JP2791777B2 - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP2791777B2
JP2791777B2 JP63252693A JP25269388A JP2791777B2 JP 2791777 B2 JP2791777 B2 JP 2791777B2 JP 63252693 A JP63252693 A JP 63252693A JP 25269388 A JP25269388 A JP 25269388A JP 2791777 B2 JP2791777 B2 JP 2791777B2
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敏郎 藤森
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、像形成体特に電子写真式画像形成装置に供
される像形成体上の潜像の現像に適用される現像装置に
関するものである。
〔発明の背景〕
1成分又は2成分現像剤を用いての電子写真式画像形
成装置においては、良好な画像を得るために、現像剤担
持体(現像スリーブともいう)上の現像剤の層厚を薄
く、しかも均一にすることが必要である。
従来、古くから用いられる固定規制板により層厚の規
制がなされていたが、現像剤担持体と固定規制板との機
械的取付精度等にも限界があって層厚として0.3mm程度
が下限となっている。しかもこの方法では均一でムラの
ない薄層を得ることは困難であった。然して均一な薄層
を得る目的に添ったものとして固定規制板以外の現像剤
層厚規制装置が種々考案されている。例えば、 (a)特開昭54−43038号公報記載の現像剤層形成装置
は、1成分トナーを用いる場合に現像剤担持体に、一方
に自由端を有する板状の弾性体よりなる現像剤の層厚規
制部材を撓ませて押圧させるものであり、 (b)特開昭54−51848号公報記載の現像剤層形成装置
は金属バネと軟弾性体とを重ね合せた板状弾性体を用
い、軟弾性体の板状腹部を現像剤担持体に押圧すること
により1成分現像剤の層厚を規制するものである。
(c)特開昭59−126567号、59−129879号公報等に記載
の現像剤層形成装置は、やはり1成分系現像剤を用いる
現像装置において、現像剤担持体と間欠的或は連続的に
回転する弾性ローラを押圧せしめ両者の間のニップによ
り現像剤の層厚を規制するものである。
(d)特公昭60−12627号公報記載の現像剤層形成装置
は、1成分現像剤を用いる現像装置において、弾性体よ
り成る現像剤担持体に回転ローラを接触せしめて現像剤
の層厚を規制するものである。
(e)これらを2成分現像剤に用いるべく改良されたも
のとして特開昭62−191868号及び特開昭62−191869号公
報等に、非接触現像に適した現像スリーブ上に薄層の現
像剤層を形成する技術手段が開示されている。
これは、支持部材に支持された弾性板の先端を、現像
スリーブ上の現像剤の移動の上流方向に向け、かつその
弾性板を上記現像スリーブ上に押圧させ、これによって
上記現像スリーブ上に付着、搬送される磁性キャリアと
トナーとを含む現像剤の層厚を規制することによって、
現像剤層厚を従来の規制手段に比べて高精度で薄層に容
易に設定可能としたものである。
(f)又同じく2成分現像剤を使用するもので特開昭61
−189582号、同62−75563号公報等に記載の現像装置で
は、固体板状層厚規制部材を設けその背面に磁性体を配
置し、現像剤担持体内に設けた固定磁石体の吸引力によ
って間接的に規制板の腹部或は折曲げエッジ部等を押圧
させてその層厚を規制しようとするものなどが開示され
ている。
〔発明が解決しようする問題点〕
上記従来提案されている如き各現像剤層形成装置の欠
点としてはそれぞれ下記のようなことがある。(a)、
(b)装置共に、弾性体からなる層厚規制部材を撓ませ
て発生する押圧力を利用しているため、その押圧力は現
像剤担持体の回転速度、圧接位置及び現像剤層厚等の変
動により変化し易く、また振動し易く、しかもその振動
を抑制する手段が講じられていないため、画像形成装置
内で発生した振動に共振して振動するようになり、この
ため均一な厚さの現像剤層を得ることが困難になるとい
う問題点がある。又、特に(b)装置において、軟弾性
体にて押圧するためその傾向が著しく現われるが、更に
当接部(ニップ)の幾何学的形状が現像剤担持体の回転
速度、圧接位置及び現像剤層厚等の変動により摂動を受
け易く、当該ニップの面積が変化する。従って、現像剤
層の厚みにムラができ易くなると言う問題を生じる、こ
の様な不都合の他、ニップを形成する一方又は両方を軟
弾性体で構成した場合はさらにニップの現像剤による目
詰まりと(軟)弾性体の摩耗による経時的変動が生じる
不都合がある。これらの不都合は特に磁性材料や流動化
剤などの硬物質を含む現像剤の場合に起き易い。また
(c)の装置では(a)よりさらに安定した均一な薄い
層を得ることが出来るが回転体による層厚規制手段によ
るため現像剤の凝集した粒子を解きほぐす或は凝集した
粒子を排除する能力等においてその性能は劣り、ニップ
部に凝集した粒子の塊りが挟持され、回転体の回転に伴
ってスルーしてしまうと言った現象を生じ、間欠回転に
よっても必ずしも満足される性能が得られず、画像汚れ
や黒点等を生じ画質低下を来たすものである。また圧力
バランスを取るため回転機構、圧接機構等が複雑なもの
になっていた。
また、(a)〜(d)のいずれかの装置も層厚規制部
材の押圧面積が比較的大きくニップ部に送り込まれる現
像剤量が時々刻々変動する通常の現像装置にあっては、
このような変動を反映して、時々刻々変化する現像剤層
厚を与えてしまうと言う欠点がある。
(c)、(d)は非磁性一成分現像剤に好適な、現像
剤担持体が弾性を有し、これに現像剤層厚規制部材を押
し当て、現像剤の薄層を形成する技術であり、現像剤担
持体が永久変形したり、現像剤層厚規制部材の弾性率
が、長期の使用で変化しやすく、安定な層形成が出来得
ない。
二成分用に開発された(e)においても長期の使用で
は充分な特性を保持できない。
さらに、(a)、(b)、(e)及び(f)において
は剛性を有する現像剤担持体(金属スリーブ)に弾性現
像剤層厚規制板を押圧し薄層形成を行うものであって、
長期的使用時に弾性板の弾性率変化や、永久変形を生じ
やすく、層厚規制部材としての耐久性が短いという欠点
を有していた。しかも弾性板の取付に際し、その位置が
わずかに変化すると、先端あそび量や、押圧力が変化し
て安定な層厚規制が出来にくい。このため、量産時には
取付精度がきわめて厳しいという重大な欠点も持ってい
る。
又特に(f)においては現像剤層厚規制部材の背面及
び現像剤担持体の内部に配置された磁石相互によるトナ
ー凝集の解きほぐし等の効果はやや働くものの、固体板
状規制部材を介しての吸引力を利用するため、両磁石間
の距離が大きくなる程急激にその吸引力が下がるなど、
距離変動による押圧変動をひろい易く、現像剤層への押
圧効果が安定して均一とならずトナー或は現像剤の凝集
物がスルーしてしまったり又逆に一定した層厚が得られ
ず、目ヅマリを生じ画質に白スジを引き起すなどの悪影
響を及ぼすと云う欠点を有する。
本発明は、これらの点を解決して良好な画像を安定し
て形成するべき、現像剤担持体上の現像剤の層厚を均一
にして安定に形成し、凝集した現像剤やトナーが現像領
域に移動することを防止し得るようにした現像装置を提
供することを目的とし、特にまた長期使用によっても現
像特性の低下することのない現像装置を提供することを
目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は固定された磁石体と、内部に該磁石体を有
し、表面上に現像剤を担持する剛性を有する現像剤担持
体と、該磁石体に対向して該担持体に押圧され、該担持
体に担持された現像剤の量を規制する棒状の現像剤量規
制体とを有し、該規制体の該担持体との押圧部が剛性か
つ磁性を有する材料で曲率半径が0.5〜15mmであると共
に、該規制体の押圧部の表面粗さは現像剤担持体の表面
粗さと同程度の少なくとも1Sよりも粗である粗面をもっ
て形成されていることを特徴とする現像装置によって達
成される。
〔問題点を解決するための手段の説明〕
本発明は剛性を有する現像剤担持体に同様に剛性を有
する棒状の磁性部材を現像剤量規制体として押圧するこ
とにより安定した薄層を形成することができた。
本発明において、剛性を有するとは、大きな剛性率を
有することをいい、すなわち剛性率104kg/cm2以上のも
のをいい、具体的には(0.8〜1.6)×106kg/cm2程度の
剛性率を有する鉄、及びその合金類を始めとする各種磁
性金属類、及び磁性粉を含有した(1.0〜10)×104kg/c
m2程度の剛性率を有する硬質樹脂についても本発明の現
像剤量規制体として用いられる。またクロム等のメッキ
を施した鉄及び鉄合金も用いられる。
又、磁性を有するとは、磁石に引きつけられる性質が
あることをいう。
本発明者らは、下記の如き実験を行った。
第1図のような実験装置を用いて、磁性及び非磁性の
円柱棒50による層形成を行なった。即ち、複数の磁極を
有したマグネットローラ4を固定し、その外側を現像ス
リーブ3を矢示方向に回転させた。この現像スリーブ3
にバネバカリを用いて円柱棒50を押圧した。円柱棒50の
押圧位置はマグネットローラ4の磁極に対向する位置と
した。パラメータを円柱棒50の押圧力及び円柱棒の径と
したところ搬送量について第2図のようなグラフが得ら
れた。ここで押圧力とは非磁性円柱棒の場合はバネバカ
リの荷重Fと円柱棒の自重を加算したものであり、磁性
円柱棒の場合は更に磁力による吸引力を加算したもので
ある。図において実線で示したカーブは磁性円柱棒、鎖
線で示したカーブは非磁性円柱棒の場合を示している。
図から明らかなように現像剤の搬送量は円柱棒50とスリ
ーブ3とが形成されるくさび形の部分にはいり込む現像
剤が円柱棒におよぼす力と、バネ又はバネと磁力等によ
り押圧された円柱棒のスリーブ方向への力とのバランス
により決定されることを示す。また磁性円柱棒の場合は
非磁性円柱棒と比べ押圧力の変動に対して現像剤の搬送
量が安定していることを示す。円柱棒50の材質として、
SUS310等の非磁性SUSやAl、ポリカーボネートを用い、
磁性円柱棒50としては、SUS416やSUS430等の磁性SUSや
鉄合金、磁性粉を含有した硬質樹脂を用い之等によって
得られた結果を示している。
この装置において、円柱棒を曲率半径0.5mm〜15mmの
好ましくは1mm〜10mmの剛性かつ磁性を有する円柱棒と
し、(1〜15)gf/mmの押圧力がかかるように設定した
ところ、装置の作動時に押圧力の変動にかかわらず、安
定した所望の搬送量が得られた。押圧力が小さすぎる
と、現像剤量の規制力が減少し安定した規定ができな
い。また現像器の振動など外的影響を受け易く好ましく
ない。現像剤の凝集塊もスルーさせてしまい均一な現像
剤層形成ができない。
押圧力が高すぎると、現像剤への負荷が大きくなり規
制体の規制部近傍に現像剤成分の顕著な付着が見られる
ようになり、長期間の使用に耐えられないばかりか、紙
粉、ゴム、現像剤の小さな塊までも規制部に詰まってし
まい白スジが発生し易くなる。
押圧力の選定は上記の種々の観点から(1〜15)gf/m
mが妥当であり特に(2〜10)gf/mmが好ましい。また第
1表に記載したような磁性球形キャリアを用いた2成分
現像剤の場合には、押圧力として前記範囲が最適であ
る。その結果ムラのない、濃度の安定した画像が得られ
た。
現像剤の搬送量はまた、現像スリーブ3の表面粗さに
よっても変動する、現像スリーブ3の表面粗さによる影
響は、円柱棒の押圧力が低いときに大きくなる傾向があ
り、現像剤のキャリア粒径によっても左右されることが
明らかである。本発明者らは後述する現像剤その他の現
像剤を用いて実験を行ったところ現像スリーブの表面粗
さは3S程度の粗面が安定して適当でこの際の現像剤の搬
送量は9mg/cm2程度であった。
初期における現像スリーブ表面の粗面は長期使用によ
り次第に研磨されて滑面に近づく傾向があり、現像スリ
ーブ材質が軟質の場合は短期使用によっても滑面化する
ことが認められた。従って現像スリーブ材質としては比
較的軟質のアルミや黄銅材に較べSUS材等の硬質材の方
が好ましいことが認められた。更に本発明者らはSUS材
を材料とし、表面粗さを3Sとした現像スリーブの表面粗
さが、長期使用によって滑面化し之に伴って現像剤搬送
量が減少して行く状況を実験によって求めたところ、之
と押圧関係にある円柱棒の表面粗さにも影響されること
を見出した。第3図はこの状態を示すものである。即ち
現像スリーブの表面粗さは円柱棒の表面粗さよりも粗面
であることが好ましいが、実験によれば、現像スリーブ
の表面粗さと円柱棒の表面粗さとが同程度の粗面である
ことが、現像スリーブ表面の粗面を長期に亘って維持し
現像剤搬送量が急激に低下するのを防止する上で効果が
ある。表面粗さが3Sの現像スリーブは、円柱棒の表面を
滑面(1S)とするときは初期において9mg/cm2の搬送量
があったものが、、約3000コピーのコピーがなされた後
には7mg/cm2にその搬送量が減少していた。ここで現像
スリーブの表面粗さを測定すると1.7〜2Sの値を示して
いた。ついで現像スリーブの表面粗さを3Sとし、円柱棒
の表面粗さを3Sとしてコピーを行い、現像剤の搬送量が
7mg/cm2に減少するまでのコピー枚数を測定したところ8
000枚コピーを経過していた。ここで現像スリーブの表
面粗さを測定したところ前記の1.7S〜2Sと同等の値を示
していた。また円柱棒の表面粗さを2Sとしたときその経
過特性は、第3図に示すカーブ(3S)とカーブ(1S)の
中間にあることが認められた。
円柱棒をスリーブ方向に押圧する手段としては、使用
状態の前後を含めた使用範囲において撓み量に対する荷
重(反発力)の変動がすくない特性をもつ非線形弾性部
材を用いることが好適である。かかる特性をもった非線
形弾性部材の特性カーブの一例を図示したのが第14図で
ある。図示したのは僅かに性能を異にした4種のPORON
(INOAC社商品名)についての特性カーブで、横軸に撓
み量、縦軸に荷重をとるとき使用範囲Uにおいてはゆる
やかな傾斜の安定領域であることを示している。
円柱棒の押圧材として、この使用範囲で押圧する非線
形弾性部材を使用することにより、ケーシングやホルダ
の部品精度の誤差や現像装置の組付け状態によるバラツ
キによっても、そのバラツキを吸収して円柱棒のスリー
ブへの押圧力の変動はすくなく、現像剤の層厚は均一に
保持される。
即ち、従来の現像剤量規制体を有する現像装置に比べ
非常に安定した搬送量と均一な薄層が形成され得ること
が確認された。
〔実施例〕
以上の結果をふまえて本発明を適用した現像装置の実
施例をまず第4図を用いて説明する。
実施例1 第4図は現像装置の要部断面を示すものであって、1
は像担持体、2はハウジング、3は表面粗さが3Sの現像
スリーブ、4はマグネットローラ、5は現像剤の量を規
制する剛性かつ磁性を有する棒状体(円柱棒)、15は円
柱棒5を保持するホルダー、6は円柱棒5と現像スリー
ブ3との押圧から、現像剤を搬送可能にするためのバネ
材であり、円柱棒5は現像スリーブ3に対し現像剤が介
在しない状態で一定荷重で押圧される。7および8は第
1および第2撹拌部材、9は供給ローラ、10はスクレー
パ、1は撹拌仕切板である。
装置内に補給されたトナーは矢示方向に回転する第1
撹拌部材7と、これと反対方向で互に重複するように回
転する第2撹拌部材8とによりキャリアと充分撹拌混合
された上現像剤Dとして供給ローラ9を介して現像スリ
ーブ3に送られる。
前記第1撹拌部材7と前記第2撹拌部材8は互に相反
する矢示方向に回転する左巻きの螺旋角をもったスクリ
ュー状の部材であって第2撹拌部材8の推力によって奥
側に搬送されたトナーとキャリアは、図面の奥側方向に
上縁が低く傾斜する前記撹拌仕切板11を順次乗り越えて
第1撹拌部材7側に移りその推力によって図面の手前側
に搬送され、その間におけるトナーとキャリアとの混合
作用によって摩擦帯電がなされた均質な現像剤Dとさ
れ、スポンジ状で矢示方向に回転する供給ローラ9によ
って現像スリーブ3周面上に層状に付着する。
なお第4図で示した例で用いた現像剤は下表のような
ものである。
この装置において、円柱棒5を6φmmの剛性かつ磁性
を有した表面粗さ3SのSUSとし、円柱棒5をマグネット
ローラ4の磁極に対向する位置に(2〜6)gf/mmの荷
重がかかるようにしたところ、均一でムラがなくほぼ9m
g/cm2の搬送量が得られた。その結果ムラのない濃度の
安定した画像が得られた。その際に現像スリーブ3表面
の押圧位置での磁束密度は600ガウスであった。磁性円
柱棒5に代えて非磁性の6φmmの剛性を有する。円柱棒
を用いた場合と現像剤の搬送量の比較を行ったのが第5
図である。
また剛性かつ磁性を有する円柱棒5を用いた際の搬送
量については特に、曲率半径が0.5〜15mmの場合に、現
像剤Dが円柱棒5におよぼす力と円柱棒5のスリーブ3
方向への力とのバランスがよくとれた安定した搬送量が
得られた。さらに好ましくは、曲率半径が1〜10mmに場
合に、押圧力の変動にかかわらず、搬送量の変動が非常
に少なく、均一で薄い現像剤層厚を得ることができた。
なお剛性を有する現像スリーブ3の材質に非磁性体の
ステンレスを用いたが、アルミ材の金属や硬い樹脂、ガ
ラス、セラミックス等の剛性を有する材質を用いても同
等の効果が得られた。現像スリーブ3の表面アラサは3S
のものを用いた。
以上の説明したところより、前記現像スリーブ3表面
には100μm〜450μm好ましくは150μm〜400μmの範
囲の均一で安定した薄い現像剤層を長期にわたって形成
するようになる。
本実施例では固定したマグネットローラ4とその外側
を矢示方向(時計方向)に回転する現像スリーブ3周面
上に付着した薄層をなしたこの現像剤層は現像領域12に
おいて矢示方向に回転する像担持体1上の潜像を間隔を
へだてて非接触で現像しトナー像を形成するように構成
した。
第6図は、第4図の例で形成された現像剤層が現像部
近傍で、穂立ちしている状況を示している。現像剤担持
体3と像担持体1の最近接距離d、現像剤の穂立ち高さ
をSとすると非接触現像方式ではd>Sの条件となる。
この非接触現像時には図示しない電源から交流成分を
含む現像バイアスが前記現像スリーブ3に印加され、そ
の結果現像スリーブ3上に現像剤中のトナーのみが選択
的に前記潜像の面に移行して付着される。
トナー成分を消費した現像剤はキャリア比率が高くな
って現像スリーブ3によって搬送されて前記スクレーパ
10により剥離回収され、再びトナー比率の高い現像剤と
混合される。
本発明の現像装置の第4図に示した実施例の備える各
構成部材の仕様は次の通りである。
前記現像スリーブ3は外径寸法20mmφの薄肉円筒状の
ステンレス材で外周面を3Sの粗さにホーニング処理した
ものであり毎分200〜300回転、本実施例においては毎分
250回転で時計方向に回転されている。現像スリーブ3
の径は現像装置の小型化からも小径スリーブが求められ
るが、内蔵するマグネットローラの磁力の制限から15〜
30mmφに設定される。また現像スリーブの回転数につい
ても、種々実験を行ったが、回転数が低いと現像剤の供
給量も少なく、潜像を現像したときの画像濃度も低い。
外径20mmの現像スリーブについてみると、回転数が毎分
0〜200回転の間は最高画像濃度は直線的に増加し、毎
分200回転以上については飽和状態となる。しかし環境
温度が低いときには最高画像濃度が低下するので、若干
の余裕をもって設定することが必要である。
前記マグネットローラ4は第4図に示す如くNおよび
Sを交互に等間隔に配置した等磁極の12極の磁石から構
成されるものであるが前記スクレーパ10の接する部分に
おいて反発磁界を形成し、現像剤の剥離を容易にするた
め1極欠落させて11極とし、前記現像スリーブ3内で固
定した状態にて内包されている。なお各磁石の磁力は像
担持体1へのキャリア付着を押さえるために大きい方が
よいが、マグネットローラ形状によっては製作上の限界
もあり現像スリーブ3の周面上法線方向での最高磁束密
度を500〜700ガウス程度本実施例では600ガウスに保た
れている。なおマグネットローラ4にはフェライトを用
いている。
現像スリーブ3と円柱棒5との関係位置は第6図に示
す如く、マグネットローラ4の磁極に対向した位置で、
円柱棒5は現像スリーブ3に押圧され、また誘磁された
磁力によって吸引され、押圧力を高め、現像スリーブ3
に均一に密着するよう作用している。
上記実施例で剛性かつ磁性を有した表面粗さ3Sの円柱
棒5を層厚規制部材として用いた所、現像剤凝集による
白スジとか連続コピー等での層厚規制部材へのトナーの
コビリ付き、画質低下等のない信頼性に優れ良好な画質
を得ることが確認され良好な画像が長期に亘って維持さ
れることも確認された。また上記の効果は磁性を有する
円柱棒の方が非磁性の円柱棒より優れていることが確認
された。なお上記の磁性を有する円柱棒は誘磁されて現
像スリーブ3側に吸着されるものであっても、また着磁
されていて吸着されるよう作用するものでも差支えな
い。
実施例1からわかるように現像剤担持体に押圧される
剛性かつ磁性を有する現像剤量規制部材が現像剤の搬送
量を決定する重要な因子は剛性かつ磁性を有する円柱棒
を用いる限りその曲率と押圧力とである。従ってこの曲
率と押圧力を与えるための他の種々の現像剤層規制部材
の例を第6図ないし第12図に示す。
第7図は板バネ16により円柱棒5を保持し押圧する例
を示し、第8図(a),(b)はさらに板バネ16の押圧
力を調整ネジ61によって部分的に調整できる様にした例
である。板バネ16′は円柱棒5の軸方向に一体のもの、
スリットにより一部分割したもの、完全に分割したもの
のいずれも好適に実施できる。
第9図はコイルバネ17により押圧力を付与する実施例
である。この例では、円柱棒5の押圧部近傍のみを用い
た半円柱棒5aとした。コイルバネ17は半円柱棒5aの軸方
向に複数個並べて所望の押圧力を得る様にする。
第10図はゴム状の弾性体18を圧縮させて押圧力を得る
例である。ゴム状弾性体だけでなく樹脂の発泡体でも同
様に実施可能である。
第11図は第9図、第10図と同じく円柱棒5を半円柱5a
とし、圧縮バネ19により押圧するようにしたものであ
る。
第12図は押圧部が剛性かつ磁性を有すると共に曲率半
径を6mmとし、押圧部の上流側にエッジ部を設け、この
エッジ部により現像剤層をあらかじめ所定の厚さに規制
する棒状の現像剤量規制体5bである、第11図及び第12図
における押圧部は剛性かつ磁極を有する材料を用いた材
質とし、現像スリーブ3上の磁極に対応した位置又はそ
の近傍を押圧するよう構成することによりいずれも全く
問題なく使用可能である。
実施例2 本実施例は第4図の現像装置と同様なものを用いるが
現像スリーブ3の回転方向を像担持体1と面する部分で
同一方向にした場合の例である。この場合現像剤量規制
体である円柱棒5は第13図のような位置に配設する。現
像スリーブ3は表面粗さ3Sの非磁性ステンレス(直径30
φmm)、マグネットローラ4はスリーブ表面磁束密度が
700ガウスで8極のものを用いた、円柱棒5は直径7φm
mで剛性かつ磁性を有するステンレスのSUS416で表面粗
さは3Sのものを、マグネットローラ4の磁極近くに配設
し非磁性の押圧板バネ6とホルダー15とで挟持して保持
されたものである。本実施例の第13図で記載していない
部分は実施例1の第4図で説明した部分と同ように構成
した。円柱棒5は円柱状の磁性体で構成し、現像スリー
ブ3内の固定マグネットローラ4が発する磁界により磁
性体を磁化させ、磁気的吸引力により押圧力を得る装置
である。円柱棒5はその長手方向に均等に分布した磁気
的吸引力で現像スリーブ3を押圧するため、きわめて良
好な現像剤層を長期間に亘り継続して得ることができ
る。
実施例3 第15図は第3の実施例を示す現像装置の要部断面図
で、第4図と同一機能部分については同一部品番号で示
している。本実施例は押圧部材として非線形弾性体を用
いた例である。
現像スリーブ3は、矢示方向に250rpmで回転する外径
20φmmの非磁性ステンレス材を用いた円筒で、表面はホ
ーニング処理によって3Sの表面アラサとなっている。現
像スリーブ3の内側には11極の固定した位置したマグネ
ットローラ4があって、現像スリーブ表面において最高
磁束密度は600ガウスに保たれている。
該マグネットローラ4の磁極に対向した位置で、剛性
で磁性を有した円柱棒5が現像スリーブ3に押圧され
る。円柱棒5は磁性のSUS416を材料とし、直径6φmmの
真直性のすぐれた円柱棒で、表面アラサは3Sにサンドブ
ラスト加工されたものである。円柱棒5はハウジング2
に取付けられたホルダー35によって側方への移動が規制
され、押圧方向には非線形弾性部材36によって押圧され
る。本実施例で用いる非線形弾性部材は使用範囲におい
て撓み量に対する反発力の変動のすくない特性をもった
もので、第14図に示した特性をもったPORONを用いてい
る。本実施例では厚さ2mmで縦横4×5mmの板状をした2
個の非線形弾性部材36を、ホルダー35に接着して配設
し、円柱棒5を押圧させた。第16図はホルダー35への非
線形弾性部材36の取付状態を示したもので、円柱棒5の
全長をn:m:n=2:5:2に分割した2点で押圧している。こ
のような条件で2〜4gf/mmの押圧力が作用するよう設定
したところ、押圧による円柱棒5の撓みを軽減すること
が出来、現像スリーブ3の軸方向全域に亘って均等に7
〜10mg/cm2の現像剤量に規制された2成分現像剤が搬送
された。またこの実施例においては特に現像剤の搬送量
を規制するための調整箇所を設けないでも、上記の良好
な現像条件が設定・維持された。
なお非線形弾性部材36としては、発泡ウレタンフォー
ムのPORON以外にSORBOTHANE(三進興産社製)、α−ゲ
ル等が用いられ、モノトプレーンや非線形バネ等を用い
ることも可能である。
また、非線形弾性部材36による円柱棒5の押圧方法
も、上記実施例で述べた2点支持による押圧方法は円柱
棒5の撓みをすくなくするうえで有効であったが、多数
点支持や連続支持によって押圧するようにすることも可
能である。但しこのような押圧方法によるときは、ホル
ダー35の部品精度や平行度等について十分な注意が必要
となる。
また上記実施例では現像スリーブ3の表面アラサは3
S、円柱棒5の表面アラサについても同じく3Sとした。
現像スリーブ3の表面アラサは必要とする現像剤の搬送
量を確保する上からも粗面であることが必要で、現像ス
リーブ3の表面アラサと円柱棒5の表面アラサとは共に
同程度の粗(大)であることが好ましい。かかる条件に
設定することにより長時間その特性を維持することがで
きるが、長時間使用によって、現像スリーブ3の表面ア
ラサは次第に平滑化し、現像剤の搬送量が次第に減少し
て来る傾向にある。之を防止するには現像スリーブ3の
表面硬度が高いことが望ましい。
以上、実施例の説明を行った。
本発明の実施例ではおもに現像剤量規制体に円柱棒を
用いたが、これらに限定されることなく、少なくとも押
圧部が剛性かつ磁性を有し、その曲率半径が0.5〜15mm
の棒状体でかつ表面粗さが、現像スリーブ表面と同程度
の粗であれば良い。
また本発明において用いられる現像条件、現像剤成分
としては、下記のものがある。本発明の現像装置におい
ては像担持体1に対する前記現像スリーブ3の間隔すな
わち第6図におけるdの値を0.3mm〜0.7mmさらには0.4m
m〜0.6mmとすることが好ましい。像担持体1に対する現
像スリーブ3の間隔を小さくすることは、電界効果を大
きくし、電気力線の方向を整えるので、現像時間像のボ
ケが生じることがない。かりに平均値の0.5mmにとった
場合に現像剤の穂の高さは、前記のような多極マグネッ
トローラを選定することによって、200μm〜450μmと
なるので、穂先と潜像面の間隔d−Sは0.02mm〜0.3mm
すなわち(0.1〜0.6)×dに相当する値を保つことが出
来ることとなる。
本発明で使用する現像剤は二成分系現像剤が好適であ
る。規制体に付着する現像剤成分をキャリアにより自浄
する働きがあるためと考えられ、一成分現像剤の場合よ
りも長時間安定した現像剤層を形成し得る。二成分系現
像剤の例としては粒径が6μm〜18μmの非磁性のトナ
ーと、フェライトコアに樹脂材を被覆した粒径が10μm
〜100μm(好ましくは30μm〜60μm)のキャリアと
から成る現像剤が本発明を適用した現像装置に好ましく
用いられ、トナーの説明をすると以下の通りである。
熱可塑性樹脂(結着剤)(80〜90)wt% 例:ポリスチレン、スチレンアクリル重合体、ポリエス
テル、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリエチレン、エチレン酢ビ共重合体など、あ
るいは上記の混合物 顔料(着色剤)0〜15wt% 例:黒:カーボンブラック イエロー:ベンジジン誘導体 マゼンタ:ローダミンBレーキ、カーミン6Bなど シアン:銅フタロシアニン、スルホンアミド誘導体染料
など 荷電制御剤 0〜5wt% プラストナー:ニグロシン系の電子供与性染料、アルコ
キシル化アミン、アルキルアミド、キレート、顔料、4
級アンモニウム塩など マイナストナー:電子受容性の有機錯体、塩素化パラフ
ィン、塩素化ポリエステル、酸基過剰のポリエステル、
塩素化銅フタロシアニンなど 流動化剤 例:コロイダルシリカ、疎水性シリカ、シリコンワニ
ス、金属石ケン、非イオン界面活性剤など クリーニング剤(感光体上のトナーのフィルミング
を防止) 例:脂肪酸金属塩、表面に有機基をもつ酸化ケイ素酸、
フッ素系界面活性剤など 充填剤(画像の表面光沢の改良、原材料費の低減) 例:炭酸カルシウム、クレー、タルク、顔料などこれら
の材料のほか、画像面へのかぶりやトナー飛散を防ぐた
め、磁性粉を少量含有させてもよい。
このような磁性粉としては粒径0.1μm〜1μmの四
三酸化鉄、γ−酸化第二鉄、二酸化クロム、ニッケルフ
ェライト、鉄合金粉末などが用いられ、(0.1〜5)wt
%含有される。さらに鮮明な色を保つためには1wt%以
下とするのが望ましい。
なお、約20kg/cmの力で塑性変形して紙に定着させる
圧力定着用トナーに適する樹脂としては、ワックス、ポ
リオレフィン類、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリウ
レタン、ゴムなどの粘着性樹脂などが用いられる。
一方、像担持体1側の表面電位は−600V、露光部電位
は0〜−100Vとし、また現像スリーブ3に対してはDCバ
イアスが−500V、ACバイアスが700V(rms)、周波数4kH
zの電圧が印加することを条件として現像を試みたとこ
ろ極めて、高解像力にて階調の整った良質のトナー像が
得られることが確認された。
〔発明の効果〕
以上述べたごとく本発明の現像装置は剛性を有する現
像剤担持体に同じ剛性かつ磁性を有していて小さな曲率
半径の剛性を有する磁性部材で形成した現像剤量規制体
で、かつ表面粗さが現像剤担持体と同程度の少なくとも
1Sよりも粗である粗面の現像剤量規制体を押圧して現像
剤層形成部を構成したことにより、現像剤担持体の回転
速度や押圧位置などの変化に対し影響されず又特に押圧
力変動に対する搬送量の安定性に富み、安定した厚みの
現像剤層を長期間に亘って安定して得ることが出来る。
従って、従来のものと比して低荷重で均一安定した現像
剤層を得るようになった。
さらに、異物による目づまりをおこしにくい点や凝集
トナーや現像剤塊の粉砕性もすぐれ、白すじが画像に出
にくい。また、現像剤量規制部材の現像剤担持体に対す
る押圧部での押圧力の変化による規制後の現像剤量の変
動がきわめて小さく、現像性の優れた現像装置が可能と
なり、特に二成分現像剤での規制部材への現像剤成分の
付着を防止し、従って安定してムラのない薄層が形成出
来、濃度ムラ、濃度低下等をきたさぬ、品質の優れた画
像が長期間に亘って安定して提供出来る。
本発明の現像装置は規制部材の長期使用時における変
形がなく磁力による吸引力の変化も少ないので規制装置
としての耐久性がきわめて大きい。さらに量産時にも比
較的取付精度の許容度が大きく、実用性に富んだもので
ある。
かつ、現像剤規制面積が小さいので不必要な現像剤と
の摩擦帯電による悪影響も生じにくく、良好な画像を得
ることが出来る。
それに加え、規制部材の交換を行う場合においても、
取付が容易であり、メンテナンス性が高い。
また、円柱棒の押圧材として非線形弾性部材を用いる
ときは、ケーシングやホルダー部分の部品精度の誤差や
組立時のバラツキを吸収することとなり、調整箇所を設
けないでも、常に安定して良好な現像剤量の搬送がなさ
れる現像装置が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本となった実験を示す説明図。 第2図は第1図の実験によって得られた磁性の有無、押
圧部での曲率、押圧力と搬送量との関係を示す図。 第3図は像担持体の表面粗さのコピー枚数による変化を
示すグラフ。 第4図は第1の実施例を示す構成図で、第5図は之によ
って得られる関係グラフ。 第6図は像担持体と現像スリーブとの間での現像の説明
図。 第7図ないし第12図は第1の実施例での他の適用例を示
す要部図。 第13図は第2の実施例を示す構成図。 第14図は非線形弾性体の一例について、撓みと荷重との
関係を示すグラフ。 第15図は第3の実施例を示す構成図で、第16図はその要
部斜視図。 1……像担持体、3……現像スリーブ 4……マグネットローラ 5……棒状体(円柱棒) 6……バネ材、15,35……ホルダー 36……非線形弾性部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 15/08 - 15/09

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定された磁石体と、 内部に該磁石体を有し、表面上に現像剤を担持する剛性
    を有する現像剤担持体と、 該磁石体に対向して該担持体に押圧され、該担持体に担
    持された現像剤の量を規制する棒状の現像剤量規制体と
    を有し、 該規制体の該担持体との押圧部が剛性かつ磁性を有する
    材料で、曲率半径が0.5〜15mmであると共に、該規制体
    の押圧部の表面粗さは現像剤担持体の表面粗さと同程度
    の少なくとも1Sよりも粗である粗面をもって形成されて
    いることを特徴とする現像装置。
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