JP2792767B2 - 撮像装置 - Google Patents

撮像装置

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JP2792767B2
JP2792767B2 JP3246026A JP24602691A JP2792767B2 JP 2792767 B2 JP2792767 B2 JP 2792767B2 JP 3246026 A JP3246026 A JP 3246026A JP 24602691 A JP24602691 A JP 24602691A JP 2792767 B2 JP2792767 B2 JP 2792767B2
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哲也 村上
健吾 ▲高▲濱
崇 西村
康邦 山根
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Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画面の揺れを解消でき
る撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の撮像装置は、手で持って撮影を行
ったときなどに生じる画面の揺れを解消するために、電
荷結合デバイス(以下、CCDと称する)などの撮像素
子からの映像信号をディジタル映像信号に変換してメモ
リに記憶し、ディジタル映像信号に基づいて動き検出部
により撮像装置の移動速度を検出し、この検出結果を積
分することによって変位ベクトルを算出し、更にハイパ
スフィルタによって低域成分を抑圧して変位補正ベクト
ル(以下、単に補正ベクトルという)を得て、この補正
ベクトルに基づいてメモリから映像信号を読み出すとき
のアドレスを変化させて画面の揺れを補正するように構
成されている。
【0003】通常、暗い場所で撮影を行う場合などに
は、映像信号に含まれるノイズ成分が増加するので、移
動速度の検出誤差が大きくなり、撮像装置を三脚などに
固定しても補正ベクトルがある値を持ってしまうので、
画面が静止しているにもかかわらず補正が行われてしま
い、その結果、画面の揺れが生じてしまう。
【0004】上述の問題を解決する方法としては、補正
ベクトルに不感帯を設ける方法が知られている。
【0005】図8(a)は、従来の撮像装置に用いられ
ている画面の揺れを解消する方法によるしきい領域処理
を表す。図8(a)の横軸は計算後の補正ベクトルx、
縦軸はしきい領域処理後の補正ベクトルx’をそれぞれ
表しており、原点0から正負の方向にそれぞれAだけ離
れたところで強制的に補正ベクトルを0にすることを示
している。図8(a)に示すように、算出された補正ベ
クトルx(横軸)が零を中心に±Aの範囲内にあるとき
は、実際の補正に使用する補正ベクトルx’(縦軸)を
零とし、上記範囲外にあるときは補正ベクトルxからA
を引いたものを補正ベクトルx’とする。
【0006】図8(b)は、速度ベクトルと補正ベクト
ルの関係を示しており、斜線内にある速度ベクトルは出
力させる補正ベクトルを0にすることを示す。
【0007】図8(b)は、図8(a)に示す状態にお
ける速度ベクトルv(横軸)と補正ベクトルx(縦軸)
との関係を位相空間上で表したものであり、点(v,
x)が斜線部内にある場合、補正ベクトルは零に置き換
えられる。このようにすることにより、ノイズなどに伴
う誤差としての補正ベクトルが算出されても、その補正
ベクトルによって補正が行われることがなくなり、不要
な補正による画面の揺れを防止できる。
【0008】上記方法を改良したものとして、不感帯の
幅を速度ベクトルの値によって変化させる方法が知られ
ている。
【0009】図9(a)は、図8(a)と同様に、補正
ベクトルとしきい領域処理後の補正ベクトルを示す。計
算後の補正ベクトルがある値A内にある場合、補正ベク
トルを0と置き換える。
【0010】図9(b)に示すようにAの値は速度ベク
トルの値によって変化する。即ち、速度ベクトルが0の
ときAの値が最大値となる。速度ベクトルが大きくなる
につれ、Aの値は小さくなりやがては0になる。
【0011】図9(c)に速度ベクトルvと補正ベクト
ルxとの関係を示す。速度ベクトルvが0のとき、縦軸
を対象とした実線で囲まれたところが補正ベクトルxが
0になり、速度ベクトルvが小さくなるにつれ縦軸に近
づいてくることを示す。
【0012】図9(a)に示すように、動き検出部で検
出された速度ベクトルv(横軸)の値が小さいときは不
感帯の幅A(縦軸)を大きくし、逆に速度ベクトルの値
が大きいときは不感帯の幅Aを小さくして最終的には零
とする。その結果、補正ベクトルxと補正ベクトルx’
との関係は、図9(b)のようになる。また、位相空間
上では速度ベクトルx’を零とする領域は、図9(c)
に示すように変化する。
【0013】このように、メモリから映像信号を切り出
す位置を示す補正ベクトルが、不感帯領域内にある場合
には、補正ベクトルを強制的に補正範囲の中心値(即
ち、零)に置き換えることにより、撮像装置を固定して
撮影を行うときにノイズなどの影響で速度ベクトルが誤
検出されても、不要な補正が行われることがなくなり、
揺動のない画像が得られる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の撮像装置では、撮像装置が揺動しているときで
も速度ベクトルが零付近の値となる場合が多く、補正が
不十分となったり、画面に不自然な動きが見られること
がある。
【0015】図10(a)及び図10(b)は、速度ベ
クトルxの急変について示したものであり、図10
(a)で示されている速度ベクトルxと補正後の速度ベ
クトルx’との関係が、急に撮像装置が静止した場合
に、図10(b)のようになる。
【0016】即ち、図10(a)ではiであった補正ベ
クトルの値が、図10(b)ではi’となり、「とび」
を生じたように見えることを示す。
【0017】また、図10(a)のグラフは、速度ベク
トルが大きく、不感帯が設定されていない場合の補正ベ
クトルxと補正ベクトルx’との関係を示し、一方、図
10(b)は速度ベクトルが小さくかつ不感帯が設定さ
れている場合を示す。
【0018】撮像装置の揺動が大きく、図10(a)で
補正ベクトルxの値がiであり、次の瞬間撮像装置の揺
動が止まり、図10(b)のように不感帯が設定された
とすると、補正ベクトルx’はiから零(i′)に変化
する。
【0019】従って、上述した従来の撮像装置では、速
度ベクトルの変化が大きいときには、更に速度変化が大
きくなるように補正が行われて補正画像が急激に移動す
るという問題点がある。
【0020】本発明は、上述した従来の撮像装置におけ
る問題点に鑑み、速度ベクトルの大きさによらず十分な
動き補正が行われ、かつ揺動状態から静止状態に移行し
たとき画像の急激な移動が生じない撮像装置を提供す
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の撮像装
置は、手振れ量を速度ベクトルとして検出し画像の位置
補正を行う撮像装置において、上記速度ベクトルを積分
し、その低周波成分を抑圧して変位に対する補正ベクト
ルを生成する補正ベクトル生成手段と、上記補正ベクト
ルを一定時間遅延させて遅延補正ベクトルを出力する遅
延手段と、上記速度ベクトル及び上記遅延補正ベクトル
の値が共にそれぞれの所定の範囲内にあるか否かにより
静止状態か否かを判定し、該静止状態と判定したときに
上記補正ベクトル生成手段に入力される速度ベクトルの
値を零とする判定手段と、上記補正ベクトルに基づいて
画像メモリから画像信号を読み出す際の切り出し位置を
決定して該読み出した画像信号を所定倍率で拡大補間し
て動き補正された画像信号を出力する制御手段とを備え
たことを特徴とする。請求項に記載の撮像装置は、請
求項1に記載の撮像装置において、上記補正ベクトル生
成手段は、速度ベクトルを積分して原補正ベクトルを生
成する積分手段と、該原補正ベクトルに基づいて低周波
成分を抑圧して補正ベクトルを得るハイパスフィルタ手
段とから構成されていることを特徴とする。請求項
記載の撮像装置は、請求項1に記載の撮像装置におい
て、上記判定手段は、上記遅延補正ベクトルの絶対値を
得る第1の絶対値算出手段と、上記遅延補正ベクトルの
絶対値と第1のしきい値とを比較する補正ベクトル比較
手段と、速度ベクトルの絶対値を得る第2の絶対値算出
手段と、速度ベクトルの絶対値と第2のしきい値とを比
較する速度ベクトル比較手段とを有し、上記遅延補正ベ
クトルの絶対値が上記第1のしきい値以下でありかつ速
度ベクトルの絶対値が上記第2のしきい値以下であると
きに上記補正ベクトル生成手段に入力される速度ベクト
ルの値を零にすることを特徴とする。
【0022】
【作用】補正ベクトル生成手段は手振れ量として検出さ
れた速度ベクトルを積分し、その低周波成分を抑圧して
変位に対する補正ベクトルを生成し、遅延手段は上記補
正ベクトルを一定時間遅延させて遅延補正ベクトルを出
力し、判定手段は上記速度ベクトル及び上記遅延補正ベ
クトルの値が共にそれぞれの所定の範囲内にあるか否か
により静止状態か否かを判定し、該静止状態と判定した
ときに上記補正ベクトル生成手段に入力される速度ベク
トルの値を零とし、制御手段は上記補正ベクトルに基づ
いて画像メモリから画像信号を読み出す際の切り出し位
置を決定して該読み出した画像信号を所定倍率で拡大補
間して動き補正された画像信号を出力する。これによ
り、速度ベクトルの大きさによらず十分な動き補正が行
われ、撮像装置が揺動状態から静止状態に移行しても十
分な動き補正ができる。また、ハイパスフィルタ手段に
より撮像装置が揺動状態から静止状態に移行しても、よ
り滑らかな動き補正の制御が可能となる。さらに、第
1,第2の絶対値算出手段、補正ベクトル比較手段、速
度ベクトル比較手段とを設け、各比較手段の比較結果に
基づいて速度ベクトルを制御するので、小規模な回路構
成で位相空間の判定ができる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の撮像装置にお
ける実施例を詳述する。
【0024】図1は、本発明の撮像装置の主要部を構成
する計算部10の一実施例の構成を示す。
【0025】図1の計算部10は、制御手段であるスイッ
チ11、補正ベクトル生成手段である積分部12及びハイパ
スフィルタ(H.P.F)部13、遅延手段である1フィ
ールド遅延部14及び判定手段である静止判定部15によっ
て構成されている。
【0026】図2は、図1の計算部10を備えた撮像装置
の一構成例を示す。
【0027】図2の撮像装置は、電荷結合デバイス(C
CD)受光素子16、アナログ/ディジタル(A/D)変
換器17、動き検出部18、計算部10、フィ−ルドメモリ19
及び補間拡大部20によって構成されている。
【0028】まず、図2の各構成部分を説明する。
【0029】CCD受光素子16は、レンズを通じて入力
された被写体からの光を電気信号に変換して映像信号と
して出力する。
【0030】A/D変換器17は、CCD受光素子16から
の映像信号をディジタル変換する。
【0031】動き検出部18は、A/D変換器17が出力す
るディジタル映像信号のうちの輝度信号を受け取り、連
続する2枚の画像の輝度信号から、ある画像が1枚前の
画像に対してどの方向にどれだけ動いたかを表す速度ベ
クトルを求める。ここで用いられる速度ベクトルを求め
る方法としては、フィールド間やフレーム間のように一
定の時間ごとに速度ベクトルが求められるものであれば
よく、勾配法、マッチング法、位相相関法などを用いる
ことができる。本実施例ではマッチング法を用いてフィ
ールド間で速度ベクトルを求めるように構成されてい
る。
【0032】計算部10は、動き検出部18からの速度ベク
トルを積分することによって変位ベクトルを求め、更に
その低域成分をハイパスフィルタで抑圧して補正ベクト
ルを求める。低域成分を抑圧するのは、補正ベクトルを
補正範囲の中心に戻すようにするためである。
【0033】フィ−ルドメモリ19は、A/D変換器17か
らディジタル映像信号を受け取って記憶する補間拡大部
20は、計算部10で求めた補正ベクトルに基づいて、フィ
−ルドメモリ19から映像信号を読み出す場合の切り出し
位置を決め、フィ−ルドメモリ19から読み出した映像信
号に対して一定の倍率による画像の拡大補間処理を行っ
て、画像の動き補正が行われた映像信号を出力する。
【0034】次に、図1の計算部10を詳述する。
【0035】計算部10を構成するスイッチ11は、動き検
出部18からの速度ベクトルを用いるか、または、速度ベ
クトルを零とするかを切り替える。
【0036】積分部12は、スイッチ11からの速度ベクト
ルを積分する。
【0037】H.P.F部13は、速度ベクトルの積分値
の低域成分を抑圧して補正ベクトルを得る。
【0038】1フィールド遅延部(以下、遅延部と称す
る)14は、H.P.F部13からの補正ベクトルを1フィ
ールド分だけ遅延させて静止判定部15に出力する。
【0039】静止判定部15は、遅延部14からの補正ベク
トルと、動き検出部18からの速度ベクトルとを受け取っ
てスイッチ11の切り替えを行う。即ち、補正ベクトルの
値が所定の範囲内にあり、かつ速度ベクトルの値が所定
の範囲内に内にある場合には、撮像装置は静止している
と判定し、スイッチ11を端子11b 側に接続して速度ベク
トルを零とするように切り替えさせる。他方、補正ベク
トル及び速度ベクトルの値が共にそれぞれの所定の範囲
外にある場合には、撮像装置は揺動していると判定し、
スイッチ11を端子11a 側に接続して、速度ベクトルを積
分部12に入力させる。
【0040】図3は、図1の計算部10の具体的なハ−ド
構成例を示す。
【0041】図3の計算部10は、セレクタ21、加算器2
2、フリップフロップ23,24、乗算器27、比較器28,2
9、NOR論理回路素子30及び絶対値器31,32によって
構成されている。
【0042】速度ベクトル(l(エル)ビット)がセレ
クタ21の端子Aに入力され、入力された速度ベクトル
を後の処理に用いるか、速度ベクトルを“0”として用
いるかの切り替えを行う。切り替えの判定については後
述する。
【0043】セレクタ21の端子Yからの出力データ
は、加算器22の端子Aに入力され、加算器22の端子
Bには1フィールド前に求めた速度ベクトルのm/n
(通常n= 、m=n−1)倍の値が入力される。加
算器22は、今求めた速度ベクトル(もしくは“0”)
と前フィールドで求めた速度ベクトルのm/nの値を加
算して端子Sから(l+p)ビットのデータを出力す
る。
【0044】加算器22の端子Sからの出力は、下位p
ビットが切捨てられ上位lビットが補正ベクトルXn
して出力されると共に、フリップフロップ23の端子D
に入力されて、端子INに入力された垂直同期信号(V
D)のタイミングで端子Qから出力される。
【0045】フリップフロップ23の端子Qから出力さ
れた補正ベクトルYnは、乗算器27に入力されてm/
n倍に乗算される。通常n= であるので、乗算器2
7ではm倍された(1+2p)ビットのデータの下位p
ビットを切捨て上位(n+p)ビットを出力している。
【0046】乗算器27から出力された補正ベクトルは再
び加算器22に入力されて次のフィ−ルドで求められる速
度ベクトルと加算される。
【0047】また、加算器22からの出力の上位lビッ
トである補正ベクトルXnは、絶対値器31で絶対値が
求められ、比較器28の端子Bに入力されて、端子Aに
入力されたしきい値bと比較される。比較器28は、補
正ベクトルがb以下であれば端子AGBから“0”を出
力する。
【0048】また、入力される速度ベクトルは、絶対値
器32で絶対値が求められ、比較器29の端子Bに入力され
て、端子Aから入力されたしきい値aと比較される。比
較器29は、速度ベクトルがa以下であれば端子AGBか
ら“0”を出力する。
【0049】比較器28からの出力及び比較器29からの出
力は、それぞれNOR論理回路素子30に入力されて両方
の出力が共に“0”のときには、フリップフロップ24に
“1”を出力する。フリップフロップ24は、端子DにN
OR論理回路素子30からの出力を入力して端子CKに入
力された垂直同期信号(VD)のタイミングで端子Qか
ら“1”を出力する。フリップフロップ24の端子Qから
出力された“1”は、セレクタ21の端子Sに入力され
て、A端子から入力される速度ベクトルは無視されて強
制的に速度ベクトルが端子Bから入力された“0”にな
り、セレクタ21は端子Yより“0”を出力する。
【0050】図4は、位相空間における不感帯領域の概
念図であり、縦軸に速度ベクトル、横軸に補正ベクトル
を示す。aの値は速度ベクトルに対するしきい(値)領
域幅であり、bの値は補正ベクトルに対するしきい領域
幅であり、図に示すように実際には2倍の幅がある。速
度ベクトルと1フィールド前の補正ベクトルとの値が点
線で囲まれた範囲にあると撮像装置が静止していると判
断し、また、それ以外であると撮像装置が動いていると
判断する。図4は、それらの判定基準を示した図であ
る。
【0051】図4に示す位相空間において、補正ベクト
ルx(横軸)と速度ベクトルv(縦軸)によって決る点
(x,v)が、補正ベクトルのしきい値と速度ベクト
ルのしきい値によって設定される点線で囲まれた長方
形領域内にある場合には、静止判定部15(図1参照)
は、撮像装置が静止していると判定し、他方、長方形領
域外にあるときは、撮像装置が揺動していると判定す
る。
【0052】そして、上述のようにスイッチ11(図1参
照)を切り替える。静止判定部15の上述したような制御
により撮像装置が動揺している場合、速度ベクトルは、
積分部12(図1参照)に入力され、補正ベクトルがH.
P.F部13(図1参照)から出力され、逆に撮像装置が
静止している場合には、積分部13には値が零の速度ベク
トルが与えられることになるので、積分部12が出力する
変位ベクトルの値は変化しなくなり、その結果、H.
P.F部13が出力する補正ベクトルの値はしだいに小さ
くなり最終的に零となる。
【0053】計算部10における上述のような処理を式で
表すと次式のようになる。
【0054】
【数1】 (|v|≦a かつ |x|≦b) ならば x=0
【0055】次に、図5のフロ−チャ−トを参照して図
1の撮像装置の動作を説明する。
【0056】撮像素子16から映像信号が出力されると、
A/D変換器17はその映像信号をディジタル変換してデ
ィジタル映像信号を出力する。そして輝度信号及び色信
号を含む映像信号は、フィ−ルドメモリ19に格納され、
他方、輝度信号は動き検出部18に与えられる。
【0057】動き検出部18は、A/D変換器17から
輝度信号を受け取り、連続する2枚の画像の輝度信号か
ら、ある画像が1枚前の画像に対してどの方向にどれだ
け動いたかを表す速度ベクトルを求めて計算部10に出
力する(ステップS1)。
【0058】計算部10は、動き検出部18から速度ベ
クトルが与えられると、静止判定部15が、動き検出部
18からの速度ベクトルと遅延部14からの1つ前のフ
ィールドの補正ベクトル n−1 とに基づいて撮像装置
が揺動しているかまたは静止しているかを判定する(ス
テップS2)。上記ステップS2で、補正ベクトルの値
が所定の範囲内にあり、かつ速度ベクトルの値が所定の
範囲内に内にある場合には、撮像装置が静止していると
判定し、スイッチ11を端子11b側に接続して、速度
ベクトルを零とするように切り替える(ステップS
3)。
【0059】他方、補正ベクトル及び速度ベクトルの値
が共にそれぞれの所定の範囲外にある場合には、撮像装
置が揺動していると判定し、スイッチ11を端子11a 側に
接続して速度ベクトルを積分部12に入力する(ステップ
S4)。
【0060】積分部12は、スイッチ11から速度ベク
トルが与えられると、その値が零であるか否かにかかわ
らず速度ベクトルを積分して変位ベクトルを求め(ステ
ップS5)、H.P.F部13はその変位ベクトルに含
まれる低域成分を抑圧し(ステップS6)、補正ベクト
として出力する(ステップS7)。
【0061】補間拡大部20は、計算部10から補正ベクト
ルを受け取ると、その値に基づいてフィールドメモリ19
から映像信号を読み出す。
【0062】図6は、図6(a)及び図6(b)により
構成されており、フィールドメモリ19からどのように映
像信号が読み出されるかを概念的に示す。
【0063】図6(a)に示す実線で囲まれた領域がフ
ィールドメモリ19に格納された映像信号が表す画像全体
であり、点線で囲まれた領域がフィールドメモリ19から
取り出される画像部分である。即ち、補間拡大部20は、
計算部10から与えられた補正ベクトルによって決る点P
を読み出す画像の左上の位置(即ち、画像の切り出し位
置)として、点線で囲まれた領域の画像の映像信号をフ
ィールドメモリ19から読み出す。
【0064】補間拡大部20は、読み出した映像信号に対
して、画像が図6(b)のように拡大されるように画像
の拡大補間処理を行ってその結果を動き補正後の映像信
号として出力する。なお、点Pの取り得る値は、フィー
ルドメモリ19全体から読み出す映像信号が表す画像の大
きさによって変る。画像の水平方向の長さをX、垂直方
向の長さをY、切り出す画像の水平方向の長さをx、垂
直方向の長さをyとすると、点Pの取り得る値は、水平
方向(X−x)、垂直方法(Y−y)の範囲となる。ま
た、拡大率は水平方向ではX/x、垂直方向ではY/y
となる。
【0065】動き検出部18は、各フィールドごとに速度
ベクトルを求め、計算部10はそれに応じて補正ベクトル
を補間拡大部20に出力する。その結果、撮像装置の不要
な揺れに対して補正がかけられ、揺れのない補正画像が
得られる。そして、この撮像装置では、速度ベクトルの
値が所定の範囲内にあり、かつ補正ベクトルの値が所定
の範囲内にある場合には、撮像装置は静止していると判
定され、補正ベクトルの値は零とされる。従って、動き
検出部18がノイズなどの影響で誤検出を行い、撮像装置
が静止しているにもかかわらずある値の速度ベクトルを
出力した場合でも、計算部10が出力する補正ベクトルの
値は零であるから、誤った動き補正は行われない。ま
た、この撮像装置では、従来のように速度ベクトルの値
に応じて不感帯の幅は変化させないので、揺動していた
撮像装置が静止状態となったとき、補正画像が急激に移
動するといったことがない。
【0066】図7は、撮像装置を揺動させたときの速度
ベクトルと補正ベクトルとで表される位相空間上に本方
式と従来の方式との比較を表したものであり、従来の方
式であると縦軸の補正ベクトルを中心にAだけ離れた範
囲に速度ベクトルがあると補正結果(補正ベクトル値)
がゲイン不足になることを示す。即ち、撮像装置の揺動
【0067】
【数2】 x=Bsin(t)…(1) v=Bcos(t)…(2) (ただし、Bは不感帯幅Aより十分に大きい)
【0068】によって表される場合、図7に示すよう
に、最終的に得られる補正ベクトルは破線で示すように
|v|<Aの領域で補正ベクトルxの値が小さくなり、
補正ゲイン不足を生じて十分な補正が行われない。
【0069】撮像装置の揺動が既述した式(1),
(2)で表されるような場合でも、補正ベクトルxは、
図7に実線で示すようになり、|v|<Aの領域で従来
のように補正ゲイン不足を生じることがない。即ち、揺
動していた撮像装置が急に静止状態になった場合、速度
ベクトルの値は所定の領域内に入るが、補正ベクトルの
値は所定の領域外にあるため、通常どうりの十分な補正
効果が得られる。
【0070】なお、上述した実施例では動き検出部18
は、2枚の画像間の相関に基づいて速度ベクトルを求め
るとしたが、角速度センサを用いて速度ベクトルを求め
ることも可能である。即ち、撮像装置本体に角速度セン
サを取り付け、その出力を速度ベクトルとして用いる。
その場合には、角速度センサによる動き検出部にはA/
D変換器17が出力する映像信号に含まれる同期信号を与
え、それに同期して速度ベクトルを出力させる。また、
動き検出部18の場合には、暗い場所で撮影する場合のノ
イズなどにより誤検出が生じたが、角速度センサを用い
た場合にはズーム倍率を高くしてノイズの影響が大きく
なったときなどに誤検出が発生する。
【0071】
【発明の効果】本発明の撮像装置によれば、撮像装置が
静止しているにもかかわらず、ある値の速度ベクトルを
出力した場合でも、速度ベクトル及び遅延補正ベクトル
の値がそれぞれ所定の範囲内にあるかぎり、撮像手段は
静止していると判定され、誤った動き補正は行われな
い。また、速度ベクトルの値に応じて不感帯の幅が変化
しないので、揺動していた撮像装置が静止状態となった
とき、補正画像が急激に移動するといったことがない。
更に、揺動していた撮像装置が急に静止状態となったと
き、速度ベクトルの値は所定の範囲内に入るが、遅延
正ベクトルの値は所定の範囲外にあるため、通常どおり
の補正量で補正が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撮像装置の主要部である計算部におけ
る一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の計算部を備えている撮像装置の一実施例
の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の計算部の具体的な一構成例を示す図であ
る。
【図4】図2の撮像装置において撮像装置が静止してい
るか否かをどのように判定するかを説明するための図で
ある。
【図5】図2の撮像装置の動作を説明するためのフロ−
チャ−トである。
【図6】図2の撮像装置を構成するフィールドメモリ部
からの映像信号の読出しを説明するための図である。
【図7】図2の撮像装置と従来の撮像装置を比較して説
明するための図である。
【図8】従来の撮像装置に用いられている誤った動き補
正を防止する方法の一例を説明するための図である。
【図9】従来の撮像装置に用いられている誤った動き補
正を防止するための方法の他の例を説明するための図で
ある。
【図10】図9の従来の方法を用いた場合の問題点を説
明するためのグラフである。
【符号の説明】
10 計算部 11 スイッチ 12 積分部 13 H.P.F部 14 1フィールド遅延部 15 静止判定部 16 CCD撮像素子 17 A/D変換器 18 動き検出部 19 フィールドメモリ 20 補間拡大部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 康邦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−216079(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 5/232

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手振れ量を速度ベクトルとして検出し
    像の位置補正を行う撮像装置において、 上記速度ベクトルを積分し、その低周波成分を抑圧して
    変位に対する補正ベクトルを生成する補正ベクトル生成
    手段と、上記補正ベクトルを一定時間遅延させて遅延補
    正ベクトルを出力する遅延手段と、上記速度ベクトル及
    び上記遅延補正ベクトルの値が共にそれぞれの所定の範
    囲内にあるか否かにより静止状態か否かを判定し、該静
    止状態と判定したときに上記補正ベクトル生成手段に入
    力される速度ベクトルの値を零とする判定手段と、上記
    補正ベクトルに基づいて画像メモリから画像信号を読み
    出す際の切り出し位置を決定して該読み出した画像信号
    を所定倍率で拡大補間して動き補正された画像信号を出
    する制御手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 【請求項2】 上記補正ベクトル生成手段は、速度ベク
    トルを積分して原補正ベクトルを生成する積分手段と、
    該原補正ベクトルに基づいて低周波成分を抑圧して補正
    ベクトルを得るハイパスフィルタ手段とから構成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 【請求項3】 上記判定手段は、上記遅延補正ベクトル
    の絶対値を得る第1の絶対値算出手段と、上記遅延補正
    ベクトルの絶対値と第1のしきい値とを比較する補正ベ
    クトル比較手段と、速度ベクトルの絶対値を得る第2の
    絶対値算出手段と、速度ベクトルの絶対値と第2のしき
    い値とを比較する速度ベクトル比較手段とを有し、上記
    遅延補正ベクトルの絶対値が上記第1のしきい値以下で
    ありかつ速度ベクトルの絶対値が上記第2のしきい値以
    下であるときに上記補正ベクトル生成手段に入力される
    速度ベクトルの値を零にすることを特徴とする請求項
    記載の撮像装置。
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