JP2790146B2 - 有機非線形光学膜の作製方法 - Google Patents

有機非線形光学膜の作製方法

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JP2790146B2 JP63232704A JP23270488A JP2790146B2 JP 2790146 B2 JP2790146 B2 JP 2790146B2 JP 63232704 A JP63232704 A JP 63232704A JP 23270488 A JP23270488 A JP 23270488A JP 2790146 B2 JP2790146 B2 JP 2790146B2
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    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 有機非線形光学膜の作製方法に関し、 有機非線形光学膜を真空中で製膜する際、光照射による
重合の促進、電場印加による配向制御性の向上を行い、
高性能の非線形光学膜を作製する方法を提供することを
その目的とし、 共役ポリマーを形成しうるモノマーを真空中において
基板に飛来させ、かつ、光を照射して基板上に有機非線
形光学膜を作製する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は有機非線形光学膜の作製方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、電気光学素子、光−光素子用材料として有機非
線形材料が注目されているが、現状ではまだその非線形
光学特性が不十分であり、実用化のためにはこれを向上
させる必要がある。
従来MNA,SPCD,DANなど多数の非線形光学物質が知られ
ているが、非線形光学特性などの点でまだ無機の代表的
な電気光学材料であるニオブ酸リチウム(LiNbO3)を大
幅に上回るものがないのが現状である。また、3次非線
形光学材料であるポリジアセチレンは、10-9〜10-10esu
のx(3)を示すが、この程度の値ではLDを光源とする光−
光素子の実用化は困難である。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、本発明は、前記したような従来技術の背景か
ら、2次および3次非線形光学効果が大きい材料の開発
が望まれている現状に鑑み、 有機非線形光学膜を真空中で製膜する際、光照射によ
る重合の促進、電場印加による配向制御性の向上を行
い、高性能の非線形光学膜を作製する方法を提供するこ
とをその目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に従えば、共役ポリマーを形成しうるモノマー
を真空中において基板に飛来させ、基板上に電場を印加
してモノマーを配向させながら光を照射してモノマーを
重合させ、基板上に有機非線形光学膜を作製する方法が
提供される。
〔作用〕
本発明に従えば、有機非線形光学膜を作製するに際
し、真空中で共役ポリマーを形成できるモノマーを基板
上に飛来させて基板上に電場を印加してモノマーを配付
させながら光を基板上に照射して基板上でモノマーを重
合させるため、高性能の非線形光学膜を形成することが
できる。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明に係る有機非線形光学膜
の作製方法について説明するが、本発明の範囲を以下の
説明に限定するものであることはいうまでもない。
第1図は本発明において使用する製膜装置の一例を示
す図面である。
第1図に示したように、本発明の非線形光学膜の作製
方法に使用される非線形光学膜作製装置1は、例えば一
般的な有機MBD(Molecular Beam Deposition)装置を利
用することができる。第1図の膜作製装置1において、
真空ポンプ(図示しない)により例えば10-5〜10-10
ールの真空とされた真空チャンバ2内には基板3(例え
ばガラス、石英、シリコン)が取付けられた基板ホルダ
4が設けられている。この基板ホルダ4は、ヒータ5と
冷却媒(水、液体窒素または液体ヘリウム等)により冷
却されている冷却器6とにより温度制御可能とされてい
て、基板3を最適な温度に設定できるようになされてい
る。
真空チャンバ2内において、基板ホルダ4に取付けら
れた基板3に対面する端部位置には3つのK(クヌード
セン)セル10Q,10b,10cが設けられている。これら3つ
のKセルの内、2つのKセル10aおよび10b内には固体ソ
ース11aおよび11bが入れられ、また、残りのKセル11c
には真空チャンバ2の外部に設けられたガスボンベまた
はアンプル等(図示しない)から気体ソース11cが供給
されるようになされている。そして、これら3つのKセ
ル10a,10b,10c,の上方にはそれぞれシャッタ12a,12b,12
cが設けられていて、基板3に到達する各Kセルのソー
スの種類および量を制御するようになされている。ま
た、真空チャンバ2の側部には、基板3上に外部に設け
た紫外線等の光源から光を照射するための光照射窓13が
設けられている。なお、光源は装置1の内部に設けても
よい。この第1図に示す装置(有機MBD装置)は本発明
に係る非線形光学膜の作製方法が適用される装置の一例
であり、本発明の有機膜の作製方法は、他に真空蒸着装
置、イオンプレーティング装置およびクラスターイオン
ビーム装置、スパッタリング装置等を利用することもで
きる。ここで、Kセル10aには、非線形光学降下を有す
るモノマー分子が入れられており、また、Kセル10cに
は、例えば、真空チャンバ2の外部に設けられアンプル
等からMMA(メタクリル酸メチル)またはHEMA(メタク
リル酸ヒドロキシエチル)等のポリマー形成可能な分子
が供給されるようになされている。この装置1を使用し
て本発明に従って有機非線形光学膜を作製するには、例
えば表1に示すような一般式: で表わされる各種ジアセチレン系化合物モノマーをK
(クヌードセン)−セルに入れ、これを真空下に(印又
は減圧下、通常10-2〜10-6トル又はそれ以下の真空圧下
に)蒸着せしめ、ジアセチレンモノマーを基板3に飛来
させる。その際、光照射窓13を通して紫外線光または可
視光を基板に照射する。これにより基板上でモノマーは
重合反応を起こしジアセチレンの共役鎖が成長し膜がで
きる。
なお、基板3は必要に応じ加熱または冷却することが
できる。更にモノマーは真空チャンバ2の外部からガス
化して導入してもよい。光照射は、モノマーの基板3へ
の飛来と同時に行ってもよく、または間けつ的に行って
もよい。更に、モノマーの飛来と光照射とを交互に行わ
せてもよい。このようにすることにより、重合反応をよ
り完全に行うことができる。また、用いるモノマーは複
数種類であってもよい。これを同時に飛来させれば、共
重合したポリマーの膜を基板3上に得られる。また、複
数種類のモノマーを交互に飛来させれば、1次元ポリマ
ーの超格子が形成される。第2図(a)、(b)及び
(c)は本発明に従って基板2にジアセチレンなどのモ
ノマーの分子14が付着し、光照射により基板3上で重合
成長していく状態を模式的に表したものである。
第3図は本発明において利用される製膜装置の一例で
あり、本発明によれば、第3図に示すように、電場を基
板付近に生じさせることにより、モノマーの配向性、さ
らにはポリマーの鎖の配向性を向上させ、非線形光学特
性を向上させることができる。
即ち、この装置は、基板ホルダ4に取付けられている
基板3には、予め基板電極7(例えばNiCr,Ti,SnO2,In
2O3,Sn,Al,Auなど)が形成されていて、その基板7に有
機分子が到達されるようになされている。また、基板3
に対向する位置には多孔状または網目状とされたグリッ
ド電極8(例えばステンレス、Al製)が設けられてい
る。そして、基板電極7とグリッド電極8との間には直
流電圧Eが加圧されるようになされている。ここで、基
板電極7とグリッド電極8との間には、スペーサ9が挿
入されていて、基板電極7とグリッド電極8との間隔が
10μm〜5mmとなるようになされている。また、基板電
極7とグリッド電極8との間に印加する電圧Eは、100V
〜1000KVが好ましい。
この装置を用いて基板3上に有機非線形光学膜を形成
する状態を模式的に第4図に示した。即ち、第4図
(a)に示したように、例えば、真空チャンバ内でKセ
ル10aからガス化されたモノマー14をガラス等の基板3
に到達させるようになされている。このモノマー分子14
は、例えば、表1に示すような電気双極子を有する非線
形光学物質であり、Kセル10aからグリッド電極8まで
の間において、その極性がランダムな方向を向くことに
なる。また、基板3上には、基板電極7が設けられてい
る。
Kセル10aから放出されたモノマー分子14は、多孔状
または網目状とされたグリッド電極8を通過して基板3
に形成された基板電極7上に到達することになるが、こ
のグリッド電極8から基板電極7までの間において、極
性がランダムな方向を向いていたモノマー分子14は、配
向されて基板電極7上に堆積する。すなわち、例えば10
μm〜5mmの間隙を有する基板電極7とグリッド電極8
との間には、例えば、100V〜1000KVの電圧Eが印加され
ていて、この基板電極7とグリッド電極8との間におけ
る電界によりモノマー分子14はその電界方向に配向して
基板電極7上に到達させられることになる。このとき、
例えば、真空チャンバの光照射窓13から基板3に対して
紫外線が照射され、基板3に形成された基板電極5上に
は極性の揃ったモノマー分子14の膜が作製されることに
なる。
第4図(b)は、本発明の有機非線形光学膜の作製方
法における他の実施例を示すものである。すなわり、第
4図(b)の非線形光学膜は、基板3に形成した基板電
極7上に絶縁体または半導体のバッファー層16を形成し
たものである。このように、基板電極7上にバッファー
層16を形成することによって、非線形光学膜を構成して
いるモノマー分子14に対して基板電極7から電子等が直
接影響を及ぼさないように構成し、電子等によるモノマ
ー分子14の分解および変質を防止して非線形光学効果を
有効に発揮させるようになる。また、電極を基板背後に
設ける、あるいは基板背後の基板ホルダーに設けること
によっても同様の効果が得られる。
第4図(c)は、本発明の非線形光学膜の作製方法に
おけるさらに他の例を示すものである。すなわち、第4
図(c)の有機膜は、基板3に形成した複数個の基板電
極7を所望の形状にパターニングし、その基板電極7の
パターニング形状に応じて非線形光学膜の配向部分(極
性が揃った部分)を選択的に形成するようにしたもので
ある。具体的には、基板3に対してパターニングされた
基板電極7が形成されていると、バッファー層16を介し
て形成される非線形光学膜は、基板電極7に対応する位
置のモノマー分子14が主として基板電極7とグリッド電
極8との間における電界の影響を受けて配向し、基板電
極7が存在しない部分に対応する位置のモノマー分子14
はその影響が少なく、配向度が弱い。これにより、例え
ば、基板電極7に対応する位置のモノマー分子14が大き
な二次の非線形光学特性を生じ、それ以外のモノマー14
は大きな二次の非線形光学特性を生じない。
特にこの方法はポリマー内のドナー、アクセプター基
の配置を制御するのに適する。すなわち、第5図
(a)、(b)及び(c)に模式的に示したように、電
圧を一定の極性にして印加した場合、モノマーは一定の
方向に配向し、ドナー、アクセプター、ドナー、アクセ
プター、…の順に例えば配列する。
また第6図(a)、(b)及び(c)に模式的に示し
たように、電圧の極性を反転させて製膜すると、それに
応じてモノマーの向きが反転し、例えばドナー、アクセ
プター、アクセプター、ドナー、ドナー、アクセプタ
ー、……の順に配列する。
更に第7図(a)、(b)及び(c)に模式的に示す
ように、複数種類のモノマーを用いて、ドナーアプセプ
ター、ドナー、ドナー、ドナー、アクセプター……のよ
うな配列も可能である。
更に、第8図に模式的に示したように、いくつかの共
役モノマーの分子14の時鎖を積層した後、絶縁性分子
(非電子正孔伝導性分子)の層15を挿入することによ
り、共役一次元ポリマーの量子井戸を形成することがで
きる。
以上のような手法により、任意のドナー、アクセプタ
ーの配置が実現でき、最適配置をとらせることにより、
非線形光学効果の大幅な向上が可能となる。
また飛来させるモノマーは複数種が潜在していてもよ
い。また疎水処理、親水処理、ラビングなど基板処理を
行うこと、あるいは基板にp型又はn型半導体を用いる
ことにより、モノマーの基板上での吸着状態、基板と分
子の長軸とのなす角を調整できる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば高性能の有機非
線形光学膜を基板上で重合させて製膜することができ、
またこの際に基板上に電場を印加することにより有機非
線形光学膜の配向性を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る非線形光学膜の作製方法に使用さ
れる装置の一例を模式的に示す図面であり、 第2図は第1図の装置を用いて本発明に従って有機膜を
形成する状態を模式的に示す図面であり、 第3図は本発明の非線形光学膜の作製方法に使用される
装置の他の例を模式的に示す図面であり、 第4図〜第8図は第3図の装置を用いて本発明に従って
有機非線形光学膜を形成する、いくつかの例の状態を模
式的に示す図面である。 (符号の説明) 1…有機膜作製装置、2…真空チャンバ、3…基板、4
…基板ホルダ、5…ヒータ、6…冷却器、7…基板電
極、8…グリッド電極、10a,10b,10c…Kセル、11a,11b
…固体ソース、11c…ガスソース、12a,12b,12c…シャッ
タ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/35

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共役ポリマーを形成しうるモノマーを真空
    中において基板に飛来させ、基板上に電場を印加してモ
    ノマーを配向させながら光を照射してモノマーを重合さ
    せ、基板上に有機非線形光学膜を作製する方法。
  2. 【請求項2】共役ポリマーを形成しうるモノマーを真空
    中において基板に飛来させて光照射下に基板上に有機非
    線形光学膜を作製するに際し、予じめ基板上に形成され
    た基板電極または基板背後に設けられた電極と基板前面
    に配置した電極との間に電場を印加して製膜する請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】基板前面の電極が多穴状または網目状であ
    る請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】印加電圧の極性を製膜時に変化させる請求
    項2又は3に記載の方法。
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JP2739411B2 (ja) * 1993-03-26 1998-04-15 川崎重工業株式会社 紫外光レーザーによる有機薄膜の製造方法
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