JP2790300B2 - イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィー分離 - Google Patents

イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィー分離

Info

Publication number
JP2790300B2
JP2790300B2 JP1024106A JP2410689A JP2790300B2 JP 2790300 B2 JP2790300 B2 JP 2790300B2 JP 1024106 A JP1024106 A JP 1024106A JP 2410689 A JP2410689 A JP 2410689A JP 2790300 B2 JP2790300 B2 JP 2790300B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
ion exchange
exchange resin
mixture
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1024106A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01297552A (ja
Inventor
ラジ ディングラ ヨグ
ダブリュ,ピノネン ブルース
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dow Chemical Co
Original Assignee
Dow Chemical Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=22543674&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2790300(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Dow Chemical Co filed Critical Dow Chemical Co
Publication of JPH01297552A publication Critical patent/JPH01297552A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2790300B2 publication Critical patent/JP2790300B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C13SUGAR INDUSTRY
    • C13KSACCHARIDES OBTAINED FROM NATURAL SOURCES OR BY HYDROLYSIS OF NATURALLY OCCURRING DISACCHARIDES, OLIGOSACCHARIDES OR POLYSACCHARIDES
    • C13K11/00Fructose
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J39/00Cation exchange; Use of material as cation exchangers; Treatment of material for improving the cation exchange properties
    • B01J39/08Use of material as cation exchangers; Treatment of material for improving the cation exchange properties
    • B01J39/16Organic material
    • B01J39/18Macromolecular compounds
    • B01J39/20Macromolecular compounds obtained by reactions only involving unsaturated carbon-to-carbon bonds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J39/00Cation exchange; Use of material as cation exchangers; Treatment of material for improving the cation exchange properties
    • B01J39/26Cation exchangers for chromatographic processes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、クロマトグラフィー分離、特に分離媒体と
してイオン交換樹脂を用いて行なわれる工業的規模のク
ロマトグラフィー分離に関する。
種々の物質のクロマトグラフィー分離は、固定相とし
てイオン交換樹脂を用いて行ない得る。このような方法
は陰イオン交換樹脂または陽イオン交換樹脂を使用して
有機化合物の混合物、有機化合物と塩との混合物、酸と
塩との混合物、及び塩混合物を分離する。高フラクトー
ス含有トウモロコシシロップ(HFCSと称する)の製造に
於いてグルコース及び少糖類からフラクトースの分離が
特に商業的に重要である。この方法に於いて、グルコー
ス及びフラクトースの混合物は、強酸型イオン交換樹
脂、最も典型的にはカルシウム形の強酸型イオン交換樹
脂の1つ以上のカラムに通される。カラム中のフラクト
ースの通過はグラクトースの通過に対して遅延され、そ
こで高比率のフラクトース及びグルコースを含む別個の
製品流を得ることができる。高フラクトース含有流は、
ついでソフトドリンクの如き多くの食料品の甘味料とし
て使用される。この方法は、ナーデン(Naden)及びス
トリート(Streat)編集、Ion Exchange Technology
(ソサエティ・オブ・ケミカル・インダストリィ(Soci
ety of Chemical Industly)、ロンドン、466〜471頁に
於いて“Saparation of Glucose and Fructose:Effects
of Resin Characteristics on Separation"に於いてウ
ェルステイン(Welstein)及びサウエー(Sauer)によ
り説明されている。
このようなクロマトグラフィー分離に使用されるイオ
ン交換樹脂は、典型的には陰イオン交換基または陽イオ
ン交換基を含む複数の架橋コポリマー粒子である。本発
明の前には、この樹脂は通常のゲル型樹脂、即ちコポリ
マーが少量乃至適度の量の架橋剤を用い不活性希釈剤を
少量使用するかまたは使用しない一工程の懸濁重合方法
で調製されるゲル型樹脂であった。例えば、米国特許第
3,044,905号を参照のこと。
良好なクロマトグラフィー分離はこのような通常のゲ
ル型樹脂により行ない得るが、カラムの一層速く、より
効率的及び/または一層高収率の操作をもたらす改良が
常に望ましい。その他の全てのものが等しい場合、一層
速い交換速度論(exchange kinetics)は幾つかの決ま
った利点を与えるようである。例えば、所定の純度及び
収率に於いて、一層速い交換速度論はカラムが一層高い
供給速度で操作されることを可能にするようである。ま
た、樹脂が改良された速度論をもつならば、等しい操作
条件で一層高い収率及び/または製品純度を得ることが
できるであろう。別の利点は、一層少ない脱着溶剤が使
用でき、これにより製品から脱着溶剤を分離する費用を
低減し得ることである。また、一層速い速度論は一層大
きな樹脂粒子の使用を可能にし、これが一層速い供給速
度及び/または一層高い供給物濃度を可能にし、これに
より床の圧力損失を増大せずに等しいか、または一層良
好な収率及び純度を得る。一層速い速度論を有する樹脂
はまた一層高い生産速度を得るために供給物濃度が高め
られることを可能にするようである。
速度論の他に、樹脂の別の重要なパラメーターはその
流動特性、即ち液体が樹脂の床中を通過する容易さであ
る。移動相が低圧で樹脂中を迅速に動くことが望まし
い。商業的なクロマトグラフィー分離に通常使用される
装置は高圧に耐えることができず、そこで流速は単に移
動相にかかる圧力を増加するだけでは大きく増加し得な
い。
通常のイオン交換樹脂の速度論を改良する殆どの変更
は、同時にそれらの流動特性を減少することがわかっ
た。樹脂の速度論は、粒径を減少することにより、また
は架橋を減少して水保持能力(water retention capaci
ty)を増加することにより改良し得る。不幸にも、これ
らの変更の両者は樹脂の流動特性を減少し、その結果所
定の圧力で移動相の一層遅い流速が得られる。実際に
は、改良された速度論の利益は、流動特性の物ましくな
い悪化により少なくとも相殺される。
従って、一層迅速で、一層効率の良い、または一層高
純度の分離が得られる、固定相としてイオン交換樹脂を
用いる二種以上の物質の混合物のクロマトグラフィー分
離を提供することが望ましい。
本発明は、少なくとも第一成分と第二成分とを含む液
体混合物から第一成分に富む回収可能な流れ及び第二成
分に富む別の回収可能な流れへのクロマトグラフィー分
離法であって、 (a)前記液体混合物を、170〜600μmの平均粒径を
有するイオン交換樹脂の床と接触させ、 (b)第一成分の樹脂床中の通過速度が第二成分の通
過速度に対して遅延されるような条件下で液体混合物が
樹脂床中を通過するように液体混合物を溶出し、ついで (c)第一成分に富む製品流れと第二成分に富む別の
製品流れとを回収することを含み、このイオン交換樹脂
は多段階重合法でつくられたゲル型コポリマーを官能化
することにより調製されたものであり、この樹脂の膨潤
特性により決定される見掛架橋密度がその実際の架橋密
度の少なくとも1.2倍であり、かつ、カルシウム形また
は塩化物形に充分に官能化されたときの水保持能力が少
なくとも40重量%であることを特徴とするクロマトグラ
フィー分離法である。
ここに記載された樹脂の使用は実質的に等しいか、ま
たは一層良好な流動特性をもつ通常のゲル樹脂よりも一
層迅速な速度論を予想外に示す。この樹脂の使用は、
(1)等しい圧力損失、収率及び純度で一層迅速な生産
速度を可能にすること、(2)等しい操作条件で一層高
い収率を得ること、(3)等しい操作条件で一層高純度
の製品流を得ること、(4)一層少ない脱着溶媒(溶離
剤)を使用し得ること、及び/または(5)一層高濃度
の出発物質を使用し得ることの一つ以上を含む幾つかの
利点を与える。
本発明に於いて、混合物は夫々の製品流れがもとの混
合物が含んでいたよりも一層高比率(全溶質に対して)
の混合物の成分の一つを含む二つ以上の製品流に分離さ
れる。本発明の利点、即ち一層迅速で、及び/または効
率の良い分離は、分離すべき混合物の組成には大きく影
響を受けない。従って、イオン交換樹脂で分離し得る成
分の如何なる液体混合物も本発明に使用し得る。イオン
抑制(Ion retardation)型、イオン排除型、及びリガ
ンド交換型のクロマトグラフィーが本発明に従って実施
し得る。分離される成分は、水または極性の有機化合物
中に可溶性もしくは混和性であり、好ましくは水中に可
溶性もしくは混和性である、有機化合物、有機化合物と
無機塩との混合物、無機化合物の混合物、酸と塩との混
合物及び塩混合物であることが好ましい。このような混
合物の例は、有機アルコールの混合物、有機アミンの混
合物、有機グリコールの混合物、モノー、ジー及びポリ
−サッカリドの混合物、蛋白質の混合物、アミノ酸の混
合物、粗砂糖(糖みつから砂糖の生産に於ける粗砂糖の
ような)の混合物等を含む。任意に少砂糖を含む、フラ
クトース及びグルコースの混合物が特に重要である。
前記の如く、分離される混合物は液体でなければなら
ない。混合物の1種以上の成分が分離温度で固体である
場合には、従って溶媒を使用することができ、但し溶媒
は分離を望ましくない程妨害せず、またはイオン交換樹
脂と反応しない。使用される溶媒は水、極性溶媒、また
はその他の水と混和性の溶媒であることが好ましく、こ
れらは樹脂を膨潤させ、これにより混合物の成分の樹脂
粒子中及び樹脂粒子外への拡散を容易にするからであ
る。非極性溶媒は樹脂粒子から排除される傾向にある、
それ故それらの有効性を減少する。
本発明の方法の実際に際し、混合物は或種のイオン交
換樹脂の床に通される。イオン交換樹脂は架橋コポリマ
ーマトリックスに結合される複数の陰イオン交換基また
は陽イオン交換基を含む。官能基の性質は分離される特
別な物質に若干依存する。好ましい砂糖分離に於いて、
官能基は強酸基または弱酸基であることが好ましく、弱
酸基であることが更に好ましく、スルホン酸基であるこ
とも最も好ましい。官能基は一般に対イオンと会合され
る。また、対イオンの選択は分離される特別な物質に依
存する。陽イオン交換基の場合には、対イオンは典型的
には水素イオン、金属イオンまたはアンモニウムイオン
である。対イオンはアルカリ金属イオンまたはアルカリ
土類金属イオンであることが好ましい。一般に、更に好
ましいイオンはナトリウム、カリウム、カルシウム、ス
トロンチウム、バリウム、鉛及びマグネシウムを含む。
フラクトース/グルコースの分離に関して、最も好まし
い対イオンはカルシウムである。陰イオン交換基の場合
には、ハロゲン化物イオン、特に塩化物イオンが好まし
い。
更に、樹脂は、充分に官能化された基準で少なくとも
40重量%の水保持能力を示し、且つその実際の架橋密度
の少なくとも1.2倍、好ましくは少なくとも1.4倍の見掛
架橋密度を示すことを特徴とする。本発明の目的に対し
て、“見掛架橋密度”は通常の単一工程ゲル樹脂の水中
における膨潤特性に関連して決定される。通常のゲル樹
脂、即ち単一工程の重合により調製されたゲル樹脂は、
それらの製造中に使用された架橋性モノマーの比率に関
係する水中の膨潤特性を示す。従って、通常のゲル樹脂
をつくるのに使用された架橋性モノマーの比率はその膨
潤特性を測定することにより、高い正確度で測定し得
る。この樹脂の膨潤特性により示される架橋密度を、こ
の明細書では、その“見掛架橋密度”と称することとす
る。見掛架橋密度を測定する別法は官能化の前にコポリ
マーをトルエンで膨潤させることである。膨潤の量は、
米国特許第4,564,644号に記載されるように、通常の単
一段階ゲルコポリマーの架橋密度に関係する。本発明に
有用な樹脂は使用される架橋性モノマーの実際の比率の
少なくともと1.1倍である、それらの膨潤特性により示
されるような、見掛架橋密度を示すことがわかった。実
際の架橋密度は、使用されたモノマーの重量%で表わさ
れる、コポリマーを調製するのに使用された多官能モノ
マーを比率を云う。実際の架橋密度は赤外分光学、熱分
解ガスクロマトグラフィー及び核磁気共鳴の如き分析技
術により測定し得る。
水保持能力は、計量した量の樹脂を水で膨潤させ、過
剰の水を除去し、充分に膨潤された樹脂を計量すること
により測定し得る。ついで樹脂は一定の重量が得られる
まで湿分計の上で乾燥される。水保持能力は吸収された
水対樹脂及び吸収された水の合計重量の比である。充分
に官能化された基準で水保持能力は少なくとも40%であ
ることが有利である。しかしながら、225μmを越える
粒径を有する好ましい樹脂に関して、水保持能力は好ま
しくは少なくとも43%、更に好ましくは少なくとも45
%、最も好ましくは45〜58%である。樹脂の水保持能力
は対イオンに依存することが留意される。本明細書中に
使用されるように、陽イオン交換樹脂の水保持能力はカ
ルシウム形態にある間に測定され、陰イオン交換樹脂の
水保持能力は塩化物形態にある間に測定される。
樹脂は170〜600μm、好ましくは275〜500μm、更に
好ましくは300〜450μmの粒径を有する。本発明の利点
は300μmを越える粒径を有する樹脂の使用により特に
見られる。加えて、樹脂は粒子の少なくとも50容量%、
好ましくは少なくとも90容量%が平均直径の0.9〜1.1倍
である直径をもつ比較的狭い粒径分布を有することが好
ましい。
本発明に有用で、しかもしばしば上記の特性を有する
樹脂は、それ自体が多段階重合法で調製されるコポリマ
ーから便利に調製される。本発明に於いて、多段階重合
は、使用されるモノマーが2以上のインクリメントで添
加され、各インクリメントがモノマーの重量の少なくと
も5%、好ましくは少なくとも約10%を構成する重合で
ある。各インクリメントは、続いて次にインクリメント
の添加前にインクリメント中に添加されたモノマーの完
全な重合または実質的な重合にかけられる。いわゆる播
種技術並びに米国特許第4,419,245号、英国特許第1,29
2,226号及び特公昭36−2192(1961年3月28日)に記載
されているような連続式または半連続式の段階重合(St
aged Polymerization)は、本発明の目的の多段階重合
である。
コポリマーの調製に使用される多段階重合技術は、各
段階に使用されるモノマーの量、各段階に使用される架
橋性モノマーの比率、及びモノマーが各段階で添加され
る条件の点で変化し得る。
いわゆるバッチ式播種方法に於いて、生成コポリマー
の重量の10〜85%を構成する種粒子は、第一工程中に第
一モノマー混合物から生成される。ひき続く工程に於い
て、遊離基開始剤を含むモノマー混合物は種粒子に添加
され、それにより吸収され、ついで重合される。この方
法は種粒子により吸収されるモノマー混合物中の遊離基
開始剤の存在により特徴づけられ、且つモノマー混合物
が種粒子により充分吸収されるまでモノマー混合物の重
合が実質的に起こらないような条件下でモノマー混合物
を種粒子に添加することにより特徴づけられる。この方
法に於いて、種粒子は架橋性モノマーを0.05〜8重量
%、好ましくは1〜6重量%、更に好ましくは2〜5重
量%含むモノマー混合物から調製されることが有利であ
る。種に吸収されるモノマー混合部は、コポリマーをつ
くるのに使用される全モノマー中の架橋性モノマーの比
率が2〜7重量%、好ましくは3〜5.5重量%であると
いう条件で、1〜15重量%、好ましくは4〜10重量%の
架橋性モノマーを含んでもよい。
関連の多段階方法は、前節に記載されたように種粒子
を調製し、ついで遊離基開始剤を含むモノマー混合物を
重合条件下で種粒子に添加することを伴う。この方法に
於いて、種粒子によるモノマー混合物の迅速な吸収を容
易にするために保護コロイドは殆ど使用されないか、ま
たは全く使用されない。この方法に使用される架橋性モ
ノマーの比率は、バッチ式播種方法に関して記載された
比率と同様である。このような方法は米国特許第4,419,
245号に記載されている。この方法は、極めて小さい大
きさの副生物粒子の発生のためそれ程好ましくない。
好ましい方法に於いて、重合は最後の重合段階で遊離
基開始剤を実質的に含まないモノマー混合物が遊離基の
源を含む先行の重合段階中に生成されたコポリマーに重
合条件下で添加されることを特徴とする。モノマー混合
物はコポリマーにより吸収され、その中で重合される。
この好ましい方法に於いて、最後の重合段階は遊離基
開始剤を実質的に含まないモノマー混合物を用いる。好
ましくは最終コポリマー粒子の10〜80重量%、好ましく
は25〜75重量%を構成するこの混合物は、重合条件下で
懸濁物中に添加される。早期の段階に生成されたコポリ
マー粒子は遊離基の源を含み、その結果コポリマー粒子
への移行の際にモノマー混合物はコポリマー粒子中で重
合する。このような遊離基源は先に吸収された開始剤、
または先の重合段階からの部分重合されたモノマー混合
物の残分であり得る。このような方法は米国特許第4,56
4,644号に記載されている。この方法を用いて、優れた
物理的性質及び浸透性を有する樹脂が調製される。
好ましい方法の一つの態様に於いて、コポリマーは
(a)第一工程に於いて1〜8重量%、好ましくは2〜
6重量%、更に好ましくは2〜5重量%の架橋性モノマ
ーを含む第一モノマー混合物で種コポリマー粒子を膨潤
し、ついでモノマー混合物を部分重合することにより調
製される。これらの種粒子は最終生成物コポリマーの重
量の10〜70%、好ましくは25〜60%を構成することが有
利である。このようなモノマー混合物はこの段階中で20
〜90%、好ましくは50〜75%の転化率まで重合されるこ
とが有利である。ついで部分重合された粒子は重合温度
より低温に冷却され、1〜10重量%、好ましくは2〜8
重量%、更に好ましくは2〜6重量%の架橋性モノマー
を含むが遊離基開始剤を実質的に含まない第二モノマー
混合物が添加され粒子により吸収される。ついで膨潤さ
れた粒子は、重合が完結されるまで再度重合温度にさら
される。
特に好ましい方法に於いて、最終コポリマーの5〜50
重量%、好ましくは10〜40重量%を構成する種粒子が生
成される。この種は比較的に低い比率、即ち0.05〜5重
量%、好ましくは0.2〜4重量%の架橋性モノマーを含
むモノマー混合物から調製される。ついでこの種は遊離
基開始剤及び実質的に一層多い量の架橋性モノマー、即
ち2〜15重量%、好ましくは4〜10重量%の架橋性モノ
マーを含むモノマー混合物で吸収される。この吸収され
たモノマー混合物は生成物コポリマーの5〜40重量%、
好ましくは10〜25重量%を構成することが有利である。
吸収されたモノマー混合物がポリマーの10重量%以上を
構成する場合には、モノマー混合物が10重量%以下、好
ましくは8重量%以下の架橋性モノマーを含むことが好
ましい。この吸収されたモノマーは、有利には10〜80%
の転化率まで、部分重合され、ついで重合条件下でモノ
マー供給材料が0.5〜8時間の期間にわたって添加され
る。このモノマー供給材料は遊離基開始剤を含まず、0
〜8重量%、好ましくは2〜6重量%の架橋性モノマー
を含む。この方法に使用される各モノマー混合物中の架
橋性モノマーの比率は、凝集物中の架橋性モノマーの比
率が1〜8重量%、好ましくは2〜6重量%、更に好ま
しくは3〜6重量%となるように一緒に選ばれる。モノ
マー供給材料の添加後に、重合が完結される。
重合はモノマーが連続水相中の複数の液滴として分散
されその中で重合される懸濁重合法として行なわれるこ
とが有利であり、好ましい。この方法に於いて、段階重
合はモノマーの初期インクリメントの懸濁物を生成し、
これを全部または一部重合し、ついで1つ以上のインク
リメント中の残部モノマーを添加することにより容易に
行なわれる。各インクリメントは一度に添加されてもよ
く。または連続的に添加されてもよい。水相中のモノマ
ーの不溶性及びコポリマー粒子中のモノマーの可溶性に
より、モノマーはコポリマー粒子に移行し、それに吸収
され、その中で重合される。
ここで使用されるモノマーは付加重合可能なエチレン
性不飽和化合物である。このようなモノマーは当業界で
公知であり、説明の目的でカルビン(Calvin)E.シルト
クネヒト(Schildknecht)編、“Polymer Processes"
(インターサイエンス・パブリッシャーズ・インコーポ
レーション(Interscience Poblishers,Inc.)、ニュー
ヨークにより1956年に発行、III章)、E.トロムスドル
フ(Trommsdorf)及びC.E.シルトクネヒト著“Polymeri
zation in Suspension"69〜109頁に言及されている。シ
ルトクネヒトの78〜81頁の表II中に、本発明の実施に使
用し得る別の種類のモノマーが列記されている。このよ
うな懸濁重合可能なモノマーの中で、スチレン、ビニル
ナフタレン、アルキレン−置換スチレン(特にビニルト
ルエン及びエチルビニルベンゼンの如きモノアルキル−
置換スチレン)及びブロモスチレンまたはクロロスチレ
ンのようなハロ置換スチレンの如きモノビニリデン芳香
族化合物、シビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビ
ニルキシレン、ジビニルナフタレン、トリビニルベンゼ
ン、ジビニルジフェニルエーテル、ジビニルジフェニル
スルホン等の如きポリビニリデン芳香族化合物、メチル
メタクリレート、エチルアクリレート、別のアルキレン
ジアクリレート及びアルキレンジメタクリレートの如
き、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、特にアクリ
ル酸またはメタクリル酸のエステルを含む水不溶性モノ
マー及び該モノマーの一種以上の混合物が本発明に特に
重要である。該モノマーの中で、モノビニリデン芳香族
化合物、特にスチレンまたはスチレンとモノアルキル−
もしくはハロ−置換スチレンとの混合物、ポリビニリデ
ン芳香族化合物、特にジビニルベンゼン、α,β−エチ
レン性不飽和カルボン酸のエステル、特にメチルメタク
リレートまたはメタクリロニトリルまたはメチルメタク
リレートもしくはメタクリロニトリルを含む混合物、特
にスチレンとジビルベンゼンとの混合物またはスチレ
ン、ジビニルベンゼン及びメチルメタクリレートの混合
物が本発明に使用されることが好ましい。これらのモノ
マーは重合法のいずれの段階並びに種粒子の調製に好適
に使用され、種粒子は粒径及び均一性を制御するために
本発明に使用し得る。夫々の重合段階に使用されるモノ
マーは、他の段階に使用されるモノマーと同じであって
もよく、また異なっていてもよい。
抽出可能な種を有するコポリマーは、ひき続いての重
合段階に使用される量及び型のモノマーに不溶性である
が、活性なイオン交換坐がそれに結合されている場合に
は水溶性になり水中に浸漬される時ビードから抽出可能
である軽度に架橋された種粒子を用いて調製されること
が有利である。このような抽出可能な種を有する調製さ
れたビーズは、種の全部または一部が除去される時に小
さいボイドを含む。
懸濁重合を行なうに際し、ゼラチン、ポリビニルアル
コール、メタクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルメ
チルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウムのような表面
活性剤、スルホン化ポリスチレン等の如き沈殿防止剤を
使用することが有利である。加えて、懸濁物は重合防止
剤、分散剤、及びエチレン性不飽和モノマーの懸濁重合
に有利に使用されるその他の材料を含んでもよい。
コポリマー粒子はモノマ−及びポリ−エチレン性不飽
和モノマーの架橋された付加ポリマーを陰イオン交換樹
脂または陽イオン交換樹脂に変換するのに当業界で公知
の技術を用いて、このような樹脂に変換される。充分に
官能化された基準で少なくとも40重量%の水保持能力を
樹脂に与えるのに充分な官能基がコポリマーに導入され
る。架橋されたポリスチレントルビーズの如きポリ(ビ
ニル芳香族)コポリマー粒子から陰イオン交換及びキレ
ート化樹脂の調製に於いて、ビーズは有利にはハロアル
キル化され、好ましくはハロメチル化され、最も好まし
くはクロロメチル化され、ひき続いて活性イオン交換基
がハロアルキル化コポリマーに結合される。コポリマー
粒子をハロアルキル化し、ひき続いて弱塩基性基または
キレート化基を結合する方法はまた当業界で公知であ
る。このような方法の例は米国特許第2,642,417号、同
第2,960,480号、同第2,597,492号、同第2,597,493号、
同第3,311,602号、同第2,632,000号、同第2,632,001及
び同第2,992,544号及びF.ヘルフェリッチ(Helfferic
h)著“ion Exchange)”(マグロウ−ヒル・ブック・
カンパニイ(McGraw−Hill Book Company)ニューヨー
ク、1962年発行)である。一般に、コポリマー粒子はコ
ポリマーをハロアルキル化剤で膨潤し、ついでコポリマ
ーをフリーデル−クラフツ触媒の存在下でハロアルキル
化剤と反応させることによりハロアルキル化される。ア
ミンイオン交換基は、少なくとも化学量論量のアンモニ
アまたはアミンの存在下でハロアルキル化コポリマーを
加熱することによりハロアルキル化コポリマーに結合さ
れることが好適である。キレート化基はアミノ酸または
アミノピリジンとの反応によりハロアルキル化コポリマ
ーに結合されることが有利である。またキレート化基は
クロロ酢酸の如きカルボキシル含有化合物との反応によ
りアミン化コポリマーに導入されてもよい。
陽イオン交換樹脂は、例えば米国特許第3,266,007
号、同第2,500,149号、同第2,631,127号、同第2,664,80
1号及び同第2,764,564号及びF.ヘルフリッチ著の上記文
献に記載された方法を用いてコポリマーから調製し得
る。一般に、強酸樹脂はコポリマーを硫酸、またはクロ
ロスルホン酸または三酸化硫黄の如きスルホン化剤と反
応させることにより調製される。樹脂は、所望の対イオ
ンを含む塩または塩基の飽和水溶液と樹脂を接触させる
ことにより所望の形態に変換し得る。例えば、樹脂はCa
Cl2またはCa(OH)の溶液と樹脂を接触させることに
よりカルシウム形態に変換し得る。樹脂は所望の金属の
好適な水溶性塩を用いて同様にその他の形態に変換し得
る。
またコポリマーの特別な領域のみが官能化される樹脂
が本発明に使用し得る。このような樹脂の例は外側部分
または外殻のみが官能化される樹脂である。このような
樹脂は充分に官能化された樹脂の水保持能力よりも小さ
い水保持能力を示す。しかしながら、乾燥重量容量(dr
y weight capacity)で割られ5.2meq/gを掛けた水保持
能力が少なくとも40%、好ましくは少なくとも約43%で
ある場合には、このような樹脂は本発明に有用である。
このような樹脂は、本発明で必要とされるように、充分
に官能化された基準で40%以上の水保持能力を有するよ
うである。
本発明の方法に於いて、分離される混合物は、混合物
の一成分の樹脂中の通過が混合物のその他の成分の通過
に対して遅延されるような条件下でイオン交換樹脂の床
に通される。混合物が床中に置かれた後、それは混合物
の諸成分用の溶媒を用いて常法で溶出される。このよう
にして、床から出す製品は遅延される成分を欠く第一溶
出流及び遅延される成分に富む一層遅い溶出流を含む。
イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィー分離法は公
知であり、例えばワンカット(Wankat)著“Large−Sca
le Adsorption and chromatography"(CRC Press,Inc.,
Boca Raton,Fla.(1986年))、及び米国特許第4,182,6
33号及び同第2,985,589号に記載されている。
分離の条件は、分離される特別な混合物に大きく依存
する。一般に、分離が行なわれる温度は分離される混合
物の凝固点及び粘度、並びに混合物の沸点及び混合物の
成分または樹脂そのものが分解し始める温度により制限
される。一般に、20℃〜100℃の温度が好ましい。有利
に使用し得る、溶媒中の供給混合物の成分の濃度は1〜
100%であるが、一般には製品流から多量の溶媒を除去
することを避けるために出来るだけ濃厚な供給混合物を
使用することが好ましい。また、砂糖の如き或種の物質
の高濃度の溶液は一層低温では高粘度になる傾向がある
ので、供給物濃度は温度に若干依存する。使用される流
速は広く変化してもよく、分離される特別な混合物に再
び一部依存する。毎時0.1〜20、好ましくは0.25〜5、
更に好ましくは0.4〜2の床容量(樹脂床の容量に等し
い流体の容量)の流速が殆どの分離に使用し得る。脱着
溶媒(溶離剤)の容量は広く変化してもよく、特に重要
ではない。一般には、脱着溶媒の使用を最少にすること
が好ましく、その結果一層少量が製品流から除去される
だけで済む。例えば、連続法に於いて、供給混合物の容
量の0.1〜20倍、好ましくは1〜8倍、更に好ましくは
2〜4倍が使用し得る。バッチ法またはパルス化様式法
(pulsedmode process)に於いては、50床容量までの容
量が有利に使用される。
好ましいフラクトースとグルコースとの分離に於い
て、異性化法から得られるようなフラクトースとグルコ
ースとの混合物を含む水溶液が樹脂床中に通され水で溶
出され、その結果一層高い相対濃度のフラクトースを含
む混合物が製品として得られる。製品混合物は有利には
少なくとも50%のフラクトース、好ましくは少なくとも
55%のフラクトース、更に好ましくは55〜90%のフラク
トースを含む。砂糖を実質的に分解せずに粘度及び微生
物増殖を最小にするために、分離は好ましくは20℃〜80
℃、更に好ましくは40℃〜70℃、最も好ましくは50℃〜
70℃で行なわれる。供給物濃度は有利には30〜70重量
%、更に好ましくは45〜63重量%、最も好ましくは50〜
60重量%である。流速は有利には毎時0.1〜20床容量、
好ましくは0.25〜2.5床容量、更に好ましくは0.4〜1.5
床容量である。溶離剤容量は有利には供給物容量の0.1
〜20倍、好ましくは1〜8倍、更に好ましくは2〜4倍
である。砂糖分離の好適な技術は前記の米国特許第4,18
2,633号及び同第2,985,589号に開示されている。
ストレート溶出法が使用されてもよいが、循環法また
は向流性、シミュレーション化向流法または擬似移動床
(シミューレーション化移動床)法の使用により、一層
大きな効率で一層良好な分離が商業的に得ることができ
る。このような方法は例えばワンカット著の上記の文
献、Food Processing、7月号、74〜75頁(1979年)、C
hemical Engineering、1983年1月24日発行、50〜52
頁、及びビーザー(Bieser)及びデ・ロセット(de Ros
set)著、“Continuous Countercurrent Separation of
Saccharides with Inorganic Adsorbents",DieStrk
e,Jahrg,1977年、11号、392〜397頁に記載されている。
以下の実施例は本発明を説明するために示されるもの
であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。部
及び%は、特にことわらない限り、全て重量部及び重量
%である。
実施例1 A.多段階重合法に於けるイオン交換樹脂の調製 好適な重合がま中で、水600部中約165μmの平均直径
を一様に有する種コポリマー粒子160部の懸濁物を生成
する。種粒子はスチレン及び0.2%の活性なジビニルベ
ンゼン(DVBと称する)のモノマー混合物のコポリマー
である。この懸濁物に、過酸化物開始剤が溶解された8.
5%の活性なジビニルベンゼンを含むスチレン/ジビニ
ルベンゼン混合物の混合物200部を添加する。この混合
物は室温で30分間にわたって撹拌することにより種粒子
に吸収される。ついで、界面活性剤及び保護コロイド
(ゼラチン)を含む水溶液200部を添加する。重合がま
をシールし、窒素でパージして、80℃まで加熱し、同温
度で初期膨潤物中のモノマーの重合が始まる。2時間の
重合後に、重合温度を80℃に保ちながらスチレン/ジビ
ニルベンゼン混合物(2%の活性なDVB)440部を4時間
にわたって連続的に添加することにより最終段階の重合
が開始される。ついで反応器を更に2時間80℃で加熱
し、続いて110℃で更に2時間加熱する。得られる粒子
を冷却し、掃除し、スルホン化して、5.20meq/gの乾燥
重量容量、カルシウム形態で52.7%の水保持能力、及び
カルシウム形態で430μmの平均直径を有する陽イオン
交換樹脂を得る。この樹脂を試料番号1と称する。
B.クロマトグラフィーの性能試験 樹脂試料番号1の一部を、取付伸縮カラムが備えられ
た25mm×1280mmのジャケット付ガラスクロマトグラフィ
ーカラム中心に仕込む。樹脂を脱気脱イオン水で逆フラ
ッシュし、ついでCaCl2水溶液(CaCl27g/100mlの溶液)
を用いて2時間逆フラッシュする。ついで樹脂少なくと
も6時間にわたってCaCl2溶液で平衡にし、タップ・ダ
ウン(tap down)して一様な充填を得、シールする。つ
いでカラムを脱気脱イオン水でフラッシュし60℃に加熱
する。固形分が50%溶解された熱(60℃)市販高フラク
トーストウモロコシシロップ合計約78mlを11〜13ml/分
の流速でカラムに供給する。固形分の組成は、フラクト
ース41〜43%、グルコース50〜52%、少糖類6〜7%で
ある。シロップがカラムに装填された直後に、シロップ
を再度約11〜13ml/分の流速で60℃の脱気脱イオン水で
溶出する。カラムの溶出物の試料を30秒の間隔で集め、
カラムから溶出する個々の成分につき定量分析する。製
品流が1%未満の溶解固形分を含むまで実験を続ける。
グルコースはフラクトースより早く溶出され、かくして
早期の試料はグルコースに富み、後期の画分はフラクト
ースに富む。80%純度に於ける平均生産速度(樹脂の立
方フィート当り時間当りのフラクトースのポンド数(kg
/m3−時間)、製品画分中の炭水化物の平均濃度及び収
率(%)を下記の表I中に示す。
収率(%)は80%のフラクトース純度(即ち、フラク
トース対試料中に含まれる全炭水化物の重量比が80%で
ある)を累積的に有する、実験の終了時に集められた連
続の試料から測定される。
収率(%)は、これらの試料中に含まれたフラクトー
スの合計量を、実験が終了される前に回収されたフラク
トースの合計量で割り、これを100倍したものである。
収率(%)は種々の樹脂の比較の分離効率の尺度であ
る。
比較のため、上記の分離を、活性のジビニルベンゼン
含量6%を有するモノマーから通常の一工程法でつくら
れたコポリマー粒子から調製されたイオン交換樹脂(比
較試料Aと称する)を用いて試みる。樹脂は乾燥重量容
量約5.2meq/g、カルシウム形態の水保持能力約48〜51
%、及びカルシウム形態の平均直径390μmを有する。
結果は表Iに示されるとおりである。この樹脂は貧弱な
分離、低い生産速度、及び低い製品濃度を与えることが
わかり、これはカラムが一層精製されていない製品を与
え、一層多くの水が製品から除去されなければならない
ことを意味する。
更に別の比較として、粒径がカルシウム形態でわずか
に350μmである以外は、比較例試料Aに使用された樹
脂と同様の通常の一工程樹脂(比較試料Bと称する)を
用いて同様の分離を行なう。この樹脂は上記の一層大き
な樹脂よりも一層有効な分離を与えることが予想され
る。結果は表Iに示されるとおりである。生産速度及び
平均炭水化物濃度は試料番号1により得られたものより
も低い。
実施例2 A.多段階重合法に於けるイオン交換樹脂の調製 好適な重合容器中に、過酸化物型遊離基開始剤が溶解
されたスチレン/ジビニルベンゼン混合物(3%の活性
なDVB)44部及びカルボキシメチルメチルセルロース沈
殿防止剤を含む水性懸濁媒体約100部を添加する。モノ
マー混合物が水性媒体中に懸濁された複数の一様な液滴
に生成され、80℃で約5時間部分重合されて若干の溶解
モノマー及び残留開始剤を含む種粒子を生成する。つい
で、最終重合段階に於いて、スチレン/ジビニルベンゼ
ン混合物(5%の活性なDVB)約56部を4〜4.5時間にわ
たって連続的に添加し、その間重合温度を80℃に保つ。
最終のモノマー添加に続いて、重合を80℃で更に4時
間、110℃で更に2時間続ける。得られるコポリマーを
スルホン化して乾燥重量容量5.15meq/g、水保持能力52.
5%(カルシウム形態で)、及び平均直径402μm(カル
シウム形態で)を有する陽イオン交換樹脂を生成する。
この樹脂を試料番号2と称する。
樹脂試料番号2を、実施例1に記載したフラクトース
/グルコース分離に使用する。80%の純度に於ける収率
は41%である。生産速度は0.71ポンドのフラクトース/
立方フィート/時間(11.40kg/m3−時間)であり、平均
濃度は6.3g/mlである。この樹脂は比較試料A及びBよ
りも大きくても、収率は比較試料Aまたは比較試料Bの
いずれかにより得られた収率よりも高い。更に、生産速
度は比較試料で得られた生産速度と等しいか、または優
れる。
実施例3 この実施例に於いて、一連のイオン交換樹脂を用いて
グルコースからフラクトースを分離する。樹脂試料番号
3〜10は、初期膨潤及び最終重合段階中の種粒子及びモ
ノマー混合物の相対量並びに種及びモノマー混合物中に
使用されるDVBの量を変えて実施例1に記載された一般
操作に従って調製されるコポリマーをスルホン化するこ
とによりつくられる。重合段階中に使用される種及びモ
ノマー混合物の重量比、及び夫々に使用されるDVBの量
を下記の表IIに示す。スルホン化の前に、見掛架橋密度
をトルエン膨潤試験により測定する。またカルシウム形
態の樹脂の水保持能力及び粒径を測定する。実施例1に
記載されたフラクトース及びグルコースを分離するのに
使用された時に樹脂により得られる80%の純度に於ける
収率を測定する。水保持能力、粒径及び収率(%)は全
て表IIに示される。比較のため、二つの通常の樹脂(比
較試料C及びD)を用いて得られた結果が示される。
樹脂番号11〜14は、表IIに示されるようにモノマー混
合物中に使用されるDVBの量及び重合段階中に使用され
るモノマーの相対比率を変えて実施例2に記載された一
般操作を用いて調製される。コポリマーの見掛架橋密
度、水保持能力、粒径及び樹脂により得られる80%の純
度に於ける収率は表IIに示される。
* 本発明の実施例ではない。
種の調製、初期膨潤、及び最終段階に使用された
モノマーの一部として使用された活性なDVB(%) 種々の重合段階中に使用されたモノマーの重量比 実際の平均DVB含量/コポリマーのトルエン膨潤
による見掛DVB含量 カルシウム形態の樹脂の水保持能力(%) カルシウム形態の樹脂の平均粒径(μm) 80%の純度に於けるフラクトースの収率 初期膨潤は試料番号11〜14に於いては行なわれて
いない。
表II中に示されたデータからわかるように、ここに記
載された多段階重合法で調製されたイオン交換樹脂を用
いる本発明の方法により優れた収率が得られる。多くの
場合、樹脂粒子が全く大きくても、高収率が得られ、こ
れはカラムの低い圧力損失という追加の利点を与える。
比較的劣る結果を与える唯一の試料は試料番号4であ
る。しかしながら、この試料は試験された全ての樹脂の
中で全く大きな粒径を有し、殆ど一般的に全性質の点で
通常の単一工程ゲル樹脂に似ている。また、その試料
は、実際の架橋密度に非常に近い見掛架橋密度を示す。
これらの理由により、その分離効率は比較試料Dの分離
効率に近似する。
実施例4 A.多段階重合法に於けるイオン交換樹脂の調製 好適な重合がま中で、水900部中の約190μmの一様な
直径の種コポリマー粒子500部の懸濁物を生成する。種
粒子はスチレン及び2.5%の活性なジビニルベンゼン(D
VB)のモノマー混合物のコポリマーである。この懸濁物
に、過酸化物開始剤が溶解された5%の活性なジビニル
ベンゼンを含むスチレン/ジビニルベンゼン混合物の混
合物213部を添加する。この混合物は室温で60分間にわ
たって撹拌することにより種粒子に吸収される。つい
で、界面活性剤及び保護コロイド(ゼラチン)を含む水
溶液300部を添加する。重合がまをシールし、窒素パー
ジし、80℃まで加熱し、同温度で初期膨潤中のモノマー
の重合が始まる。重合の約1時間〜約2時間後に、スチ
レン/ジビニルベンゼン混合物(3%の活性なDVB)740
部を5時間にわたって連続的に添加し、その間重合温度
を80℃に保つことにより最終段階の重合が開始される。
ついで反応器を80℃で更に2時間加熱し、110℃で更に
2時間加熱する。生成コポリマー粒子を冷却し、掃除
し、スルホン化して乾燥重量容量約5.10〜5.20meq/g、
水保持能力50.1%(カルシウム形態で)及び平均直径38
9μm(カルシウム形態で)を有する陽イオン交換樹脂
を得る。この樹脂を試料番号15と称する。
B.クロマトグラフィー性能試験 樹脂試料番号15の一部を、実施例1に記載された一般
操作に従ってクロマトグラフィーの性能につき試験す
る。この場合のカラムは76mm×1220mmの寸法を有する。
高フラクトーストウモロコシシロップ約1050〜1220mlを
46ml/分の速度でカラムに供給する。ついで溶離水を同
じ速度で供給する。樹脂1立方フィート当りの毎時099
ポンド(15.89kg/m3−時間)のフラクトースの生産速度
で、80%の純度に於ける収率72%が得られる。製品画分
中の炭水化物の平均濃度は20.6g/100mlである。比較の
ために、比較試料Aを用いて行なった時、同様の分離は
80%のフラクトース純度に於いてわずかに59%の収率及
び樹脂1立方フィート当り毎時0.93ポンド(14.93kg/m3
−時間)のフラクトースの生産速度を与える。また製品
画分中の炭水化物の濃度はわずかに17.8g/100mlであ
る。
トウモロコシシロップ及び溶離水の両者の供給速度を
2倍にして、この実験を繰り返す。試料番号15は80%の
純度に於ける収率43%、及び樹脂1立方フィート当り毎
時1.25ポンド(20.06kg/m3−時間)のフラクトースの生
産速度を与える。製品画分中の炭水化物の平均濃度は1
3.4g/100mlである。こらの条件下で、比較試料Aは80%
の純度に於ける収率36%及び樹脂1立方フィート当り毎
時1.08ポンド(17.33kg/m3−時間)のフラクトースの生
産速度を与える。製品画分中の炭水化物の平均濃度は1
2.6g/100mlである。
別の実験として、試料番号15を実施例1に示したのと
同じ条件下で試験した。80%の純度に於ける収率59%及
び樹脂1立方フィート当り毎時1.14ポンド(18.30kg/m3
−時間)のフラクトースの生産速度が与えられる。製品
画分中の炭水化物の平均濃度は7.6g/100mlである。
実施例5 好適な重合がま中で、約700部の水中の約250μmの一
様な直径を有する種コポリマー粒子約400部の懸濁液を
形成する。種粒子はスチレンと4.0%の活性なDVBのモノ
マー混合物のコポリマーである。この懸濁物に、過酸化
物開始剤が溶解されたスチレンと8%の活性なDVBとの
混合物200部を添加する。この混合物は室温で60分間に
わたって撹拌されることにより種粒子により吸収され
る。ついで、保護コロイド及び水性重合開始剤を含む水
溶液300部を添加する。重合がまをシールし、窒素パー
ジし、80℃に10時間加熱し、続いて95℃で90分、110℃
で90分夫々加熱する。生成ポリマーを掃除し、スルホン
化して乾燥重量容量5.2meq/g、水保持能力47.4%(カル
シウム形態で)及び平均直径460μm(カルシウム形態
で)を有する陽イオン交換樹脂を生成する。この樹脂
は、実施例1に記載されたようにクロマトグラフィー分
離に於いて評価された時、80%の純度に於ける収率38%
を与えた。生産速度は樹脂1立方フィート当り毎時0.72
ポンド(11.56kg/m3−時間)のフラクトースであり、濃
度は4.6gの炭水化物/100mlであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−56162(JP,A) 特開 昭59−162953(JP,A) 特開 昭61−86654(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 30/48 B01D 15/08 B01J 20/26

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも第一成分と第二成分とを含む液
    体混合物から第一成分に富む回収可能な流れ及び第二成
    分に富む別の回収可能な流れへのクロマトグラフィー分
    離法であって、 (a)前記液体混合物を、170〜600μmの平均粒径を有
    するイオン交換樹脂の床と接触させ、 (b)第一成分の樹脂床中の通過速度が第二成分の通過
    速度に対して遅延されるような条件下で液体混合物が樹
    脂床中を通過するように液体混合物を溶出し、ついで (c)第一成分に富む製品流れと第二成分に富む別の製
    品流れとを回収する ことを含み、このイオン交換樹脂は多段階重合法でつく
    られたゲル型コポリマーを官能化することにより調製さ
    れたものであり、この樹脂の膨潤特性により決定される
    見掛架橋密度がその実際の架橋密度の少なくとも1.2倍
    であり、かつ、カルシウム形または塩化物形に充分に官
    能化されたときの水保持能力が少なくとも40重量%であ
    ることを特徴とするクロマトグラフィー分離法。
  2. 【請求項2】前記液体混合物中の第一成分及び第二成分
    が水溶性または水混和性の有機化合物または無機化合物
    である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記イオン交換樹脂が陽イオン交換樹脂で
    ある請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】前記液体混合物が水または極性有機化合物
    で溶出される請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】前記イオン交換樹脂が複数のスルホン酸基
    を含む請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】前記イオン交換樹脂は、エチレン性不飽和
    モノマーの混合物が連続の重合段階で重合され、最後の
    重合段階に於いて遊離基開始剤を実質的に含まないモノ
    マー混合物が一つ以上の先行する重合段階中で生成され
    た遊離基含有コポリマーに重合条件下で添加され、それ
    により吸収され、その中で重合される多段階重合法でつ
    くられるゲル型コポリマーを官能化することにより調製
    されたものである請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】前記コポリマーがスチレン及びジビニルベ
    ンゼンのコポリマーである請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】前記液体混合物が少なくとも2種のサッカ
    リドを含む請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】前記サッカリドがフラクトース及びグルコ
    ースを含む請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】前記イオン交換樹脂がカルシウム形態で
    ある請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】前記イオン交換樹脂が300〜450μmの平
    均粒径を有する請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】前記イオン交換樹脂がバッチ式播種法で
    つくられたコポリマーを官能化することにより調製され
    たものである請求項5記載の方法。
  13. 【請求項13】前記イオン交換樹脂が、種コポリマー粒
    子を第一モノマー混合物で膨潤し、第一モノマー混合物
    を部分重合し、ついで部分重合された粒子を重合温度よ
    り低い温度に冷却し、種粒子を第二モノマーで膨潤し、
    ついで膨潤された種粒子を重合することによりつくられ
    たコポリマーを官能化することにより調製されたもので
    ある請求項5記載の方法。
JP1024106A 1988-02-05 1989-02-03 イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィー分離 Expired - Fee Related JP2790300B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15261888A 1988-02-05 1988-02-05
US152618 1988-02-05

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01297552A JPH01297552A (ja) 1989-11-30
JP2790300B2 true JP2790300B2 (ja) 1998-08-27

Family

ID=22543674

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1024106A Expired - Fee Related JP2790300B2 (ja) 1988-02-05 1989-02-03 イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィー分離

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP0327400B2 (ja)
JP (1) JP2790300B2 (ja)
CA (1) CA1332269C (ja)
DE (1) DE68907492T3 (ja)
ES (1) ES2058493T5 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DK165769C (da) * 1989-09-22 1993-06-14 Danisco Fremgangsmaade til fremstilling af en blanding af sakkarider og anvendelse af blandingen ved fremstilling af et kaloriefattigt levnedsmiddel
US8119373B2 (en) * 2006-03-15 2012-02-21 Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. Method for purifying histidine from a cell culture
WO2007105790A1 (ja) * 2006-03-15 2007-09-20 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. アミノ酸の精製方法
US11000781B2 (en) 2015-11-04 2021-05-11 Ddp Specialty Electronic Materials Us 8, Llc Purifying aqueous solutions
US20220056065A1 (en) * 2018-12-19 2022-02-24 Glycom A/S Separation of oligosaccharides

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4472203A (en) * 1980-09-08 1984-09-18 Japan Organo Co., Ltd. Method for the separation of glucose and fructose
US4419245A (en) * 1982-06-30 1983-12-06 Rohm And Haas Company Copolymer process and product therefrom consisting of crosslinked seed bead swollen by styrene monomer
CA1207950A (en) * 1982-08-02 1986-07-15 William I. Harris Ion exchange resins
JPS5956162A (ja) * 1982-09-24 1984-03-31 Hitachi Chem Co Ltd カラム充てん剤およびその製造法
JPS59162953A (ja) * 1983-03-05 1984-09-13 Showa Denko Kk 陽イオン交換樹脂を用いて糖類及び糖アルコール類を分離する方法
AU4338185A (en) * 1984-06-18 1986-01-02 Dow Chemical Company, The Suspension polymerization process
JPS6186654A (ja) * 1984-10-04 1986-05-02 Hitachi Chem Co Ltd 液体クロマトグラフイ−用カラム充填剤

Also Published As

Publication number Publication date
DE68907492T3 (de) 1997-05-22
EP0327400B2 (en) 1996-12-04
EP0327400B1 (en) 1993-07-14
ES2058493T5 (es) 1997-02-16
EP0327400A3 (en) 1990-02-28
DE68907492D1 (de) 1993-08-19
DE68907492T2 (de) 1994-02-10
CA1332269C (en) 1994-10-11
ES2058493T3 (es) 1994-11-01
JPH01297552A (ja) 1989-11-30
EP0327400A2 (en) 1989-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5221478A (en) Chromatographic separation using ion-exchange resins
US5176832A (en) Chromatographic separation of sugars using porous gel resins
US5244926A (en) Preparation of ion exchange and adsorbent copolymers
EP0481603A1 (en) Separation of weak organic acids from liquid mixtures
US9579629B2 (en) Production process of film and column for cation chromatography
JP2003301016A (ja) 単分散アニオン交換ゲルの製法および単分散アニオン交換ゲル
US20060199892A1 (en) Method for producing monodisperse gel-type ion exchangers
JP2790300B2 (ja) イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィー分離
RU2293061C2 (ru) Способ получения гелеобразных катионитов
EP3268102B1 (en) Chromatographic separation of saccharides using strong acid exchange resin incorporating precipitated barium sulfate
KR100579675B1 (ko) 단분산 젤라틴상 양이온 교환체의 제조방법
CN113663742B (zh) 一种糖化血红蛋白用强阳离子交换色谱填料的制备方法
JPS5956162A (ja) カラム充てん剤およびその製造法
WO2017095686A1 (en) Chromatographic separation of organic acids using resin having strong and weak base anion exchange capacity
CN118076423A (zh) 混合离子形式糖色谱法
SU345168A1 (ru) Способ получения ионитов
JPS6185397A (ja) 糖類の分離方法
JPS6045942B2 (ja) 両性イオン交換樹脂およびその製造法
JPH02227144A (ja) 陰イオン交換体及びそれを充填した糖類分離用液体クロマトグラフィー用カラム
JPH0755824B2 (ja) 希土類元素の分離方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees