JP2791617B2 - 直流変流器 - Google Patents

直流変流器

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JP2791617B2
JP2791617B2 JP4021677A JP2167792A JP2791617B2 JP 2791617 B2 JP2791617 B2 JP 2791617B2 JP 4021677 A JP4021677 A JP 4021677A JP 2167792 A JP2167792 A JP 2167792A JP 2791617 B2 JP2791617 B2 JP 2791617B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大電流高電圧の電流
(直流及び交流電流)の計測に使用される直流変流器に
関し、特に直流電流及び低周波数電流測定に際して誤差
を少なくすることができる高精度直流変流器に関する。
【0002】
【従来の技術】直流変流器には、その動作原理により
(1)磁気増幅器型、(2)磁気変調器型、(3)ホー
ル素子型等が存在するが、比較的高精度なものとして
は、磁気変調器型に属する倍周波型変流器が使用されて
いる。倍周波型直流変流器は、図6に示すように、2個
の磁心20,30と、各磁心に施された入力巻線21,
31、補償巻線22,32及び励磁巻線23,33を具
備し、入力巻線21、31及び補償巻線22,32はそ
れぞれ直列に接続され、励磁巻線23,33は励磁電源
4に対して差動直列に接続されて構成されている。入力
電流が大電流の場合、1ターンの入力巻線として棒状導
体1が用いられる。
【0003】入力電流により補償巻線22,32に発生
する倍周波は、濾波器5を介して交流増幅器6で交流増
幅され、更に整流器7及び平滑回路8を通って直流電流
に復元され、前記補償巻線22,32に補償電流として
負帰還される。負帰還の原理に基づき入力電流の起磁力
は、前記補償電流の起磁力によってほとんど相殺され、
補償電流は入力電流と僅かな誤差を以て等しくなる。す
なわち、入力電流は補償電流に変流されるので、この補
償電流を計測することによって入力電流を知ることがで
きる。この際、変換される電流比は、入力巻線と補償巻
線との巻線比によって換算される。入力電流と補償電流
との誤差は、負帰還技術あるいは制御技術における定常
偏差に該当し、交流増幅器6の増幅度が大きいほど小さ
くなるという性質をもっている。尚、図6においては、
構造を簡単にするため、倍周波を補償巻線22,32よ
り取り出しているが、倍周波取り出し専用の出力巻線を
補償巻線とは別個に設けるのが一般的である。
【0004】上記倍周波型変流器によれば、入力電流が
ゼロのときにあらわれる出力であるオフセットと、時間
経過とともに出力が変動するドリフトと、に起因する誤
差が、入力電流100Aに対して10-8と極めて小さく
することができるので、高精度直流変流器として充分な
能力を有するが、周波数帯域が100Hz程度と狭い。
負帰還の理論によれば、高い増幅度の負帰還は広い周波
数帯域を必要とするので、入力電流(直流)を倍周波
(交流)に変換して交流増幅器6により増幅する際、充
分な増幅度をもって負帰還をかけることができず、上述
した定常偏差による誤差を低減することができないとい
う欠点がある。
【0005】そこで、上記欠点を補うため、図7に示す
ように、倍周波型変流器と交流変流器との複合体で構成
された直流変流器がビームCT用として提案されてい
る。交流変流器は本質的には変圧器であり、磁心60
と、1次巻線に対応する入力巻線61と、2次巻線に対
応する補償巻線62で構成されている。前記入力巻線6
1は倍周波型変流器側の入力巻線21及び31に直列に
接続され、交流変流器側の補償巻線62に発生する交流
電圧は、上述した定常偏差軽減と周波数帯域拡大のため
に交流増幅器63で増幅される。従って、入力電流が流
れることにより交流変流器側の補償巻線62に発生した
交流電圧は、交流増幅器63で増幅され、その出力が倍
周波型変流器の平滑回路8の出力と加算され、直列接続
された補償巻線に補償電流として負帰還される。補償電
流は基準抵抗2に流れ、基準抵抗2の両端に生じる電圧
を直流変流器の変流器出力3から得る。倍周波型変流器
側の補償巻線22,32には、チョークインダクタ40
に巻回された1次巻線41に対して2次側となる2次巻
線42が直列に、バイパスコンデンサ43が並列にそれ
ぞれ接続されることにより、倍周波型変流器からの励磁
波が基準抵抗2に向って漏れるのを防止している。
【0006】上記直流変流器によれば、入力電流の直流
及び超低周波成分は倍周波型変流器によって、交流成分
は交流変流器によって分担して変流される。従って、交
流変流器のもつ広い周波数帯域によって倍周波型変流器
の周波数帯域を補うことができるので、高い増幅度で負
帰還を実施できる。例えば、入力電流中の10kHzの
成分は周波数帯域の狭い倍周波型変流器では変流できな
いが、周波数帯域の広い交流変流器を介して変流するこ
とができるため、複合体としての直流変流器の実効的な
周波数帯域は10kHz以上となる。また、倍周波型変
流器の本来の利点を活かし、オフセット及びドリフトを
起因とする誤差を小さくすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記直流
変流器によれば、入力電流が直流若しくは超低周波であ
ると、これらの成分は交流変流器では変流できないた
め、専ら倍周波型変流器を介して変流が行なわれ、それ
だけ倍周波型変流器の負担が重くなる。そのため、倍周
波型変流器における交流増幅器6の増幅度を大きくする
必要があり、増幅及び整流された直流電圧を平滑回路8
により平滑化する際、平滑後の脈動分に相当するリップ
ルが多くなり、このリップルの漏洩により直流変流器の
出力誤差が大きくなり、高精度化に支障をきたすという
問題点があった。
【0008】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、オフセットやドリフトに起因する誤差が大きく高精
度直流変流器に不向きなホール素子を、倍周波型変流器
と組み合わせた複合体とすることにより、直流電流及び
低周波電流の測定においても出力誤差が少ない高精度な
直流変流器を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の直流変流器は、次の構成を含むことを特徴と
している。第1の入力巻線及び第1の補償巻線を有する
第1の磁心。第2の入力巻線及び第2の補償巻線及び励
磁巻線を有する第2の磁心。第3の入力巻線及び第3の
補償巻線及び励磁巻線を有する第3の磁心。前記第1の
磁心の磁束を検知するホール素子。このホール素子の出
力を増幅する直流増幅器。前記第2及び第3の磁心を差
動励磁するよう前記各励磁巻線に接続した励磁電源。第
2及び第3の磁心から取り出される出力信号を入力信号
とし、前記励磁電源が供給する励磁波の倍周波を選択す
るための濾波器。該濾波器の出力を増幅する交流増幅
器。該交流増幅器の出力を整流及び平滑する整流器及び
平滑回路。そして、前記各入力巻線を直列に接続し第3
の入力巻線側より入力電流を流通させる一方、前記第1
の磁心に生じる起磁力を相殺するように前記直流増幅器
の出力電流を作用させるとともに、前記第2及び第3の
磁心に生じる起磁力を相殺するように前記直流増幅器の
出力電流及び前記平滑回路の出力電流を作用させるよう
接続されている。前記各出力電流の流出側である前記第
3の補償巻線端に変流器端子を設けている。
【0010】請求項2の直流変流器は、請求項1におい
て、第1の磁心に生じる起磁力の相殺は、第1の補償巻
線に直流増幅器の出力電流が流通するように接続するこ
とで行なうとともに、第2及び第3の磁心に生じる起磁
力の相殺は、第2及び第3の補償巻線に直流増幅器の出
力電流及び平滑回路の出力電流が流通するように接続す
ることで行なうことを特徴としている。
【0011】請求項3の直流変流器は、請求項1におい
て、第1の磁心に生じる起磁力の相殺は、第1の補償巻
線に直流増幅器の出力電流が流通するように接続するこ
とで行ない、第2及び第3の磁心に生じる起磁力の相殺
は、第2及び第3の補償巻線に直流増幅器の出力電流が
流通するように接続するとともに、第2及び第3の磁心
に第4及び第5の補償巻線を設け、該第4及び第5の補
償巻線に平滑回路の出力電流が流通するように接続する
ことで行なうことを特徴としている。
【0012】
【作用】本発明によれば、ホール変流器と倍周波型変流
器との複合体で直流変流器を構成し、ホール変流器側磁
心に生じる起磁力を相殺するようにホール変流器の負帰
還電流を作用させ、倍周波型変流器側磁心に生じる起磁
力を相殺するように前記負帰還電流と、倍周波型変流器
の負帰還電流を作用させている。すなわち、倍周波型変
流器側の補償巻線に流れる補償電流の大部分をホール変
流器の負帰還電流で負担するように接続することで、倍
周波型変流器の交流増幅器の増幅度を抑えることがで
き、リップル成分の少ない直流変流器からの出力電流を
得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図1の等価
回路を参照しながら説明する。実施例の直流変流器は、
それぞれ環状に形成されたホール変流器用磁心10(線
形磁心)と、倍周波変流器用磁心20(可飽和磁心)及
び倍周波変流器用磁心30(可飽和磁心)と、チョーク
インダクタ40(線形磁心)を有している。磁心10に
は、入力巻線11及び補償巻線12が巻回されている。
磁心20及磁心30には、入力巻線21,31及び補
償巻線22,32及び励磁巻線23,33及び倍周波出
力巻線24,34がそれぞれ巻回されている。また、チ
ョークインダクタ40には、1次巻線41及び2次巻線
42が巻回されている。各入力巻線11,21,31及
び1次巻線41はそれぞれ1ターンの棒状導体1を前記
各磁心に貫通して構成し、各磁心に共通する1つの棒状
導体1としているので、各巻線は互に直列に接続され
る。そして、前記棒状導体1の1次巻線41側から入力
巻線11側へ入力電流が流入するようになっている。ま
た、各補償巻線12,22,32及び2次巻線42は直
列に接続され、補償巻線22,32及び2次巻線42と
並列にバイパスコンデンサ43が接続されている。2次
巻線42の他端は基準抵抗2を介して接地され、2次巻
線42と基準抵抗2との間に設けた変流器端子3に、前
記基準抵抗2の両端に生じる電圧が出力されるようにな
っている。また、補償巻線、励磁巻線、倍周波出力巻線
はそれぞれ直列に接続するように構成したが、並列接続
で構成してもよい。
【0014】ホール変流器用磁心10は、図2に示すよ
うに、磁心の一部に空隙10aが設けられ、その内部に
ホール素子13が配置されている。ホール素子13は磁
界を感知する半導体素子で、ゲルマニウム片,インジウ
ムアンチモン片若しくはガリウム砒素片等で構成されて
いる。前記ゲルマニウム片等には一対のリード線が接続
され、このリード線には直流増幅器14が接続され、こ
の直流増幅器14の出力は前記補償巻線12に接続され
ている。すなわち、棒状導体1に流れる入力電流により
前記空隙に磁束が励磁されて磁界を形成し、この磁界に
よりホール素子13内で生じた信号が直流増幅器14に
より増幅され、ホール変流器の補償電流Iaとして補償
巻線12に負帰還されて磁心10に生じる起磁力を相殺
するように作用させている。
【0015】第2及び第3の磁心20,30に巻回され
た倍周波型変流器の励磁巻線23,33は、励磁電源4
により差動励磁するよう直列に接続されている。この差
動接続は、励磁波を相殺し磁心に設けた入力巻線、補償
巻線、出力巻線への励磁波の流出を阻止するためであ
る。また、倍周波取り出し専用の倍周波出力巻線24,
34は互に直列に接続するとともに、その両端部は、
周波出力巻線の出力信号を入力信号とし励磁電源4が供
給する励磁波の倍周波を選択するための波器5に接続
されている。波器5の出力は交流増幅器6により増幅
され、整流器7及び平滑回路8を介して直流の負帰還電
流Ibに復元され、倍周波型変流器側の補償巻線22,
32及び2次巻線42に負帰還するように接続されてい
る。整流には、例えば同期整流器が使用される。倍周波
型変流器の補償電流Icとしては補償電流Iaに負帰還
電流Ibを加えた電流が流れ、該電流により磁心20及
び磁心30に生じる起磁力を相殺するように作用させて
いる。
【0016】次に倍周波型変流器の原理について簡単に
説明する。倍周波型変流器は、図3に示した磁心の磁化
曲線(BーH特性)が原点対称であるという現象を利用
している。磁心が励磁電源により一定の周波数(例えば
1kHz)で励磁されているとする。励磁が大振幅で行
なわれれば、励磁波には磁化曲線の非直線性によって発
生する多数の高調波が含まれるが、磁化曲線が原点対称
であるので、入力電流がなければ前記高調波は奇数次高
調波であって偶数次高調波は含まれまい。しかし入力電
流が存在すると、その起磁力によって磁化曲線がみかけ
上原点非対称となるため、偶数次高調波が発生する。倍
周波型変流器においては、これら偶数次高調波のうち倍
周波(第2高調波)を抽出して入力電流に対応させるこ
とにより入力電流を検知する。
【0017】上記実施例によれば、棒状導体1に入力電
流が流れると、ホール変流器側においては、磁心10の
空隙10aに発生した磁界によりホール素子の外部に電
流が流出し、直流増幅器14により増幅されてホール変
流器の補償電流Iaとして補償巻線12に負帰還され
る。また倍周波型変流器側においては、入力電流が流れ
ると補償巻線に偶数次高調波が発生し、倍周波について
濾波器5を介して交流増幅器6で交流増幅され、更に整
流器7及び平滑回路8を通って直流電流Ibに復元さ
れ、前記補償電流Iaとともに補償巻線22,32に負
帰還される。負帰還の原理に基づき入力電流の起磁力
は、前記補償電流の起磁力によってほとんど相殺され、
補償電流は入力電流と僅かな誤差を以て等しくなり、こ
の補償電流を計測することによって入力電流を測定でき
る。また、倍周波型変流器側の補償巻線22,32に
は、直列に2次巻線42が、並列にバイパスコンデンサ
43が接続されることにより、倍周波型変流器からの励
磁波が基準抵抗2に向って漏れるのを防止している。
【0018】実施例の動作原理を具体的な数値を用いて
説明する。棒状導体1を流れる入力電流を直流1000
Aとし、ホール変流器と倍周波型変流器の増幅度をそれ
ぞれ999倍(約60dB)とし、電流変換比を1:1
とする。この場合、ホール変流器の補償電流Iaは99
9Aとなり、入力電流との差である1A相当値がホール
変流器の直流増幅器14の入力となる。倍周波型変流器
においては、その負帰還電流Ibは0.999Aとな
り、補償電流Iaと負帰還電流Ibとを合成した補償電流
Icと入力電流との差である0.001A相当値が倍周
波型変流器の交流増幅器6の入力となる。従って、規準
抵抗2に流れる出力電流は999.999Aとなり、入
力電流1000Aとの定常偏差は10-6となる。
【0019】すなわち、上記数値例で明らかなように、
本実施例では、直流変流器の補償電流Ic(補償電流Ia
と負帰還電流Ibとを合成したもの)の大部分がホール
変流器によって供給され、倍周波型変流器による寄与は
僅かである。従って、本実施例の直流変流器における倍
周波型変流器の補償電流負担は、図6に示した直流変流
器における倍周波型変流器の補償電流負担に比較して遥
かに軽くしている。これは、本実施例の直流変流器にお
いては、ホール変流器の周波数帯域が広く直流成分も変
流する機能を有しているため、直流及び低周波電流にお
いても倍周波型変流器はホール変流器の援助を受けるこ
とができるからである。
【0020】次に、上記倍周波型変流器の負担軽減によ
り、直流変流器のリップル漏洩が減少することについて
説明する。倍周波型変流器においては、前述したよう
に、倍周波を整流、平滑する課程が不可欠である。図4
(a)に交流増幅器6により増幅された整流前の倍周波
波形、図4(b)に整流器7による整流後の波形、図4
(c)に平滑回路8による平滑後の波形をそれぞれ示し
ている。図4(c)の波形において、脈動分がみられる
が、これが平滑不完全によって発生するリップルで、こ
のリップルが補償巻線を通って直流変流器の出力に漏洩
し、不正出力(一種の誤差)となる。高精度直流変流器
においては、このリップルの軽減が重要な課題となる。
【0021】 具体的な数値例でリップル漏洩値につい
て説明する。例えば平滑回路においてリップル含有率が
0.1%であるとすると、前述の数値例で倍周波型変流
器の補償電流は0.999Aであるから、補償電流に含
まれるリップルは0.999mAとなり、直流入力電流
1000Aに対する割合は約10−6となる。一方、図
7に示した従来の直流変流器において定常偏差を10
−6とするには、倍周波型変流器が直流及び超低周波
分の補償電流を全て負担するので、その増幅度を999
999倍(120dB)にする必要があり、補償電流は
999.999Aとなる。リップル含有率は0.1%で
あるので、補償電流に含まれるリップルは999.99
9mAとなり、直流入力電流1000Aに対する割合は
約10 −3 となる。この割合は、上記本実施例のリップ
ルの割合と比較して著しく大きい。この差は、定常偏差
を同等とする場合に、倍周波型変流器の補償電流負担に
起因する交流増幅器の増幅度の差によって生じる。
【0022】 更に、ホール変流器においては、入力電
流に対して10 −3 程度のオフセット及びドリフトが避
けられないために、ホール変流器の単独使用による直流
変流器では、10−6の精度を必要とする高精度直流変
流器は実現できない。上記実施例による直流変流器によ
れば、ホール変流器の単独使用によるこの欠点を解消す
ることができる。すなわち、上記実施例の直流変流器の
ホール変流器より発生するオフセット及びドリフトは、
倍周波変流器の増幅負帰還作用により、その増幅度分の
1に低減される。例えば、入力電流を1000A、ホー
ル変流器により発生するオフセット及びドリフトが入力
電流の10−3である場合、その値は1Aとなる。倍周
波変流器の増幅度を1000倍(60dB)とすれば、
上記の電流相当値1Aは倍周波変流器の増幅不帰還作用
により1000分の1倍されて1mAとなる。この値は
入力電流(1000A)に対して10−6となり、高精
度な直流変流器を実現することができる。
【0023】図5は本発明の他の実施例を示す直流変流
器の等価回路図であり、図1と同一構成部分については
同一符号を付している。本実施例では、磁心20に補償
巻線25を、磁心30に補償巻線35をそれぞれ巻回し
て直列に接続し、倍周波型変流器の平滑回路8から出力
される負帰還電流が直流増幅器9を介して補償巻線25
に入力され、補償巻線35の他端側を2次巻線42に接
続して構成されている。直流増幅器9は、平滑回路8の
補償巻線駆動能力が不足した場合に、その補強を行なう
ため設けられている。本実施例によれば、磁心10に生
じる起磁力の相殺は、補償巻線12に直流増幅器14の
出力電流Iaが流通するように接続することで行ない、
磁心20及び磁心30に生じる起磁力の相殺は、補償巻
線22,32に直流増幅器14の出力電流Iaが流通す
るとともに、補償巻線25,35に平滑回路8の出力電
流Ibが直流増幅器9を介して流通することで行なわれ
る。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、ホール変流器と倍周波
型変流器との複合体で直流変流器を構成し、倍周波型変
流器の補償電流の大部分をホール変流器で負担するよう
に接続したので、倍周波型変流器の交流増幅器の増幅度
を抑えることによりリップル成分の少ない出力電流とす
ることができ、高精度な直流変流器を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の直流変流器の一実施例を示す等価回
路図である。
【図2】 上記実施例で使用されるホール変流器の構成
説明図である。
【図3】 磁心の磁化曲線(BーH特性)図である。
【図4】 (a),(b),(c)は直流変流器におけ
るリップル発生を説明するための波形図である。
【図5】 本発明の直流変流器の他の実施例を示す等価
回路図である。
【図6】 倍周波型変流器の構成説明図である。
【図7】 倍周波型変流器と交流変流器とを組み合わせ
た従来の直流変流器の等価回路図である。
【符号の説明】
1…棒状導体 2…基準抵抗 3…変流器端子 4…励磁電源 5…波器 6…交流増幅器 7…整流器 8…平滑回路 10,20,30…磁心 11,21,31…入力巻線 12,22,32…補償巻線 13…ホール素子 14…直流増幅器 23,33…励磁巻線 24,34…倍周波出力巻線 25,35…補償巻線

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の入力巻線及び第1の補償巻線を有す
    る第1の磁心と、 第2の入力巻線及び第2の補償巻線及び励磁巻線を有す
    る第2の磁心と、 第3の入力巻線及び第3の補償巻線及び励磁巻線を有す
    る第3の磁心と、 前記第1の磁心の磁束を検知するホール素子と、 該ホール素子の出力を増幅する直流増幅器と、 前記第2及び第3の磁心を差動励磁するよう前記各励磁
    巻線に接続した励磁電源と、第2及び第3の磁心から取り出される出力信号を入力信
    号とし、 前記励磁電源が供給する励磁波の倍周波を選択
    するための波器と、 該濾波器の出力を増幅する交流増幅器と、 該交流増幅器の出力を整流及び平滑する整流器及び平滑
    回路と、 を具備し、 前記各入力巻線を直列に接続し第3の入力巻線側より入
    力電流を流通させる一方、 前記第1の磁心に生じる起磁力を相殺するように前記直
    流増幅器の出力電流を作用させて成るとともに、 前記第2及び第3の磁心に生じる起磁力を相殺するよう
    に前記直流増幅器の出力電流及び前記平滑回路の出力電
    流を作用させて成り、 前記各出力電流の流出側である前記第3の補償巻線端に
    変流器端子を設けたことを特徴とする直流変流器。
  2. 【請求項2】 第1の磁心に生じる起磁力の相殺は、第
    1の補償巻線に直流増幅器の出力電流が流通するように
    接続することで行なうとともに、第2及び第3の磁心に
    生じる起磁力の相殺は、第2及び第3の補償巻線に直流
    増幅器の出力電流及び平滑回路の出力電流が流通するよ
    うに接続することで行なう請求項1記載の直流変流器。
  3. 【請求項3】 第1の磁心に生じる起磁力の相殺は、第
    1の補償巻線に直流増幅器の出力電流が流通するように
    接続することで行ない、第2及び第3の磁心に生じる起
    磁力の相殺は、第2及び第3の補償巻線に直流増幅器の
    出力電流が流通するように接続するとともに、第2及び
    第3の磁心に第4及び第5の補償巻線を設け、該第4及
    び第5の補償巻線に平滑回路の出力電流が流通するよう
    に接続することで行なう請求項1記載の直流変流器。
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