめるための調整作業を行う際
には、後に説明する表示手段7の画面7a上に表示される
データを見ながら速やかに作業を行うため、両方のレー
ザダイオードが同時に使用されるようになっている。
受光手段5は、発光手段4から出射した光を入射する
と所定の電気信号を演算手段6に出力するものであり、
フォトセンサが使用されている。
演算手段6は、受光手段5から出力される電気信号に
基づいて、つまり、発光手段4から出射され受光手段5
に達するまでの時間tについてのデータから、タイヤ17
の各ポイントまでの距離dを算出するとともに、その算
出した各ポイントまでの距離dについてのデータからト
ー角若しくはトー量及びキャンバ角を算出するようにな
っている。即ち、この演算手段6は、第3図に示すタイ
ヤ17の外表面17aに対し、例えば零度の初期点から反時
計回りに順次各点における受光手段5(若しくは発光手
段4)までの距離dを次式によって算出するようになっ
ている。
d=ct/2 (但し、ここでcは光の速度) そして、この演算手段6は、各ポイントにおいて算出
された距離が第4図に示すように表示手段7の画面7a上
においてグラフAの如く順次表示されていくようになっ
ている。また、この演算手段6は、特にこれらのデータ
のうち零度における距離d0と180度における距離d2との
差Dからトー量(D)を算出するとともに、90度におけ
る距離d1と270度における距離d3受光手段5の回転半径
rとを用いた次の演算式 α=tan-1〔2r/(d3−d1)〕 からキャンバ角(α)を算出するようになっている。な
お、このキャンバ角(α)については、タイヤ接地部で
ある270度部分における膨らみ現象を考慮して、180度と
360度との中間値をデータとして使用するようになって
いる。
表示手段7は、トー量若しくはトー角の測定と同時に
必要に応じて行うそのトー量若しくはトー角調整作業を
確実に、かつ迅速に行うためのものであり、演算手段6
から出力されるタイヤ17の各ポイント毎における距離
(d)についてのデータが画面17a上に逐次表示されて
いくようになっている。
〔効果〕
以上説明してきたように、この発明に係るホイールア
ライメント測定装置によれば、発光手段から出射する所
定波長の光を介在としてタイヤの各部位までの距離を全
周に亙って計測し、これに基づいてトー角若しくはトー
量及びキャンバ角を測定することができ、換言すればタ
イヤに対して非接触状態での測定を行うことができるの
で、接触状態での測定に伴うトラブル、例えば装置の破
損やタイヤの揺れ等による誤差の発生が有効に防止する
ことができる。
また、この発明に係るホイールアライメント測定装置
によれば、タイヤ全周に亙り各部位に向けて多数回出射
し反射させて戻る光の所要時間から演算手段が距離を逐
一算出しているので、タイヤの部分的な凹凸に起因する
誤差が有効に補正でき、より一層正確な測定を行うこと
ができるので、高精度のものが提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係るホイールアライメント測定装置
を示す概略構成図、第2図はこの発明の要部を示す斜視
図、第3図はこの発明に係る測定装置を用いた測定方法
を説明するための説明図、第4図はこの発明に係る測定
装置より測定されたデータの処理方法を示すグラフであ
る。 17……タイヤ、 8……X移動体、 10……Y移動体、 3……回転板、 4……発光手段、 5……受光手段、 6……演算手段、 7……表示手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定位置に静置した車輌の各タイヤについ
    てトー量若しくはトー角とキャンバ角とを測定するホイ
    ールアライメント測定装置であって、 左右の車輌間をつなぐアクスル軸方向に沿って進退する
    X移動体と、 このX移動体に対して上下方向に移動するY移動体と、 このY移動体に回転自在に軸支した回転軸の先端に各タ
    イヤの表面と対面するように取付けられ、この回転軸と
    共に回転する回転板と、 この回転板に対しタイヤと対向する外面側においてその
    半径方向に沿って移動可能に、かつ、互いに中心角を18
    0度離間して設けた発光手段と、 前記回転板と共に回転する発光手段から所定微小時間を
    保持して多数回出射し、タイヤ表面の各部位で反射して
    戻る光を入射する受光手段と、 前記発光手段から受光手段に至るまでに光が伝播するの
    に要する時間に基づいて各タイヤのトー量若しくはトー
    角及びキャンバ角を算出する演算手段と、 この演算手段が算出した各タイヤのトー量若しくはトー
    角等についてのデータを表示する表示手段と を備えたことを特徴とするホイールアライメント測定装
    置。
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