JP2792807B2 - 溶融金属めっき装置 - Google Patents
溶融金属めっき装置Info
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- JP2792807B2 JP2792807B2 JP9590693A JP9590693A JP2792807B2 JP 2792807 B2 JP2792807 B2 JP 2792807B2 JP 9590693 A JP9590693 A JP 9590693A JP 9590693 A JP9590693 A JP 9590693A JP 2792807 B2 JP2792807 B2 JP 2792807B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は連続溶融金属めっき装置
の改良に関する。
の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】図２（ａ），（ｂ）は、本発明の発明者
等が先に特願平３−１４４２４号および特願平４−２０
７９６８号として特許出願した溶融金属めっき装置を示
す概念図である。これらの図に示すように、溶融金属の
自由表面（６）の近傍に、水平面に対して平行あるいは
傾斜した交流磁場（磁束密度Ｂ）を発生するコイル
（７）を配し、そのコイル（７）の間のギャップにシン
クロール（３）を介してストリップ（１）を通す構造と
なっている。したがって、磁束密度Ｂの上記交流磁場
は、ストリップ（１）の面を横切ることになる。
等が先に特願平３−１４４２４号および特願平４−２０
７９６８号として特許出願した溶融金属めっき装置を示
す概念図である。これらの図に示すように、溶融金属の
自由表面（６）の近傍に、水平面に対して平行あるいは
傾斜した交流磁場（磁束密度Ｂ）を発生するコイル
（７）を配し、そのコイル（７）の間のギャップにシン
クロール（３）を介してストリップ（１）を通す構造と
なっている。したがって、磁束密度Ｂの上記交流磁場
は、ストリップ（１）の面を横切ることになる。
【０００３】図２（ａ）に示された装置においては、水
平方向の交流磁場により、溶融金属の自由表面（６）に
その交流磁場に直交する方向の誘導電流が流れる。そう
すると、溶融金属の自由表面（６）を圧縮する方向、す
なわち、重力と同方向にローレンツ力（電磁力）が作用
し、見掛上、重力加速度を増加させるのと同等の効果が
得られる。したがって、溶融金属の持ち上り量、すなわ
ちめっき厚さを制御（減少）することができる。
平方向の交流磁場により、溶融金属の自由表面（６）に
その交流磁場に直交する方向の誘導電流が流れる。そう
すると、溶融金属の自由表面（６）を圧縮する方向、す
なわち、重力と同方向にローレンツ力（電磁力）が作用
し、見掛上、重力加速度を増加させるのと同等の効果が
得られる。したがって、溶融金属の持ち上り量、すなわ
ちめっき厚さを制御（減少）することができる。
【０００４】また、図２（ｂ）に示された装置において
も、水平面に対して傾斜した交流磁場によって、溶融金
属の自由表面に、その磁場の方向と直交する方向の誘導
電流が流れる。そうすると、それら磁場と誘導電流の両
方に直交する方向、すなわち溶融金属の自由表面を斜め
に圧縮する方向に、ローレンツ力が作用する。そのロー
レンツ力は重力と同じく体積力であるから、見掛け上増
加した重力加速度が溶融金属の自由表面に斜めに作用す
ることとなり、その自由表面は、最終的には水平面に対
して傾斜した交流磁場の方向にほぼ平行な平面となる。
このため、ストリップは溶融金属の自由表面に対して相
対角度を持つことになり、ストリップの裏表の溶融金属
の持ち上り量、すなわちめっき厚さに差をつけることが
できると同時に、見掛け上、重力加速度の大きさを変化
させるのと同等の効果により、めっき厚さを制御するこ
とができる。
も、水平面に対して傾斜した交流磁場によって、溶融金
属の自由表面に、その磁場の方向と直交する方向の誘導
電流が流れる。そうすると、それら磁場と誘導電流の両
方に直交する方向、すなわち溶融金属の自由表面を斜め
に圧縮する方向に、ローレンツ力が作用する。そのロー
レンツ力は重力と同じく体積力であるから、見掛け上増
加した重力加速度が溶融金属の自由表面に斜めに作用す
ることとなり、その自由表面は、最終的には水平面に対
して傾斜した交流磁場の方向にほぼ平行な平面となる。
このため、ストリップは溶融金属の自由表面に対して相
対角度を持つことになり、ストリップの裏表の溶融金属
の持ち上り量、すなわちめっき厚さに差をつけることが
できると同時に、見掛け上、重力加速度の大きさを変化
させるのと同等の効果により、めっき厚さを制御するこ
とができる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の装置におい
て、図２に示されているようにコイル（７）間のギャッ
プ以外の部分にも溶融金属の自由表面（６′）が形成さ
れている場合には、図３に例示するように、ギャップ内
の自由表面（６）に作用する電磁力（ローレンツ力）に
よって、そのギャップ内の自由表面（６）が低下し、許
容される電磁力の大きさに限界が生じる。そしてこれが
めっき厚さの制御範囲を狭めるという問題点があった。
て、図２に示されているようにコイル（７）間のギャッ
プ以外の部分にも溶融金属の自由表面（６′）が形成さ
れている場合には、図３に例示するように、ギャップ内
の自由表面（６）に作用する電磁力（ローレンツ力）に
よって、そのギャップ内の自由表面（６）が低下し、許
容される電磁力の大きさに限界が生じる。そしてこれが
めっき厚さの制御範囲を狭めるという問題点があった。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の課
題を解決するために、溶融金属めっき浴槽のストリップ
出側のめっき液表面近傍にストリップ面を横切る交流磁
場を発生させる手段を設けた溶融金属めっき装置におい
て、上記めっき浴槽のストリップ入側と出側のめっき液
表面のみに自由表面を形成させ、他は密閉するととも
に、ストリップ入側のめっき液表面を押下げる手段を設
けたことを特徴とする溶融金属めっき装置を提案するも
のである。
題を解決するために、溶融金属めっき浴槽のストリップ
出側のめっき液表面近傍にストリップ面を横切る交流磁
場を発生させる手段を設けた溶融金属めっき装置におい
て、上記めっき浴槽のストリップ入側と出側のめっき液
表面のみに自由表面を形成させ、他は密閉するととも
に、ストリップ入側のめっき液表面を押下げる手段を設
けたことを特徴とする溶融金属めっき装置を提案するも
のである。
【０００７】
【作用】本発明においては、ストリップ出側で交流磁場
に基づくローレンツ力によりめっき液表面を押下げる力
は、浴槽の壁の反力およびストリップ入側のめっき液表
面を押下げる力とバランスして相殺される。したがっ
て、ストリップ出側の自由表面が低下することはない。
に基づくローレンツ力によりめっき液表面を押下げる力
は、浴槽の壁の反力およびストリップ入側のめっき液表
面を押下げる力とバランスして相殺される。したがっ
て、ストリップ出側の自由表面が低下することはない。
【０００８】
【実施例】図１は本発明の溶融金属めっき装置の一実施
例を示す概念図である。ストリップ（１）はめっき浴槽
（２）の入側開口部（４）からめっき液中に入り、シン
クロール（３）で方向をかえて出側開口部（５）から出
る。入側開口部にはシールロール（８ａ）および圧縮機
（８ｂ）を有する圧力封入手段（８）が設けられ、その
開口部内の溶融金属（めっき液）面上方の圧力を高め
て、自由表面（６′）を下向きに押下げる。出側開口部
では、ストリップ（１）をはさんでコイル（７）を設
け、それらコイル（７）の間のギャップ内で溶融金属の
自由表面（６）に磁束密度Ｂの水平な交流磁場を発生さ
せる。溶融金属の自由表面（６）はめっき浴槽（２）の
入側開口部（４）および出側開口部（５）に存在するの
みであり、溶融金属の他の部分は浴槽（２）の天井壁に
よって閉ざされている。
例を示す概念図である。ストリップ（１）はめっき浴槽
（２）の入側開口部（４）からめっき液中に入り、シン
クロール（３）で方向をかえて出側開口部（５）から出
る。入側開口部にはシールロール（８ａ）および圧縮機
（８ｂ）を有する圧力封入手段（８）が設けられ、その
開口部内の溶融金属（めっき液）面上方の圧力を高め
て、自由表面（６′）を下向きに押下げる。出側開口部
では、ストリップ（１）をはさんでコイル（７）を設
け、それらコイル（７）の間のギャップ内で溶融金属の
自由表面（６）に磁束密度Ｂの水平な交流磁場を発生さ
せる。溶融金属の自由表面（６）はめっき浴槽（２）の
入側開口部（４）および出側開口部（５）に存在するの
みであり、溶融金属の他の部分は浴槽（２）の天井壁に
よって閉ざされている。
【０００９】コイル（７）によって出側開口部（５）の
溶融金属の自由表面（６）に水平な交流磁束Ｂが作用す
ると、その自由表面（６）では、交流の周波数ｆと溶融
金属の電気伝導度σe および透磁率μから次式で決定さ
れる表皮深さδの厚みの内に、誘導渦電流Ｊが発生し、
結果として電磁力（ローレンツ力）Ｆ＝Ｊ×Ｂが作用す
る。
溶融金属の自由表面（６）に水平な交流磁束Ｂが作用す
ると、その自由表面（６）では、交流の周波数ｆと溶融
金属の電気伝導度σe および透磁率μから次式で決定さ
れる表皮深さδの厚みの内に、誘導渦電流Ｊが発生し、
結果として電磁力（ローレンツ力）Ｆ＝Ｊ×Ｂが作用す
る。
【００１０】δ＝１／√（πμσe ｆ）
【００１１】ローレンツ力は見掛け上、重力加速度ｇと
同等の働きをするので、ストリップ（１）に付着するめ
っき膜厚を制御することができる。この時、溶融金属の
内圧が高まって自由表面を押下げようとするが、この力
は浴槽（２）の天井壁の反力および入側開口部（４）の
自由表面（６′）を圧力封入手段（８）が押下げようと
する力とバランスし、相殺される。
同等の働きをするので、ストリップ（１）に付着するめ
っき膜厚を制御することができる。この時、溶融金属の
内圧が高まって自由表面を押下げようとするが、この力
は浴槽（２）の天井壁の反力および入側開口部（４）の
自由表面（６′）を圧力封入手段（８）が押下げようと
する力とバランスし、相殺される。
【００１２】なお上記実施例では、ストリップ入側のめ
っき液表面を押下げる手段として、シールロール（８
ａ）および圧縮機（８ｂ）を有する圧力封入手段（８）
を用いているが、ストリップ出側と同様に、交流磁場を
発生するコイルを設けて、ローレンツ力により液面を押
下げるようにしてもよい。
っき液表面を押下げる手段として、シールロール（８
ａ）および圧縮機（８ｂ）を有する圧力封入手段（８）
を用いているが、ストリップ出側と同様に、交流磁場を
発生するコイルを設けて、ローレンツ力により液面を押
下げるようにしてもよい。
【００１３】
【発明の効果】本発明においては、ストリップ出口のめ
っき液表面に発生する電磁力による圧力を、浴槽の壁の
反力およびストリップ入側開口部のめっき液表面を押下
げる力によって保持するため、ストリップ出口のめっき
液面は低下しない。このため、コイル電流を自由に変化
させることができるので、めっき膜厚を自由に制御する
ことができる。
っき液表面に発生する電磁力による圧力を、浴槽の壁の
反力およびストリップ入側開口部のめっき液表面を押下
げる力によって保持するため、ストリップ出口のめっき
液面は低下しない。このため、コイル電流を自由に変化
させることができるので、めっき膜厚を自由に制御する
ことができる。
【図１】図１は本発明の溶融金属めっき装置の一実施例
を示す概念図である。
を示す概念図である。
【図２】図２は従来の溶融金属めっき装置を例示する概
念図である。
念図である。
【図３】図３は従来の溶融金属めっき装置における液面
低下を説明する図である。
低下を説明する図である。
（１） ストリップ （２） めっき浴槽 （３） シンクロール （４） めっき浴槽入側開口部 （５） めっき浴槽出側開口部 （６） ストリップ入側開口部めっき液自由表面 （６′） ストリップ出側開口部めっき液自由表面 （７） コイル （８） 圧力封入手段 （８ａ） シールロール （８ｂ） 圧縮機
フロントページの続き (72)発明者 加藤 光雄 広島市西区観音新町四丁目６番22号 三 菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 鶴崎 一也 広島市西区観音新町四丁目６番22号 三 菱重工業株式会社広島研究所内 (56)参考文献 特開 平５−1359（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−254564（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−72063（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) C23C 2/00 - 2/40
Claims (1)
- 【請求項１】 溶融金属めっき浴槽のストリップ出側の
めっき液表面近傍にストリップ面を横切る交流磁場を発
生させる手段を設けた溶融金属めっき装置において、上
記めっき浴槽のストリップ入側と出側のめっき液表面の
みに自由表面を形成させ、他は密閉するとともに、スト
リップ入側のめっき液表面を押下げる手段を設けたこと
を特徴とする溶融金属めっき装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9590693A JP2792807B2 (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 溶融金属めっき装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9590693A JP2792807B2 (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 溶融金属めっき装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06306564A JPH06306564A (ja) | 1994-11-01 |
| JP2792807B2 true JP2792807B2 (ja) | 1998-09-03 |
Family
ID=14150341
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9590693A Expired - Fee Related JP2792807B2 (ja) | 1993-04-22 | 1993-04-22 | 溶融金属めっき装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2792807B2 (ja) |
-
1993
- 1993-04-22 JP JP9590693A patent/JP2792807B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06306564A (ja) | 1994-11-01 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19980512 |
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