JP2789888B2 - 電気粘性流体用電極 - Google Patents

電気粘性流体用電極

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気粘性流体用電極、特
に電極間のショートを防止する電気粘性流体用電極に関
する。
【0002】
【従来の技術】電気粘性用流体とは、シリコンオイル,
塩化パラフィンなどの分散媒中シリカ,ゼオライト,イ
オン交換樹脂,有機半導体などの分散粒子を10〜40
%程度混合したものであり、電圧が加えられ電流が通じ
られることによりその粘度が変化する流体である。
【0003】電気粘性流体に印加する印加電極は、通常
銅や黄銅などで作られ、0〜5kV/mmの電界が印加
される。近年、電気粘性流体の分散粒子には有機半導体
が用いられており、エンジンマウントやショックアブソ
ーバ等に適用され、かけられる電界の強度に応じてその
粘性を変化させるという特性が生かされている。すなわ
ち粘性が変化可能であるということは、これらエンジン
マウント並びにショックアブソーバのバネ定数及び減衰
力が変化可能になることを意味している。これを車に利
用すれば、高速運転時及び低速運転時において状況に応
じたショック緩和機能を提供することができるため、乗
り物のショック緩和機構を初めとして電気粘性流体の用
途が広がりつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような用途を有
する電気粘性流体においては、その品質が長期間維持さ
れることが求められる。すなわち、印加される電界に応
じて粘性を変化させるという特性と、電界の強度に対す
る粘性の変化率とが長期間維持されることが求められ
る。しかしながら、近年のように電気粘性流体に印加す
る印加電極は、5kV/mm程度の高電界強度を必要と
するため、分散粒子に有機半導体を用いている電気粘性
流体においては、この粒子濃度の高い部分や異物の混入
などが原因で電極間でショートしてしまうことがある。
一旦ショートしてしまうと有機粒子は炭化して電極板に
付着し、これがショートの原因となるため続いてショー
トが起こり易くなる。最終的には、ショートしたままと
なり使用不能となる。また、電極間でショートが生じる
と電気粘性流体の品質が悪化し、電界に応じて粘性が変
化するという特性が失われ、粘性の変化率に揺らぎが生
じ、寿命が短かった。
【0005】本出願人はこの点を改良すべく特願平2−
408099号において、半導体層を分割する絶縁体部
を設け、ショートを防止することについて提案した。し
かし、絶縁体部を単に設けた場合、絶縁体部は電気粘性
流体の粘性変化に関与しないため、相対的に若干粘性変
化率が低下する。このため、前述の通りの利点を有する
ものでありながら、十分な粘性変化を得られない場合も
あった。
【0006】本発明は以上のような問題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は電極間のショートを防止し、
かつ、印加された電界に対する粘性変化率を損なわない
電気粘性流体用電極を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために、本発明における電気粘性流体用電極は、他
方に比べ電気抵抗が10から1000倍大きい半導体に
よって比較的電気抵抗の小さい半導体を垂直方向に多数
分割して成る半導体層を、電気粘性流体に向かっている
面に設置することにより、電極間の過電流が流れること
を防止していることを特徴とする。
【0008】
【作用】以上のように構成された本発明の電気粘性用電
極においては、電極の表面に設置された半導体層におい
て、電気抵抗の小さい低抵抗部がそれぞれ独立した小電
極として働くので、印加電極の電極が均等に分散して電
気粘性流体に伝わることになる。従って、ショートしな
い程度の小電流を並列に伝えることによって電気粘性流
体の粘性の制御を行うことになる。
【0009】なお、電気粘性流体が大きい高抵抗部にお
いても、多少の電流の供給が行われるため、印加された
電界に対する粘性変化率を損なうことなく、ショートの
防止を行うことが可能となっている。
【0010】
【実施例】まず、電気粘性流体の機能を発揮させるため
には、種類・温度などによって異なってくるが、だいた
い2A/m2 程度の電流が必要である。よって電極とし
ては、最低2A/m2 の電流密度が必要であり、これ以
下では電界を印加したとしても十分な剪断応力が得られ
ない。
【0011】しかし、電気粘性流体は、種類・温度によ
って異なるが、部分的に流れる電流が105 A/m2
上になるとショートしてしまうので、2A/m2 〜10
5 A/m2 の範囲の電流密度で使用する必要がある。
【0012】そこで、以上のような許容範囲で粘性の制
御を行うために、本実施例においては、高抵抗部によっ
て小電極に分割された低抵抗部を有する半導体層を形成
し、小電極の低抵抗部から、それぞれ小電流を供給して
その総和で電気粘性流体を駆動させることを特徴とす
る。
【0013】全体構成 図1は、本発明の好適な一実施例に係る電気粘性流体用
電極の構成を示す断面図である。図のように、電気粘性
流体14に電界をかける印加電極11は対向配置されて
おり、これらの間は電気粘性流体14が流れる流体通路
12となっている。ここで、印加電極11の流体通路1
2側の表面は、本実施例の特徴部分である半導体13で
覆われている。
【0014】一方、図2は図1中のYの部分を拡大した
拡大断面図であり、図3は半導体層13の表面を流体通
路12側から見た拡大図である。図2に示されるよう
に、印加電極11は電極基板10と半導体層13とから
なり、電極基板10の流体通路12側表面が半導体層1
3で覆われている。また、半導体層13は低抵抗部13
aと高抵抗部13bとからなり、高抵抗部13bによっ
て低抵抗部13aは細分割され、各々電極基板10に対
して垂直方向に固定化されている。
【0015】すなわち、図3に示されるように、半導体
層13は円筒形の半導体繊維からなる低抵抗部13a同
士が接触しないように、低抵抗部13a相互間を仕切る
ように高抵抗部13bが存在する構造となっている。
【0016】一方、電流は、電気抵抗の低い部分へと流
れるので、低抵抗部13aに選択的に電流が流れること
になる。従って、印加電極11の表面に対して水平方向
では低抵抗部13a相互間は高抵抗部13bで仕切られ
ているので電流が流れることはないが、垂直方向では、
小分割された低抵抗部13aより微小電流が電極間に流
れる。このため、印加電極11全体としては電気粘性流
体14を駆動するのに十分な電気量を供給しながらも、
各々の低抵抗部13aはその付近の電気粘性流体14に
異物が混入しても過電流を生じ得ない程度にしか電流を
流さないので、印加電極11間におけるショートが防止
されるようになっている。また、高抵抗部13bにおい
ても、低抵抗部13aの1/10〜1/1000である
ものの多少の電流が流れるので、印加電極11全体とし
ての電流密度が保障されるため印加された電界に対する
粘性の変化率を損なわないようになっている。
【0017】製造方法 ここで、半導体層13は、低抵抗部13aと高抵抗部1
3bとから成るが、このうちの低抵抗部13aは、電気
抵抗が105 Ωm,繊維径が10μmの有機半導体繊維
(ポリアニリンなど)又は無機半導体繊維(SiTiC
Oよりなる連続無機繊維)からなるものを、同一方向に
そろえ、体積充填率が25%程度することによって構成
する。一方、これに、可溶性半導体樹脂(可溶性ポリア
ニリンなど)をマトリックスとして充填して固定化成形
することによって、高抵抗部13bを構成する。
【0018】次に、上記半導体繊維の固定化成形体を、
繊維に対して垂直方向に切断し、半導体層13としての
厚さが100μmとなるようにする。そして、これを金
属性電極板10に導電性接着剤で張り合わせる。最後
に、マトリックスの半導体樹脂を、酢酸などで電気抵抗
が5×107 Ωmとなるようにドーピングし、高抵抗部
13bを得ることができた。このようにして得られた低
抵抗部13aと高抵抗部13bとを有する半導体層13
の抵抗率は、実測によれば、106 Ωmである。具体的な実験例 このようにして得られた印加電極11を1mmの間隔を
おいて対向配置して、これらの間に電気粘性流体14を
流して5kV/mmの電圧をかけると、この電極は約2
5A/m2 の電流密度を流す能力を有しているため、電
気粘性流体14の機能を発揮させるのには十分である。
【0019】一方、微視的にみると低抵抗部13aの一
片より流れる電流は、計算上約20nAに過ぎず、従っ
て、ショートによる炭化などは起こらない。このように
して、電気粘性流体14の機能を発揮させることができ
るが、ショートによる炭化などは起こらない。
【0020】ここで、低抵抗部13aと高抵抗部13b
の電気抵抗の範囲は、半導体層13の厚さ,低抵抗部1
3aと高抵抗部13bの配置割合,低抵抗部13aの径
等により異なるが、一般的には図4,図5のようにな
る。
【0021】図4は、この実施例における高抵抗部13
bを固定したときの低抵抗部13aの抵抗率と剪断応力
との関係を示したグラフである。
【0022】図5は、この実施例における低抵抗部13
aを固定したときの高抵抗部13bの抵抗率と剪断応力
との関係を示したグラフである。
【0023】実施例においては、50℃で5kV/mm
の電圧をかけており、図4から、この実施例の条件下で
は抵抗率が104 Ωmより小さいと部分的に過大な電流
が流れてショートし、逆に抵抗率が106 Ωm以上にな
ると低抵抗部13aに電気粘性流体14を駆動させるの
に必要な電流密度を提供できなくなるため剪断応力が低
下し始めることがわかる。
【0024】一方、高抵抗部13bは5×105 Ωmよ
り小さくなると、低抵抗部13aと高抵抗部13b相互
間に電流が流れ出し、それに伴いショートが発生する。
逆に108 Ωm以上になると、高抵抗部13bに電気粘
性流体14を駆動させるのに必要な電流密度を提供でき
なくなるため剪断応力が低下する。このため、低抵抗部
13aの抵抗率は半導体層の厚さ,半導体繊維の径及び
電気粘性流体14の種類等によって異なってくるが、5
kV/mmの電圧に対して104 〜106 Ωm程度が好
ましく、それに対して高抵抗部13bの抵抗率は低抵抗
部13aに比べ10〜1000倍大きく、かつ、5×1
5 〜108 Ωm程度が好ましい。
【0025】ここで、電気粘性流体14は温度が上昇す
ると共に粘性低下を起こすが、印加電極の表面の半導体
は温度上昇と共に抵抗値が下がるので、粘性は逆に高く
なるため、これらの効果が相殺し合い適正な制御が行わ
れることも実験的に分かっている。
【0026】なお、半導体層13の厚さ,低抵抗部13
aと高抵抗部13bの配置割合,低抵抗部部13aの径
は、使用される電気粘性流体などにより自在に変えれば
良いので、本実施例において使用した大きさに限られる
ものでない。
【0027】さらに、電気基板10は黄銅や銅などのよ
うに良伝導体であれば、いかなるものであっても差支え
ない。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明の電気粘性流体用
電極は、その電極面に過電流を生じることがないので、
電気粘性流体の機能を損なうことなくその粘性の制御を
行うことができる。また、印加された電界に対する粘性
の変化率の損失が少ないので、伝導効率が良好である。
従って、これを応用した装置の寿命を延ばし、作動効率
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気粘性流体用電極の一実施例の
構成を示す断面図である。
【図2】図1中のYの部分を拡大断面図である。
【図3】半導体層13の表面を流体通路12側から見た
拡大図である。
【図4】低抵抗部13aの抵抗率と剪断応力との関係を
示したグラフである。
【図5】高抵抗部13bの抵抗率と剪断応力との関係を
示したグラフである。
【符号の説明】
10 電極基板 11 印加電極 12 流体通路 13 半導体層 13a 低抵抗部 13b 高抵抗部 14 電気粘性流体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気粘性流体の両側に対向配置された印加
    電極と、 前記印加電極の電気粘性流体側の面に設置され、二種の
    電気抵抗の異なる半導体から成る半導体層と、 を含み、 前記半導体層は、 周囲より電気抵抗が小さい半導体からなる低抵抗部と、 この低抵抗部よりも電気抵抗が10から1000倍大き
    い半導体からなる高抵抗部と、 から構成され、 前記印加電極の面に垂直な方向に分割された電流を電気
    粘性流体に供給することを特徴とする電気粘性流体用電
    極。
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CN109443805A (zh) * 2019-01-14 2019-03-08 吉林大学 基于电流变液的汽车试验台变滑移率滑板
CN111457051B (zh) * 2020-04-29 2021-12-17 合肥工业大学 一种堆叠活塞式电流变液减振器

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