JP3088567B2 - ホイールアライメント測定装置 - Google Patents

ホイールアライメント測定装置

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JP3088567B2
JP3088567B2 JP04215410A JP21541092A JP3088567B2 JP 3088567 B2 JP3088567 B2 JP 3088567B2 JP 04215410 A JP04215410 A JP 04215410A JP 21541092 A JP21541092 A JP 21541092A JP 3088567 B2 JP3088567 B2 JP 3088567B2
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本章 渕脇
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車体に取付けてある
各タイヤのトー量若しくはトー角とキャンバ角とを測定
するホイールアライメント測定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車体を支持するとともに移動走行するた
めのタイヤは、ホイールを介してアクスル軸の左右両端
に夫々所定の角度で、つまり一定のキャンバ角度及びト
ー角度で取付けられており、その角度は予め所定の範囲
内におさめることが要求されている。キャンバ角度は車
体重量が作用することによりアクスル軸に取付けたホイ
ールからタイヤが抜け落ちるのを防止するために必要な
ものであり、地面に対しタイヤが逆八字型になるよう、
つまりタイヤ最上部がタイヤ最下部の接地面よりも外方
に僅かに突出するように傾斜するようになっている。ま
た、トー角度は、直進走行性を確保するために必要とす
るものであり、左右のタイヤの最前部間の幅寸法を最後
部間の幅寸法よりも小さくするようになっており、換言
すれば左右のタイヤを上方からながめたときに、前部の
方が内側に傾いた八字型となっている。このように、タ
イヤのキャンバ角及びトー角度は車を安全走行する上で
重要な要素となっており、このためこれらの角度はタイ
ヤ取付後、或いは車検等の際に正確に測定・検査される
ようになっている。このような事情から、これらの角度
の測定装置や測定方法が各種提案されている。例えばこ
のような角度を測定する装置として、所定位置に静置し
たタイヤに直接当て板等を接触させ、圧力計等の測定手
段でキャンバ角やトー角を測定するような構成のものが
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
測定装置の場合には、当て板等を接触させるタイヤ表面
に設けてある社名や規格等の模様を表示した凸部等が原
因となって誤差を生じ、正確な角度を測定できない場合
がある。また、このような測定装置の場合、タイヤに当
て板を直接接触させるので、測定中にタイヤが僅かに動
いて誤差を生じたり、精巧な測定機器等を破損する虞れ
がある。そこで、この発明は、上記した従来の欠点に鑑
み、トー角度若しくはトー量とキャンバ角度とを正確に
測定することができるとともに、測定の際に各種測定機
器の破損等をおこす虞れがないホイールアライメント測
定装置を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、この発明は、所定
位置に静置した車輌の各タイヤについてトー量若しくは
トー角とキャンバ角とを測定するホイールアライメント
測定装置であって、左右のタイヤ間をつなぐアクスル軸
方向に沿って進退するX移動体と、このX移動体に対し
て上下方向に移動するY移動体と、このY移動体に回転
自在に軸支した回転軸の先端に各タイヤの表面と対面す
るように取付けられ、この回転軸と共に回転する回転板
と、タイヤの回転中心位置と回転板の回転中心位置とを
一致させる位置合せ手段と、前記回転板に対しタイヤと
対向する外面側においてその半径方向に沿って移動可能
に、かつ、互いに中心角を180度離間して設けた発光
手段と、前記回転板と共に回転する発光手段から所定微
小時間を保持して多数回出射し、タイヤ表面の各部位で
反射して戻る光を入射する受光手段と、前記発光手段か
ら受光手段に至るまでに光が伝播するのに要する時間に
基づいて各タイヤのトー量若しくはトー角及びキャンバ
角を算出する演算手段と、この演算手段が算出した各タ
イヤのトー量若しくはトー角やキャンバ角ついてのデー
タを表示する表示手段とを備えたものである。
【0005】
【作用】この発明のホイールアライメント測定装置は、
発光手段から出射する所定波長の光を介在としてタイヤ
の各部位までの距離を計測し、これに基づいてトー角若
しくはトー量及びキャンバ角を測定することができる。
また、タイヤに対して非接触状態での測定を行うので、
タイヤの揺れ等に伴うトラブルが防止できる。また、こ
の発明のホイールアライメント測定装置は、各タイヤの
全周各部位に向けて多数回出射し反射させて戻る光の所
要時間に基づいて得たデータから演算手段が適正に演算
し、換言すればタイヤ凸部等に起因する誤差を有効に補
正し、これによって正確な測定を行うことができる。
【0006】
【実施例】以下、この発明の一実施例について添付図面
をを参照しながら説明する。図1はこの発明に係るホイ
ールアライメント測定装置を示すものであり、このホイ
ールアライメント測定装置は、各タイヤ17毎に設置さ
れており、X移動体及びY移動体を収めた本体部1と、
この本体部1のハウジング2側面2aから突出し回転す
る回転板3と、位置合せ手段30(図2参照)と、発光
手段4と、受光手段5と、演算手段6と、表示手段7と
を備えている。
【0007】本体部1は、図2に示すように箱状のハウ
ジング2内に収納されており、X移動体8と、このX移
動体8を駆動するX駆動用モータ9と、Y移動体10
と、このY移動体10を駆動するY駆動用モータ11
と、回転板3を回転させるθ駆動用モータ12と、回転
板3上の発光手段4及び受光手段5を一体的に回転板3
の半径方向に移動させるR駆動用モータ13とから構成
されている。X移動体8は、ハウジング2底面側に設け
た基台14上をスライドするようになっており、X駆動
用モータ9により回転するボールネジ15に螺合し、ガ
イドシャフト16に案内されながらX方向にスライドす
るようになっている。Y移動体10は、測定するタイヤ
17の径の大きさに合せて回転板3の中心を各種サイズ
のタイヤ17の中心に一致させるためにX移動体8に対
して上下方向、つまりY方向に移動するものであり、Y
駆動用モータ11により回転するボールネジ18と螺合
しガイドシャフト19に案内されながらスライド移動す
るようになっている。θ駆動用モータ12は、トー角や
キャンバ角の測定のため回転板3をタイヤ17の外面と
対向した状態で回転させるものであり、X移動体8上に
固設されており、この実施例では回転板3の中心に固着
した中空状の回転軸20をギア21,22を介して回転
させるようになっている。なお、この回転軸20は、Y
移動体10に回転自在に軸支されているとともに、ハウ
ジング2の側面2aに開口した長孔2bを貫通して設け
られている。R駆動用モータ13は、測定しようとする
タイヤ17の径の大小に合せて発光手段4及び受光手段
5を回転板3の半径(ラジアル)方向に自在に変更移動
させてタイヤ17外表面の適正位置にその発光手段4及
び受光手段5を対向配置させるものであり、この実施例
では中空状の回転軸20内に配設された駆動軸23を回
転することにより次に説明するR移動機構24を駆動し
て発光手段4や受光手段5の移動を行うようになってい
る。R移動機構24は、駆動軸23の先端に固着したバ
ベルギア25に噛合するバベルギア26と、このバベル
ギア26に固着したボールネジ27と、このボールネジ
27に螺合し、発光手段4及び受光手段5を一体に搭載
させたR移動体28と、このR移動体28の移動を案内
するガイドシャフト29とから構成されている。
【0008】位置合せ手段30は、図2に示す回転体3
の回転中心となる回転軸20と図4に示す各タイヤ17
の回転中心位置170とを一致させて位置合せするもの
であり、この実施例では車種やタイヤのサイズ等のデー
タを入力する入力操作ボタン(図略)と、所定の駆動手
段(図略)によりホイールベース方向に所定幅だけ移動
する一対のタイヤ支持部31と、このタイヤ支持部31
に連結され同一方向に同位量移動する従動部32とから
構成されている。タイヤ支持部31は、図4に示すよう
にガイドレール35に対してスライド自在に設けられた
支持台33と、この支持台33上において各タイヤ毎に
一対設けた回転ローラ34A,34Bとから構成されて
おり、タイヤ17を回転ローラ34A,34B上に搭載
して自由に回転できるようになっている。なお、このタ
イヤ支持部31には、個々の車両毎にホイールベース間
距離が誤差を生じている場合があるため、その誤差を吸
収する方向に支持台33を移動して各タイヤを正しく支
持するための微調整手段(図略)を備えている。従動部
32は、ガイドレール36に対してスライド自在に設け
られ、上部に本体部1を搭載した支持台37を備えてお
り、本体部1に設けた回転軸20はタイヤの回転中心1
7Oに対して水平方向について、常時に一致するように
位置合せされている。また、この回転軸20は、タイヤ
の回転中心17Oに対して垂直(高さ)方向について、
予め入力したタイヤのサイズに合せてY軸移動体10を
適宜作動し、所定量だけ回転軸20を上下動して正確に
一致させるようになっている。
【0009】発光手段4は、所定の微小時間間隔毎に所
定波長の光をタイヤ17の外表面に向けて断続的に出射
していくものであり、この実施例ではタイヤ17の全周
に亙る1500ポイントに向けて波長780nmのレー
ザ光を出射するレーザダイオード(LD)が使用されて
いる。そして、この発光手段4となるレーザダイオード
(LD)は、次の受光手段5とともに互いにπ(rad) だ
け位相をずらした点対称位置に一対設置されている。そ
して、これら一対のレーザダイオードのうち一方は、ト
ー量若しくはトー角及びキャンバ角の測定のときに作動
させて使用するようになっている。またそのトー量若し
くはトー角が所定の基準許容値内におさめられていない
場合にそのトー量若しくはトー角を基準許容値内におさ
めるための調整作業を行う際には、後に説明する表示手
段7の画面7a上に表示されるデータを見ながら速やか
に作業を行うため、両方のレーザダイオードが同時に使
用されるようになっている。受光手段5は、発光手段4
から出射した光を入射すると所定の電気信号を演算手段
6に出力するものであり、フォトセンサが使用されてい
る。
【0010】演算手段6は、受光手段5から出力される
電気信号に基づいて、つまり、発光手段4から出射され
受光手段5に達するまでの時間tについてのデータか
ら、タイヤ17の各ポイントまでの距離dを算出すると
ともに、その算出した各ポイントまでの距離dについて
のデータからトー角若しくはトー量及びキャンバ角を算
出するようになっている。即ち、この演算手段6は、図
5に示すタイヤ17の外表面17aに対し、例えば零度
の初期点から反時計回りに順次各点における受光手段5
(若しくは発光手段4)までの距離dを次式によって算
出するようになっている。 d=ct/2 (但し、ここでcは光の速度) そして、この演算手段6は、各ポイントにおいて算出さ
れた距離が図6に示すように表示手段7の画面7a上に
おいてグラフAの如く順次表示されていくようになって
いる。また、この演算手段6は、特にこれらのデータの
うち零度における距離d0 と180度における距離d2
との差Dからトー量(D)を算出するとともに、90度
における距離d1 と270度における距離d3 と受光手
段5の回転半径rとを用いた次の演算式 α=tan-1〔2r/(d3 −d1)〕 からキャンバ角(α)を算出するようになっている。な
お、このキャンバ角(α)については、タイヤ接地部で
ある270度部分における膨らみ現象を考慮して、18
0度と360度との中間値をデータとして使用するよう
になっている。表示手段7は、トー量若しくはトー角の
測定と同時に必要に応じて行うそのトー量若しくはトー
角調整作業を確実に、かつ迅速に行うためのものであ
り、演算手段6から出力されるタイヤ17の各ポイント
毎における距離(d)についてのデータが画面17a上
に逐次表示されていくようになっている。
【0011】なお、この実施例の位置合せ手段では、タ
イヤ支持部31と従動部32とを一体に連結させて従動
させているが、特にこれに限定されるものではなく、例
えばタイヤ支持部と従動部とを連結させず、図7に示す
ようにタイヤ17の近傍にて移動台40を水平(Z)方
向に微小移動すると共に、図8に示すように高さ(Y)
方向に微小移動させて、タイヤのサイドモール形状を計
測し、これによってタイヤの中心位置を算出してその中
心位置へ回転板3′を移動させてもよい。また、この発
明に係る位置合せ手段において、例えばタイヤの中心位
置を算出する方法としては、例えば図9に示すように、
タイヤ17の外周面上にタッチセンサ42を一定トルク
で接触させ、そのトルクを一定としたままタイヤ17外
周面に沿ってタッチセンサ42を移動させ、このときタ
ッチセンサ42の移動軌跡に基づいてタイヤの中心17
Oを求めてもよい。また、さらにこのタイヤの中心位置
の算出方法としては、図10に示すように、予めタイヤ
17のサイズ(直径)を入力させておき、タッチセンサ
42によりタイヤ17の外周面上3箇所の位置を計測
し、これらの位置からタイヤの中心位置を算出してもよ
い。
【0012】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明に係
るホイールアライメント測定装置によれば、発光手段か
ら出射する所定波長の光を介在としてタイヤの各部位ま
での距離を全周に亙って計測し、これに基づいてトー角
若しくはトー量及びキャンバ角を測定することができ、
換言すればタイヤに対して非接触状態での測定を行うこ
とができるので、接触状態での測定に伴うトラブル、例
えば装置の破損やタイヤの揺れ等による誤差の発生が有
効に防止することができる。また、この発明に係るホイ
ールアライメント測定装置によれば、タイヤ全周に亙り
各部位に向けて多数回出射し反射させて戻る光の所要時
間から演算手段が距離を逐一算出しているので、タイヤ
の部分的な凹凸に起因する誤差が有効に補正でき、換言
すれば、より一層正確な測定を行うことができるので、
高精度のものが提供できる。さらに、この発明によれ
ば、位置合せ手段によってタイヤの回転中心位置と回転
板の回転中心位置とが正確に一致させることができるの
で、さらに一層高精度のものが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るホイールアライメント測定装置
を示す概略構成図である。
【図2】この発明に係る位置合せ手段を示す平面図であ
る。
【図3】この発明の要部を示す斜視図である。
【図4】図2に示す位置合せ手段のタイヤ支持部にタイ
ヤを搭載したときの状態を示す側面図である。
【図5】この発明に係る測定装置を用いた測定方法を説
明するための説明図である。
【図6】この発明に係る測定装置により測定されたデー
タの処理方法を示すグラフである。
【図7】この発明に係る位置合せ手段の変形例を示す平
面図である。
【図8】図7に示す位置合せ手段を示す正面図である。
【図9】この発明に係る位置合せ手段においてタイヤ回
転中心位置の算出方法を示す説明図である。
【図10】同タイヤ回転中心位置の算出方法を示す説明
図である。
【符号の説明】
3 回転板 4 発光手段 5 受光手段 6 演算手段 7 表示手段 8 X移動体 10 Y移動体 17 タイヤ 30 位置合せ手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定位置に静置した車輌の各タイヤにつ
    いてトー量若しくはトー角とキャンバ角とを測定するホ
    イールアライメント測定装置であって、 左右のタイヤ間をつなぐアクスル軸方向に沿って進退す
    るX移動体と、 このX移動体に対して上下方向に移動するY移動体と、 このY移動体に回転自在に軸支した回転軸の先端に各タ
    イヤの表面と対面するように取付けられ、この回転軸と
    共に回転する回転板と、 タイヤの回転中心位置と回転板の回転中心位置とを一致
    させる位置合せ手段と、 前記回転板に対しタイヤと対向する外面側においてその
    半径方向に沿って移動可能に、かつ、互いに中心角を1
    80度離間して設けた発光手段と、 前記回転板と共に回転する発光手段から所定微小時間を
    保持して多数回出射し、タイヤ表面の各部位で反射して
    戻る光を入射する受光手段と、 前記発光手段から受光手段に至るまでに光が伝播するの
    に要する時間に基づいて各タイヤのトー量若しくはトー
    角及びキャンバ角を算出する演算手段と、 この演算手段が算出した各タイヤのトー量若しくはトー
    角やキャンバ角ついてのデータを表示する表示手段とを
    備えたことを特徴とするホイールアライメント測定装
    置。
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JP2658928B2 (ja) * 1994-11-30 1997-09-30 日本電気株式会社 携帯通信機
CN100509500C (zh) * 2004-02-03 2009-07-08 拽牫特格有限公司 用于测力计的车辆固定机构
KR100589194B1 (ko) * 2004-08-14 2006-06-12 현대자동차주식회사 자동 차륜 정렬 시스템 및 자동 차륜 정렬 방법
JP5371848B2 (ja) * 2009-12-07 2013-12-18 株式会社神戸製鋼所 タイヤ形状検査方法、及びタイヤ形状検査装置

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