JP2557921B2 - 有機膜の作製方法 - Google Patents
有機膜の作製方法Info
- Publication number
- JP2557921B2 JP2557921B2 JP62327230A JP32723087A JP2557921B2 JP 2557921 B2 JP2557921 B2 JP 2557921B2 JP 62327230 A JP62327230 A JP 62327230A JP 32723087 A JP32723087 A JP 32723087A JP 2557921 B2 JP2557921 B2 JP 2557921B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- organic
- electrode
- organic film
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 配向制御が行われた有機膜を作製する方法に関し、 有機分子の極性が揃った有機膜を作製することを目的
とし、 真空チャンバ内で極性を有するガス化された有機分子
を基板に到達させ、該基板上に該有機分子の膜を作製す
る有機膜の作製方法であって、前記基板上に予め基板電
極を形成し、該基板電極と前記基板に対向して設けられ
たグリッド電極との間に電圧を印加し、該基板電極とグ
リッド電極との間の電界により前記有機分子を配向して
前記基板に到達させ、該基板上に極性の揃った有機分子
の膜を作製するように構成する。
とし、 真空チャンバ内で極性を有するガス化された有機分子
を基板に到達させ、該基板上に該有機分子の膜を作製す
る有機膜の作製方法であって、前記基板上に予め基板電
極を形成し、該基板電極と前記基板に対向して設けられ
たグリッド電極との間に電圧を印加し、該基板電極とグ
リッド電極との間の電界により前記有機分子を配向して
前記基板に到達させ、該基板上に極性の揃った有機分子
の膜を作製するように構成する。
本発明は有機膜の作製方法に関し、特に、配向制御が
行われた有機膜を作製する方法に関する。
行われた有機膜を作製する方法に関する。
従来、有機分子を配向させて有機膜を作製する方法と
しては、例えば、基板に対してスピンコート法により液
体状の有機分子を塗布し、次いで、基板上に塗布された
有機分子層に電圧を印加して有機分子を配向させるもの
が提案されている。また、従来、有機膜の配向制御を行
うために、直流電圧を印加して有機分子を蒸着およびMB
E成長させる試みも行われている。
しては、例えば、基板に対してスピンコート法により液
体状の有機分子を塗布し、次いで、基板上に塗布された
有機分子層に電圧を印加して有機分子を配向させるもの
が提案されている。また、従来、有機膜の配向制御を行
うために、直流電圧を印加して有機分子を蒸着およびMB
E成長させる試みも行われている。
このような配向制御された有機膜は、例えば、ポッケ
ルス(Pockels)効果や光第2高調波発生(SHG:Second
Harmonic Generation)等の二次の非線形光学効果を生
じさせる電気光学素子を製造する上で重要なものとなっ
ている。
ルス(Pockels)効果や光第2高調波発生(SHG:Second
Harmonic Generation)等の二次の非線形光学効果を生
じさせる電気光学素子を製造する上で重要なものとなっ
ている。
上述したように、従来の配向制御された有機膜を作製
する方法は、スピンコートにより有機分子を基板上に塗
布し、次いで、基板上に塗布された有機分子層に電圧を
印加して有機分子を配向させるものである。しかし、基
板上に塗布された有機分子層に電界を加えて有機分子を
配向させる場合、基板上に塗布された有機分子層におい
て各有機分子が自由にその極性方向を変化させることが
できないために有機分子の極性を一定の方向に揃えるこ
とが困難であった。また、有機膜の配向制御を行うため
に、直流電圧を印加して有機分子を蒸着およびMBE成長
させる方法は、専用の電極に対して電圧を印加するよう
になされているために、基板上に到達する有機分子に対
して大きな電界を加えることができず、有機分子の極性
を十分に揃えることが困難であった。さらに、選択的な
配向部分を有する有機膜を作製することも困難であっ
た。
する方法は、スピンコートにより有機分子を基板上に塗
布し、次いで、基板上に塗布された有機分子層に電圧を
印加して有機分子を配向させるものである。しかし、基
板上に塗布された有機分子層に電界を加えて有機分子を
配向させる場合、基板上に塗布された有機分子層におい
て各有機分子が自由にその極性方向を変化させることが
できないために有機分子の極性を一定の方向に揃えるこ
とが困難であった。また、有機膜の配向制御を行うため
に、直流電圧を印加して有機分子を蒸着およびMBE成長
させる方法は、専用の電極に対して電圧を印加するよう
になされているために、基板上に到達する有機分子に対
して大きな電界を加えることができず、有機分子の極性
を十分に揃えることが困難であった。さらに、選択的な
配向部分を有する有機膜を作製することも困難であっ
た。
本発明は、上述した従来の有機膜の作製方法が有する
問題点に鑑み、有機分子の極性が揃った有機膜を作製す
ることを目的とする。
問題点に鑑み、有機分子の極性が揃った有機膜を作製す
ることを目的とする。
第1図は本発明に係る有機膜の作製方法の原理を示す
フローチャートである。
フローチャートである。
本発明によれば、真空チャンバ内で極性を有するガス
化された有機分子を基板に到達させ、該基板上に該有機
分子の膜を作製する有機膜の作製方法であって、前記基
板上に予め基板電極を形成し(1)、該基板電極と前記
基板に対向して設けられたグリッド電極との間に電圧を
印加し(2)、該基板電極とグリッド電極との間の電界
により前記有機分子を配向して前記基板に到達させ
(3)、該基板上に極性の揃った有機分子の膜を作製す
るようにしたことを特徴とする有機膜の作製方法が提供
される。
化された有機分子を基板に到達させ、該基板上に該有機
分子の膜を作製する有機膜の作製方法であって、前記基
板上に予め基板電極を形成し(1)、該基板電極と前記
基板に対向して設けられたグリッド電極との間に電圧を
印加し(2)、該基板電極とグリッド電極との間の電界
により前記有機分子を配向して前記基板に到達させ
(3)、該基板上に極性の揃った有機分子の膜を作製す
るようにしたことを特徴とする有機膜の作製方法が提供
される。
上述した構成を有する本発明の有機膜の作製方法によ
れば、基板上には予め基板電極が形成され、その基板電
極と基板に対向して設けられたグリッド電極との間には
電圧が印加される。そして、有機分子は、基板電極とグ
リッド電極との間の電界により配向して基板に到達させ
られる。これにより、基板上に極性の揃った有機分子の
膜を作製することができる。
れば、基板上には予め基板電極が形成され、その基板電
極と基板に対向して設けられたグリッド電極との間には
電圧が印加される。そして、有機分子は、基板電極とグ
リッド電極との間の電界により配向して基板に到達させ
られる。これにより、基板上に極性の揃った有機分子の
膜を作製することができる。
〔実施例〕 以下、図面を参照して本発明に係る有機膜の作製方法
について説明する。
について説明する。
第2図は本発明の有機膜の作製方法が適用される装置
の一例を模式的に示す図である。同図に示されるよう
に、本発明の有機膜の作製方法が適用される有機膜作製
装置20は、一般的な有機MBE(Molecular Beam Epitax
y)装置を利用することができる。有機膜作製装置20に
おいて、真空ポンプ(図示しない)により真空とされた
真空チャンバ21内には基板4が取付けられた基板ホルダ
22が設けられている。この基板ホルダ22は、ヒータ22a
と水、液体窒素または液体ヘリウム等により冷却される
冷却器22bとにより温度制御可能とされていて、基板4
を最適な温度に設定できるようになされている。
の一例を模式的に示す図である。同図に示されるよう
に、本発明の有機膜の作製方法が適用される有機膜作製
装置20は、一般的な有機MBE(Molecular Beam Epitax
y)装置を利用することができる。有機膜作製装置20に
おいて、真空ポンプ(図示しない)により真空とされた
真空チャンバ21内には基板4が取付けられた基板ホルダ
22が設けられている。この基板ホルダ22は、ヒータ22a
と水、液体窒素または液体ヘリウム等により冷却される
冷却器22bとにより温度制御可能とされていて、基板4
を最適な温度に設定できるようになされている。
基板ホルダ22に取付けられる基板4には、予め基板電
極5が形成されていて、その基板電極5に有機分子が到
達されるようになされている。また、基板4に対向する
位置には多孔状または網目状とされたグリッド電極6が
設けられている。そして、基板電極5とグリッド電極6
との間には直流電圧Eが印加されるようになされてい
る。ここで、基板電極5とグリッド電極6との間には、
スペーサ7が挿入されていて、基板電極5とグリッド電
極6との間隔が10μm〜5mmとなるようになされてい
る。また、基板電極5とグリッド電極6との間に印加す
る電圧Eは、100V〜10KVが好ましい。
極5が形成されていて、その基板電極5に有機分子が到
達されるようになされている。また、基板4に対向する
位置には多孔状または網目状とされたグリッド電極6が
設けられている。そして、基板電極5とグリッド電極6
との間には直流電圧Eが印加されるようになされてい
る。ここで、基板電極5とグリッド電極6との間には、
スペーサ7が挿入されていて、基板電極5とグリッド電
極6との間隔が10μm〜5mmとなるようになされてい
る。また、基板電極5とグリッド電極6との間に印加す
る電圧Eは、100V〜10KVが好ましい。
真空チャンバ21内において、基板ホルダ22に取付けら
れた基板4に対面する端部位置には3つのKセル23a,23
b,23cが設けられている。これら3つのKセルの内、2
つのKセル23aおよび23b内には固体ソース24aおよび24b
が入れられ、また、残りのKセル23cには真空チャンバ2
1の外部に設けられガスボンベまたはアンプル等(図示
しない)から気体ソース24cが供給されるようになされ
ている。そして、これら3つのKセル23a,23b,23cの上
方にはそれぞれシャッタ25a,25b,25cが設けられてい
て、基板4に到達する各Kセルのソースの種類および量
を制御するようになされている。また、真空チャンバ21
の側部には、基板4上に紫外線等の光を照射するための
光照射窓21aが設けられている。この第2図に示す装置
(有機MBE装置)は本発明に係る有機膜の作製方法が適
用される装置の一例であり、本発明の有機膜の作製方法
は、他に真空蒸着装置,イオンプレーティング装置およ
びクラスターイオンビームスパッタリング装置等を利用
することもできる。ここで、Kセル23aには、例えば、
非線形光学効果を有する有機分子が入れられており、ま
た、Kセル23cには、例えば、真空チャンバ21の外部に
設けられアンプル等からMMA(Methyl Methacrylate:メ
タクリル酸メチル)またはHEMA(Hydroxy Ethyl Methac
rylate:メタクリル酸ヒドロキシエチル)等のポリマー
形成可能な分子が供給されるようになされている。この
ように、有機膜を作製する複数の有機分子の1種類とし
てポリマー形成可能な分子を使用すれば、作製された有
機膜の強度を向上させることができる。
れた基板4に対面する端部位置には3つのKセル23a,23
b,23cが設けられている。これら3つのKセルの内、2
つのKセル23aおよび23b内には固体ソース24aおよび24b
が入れられ、また、残りのKセル23cには真空チャンバ2
1の外部に設けられガスボンベまたはアンプル等(図示
しない)から気体ソース24cが供給されるようになされ
ている。そして、これら3つのKセル23a,23b,23cの上
方にはそれぞれシャッタ25a,25b,25cが設けられてい
て、基板4に到達する各Kセルのソースの種類および量
を制御するようになされている。また、真空チャンバ21
の側部には、基板4上に紫外線等の光を照射するための
光照射窓21aが設けられている。この第2図に示す装置
(有機MBE装置)は本発明に係る有機膜の作製方法が適
用される装置の一例であり、本発明の有機膜の作製方法
は、他に真空蒸着装置,イオンプレーティング装置およ
びクラスターイオンビームスパッタリング装置等を利用
することもできる。ここで、Kセル23aには、例えば、
非線形光学効果を有する有機分子が入れられており、ま
た、Kセル23cには、例えば、真空チャンバ21の外部に
設けられアンプル等からMMA(Methyl Methacrylate:メ
タクリル酸メチル)またはHEMA(Hydroxy Ethyl Methac
rylate:メタクリル酸ヒドロキシエチル)等のポリマー
形成可能な分子が供給されるようになされている。この
ように、有機膜を作製する複数の有機分子の1種類とし
てポリマー形成可能な分子を使用すれば、作製された有
機膜の強度を向上させることができる。
第3図は本発明の有機膜の作製方法の実施例を説明す
るための図である。
るための図である。
本発明の有機膜の作製方法における第1の実施例は、
第2図および第3図(a)に示されるように、例えば、
真空チャンバ内でKセル23aからガス化された有機分子9
0をガラス等の基板4に到達させるようになされてい
る。この有機分子90は、例えば、電気双極子を有する非
線形光学物質であり、Kセル23aからグリッド電極6ま
での間において、有機分子90はその極性がランダムな方
向を向くことになる。また、基板4上には、ITO等より
成る基板電極5が設けられている。
第2図および第3図(a)に示されるように、例えば、
真空チャンバ内でKセル23aからガス化された有機分子9
0をガラス等の基板4に到達させるようになされてい
る。この有機分子90は、例えば、電気双極子を有する非
線形光学物質であり、Kセル23aからグリッド電極6ま
での間において、有機分子90はその極性がランダムな方
向を向くことになる。また、基板4上には、ITO等より
成る基板電極5が設けられている。
Kセル23aから放出された有機分子90は、多孔状また
は網目状とされたグリッド電極6を通過して基板4に形
成された基板電極5上に到達することになるが、このグ
リッド電極6から基板電極5までの間において、極性が
ランダムな方向を向いていた有機分子90は、配向されて
基板電極5上に堆積する。すなわち、例えば、10μm〜
5mmの間隙を有する基板電極5とグリッド電極6との間
には、例えば、100V〜10KVの電圧Eが印加されていて、
この基板電極5とグリッド電極6との間における電界に
より有機分子90はその電界方向に配向して基板電極5上
に到達させられることになる。このとき、例えば、真空
チャンバ21の光照射窓21aから基板4に対して紫外線が
照射され、基板4に形成された基板電極5上には極性の
揃った有機分子91の膜9が作製されることになる。
は網目状とされたグリッド電極6を通過して基板4に形
成された基板電極5上に到達することになるが、このグ
リッド電極6から基板電極5までの間において、極性が
ランダムな方向を向いていた有機分子90は、配向されて
基板電極5上に堆積する。すなわち、例えば、10μm〜
5mmの間隙を有する基板電極5とグリッド電極6との間
には、例えば、100V〜10KVの電圧Eが印加されていて、
この基板電極5とグリッド電極6との間における電界に
より有機分子90はその電界方向に配向して基板電極5上
に到達させられることになる。このとき、例えば、真空
チャンバ21の光照射窓21aから基板4に対して紫外線が
照射され、基板4に形成された基板電極5上には極性の
揃った有機分子91の膜9が作製されることになる。
ここで、有機膜9を形成する有機分子90(91)は、例
えば、複数種の有機分子で構成され、それら複数種の有
機分子の少なくとも1種類は非線形光学効果を有する有
機分子とされ、また、他の1種類はポリマー形成可能な
分子とされている。これにより、有機膜9は非線形光学
分子の極性が揃えられるのでポッケルス効果やSHG等の
二次の非線形光学特性を有することになり、また、有機
分子の1種類としてポリマー形成可能な分子を使用する
ことで有機膜9の強度が向上することになる。このよう
に、有機膜9を形成する有機分子90(91)として、非線
形光学効果を有する有機分子およびポリマー形成可能な
分子の複数の有機分子を使用する場合、これら複数の有
機分子は、基板に対して同時に到達するようになされて
いる。
えば、複数種の有機分子で構成され、それら複数種の有
機分子の少なくとも1種類は非線形光学効果を有する有
機分子とされ、また、他の1種類はポリマー形成可能な
分子とされている。これにより、有機膜9は非線形光学
分子の極性が揃えられるのでポッケルス効果やSHG等の
二次の非線形光学特性を有することになり、また、有機
分子の1種類としてポリマー形成可能な分子を使用する
ことで有機膜9の強度が向上することになる。このよう
に、有機膜9を形成する有機分子90(91)として、非線
形光学効果を有する有機分子およびポリマー形成可能な
分子の複数の有機分子を使用する場合、これら複数の有
機分子は、基板に対して同時に到達するようになされて
いる。
第3図(b)は、本発明の有機膜の作製方法における
他の実施例を示すものである。すなわち、第3図(b)
の有機膜は、基板4に形成した基板電極5上に絶縁体ま
たは半導体のバッファー層8を形成したものである。こ
のように、基板電極5上にバッファー層8を形成するこ
とによって、有機膜9を構成している有機分子91に対し
て基板電極5から電子等が直接影響を及ぼさないように
構成し、電子等による有機分子91の分解および変質を防
止して非線形光学効果を有効に発揮させるようになされ
ている。
他の実施例を示すものである。すなわち、第3図(b)
の有機膜は、基板4に形成した基板電極5上に絶縁体ま
たは半導体のバッファー層8を形成したものである。こ
のように、基板電極5上にバッファー層8を形成するこ
とによって、有機膜9を構成している有機分子91に対し
て基板電極5から電子等が直接影響を及ぼさないように
構成し、電子等による有機分子91の分解および変質を防
止して非線形光学効果を有効に発揮させるようになされ
ている。
第3図(c)は、本発明の有機膜の作製方法における
さらに他の実施例を示すものである。すなわち、第3図
(c)の有機膜は、基板4に形成する基板電極5(5a,5
b,5c)を所望の形状にパターニングし、その基板電極5
a,5b,5cのパターニング形状に応じて有機膜9の配向部
分(極性が揃った部分)を選択的に形成するようにした
ものである。具体的に、基板4に対してパターニングさ
れた基板電極5a,5b,5cが形成されていると、バッファー
層8を介して形成される有機膜9は、基板電極5a,5b,5c
に対応する位置の有機分子91a,91b,91cだけが基板電極5
a,5b,5cとグリッド電極6との間における電界の影響を
受けて配向し、基板電極5a,5b,5cが存在しない部分に対
応する位置の有機分子91dはその極性がランダムな方向
となる。これにより、例えば、有機分子として非線形光
学物質を使用すれば、基板電極5a,5b,5cに対応する位置
の有機分子91a,91b,91cだけが二次の非線形光学特性を
生じ、それ以外の有機分子91dは二次の非線形光学特性
を生じないという有機膜9を作製することができる。
さらに他の実施例を示すものである。すなわち、第3図
(c)の有機膜は、基板4に形成する基板電極5(5a,5
b,5c)を所望の形状にパターニングし、その基板電極5
a,5b,5cのパターニング形状に応じて有機膜9の配向部
分(極性が揃った部分)を選択的に形成するようにした
ものである。具体的に、基板4に対してパターニングさ
れた基板電極5a,5b,5cが形成されていると、バッファー
層8を介して形成される有機膜9は、基板電極5a,5b,5c
に対応する位置の有機分子91a,91b,91cだけが基板電極5
a,5b,5cとグリッド電極6との間における電界の影響を
受けて配向し、基板電極5a,5b,5cが存在しない部分に対
応する位置の有機分子91dはその極性がランダムな方向
となる。これにより、例えば、有機分子として非線形光
学物質を使用すれば、基板電極5a,5b,5cに対応する位置
の有機分子91a,91b,91cだけが二次の非線形光学特性を
生じ、それ以外の有機分子91dは二次の非線形光学特性
を生じないという有機膜9を作製することができる。
上記した有機分子の具体例としては、以下に示す物質
がある。
がある。
第4図は本発明の有機膜の作製方法により得られた光
偏向器の一例を示す図である。同図に示されるように、
この光偏向器は、第3図(a)により得られた有機膜9
の表面に対して、さらに平板状の表面電極10を形成した
ものである。そして、基板電極5および表面電極10に電
圧を印加するか否かによって、二次の非線形光学特性
(ポッケルス効果)で有機膜9の光屈折率を変化させ、
出力光を偏向制御するものである。すなわち、シリンド
リカルレンズ11により集光されて有機膜9に入射された
入射光Lは、基板電極5および表面電極10に電圧が印加
されていない場合には有機膜9中をそのまま直進して出
力光L1として出力される。また、基板電極5および表面
電極10に電圧が印加されている場合には有機膜9の光屈
折率変化により、直進出力光L1とΘの角度を成す方向に
偏向出力光L2が出力されることになる。ここで、表面電
極10は、有機膜9上に直接形成せずに、有機膜9上にバ
ッファー層を介して表面電極10を形成するようにしても
よいのはいうまでもない。
偏向器の一例を示す図である。同図に示されるように、
この光偏向器は、第3図(a)により得られた有機膜9
の表面に対して、さらに平板状の表面電極10を形成した
ものである。そして、基板電極5および表面電極10に電
圧を印加するか否かによって、二次の非線形光学特性
(ポッケルス効果)で有機膜9の光屈折率を変化させ、
出力光を偏向制御するものである。すなわち、シリンド
リカルレンズ11により集光されて有機膜9に入射された
入射光Lは、基板電極5および表面電極10に電圧が印加
されていない場合には有機膜9中をそのまま直進して出
力光L1として出力される。また、基板電極5および表面
電極10に電圧が印加されている場合には有機膜9の光屈
折率変化により、直進出力光L1とΘの角度を成す方向に
偏向出力光L2が出力されることになる。ここで、表面電
極10は、有機膜9上に直接形成せずに、有機膜9上にバ
ッファー層を介して表面電極10を形成するようにしても
よいのはいうまでもない。
第5図は本発明の有機膜の作製方法により得られた光
スイッチ・光変調器の一例を示す図である。同図に示さ
れるように、この光スイッチ・光変調器は、第3図
(c)により得られた有機膜9の表面の光導波路51,52
の交差部分上に表面電極10を形成したものである。すな
わち、有機膜9にはパターニングされた基板電極5の形
状に対応して光導波路(有機分子の極性が揃った部分)
51,52が形成されていて、基板電極5および表面電極10
に電圧を印加するか否かにより二次の非線形光学特性
(ポッケルス効果)で有機膜9の光屈折率を変化させ
て、入射光Lを光導波路51に通して出力光L1を得るか光
導波路52に通して出力光L2を得るかスイッチング或いは
変調するようにされたものである。
スイッチ・光変調器の一例を示す図である。同図に示さ
れるように、この光スイッチ・光変調器は、第3図
(c)により得られた有機膜9の表面の光導波路51,52
の交差部分上に表面電極10を形成したものである。すな
わち、有機膜9にはパターニングされた基板電極5の形
状に対応して光導波路(有機分子の極性が揃った部分)
51,52が形成されていて、基板電極5および表面電極10
に電圧を印加するか否かにより二次の非線形光学特性
(ポッケルス効果)で有機膜9の光屈折率を変化させ
て、入射光Lを光導波路51に通して出力光L1を得るか光
導波路52に通して出力光L2を得るかスイッチング或いは
変調するようにされたものである。
上述した本発明の有機膜の作製方法により得られる光
偏向器および光スイッチ・光変調器において、基板電極
5は有機膜9の作製時以外に、製造された光偏向器等に
おいて有機膜9に電圧を印加するために使用されるてい
るが、例えば、有機膜9の光第2高調波発生(SHG)特
性を利用する場合には、基板電極5は有機膜9を作製す
るためだけに使用されることになる。また、本発明の有
機膜の作製方法は、非線形光学特性を有する有機膜以外
に有機分子の配向を制御した様々な有機膜の作製に利用
することができるのはいうまでもない。
偏向器および光スイッチ・光変調器において、基板電極
5は有機膜9の作製時以外に、製造された光偏向器等に
おいて有機膜9に電圧を印加するために使用されるてい
るが、例えば、有機膜9の光第2高調波発生(SHG)特
性を利用する場合には、基板電極5は有機膜9を作製す
るためだけに使用されることになる。また、本発明の有
機膜の作製方法は、非線形光学特性を有する有機膜以外
に有機分子の配向を制御した様々な有機膜の作製に利用
することができるのはいうまでもない。
以上、詳述したように、本発明に係る有機膜の作製方
法は、基板電極とグリッド電極との間に電圧を印加して
有機分子を配向して基板に到達させることによって、有
機分子の極性が揃った有機膜を作製することができる。
法は、基板電極とグリッド電極との間に電圧を印加して
有機分子を配向して基板に到達させることによって、有
機分子の極性が揃った有機膜を作製することができる。
第1図は本発明に係る有機膜の作製方法の原理を示すフ
ローチャート、 第2図は本発明の有機膜の作製方法が適用される装置の
一例を模式的に示す図、 第3図は本発明の有機膜の作製方法の実施例を説明する
ための図、 第4図は本発明の有機膜の作製方法により得られた光偏
向器の一例を示す図、 第5図は本発明の有機膜の作製方法により得られた光ス
イッチ・光変調器の一例を示す図である。 (符号の説明) 4……基板、 5……基板電極、 6……グリッド電極、 20……有機膜作製装置、 21……真空チャンバ、 21a……光照射窓、 22……基板ホルダ、 22a……ヒータ、 22b……冷却器、 23a,23b,23c……Kセル、 24a,24b……固体ソース、 24c……ガスソース、 25a,25b,25c……シャッタ。
ローチャート、 第2図は本発明の有機膜の作製方法が適用される装置の
一例を模式的に示す図、 第3図は本発明の有機膜の作製方法の実施例を説明する
ための図、 第4図は本発明の有機膜の作製方法により得られた光偏
向器の一例を示す図、 第5図は本発明の有機膜の作製方法により得られた光ス
イッチ・光変調器の一例を示す図である。 (符号の説明) 4……基板、 5……基板電極、 6……グリッド電極、 20……有機膜作製装置、 21……真空チャンバ、 21a……光照射窓、 22……基板ホルダ、 22a……ヒータ、 22b……冷却器、 23a,23b,23c……Kセル、 24a,24b……固体ソース、 24c……ガスソース、 25a,25b,25c……シャッタ。
Claims (16)
- 【請求項1】真空チャンバ内で極性を有するガス化され
た有機分子を基板に到達させ、該基板上に該有機分子の
膜を作製する有機膜の作製方法であって、 前記基板上に予め基板電極を形成し(1)、 該基板電極と前記基板に対向して設けられたグリッド電
極との間に電圧を印加し(2)、 該基板電極とグリッド電極との間の電界により前記有機
分子を配向して前記基板に到達させ(3)、該基板上に
極性の揃った有機分子の膜を作製するようにしたことを
特徴とする有機膜の作製方法。 - 【請求項2】前記基板電極は所望の形状にパターニング
され、前記有機膜は該基板電極のパターニング形状に応
じた有機分子の配向部分が選択的に形成されるようにな
っている特許請求の範囲第1項に記載の方法。 - 【請求項3】前記基板電極上には、絶縁体または半導体
のバッファー層が形成され、該バッファー層上に有機膜
が作製されるようになっている特許請求の範囲第1項に
記載の方法。 - 【請求項4】前記基板電極とグリッド電極との間には、
スペーサが挿入されている特許請求の範囲第1項に記載
の方法。 - 【請求項5】前記基板電極とグリッド電極との間隔は、
10μm〜5mmとされている特許請求の範囲第1項に記載
の方法。 - 【請求項6】前記基板電極とグリッド電極との間に印加
する電圧は、100V〜10KVとされている特許請求の範囲第
1項に記載の方法。 - 【請求項7】前記有機分子は、複数種の有機分子で構成
され、前記基板に対して該複数種の有機分子が同時に到
達するようになっている特許請求の範囲第1項に記載の
方法。 - 【請求項8】前記複数種の有機分子の少なくとも1種類
は、非線形光学効果を有している特許請求の範囲第7項
に記載の方法。 - 【請求項9】前記複数種の有機分子の少なくとも1種類
は、ポリマー形成可能な分子で構成されている特許請求
の範囲第7項に記載の方法。 - 【請求項10】前記ポリマー形成可能な分子は、MMAま
たはHEMAとされている特許請求の範囲第9項に記載の方
法。 - 【請求項11】前記有機分子は、前記真空チャンバの内
部に設けられたKセルによりガス化して基板に到達され
るようになっている特許請求の範囲第1項に記載の方
法。 - 【請求項12】前記有機分子は、前記真空チャンバの外
部からのガス導入系によりガス化して基板に到達される
ようになっている特許請求の範囲第1項に記載の方法。 - 【請求項13】前記有機膜の作製は、光照射の下で行わ
れるようになっている特許請求の範囲第1項に記載の方
法。 - 【請求項14】前記グリッド電極は、多孔状または網目
状とされている特許請求の範囲第1項に記載の方法。 - 【請求項15】前記作製された有機膜の表面には、表面
電極が形成されるようになっている特許請求の範囲第1
項に記載の方法。 - 【請求項16】前記作製された有機膜の表面には、バッ
ファー層を介して前記表面電極が形成されるようになっ
ている特許請求の範囲第15項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62327230A JP2557921B2 (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | 有機膜の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62327230A JP2557921B2 (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | 有機膜の作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01169436A JPH01169436A (ja) | 1989-07-04 |
JP2557921B2 true JP2557921B2 (ja) | 1996-11-27 |
Family
ID=18196772
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62327230A Expired - Fee Related JP2557921B2 (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | 有機膜の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2557921B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6585180B2 (ja) * | 2015-10-22 | 2019-10-02 | 東京エレクトロン株式会社 | 膜形成装置及び膜形成方法 |
-
1987
- 1987-12-25 JP JP62327230A patent/JP2557921B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01169436A (ja) | 1989-07-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6632483B1 (en) | Ion gun deposition and alignment for liquid-crystal applications | |
US6124914A (en) | Method an apparatus for forming an alignment pattern on a surface using a particle beam useful for a liquid crystal | |
US20090316096A1 (en) | Multi-domain and ips liquid-crystal display using dry alignment | |
EP0380139B1 (en) | Organic nonlinear optical material | |
NL1001346C2 (nl) | Werkwijze en inrichting voor het aanbrengen van oriënteringslagen op een substraat voor het richten van moleculen van vloeibare kristallen. | |
JP2557921B2 (ja) | 有機膜の作製方法 | |
JP2004526989A (ja) | 液晶装置とその製造方法 | |
US5267076A (en) | Process for obtaining a structure generating non-linear electrooptical effects, structure obtained and applications thereof | |
Wilkinson et al. | Sparse multiwall carbon nanotube electrode arrays for liquid‐crystal photonic devices | |
Haronian et al. | Microfabricating bacteriorhodopsin films for imaging and computing | |
JP2790146B2 (ja) | 有機非線形光学膜の作製方法 | |
KR100337402B1 (ko) | 비선형 광학 실리카 박막의 제조방법 및 비선형 광학 실리카 소자 | |
JP2862005B2 (ja) | 有機膜の作製方法 | |
US5379136A (en) | Electron beam addressed electro-optical light valve having input openings | |
Liang et al. | High-Resolution In Situ Crystallization and Patterning of a CsPbBr3 Film via Femtosecond Laser Printing | |
JP2855330B2 (ja) | 有機膜の作製方法 | |
US7782148B2 (en) | Particle optics and waveguide apparatus | |
KR0151949B1 (ko) | 액정 표시 디바이스 | |
JP2728091B2 (ja) | 有機非線形光学膜の作製方法 | |
Margaryan et al. | Optical Recording Method of Patterned Microstructures Based on Liquid Crystal Polymer | |
JPH0151814B2 (ja) | ||
US7202990B2 (en) | Method and device for light modulation by means of a granular gas | |
JPS62235464A (ja) | 有機物高配向膜の作製装置 | |
JP2848403B2 (ja) | ジアセチレン又はポリジアセチレンのエピタキシャル成長法 | |
JPH03109529A (ja) | 有機電気光学素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |