JP2793596B2 - 切断装置及び／又は絶縁被覆除去装置用配置 - Google Patents

切断装置及び／又は絶縁被覆除去装置用配置

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、特許請求の範囲第１項又は第２項の冒頭に
記載の、棒状又はケーブル状工作物用の切断装置及び／
又は絶縁被覆除去装置に使用する、一つの平面内にある
少なくとも３個の保持用、心出し用又は刃物用可動片の
配置に関する。同第２項の線とは本発明では曲線をも意
味する。このような配置は例えば電線の絶縁被覆を除去
する際に使用される。
「従来の技術」 この目的に対する配置には極めて様々の実施形態があ
る。西独公開特許公報2122675では、４個の刃物用可動
片があり、その内２個の刃物用可動片は一つの平面内
に、その他の２個の刃物用可動片はこれに平行のもう一
つの平面内にそれぞれ対向して配置されている。即ち、
この４個の刃物用可動片が一つの長方形の面を形成し、
これは切れ刃で囲まれている。それぞれ対向した刃物用
可動片が離れるとこの長方形は大きくなり、刃物が近づ
くとこれが小さくなる。更に制御装置を備え、全ての４
個の刃物の運動が同期化されているので、この長方形は
常に等しい長さの辺を有する。このような刃物の配置は
広い範囲の直径に適用出来、構成も簡単である。
類似の配置がスイス特許651426（英国公開特許公報20
63580）に開示されている。その構成は原理的には前記
西独公開特許公報の構成によく似ているが、その刃物用
可動片の切断線乃至接触線は湾曲している。
この両特許の全内容並びに後述する印刷物の内容は、
本特許の開示の構成要素と見なされる。
フランス公開特許公報2282179に記載の刃物の配置で
は刃物が半径方向に移動し、その切断線は移動方向に対
して約45°の角度をなす。
生産ラインの自動化が進むにつれて、刃物用可動片の
寿命に対する要求がますます厳しくなっている。その場
合絶縁被覆の除去作業はしばしば様々の直径について行
われることを特に考慮する必要がある。上述の公知の刃
物用可動片では、絶縁被覆を除去しようとする電線の直
径が様々であっても、常に刃物の同一の箇所に（少なく
とも一部の）荷重が加わるので、その寿命には限度があ
る。例えば前記西独公開特許公報の第12図、前記スイス
特許の第２図から判るように、刃物を近づけた時も離し
た時も常に刃物の中央の範囲で切断作用が行われ、従っ
てこの中央の範囲は早く磨滅するが周辺の範囲は状況に
もよるが殆ど磨滅を受けない。前記フランス公開特許公
報の場合も同じことが可動片の先端部で起こる。支持用
可動片、心出し用可動片の場合も同様に支持面、心出し
面が『研磨』され、その為暫く使用すると精度が低下す
る。同じことが米国特許1597460に就いても言えるが、
この場合は２個の刃物用可動片しかないため電線を心出
しすることは出来ない。
それ以外にも、例えば米国特許3892145のような回転
自在の刃物を備えた刃物の配置も公知であり、その寿命
は前述の静止型の刃物より優れている。しかし欠点とし
て、従来の配置の場合と異なり、適応し得る直径の範囲
が狭く、特に小さい直径まで近づけることが出来ない。
更にこの種の刃物の配置には他に滑り軸受と状況によっ
ては高価な回転駆動装置とが必要になるので、実用され
るに到らなかった。
西独特許2848445（米国特許4327609）、或いは例えば
ヨーロッパ公開特許公報146397には異なる点を使用する
配置が記載されているが、前述の構造の一部にも見られ
るように、その配置は背中合わせになって二つの平面内
に設けられており、その為電線を切断する場合、軸方向
に見て電線の異なる円周線上を切断することになり、切
り離した際一様な切り口が得られない。寿命を延ばす為
に絶対に必要な研削面を刃物の切れ刃に設けた場合には
特にこの影響が大きい。
「発明の目的」 本発明の目的は、可動片の配置と刃物の切れ刃の寿
命、或いは使用面の寿命を数倍延ばすことにある。
「目的達成の手段と効果」 この目的は、意外にも特許請求の範囲第１項乃至第４
項記載の要件によって充分達成することが出来る。１作
業サイクルでの可動片配置の直径変更（ケーブルの様々
な直径）の頻度にもよるが、本発明の配置の場合、刃物
の寿命、乃至は保持用可動片、心出し用可動片の保持性
能の維持期間を従来の配置に比べて３桁迄も延長するこ
とが出来る。従って、この保持用、心出し用、刃物用可
動片を用いた高精度の切断、保持、心出し作業により、
保全費の節減と故障の減少が達成出来る。一つの配置で
の可動片の数が多い程、第２の角は大きくなるが、90°
の角度では加工範囲の変更が不可能になるので此処まで
大きくは出来ない。０°の角度は可動片が二つだけの場
合で、その第２の直線は第１の直線と平行になる。この
極端な場合にも本発明の効果の一部を達成することも出
来ようが、同時に心出し作用は失われる。
一つの平面内に可動片が配置されていれば、例えば電
線の絶縁被覆を除去する場合ただ１個の円周線に沿って
正確に切断することが出来、従って管状の被覆を電線か
ら引き離す際に、一様なトルク−即ち問題のない切断−
が得られるので、優れた配置である。切れ刃には両面に
研削面を設けることが出来、その為破損の恐れがなくな
る（例えば超硬合金の場合）。
下位クレームには要件として、本発明のその他の効果
のある構成或いは変形の可能性が記載してある。
特許請求の範囲第５項、第６項記載の配置は幾何学的
正確さと製作の容易さがその特色である−全ての可動片
が同じ構成である。
特許請求の範囲第７項記載の配置は、小さい直径から
大きい直径迄非常に広い範囲で使用出来る。可動片の調
節により切断直径又は保持直径の変更は、直線的構成で
は直線的に、湾曲した切断線又は保持面の構成では曲線
関数に準じて行われる。この配置の制御は全ての可動片
に対して同期的である。
米国特許4528741には切断面を一つの平面とする可能
性を示してはあるが（第７図）、これはこの配置では２
個の刃物の配置の場合にのみ可能である。刃物が４個に
なると、並んだ刃物を少なくとも一部重ねなければなら
ないので、この米国特許による実施例では、たとえ刃物
の間隔が或いは数百分の一ミリメートルしかないにして
も、一方の側と他方の側との間に僅かの差異を生ずるこ
とは避けらない。電線の直径が小さい場合、又は絶縁被
覆がよく接着しているか或いは硬いか強靱な場合には、
このような僅かの差異でも既に大きな障害となり、不良
品の原因を作る。
特許請求の範囲第８項及び第９項には、簡単に小型に
形成することが出来、長期の寿命を保証する、遊びの無
い有利な案内機構が記載してある。ここで、特許請求の
範囲第８項記載の制御装置はヨーロッパ公開特許公報19
5932の制御装置に相当し、ここに本発明の範囲が残り無
く開示されていると見なされる。
寿命を延ばし、同時に工具が迅速に交換でき、しかも
高い案内精度を可能にするには、可動片を二つの部品で
構成して１個のボデーを設け、交換可能の保持用、心出
し用又は切断用チップ−好ましくは超硬合金又は焼結材
料製−をこれに取り付ければよい。この場合、可動片に
ロックピンを設け、対象的に取り付けたチップと協働す
るように構成する。
特許請求の範囲第10項記載の刃物用可動片の特徴は、
正確に切り離し線を作り、且つただ一つの円周線に沿っ
て切断を実施する点で、本発明の効果を更に増大する。
これにより、軟質の合成樹脂に切り込みを入れるだけで
なく、例えば硬い編み線（遮へい）や針金（心線）迄も
切断することが出来、刃物の切れ刃の耐久性も向上す
る。
特許請求の範囲第11項には湾曲した接触線を記載した
が、これを凹形に形成すれば大きな直径の工作物を保持
することが出来、又凸形に形成すれば、これに単に旋回
自在の可動片を適用するだけで、お互いに重なることな
く非常に近づけることが可能になる。
ばね荷重によるセルフロッキングにより、一旦選定し
た位置の狂いが防止出来る。このプレストレスの為に心
出し配置又は保持配置の工作物の表面における許容差は
僅かとなり、工作物の表面に加わる作用圧は常に一定と
なる。更に大部分の実施例で、適当な摩擦抵抗を有する
昇り勾配がセルフロッキングの作用を示す。
本発明の応用範囲としては例えばヨーロッパ公開特許
公報195932の装置があり、ここでもセルフロッキングの
効果が開示してある。
特許請求の範囲第12項記載の配置により、多段の絶縁
被覆除去を１工程で行うことが出来る。この配置は全自
動運転への適用が可能である。
本発明は特に絶縁被覆除去装置に就いて説明している
が、これをその他の保持又は切断の作業に応用すること
は勿論可能であり、そのような応用も本発明の範囲に属
する。
「実施例」 以下図面により、本発明の実施例を更に詳細に説明す
る。ここで、 第１図は、４個の保持用可動片と１個の制御装置とを
備えた配置の開いた状態を示す平面図、 第２図は、同じ配置の閉じた状態、 第３図は,3個の保持用可動片を備えた配置の開いた状
態、 第４図は、５個の保持用可動片を備えた配置の開いた
状態、 第５図は、お互いにかみあい接触でない３個の保持用
可動片を備えた配置、 第６図は、切れ刃用可動片の配置の完全に開いた状
態、 第７図は、同ば配置の閉じた状態、 第８図は、旋回自在の切れ刃用可動片を備えた配置の
閉じた状態、 第９図は、同じ配置の開いた状態、 第10図は、湾曲した接触線を有する変形の半ば開いた
状態、 第11図は、前後に配置した刃物用可動片と保持用可動
片との開いた状態の一部切欠き図、 第12図は、第11図のXII-XII断面図、 第13図は、第11図のXIII-XIII断面図、 第14図は、第13図の詳細を示すXIV-XIV断面図、 第15図、第16図は、交換可能の切れ刃チップを備えた
刃物用可動片の概略側面図及び平面図、 第17図は、保持・切断配置に使用する保持用可動片と
刃物用可動片との組み合わせを示す一部断面図、 第18図は、従来の技術の前図に相当する部分の図であ
る。
これらの図面はお互いに関連して記載してある。即
ち、同一番号は同一又は類似の部品を示し、この同一番
号に付した指数（ローマ字）は、異なる実施例、又は同
じ構成グループの同じ部品を示す。
第１図、第２図は、４個の保持用可動片18a-18dを備
えた配置の実施例の開いた状態と閉じた状態で、これら
の可動片はそれぞれ１点鎖線で示した直線1a-1dに沿っ
て移動出来る。この保持用可動片18a-18dはそれぞれ切
欠き9aを備え、ここでお互いに嵌まり合うことが出来
る。又それぞれ接触線5a-5dが利用出来、これで開いた
状態で棒状の工作物22を保持出来る。第２図では、保持
用可動片18a-18dは完全に閉じている。即ちそれぞれの
切欠き9aに嵌まり込み、接触線5a-5dは面積零の面を囲
んでいる。
保持用可動片18a-18dの接触線は直線で、図面の２点
鎖線で示した第２の直線2a-2dに沿って伸びている。各
々の第２の直線2a-2dはそれぞれの第１の直線1a-1dとあ
る一定の角度4a、即ち45°で交わり、隣接した第１の直
線1a-1dはお互いに一定の角度3a、即ち90°をなすが、
隣接していない保持用可動片の第１の直線1a-1dの間の
角度は180°である。
保持用可動片18a-18dは第１図、第２図に示すよう
に、これが同期的に離れて開き、接触線5a-5dの間に連
続的に拡大する面を生ずる。この面の中に、例えば紙面
に直角の方向に長い工作物22aを保持することが出来
る。
この移動の為に、保持用可動片は案内板23のレール10
に滑動自在に支持されている。破線で示した案内ピン11
は保持用可動片18a-18dに固定されていて、この案内ピ
ン11が、円板13に設けられた（同じく破線で示した）渦
巻形の制御みぞ14に嵌まっている。この円板13と制御み
ぞ14とが制御装置12aを構成し、それ自身の軸の回りの
一つの方向の回転により、保持用可動片18a-18dが離
れ、反対方向の回転により、これが近づく。その際案内
ピン11は制御みぞ14の曲がった滑り面上をある一定の摩
擦で滑動し、その時のある一定の進み角に於けるセルフ
ロッキング作用により位置の狂いが防止される。
円板13は、図示していないが、案内板23に回転自在に
支持され、両者は引張ばね21で結ばれている。この引張
ばね21は制御装置12aを、円板13の保持用可動片18a-18d
を閉じる回転方向に引っ張っている。
そこで例えば第１図に示すように、保持用可動片18a-
18dが開く方向に円板13を回転し、工作物22aを接触線5a
-5dの間に挟んでから円板13を放すと、ばね21の力で保
持用可動片18a-18dが閉じる。ばねの力が均一であると
すれば、工作物22aの直径とは関係無く、その表面に均
一な接触圧が働く。こうして、工作物22を破損する恐れ
のあるような大きな圧力が生ずることは無い。
工作物22aが（多くの場合のように）円の外周を有す
る場合には、接触線5a-5dは工作物22の表面のごく僅か
の線状の範囲24a-24dにある。この範囲24a-24dは第１
図、第２図から判るように、常に保持用可動片18の接触
線5a-5dの異なる位置にある。第２図ではこの範囲24a-2
4dは理論的には各接触線5a-5dの起点にあり、それから
この範囲24a-24dが外側に移動することによって、保持
用可動片18a-18dの表面の磨滅が広い範囲に分布するこ
とになり、−保持する外径が平均して変化する限り−あ
る特定の箇所だけが磨滅する現象は殆ど認められない。
第10図も同様な配置を示すが、ただ保持用可動片18m-
18pの接触線5m-5pが湾曲して形成されている。各接触線
5m-5pの起点と終点とは１本の直線で結ぶことが出来、
この直線が前述の第２の直線2a-2d上にある。
接触線が湾曲していると、範囲24m-24pの移動が工作
物22bの接触にとって確かに最適には行われないが、第
１図の保持用可動片18a-18dとその他の点では同じ寸法
の保持用可動片18m-18pがより大きい直径の工作物22bを
保持することが出来る（第１図の18a-18dと22a参照）。
第６図、第７図は刃物用可動片7a-7dの概略図で、こ
れは前述の保持用可動片18a-18dと同様な原理に基づい
て形成されている。勿論この刃物用可動片7a-7dも湾曲
した接触線或いは切断線が利用出来る。この接触線或い
は切断線は5e-5hで示してある。この刃物用可動片7a-7d
の接触線5e-5hに於いても、工作物22cとの切断接触に於
ける範囲24e-24hの移動が容易に認められよう。刃物用
可動片7a-7dの切れ刃が工作物22cの表面に切り込むと、
範囲24f-24f′は自動的に端の方向に移動する（第６図
の破線）。この場合にも、刃物の切れ刃又は接触線5e-5
hの磨滅はある一定の長さの範囲に均一に分布される。
従ってこの種の刃物用可動片7a-7dを使用すれば、例え
ば非常に細い電線の絶縁被覆を除去し又は切断すること
を有利に行える。
最も厳しい要求に対しては、超硬合金のチップ16fを
付けた刃物用可動片7i（第15図、第16図）を利用すれば
よい。この場合の刃物用可動片7iはボデー15bを備え、
これには２個のロックピン19があって、これが切れ刃チ
ップ16fの切欠き20に嵌合する。切れ刃チップ16fはそれ
ぞれ１個のねじ25でボデー15bに固定される。ロックピ
ン19により切れ刃チップ16fは確実に遊びのない位置を
とる。切れ刃チップ16fは旋回チップとして形成されて
いて、従って２個の接触線5i,5kを利用する。先ず接触
線5i又はこの側の刃物の切れ刃が使用され、切れ刃チッ
プ16fが接触線5iの側で磨滅した時は、極めて簡単に迅
速に、単にねじ25を緩めてチップを外し、裏返して再度
固定すればよい。こうして今度は接触線5kの側の切れ刃
が使用される。
それにはロックピン19をねじ25に対して対象に配置す
る必要がある。
第３図乃至第５図は同様に二つの部分からなる可動片
（保持用可動片18e-18g（第３図）,18h-18l（第４図）
と切れ刃用可動片7e-7g（第５図））を示す。これらの
二つの部分からなる可動片には１個のボデー15a（第３
図、第５図）又は15c（第４図）がある。ボデー15aと15
cとの相違は、ボデー15c（第４図）に傾斜面26が設けて
ある点で、この傾斜面26がある為に、第４図の実施例に
よれば５個の可動片18h-18lを重なることなくお互いに
接触させることが出来る。
全ての変形がいずれも同じ原理に基づいているので、
これ以上詳述する必要はあるまい。ただ、交換可能の保
持用可動片は第３図では16aで、第４図では16bで示して
あることを付言する。
第５図の16cは交換可能の切れ刃チップで、−前述の
ように−ボデー15aに固定してある。
上述の実施例では、第５図以外は全て、保持用可動片
18乃至切れ刃用可動片７はお互いに常に接触を保ってい
る。しかし第５図の例は、所要の切断特性又は保持特性
を得る為に、本発明の意味でのこの閉じた接触は必ずし
も必要でないことを示している。この配置の特徴は、特
に部品の数が比較的少なくてすむ点で、従って操作も複
雑でない。更に、旋回式切れ刃チップ16cは、配置によ
っては切れ刃用可動片７を６個取り付けられるような寸
法になっている。
このような配置は図示しなかったが、図の切れ刃用可
動片7e-7gを60°右に回してこの図の上に置いてみれば
容易に想像出来よう。こうすれば、切れ刃用可動片7e-7
gの間の空間は同種の切れ刃用可動片で満たされること
になる。
切断線5l-5nの最も内側の点は、切れ刃用可動片7eで
示したように、右側も左側も同じ量の旋回式切れ刃チッ
プ16cの材料で支持されている。これは旋回式切れ刃チ
ップの旋回に必要であるが、ボデー15aから切断線5l-5n
に力を伝達する点でも有利である。その最も外側の点と
ねじ25とを結ぶ線は第１の直線1e-1gとそれぞれ直角を
なす。
これまでの図面には３個乃至５個の保持用又は刃物用
可動片を示したが、勿論この可動片の数は理論的には何
ら制限が無い。しかし例えば可動片が２個の場合は、切
断される工作物が２面でしか支持されていないので、可
動片から側方に抜け落ちる恐れがあり好ましくない。又
可動片が６個を越えると実際の使用には確かに複雑にな
り、例えば打ち抜き用の型にしか利用出来ない。その際
非常に高い精度を望むのが無理のようであれば、全体の
配置が状況によってはかじるか又は働かなくなり易い。
第８図、第９図の刃物用可動片7m-7pの方式は前記の
実施態様とは大きな違いがあり、刃物用可動片7m-7pの
案内の方法が異なっている。可動片7m-7pはそれぞれ１
個の軸29を中心に旋回出来、案内線又は切断線5r-5uは
半径RKの曲率で外側に湾曲している。この曲率半径は個
々の刃物用可動片7m-7pの最大旋回半径RSの2.2倍の値を
とり、一方最大旋回半径RSは個々の軸29とそれぞれの接
触線又は切断線5r-5uの軸から最も離れた点との間の距
離で規定される。この曲率半径RKの中心は、それぞれの
軸29から1.55 x RSだけ離れて位置する鎖線で示した線3
3上にある。この種の切れ刃用可動片7m-7pは移動型の可
動片に比べて製作費は少ないが（案内レール等が不
要）、例えば回転する可動片の制御の費用は幾らか高く
なる。
第11図に刃物用可動片7e-7hと保持用可動片18o-18rと
の両方を備えた配置を示す。この図には制御方法ははっ
きりとは示していないが、案内ピンが双腕のレバー31,3
2に設けられ、これが保持用又は刃物用可動片のそれぞ
れ２個の突起部34の間に嵌合する（第13図参照）。
保持用可動片18a-18dが工作物を作業位置に保持し又
は心出しし、刃物用可動片7e-7hが第11図の位置で工作
物に深く切り込む。第12図の断面図XII-XIIはこの状況
を示す。刃物用可動片7a-7dの切断線5e-5hはお互いに正
確に向い合っており、従って例えば工作物の絶縁被覆を
除去する場合に同じ引張力が生成する（第17図参照）。
第18図に比較の為、従来の刃物用可動片の配置（70a,70
b）を示したが、その両方の切れ刃は間隔ｘだけずれて
向かい合っている。
第17図の支持研削面8bに就いて補足すれば、この種の
形成は焼結合金製の切れ刃チップの場合に、その破損防
止に特に有用である。更に又例えば工作物22eの遮へい
板も、切れ刃チップの寿命を余り損なうことなく容易に
加工出来る。
更に第12図に、保持用可動片18p,18r用並びに刃物用
可動片7a,7c用の案内板23とボデー15aとを示す。刃物用
可動片7a-7dの切れ刃には研削面8aが設けてある。
第13図は、可動片配置用の制御装置12bの断面図であ
る。双腕のレバー31、32はそれぞれ支持枠36の旋回軸35
に支持されており、レバー31は保持用可動片18u-18r
を、レバー32は切れ刃可動片7a-7dを掴んでいる。制御
はレバー31用のくさび面27とレバー32用のくさび面28と
を介して、押し棒38の送りによって行われる。その場合
レバー31はばね21bによって押されている。このばね21b
の代わりに、レバー31の制御を案内みぞ又はリンクによ
って行えば、レバー31を一方向だけでなくその他の方向
にもばね無しで動かすことが出来る。
くさび面27とそれに結ばれたレバー31とはセルフロッ
キングの作用があり、強い圧力で保持用可動片18o-18r
からレバー31に伝えられても、くさび面27をばね21bの
力に抗して押し戻すことはない。従って保持用可動片18
o-18rの間隔が、設定した所定の値からずれることは決
して起こらない。くさび面28の方は押し棒38で押されて
おり、この棒はばね21と共にスリーブ状の支持部39に収
めてある。この制御装置12bの機構の詳細に就いてはヨ
ーロッパ公開特許公報195932を参照されたい。
第14図は、くさび制御の詳細を示す第13図のXIV-XIV
断面図である。
本発明は前記の図面並びにその説明に限定されるもの
ではない。更に例えば、接触線の進み角を変えることも
出来、又必要に応じて特に保持用可動片或いは心出し用
可動片の表面に刻み目を設けることも出来る。
【図面の簡単な説明】
第１図は、４個の保持用可動片と１個の制御装置とを備
えた配置の開いた状態を示す平面図、 第２図は、同じ配置の閉じた状態、 第３図は、３個の保持用可動片を備えた配置の開いた状
態、 第４図は、５個の保持用可動片を備えた配置の開いた状
態、 第５図は、お互いにかみあい接触でない３個の保持用可
動片を備えた配置、 第６図は、切れ刃用可動片の配置の完全に開いた状態、 第７図は、同じ配置の閉じた状態、 第８図は、旋回自在の切れ刃用可動片を備えた配置の閉
じた状態、 第９図は、同じ配置の開いた状態、 第10図は、湾曲した接触線を有する変形の半ば開いた状
態、 第11図は、前後に配置した刃物用可動片と保持用可動片
との開いた状態の一部切欠き図、 第12図は、第11図のXII-XII断面図、 第13図は、第11図のXIII-XIII断面図、 第14図は、第13図の詳細を示すXIV-XIV断面図、 第15図、第16図は、交換可能の切れ刃チップを備えた刃
物用可動片の概略側面図及び平面図、 第17図は、保持・切断配置に使用する保持用可動片と刃
物用可動片との組み合わせを示す一部断面図、 第18図は、従来の技術の前図に相当する部分の図であ
る。 １……第１の直線、２……第２の直線、３……第１の
角、４……第２の角、５……接触線、７……刃物用可動
片、８……研削面、９……切欠き、10……レール、11…
…案内ピン、12……制御装置、13……円板、14……制御
みぞ、15……ボデー、16……切れ刃チップ、17……刃物
配置、18……保持用可動片、19……ロックピン、20……
切欠き、21……ばね、22……工作物、23……案内板、24
……範囲、25……ねじ、70……従来技術の刃物用可動
片、26……傾斜面、27,28……回転くさび面、29……軸
（旋回点）、31,32……双腕レバー、33……線、34……
突起、35……旋回軸、36……支持枠、38……押し棒、39
……保持部、RS……旋回半径。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】棒状またはケーブル状工作物（22）用の切
    断装置および／または絶縁被覆除去装置に使用する、一
    つの平面内にある少なくとも３個の保持用、心出し用又
    は刃物用可動片（７、18）の配置において、各保持面ま
    たは心出面の一定の線または各刃物の切れ刃の一定の点
    が任意の直径の工作物に付与されるように、すなわちそ
    の工作物と接線的に接するように、また前記可動片の保
    持、心出し、切断面が任意のケーブル状工作物を完全に
    包囲する閉じた保持、心出し、切断領域を形成するよう
    に前記可動片（７、18）の移動が制御されることを特徴
    とする前記配置。
  2. 【請求項２】棒状またはケーブル状工作物（22）用の切
    断装置および／または絶縁被覆除去装置に使用する、一
    つの平面内にある少なくとも３個の保持用、心出し用又
    は刃物用可動片（７、18）の配置において、各保持面ま
    たは心出面の一定の線または各刃物の切れ刃の一定の点
    が任意の直径の工作物に付与されるように、すなわちそ
    の工作物と接線的に接するように前記可動片（７、18）
    の直線的な移動が制御され、前記各可動片はお互いに接
    触していることを特徴とする前記配置。
  3. 【請求項３】棒状またはケーブル状工作物（22）用の切
    断装置および／または絶縁被覆除去装置に使用する、一
    つの平面内にある少なくとも３個の保持用、心出し用又
    は刃物用可動片（７、18）の配置において、各保持面ま
    たは心出面の一定の線または各刃物の切れ刃の一定の点
    が任意の直径の工作物に付与されるように、すなわちそ
    の工作物と接線的に接するように、また前記可動片の保
    持、心出し、切断面が任意のケーブル状工作物を完全に
    包囲する閉じた保持、心出し、切断領域を形成するよう
    に前記可動片（７、18）の移動が制御され、さらに前記
    各可動片はお互いに接触していることを特徴とする前記
    配置。
  4. 【請求項４】本可動片（７、18）は、それぞれ一つの第
    １の直線（１）の方向に移動または旋回自在であり、そ
    の際第１の直線（1a-1c）の位置は、前記移動方向によ
    って、または第１の直線（1a-1c）の位置は、各刃物片
    （7m-7p）の最大旋回半径（RS）への接線（1m-1p）の位
    置によって規定され、前記最大旋回半径（RS）は旋回点
    （29）と各刃物用可動片（7m-7p）の旋回点から最も離
    れた点との間の距離によって決まり、お互いに隣接した
    前記第１の直線（１）はその間に第１の角（３）を形成
    し、その際可動片から見て工作物（22）に対面するよう
    になることが可能な前記刃物の表面を示す線（５）の起
    点と終点によって第２の線（２）が規定されるようにな
    っている前記可動片の配置において、各々の第２の直線
    （２）がそれと関連した前記第１の直線（１）と90°よ
    り小さい第２の角（４）をなし、且つ前記の線（５）を
    工作物（22）に対して接線的に接することが可能となっ
    ている前記特許請求の範囲第１項または第３項に記載の
    配置。
  5. 【請求項５】前記第１の角（３）が、前記可動片（７又
    は18）の数をｎとしたとき、式360/nで規定され、一方
    前記第２の角（４）は、（３）を第１の角とした時、式
    90-1/2×（３）で規定されることを特徴とする、特許請
    求の範囲第３項または第４項記載の配置。
  6. 【請求項６】前記第２の角（４）が30°乃至60°である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第４項または第５項記
    載の配置。
  7. 【請求項７】前記各可動片は切り欠き（9a）を有してい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第１項乃至第６項の
    いずれかに記載の配置。
  8. 【請求項８】前記各可動片（７、18）が双腕のレバー
    （31、32）を備えた回転する制御装置（12b）によりく
    さび面（27、28）を介して制御されていることを特徴と
    する、特許請求の範囲第１項ないし第７項のいずれかに
    記載の配置。
  9. 【請求項９】前記各刃物用可動片（７、18）が一つのレ
    ール（10）によって案内され、これには少なくとも１個
    の案内ピン（11）があって、これが一つの制御装置（12
    a）と協動し、該制御装置は前記案内ピン（11）用の渦
    巻形の制御溝（14）を備えた一個の円板（13）を有する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第１項乃至第８項のい
    ずれかに記載の配置。
  10. 【請求項１０】各刃物用可動片（７）が少なくとも１個
    の研削した面（８）を備え、この際前記各刃物用可動片
    （７）の同じ方向にある該研削面（８）は同じように形
    成されており、且つその際前記各刃物用可動片（７）の
    ２個の研削面（８）の内１個が支持研削面（8b）として
    形成されていることを特徴とする、特許請求の範囲第１
    項乃至第９項のいずれかに記載の配置。
  11. 【請求項１１】前記刃物用可動片（７）の接触線（５）
    が内側（５）又は外側に湾曲して形成されており、その
    際、曲率半径（RK）がRSを最大旋回半径または可動部最
    外部の点とその旋回軸との間の距離とした時、式RK＝2.
    2×RSで規定されることを特徴とする、特許請求の範囲
    第１項乃至第10項のいずれかに記載の配置。
  12. 【請求項１２】それぞれお互いに平行で、工作物の軸方
    向に移動自在に配置されたそれぞれ一つの平面内にある
    可動片（７、18）の少なくとも二つのグループを備えて
    いることを特徴とする、特許請求の範囲第１項乃至第11
    項のいずれかに記載の配置。
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