JP2734203B2 - 電気粘性流体用電極 - Google Patents

電気粘性流体用電極

Info

Publication number
JP2734203B2
JP2734203B2 JP40809990A JP40809990A JP2734203B2 JP 2734203 B2 JP2734203 B2 JP 2734203B2 JP 40809990 A JP40809990 A JP 40809990A JP 40809990 A JP40809990 A JP 40809990A JP 2734203 B2 JP2734203 B2 JP 2734203B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrorheological fluid
electrode
semiconductor
semiconductor layer
fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP40809990A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04225405A (ja
Inventor
宜弘 山村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP40809990A priority Critical patent/JP2734203B2/ja
Publication of JPH04225405A publication Critical patent/JPH04225405A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2734203B2 publication Critical patent/JP2734203B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)
  • Control Of Non-Electrical Variables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気粘性流体用電極、特
に電極間のショートを防止する電気粘性流体用電極に関
する。
【0002】
【従来の技術】電気粘性用流体とは、シリコンオイル,
塩化パラフィンなどの分散媒中シリカ,ゼオライト,イ
オン交換樹脂,有機半導体などの分散粒子を10〜40
%程度混合したものであり、電圧が加えられ電流が通じ
られることによりその粘度が変化する流体である。
【0003】電気粘性流体に印加する印加電極は、通常
銅や黄銅などで作られ、0〜5kV/mmの電界が印加
される。近年、電気粘性流体の分散粒子には有機半導体
が用いられており、エンジンマウントやショックアブソ
ーバ等に適用され、かけられる電界の強度に応じてその
粘性を変化させるという特性が生かされている。すなわ
ち粘性が変化可能であるということは、これらエンジン
マウント並びにショックアブソーバのバネ定数及び減衰
力が変化可能になることを意味している。これを車に利
用すれば、高速運転時及び低速運転時において状況に応
じたショック緩和機構を提供することができるため、乗
り物のショック緩和機構を初めとして電気粘性流体の用
途が広がりつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような用途を有
する電気粘性流体においては、その品質が長期間維持さ
れることが求められる。すなわち、印加される電界に応
じて粘性を変化させるという特性と、電界の強度に対す
る粘性の変化率とが長期間維持されることが求められ
る。しかしながら、近年のように分散粒子に有機半導体
を用いている電気粘性流体においては、この粒子濃度の
偏向や異物の混入などが原因で電極間でショートしてし
まうことがある。一旦ショートしてしまうと有機粒子は
炭化して電極板に付着し、これがショートの原因となる
ため続いてショートが起こり易くなる。 電極間でショ
ートが生じると電気粘性流体の品質が悪化し、電界に応
じて粘性が変化するという特性が失われ、粘性の変化率
に揺らぎが生じる。このため、前述の通りの利点を有す
るものでありながら、寿命が短く実用性に難があった。
【0005】本発明は以上のような問題を鑑みてなされ
たものであり、その目的は電極間のショートを防止する
電気粘性流体用電極を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために、本発明における電気粘性流体用電極は電極
の電気粘性用流体に向いている面に絶縁体によって分割
された半導体からなる半導体層を設置することにより電
極間に過電流が流れるのを防止していることを特徴とす
る。
【0007】
【作用】以上のように構成された本発明の電気粘性流体
用電極においては、電極の表面に設置された半導体層に
おける分割された半導体がそれぞれ独立した電極として
働き、印加電極の電極が均等に分散し電圧が電気粘性流
体に伝えられることになる。
【0008】
【実施例】図1は、本発明に係る電気粘性流体用電極の
一実施例の構成を示す断面図である。図のように、電気
粘性流体14に電界をかける印加電極11は対向配置さ
れており、これらの間は電気粘性流体14が流れる流体
通路12となっている。ここで、印加電極11の流体通
路12側の表面は、本発明の特徴部分である半導体層1
3で覆われている。
【0009】一方、図2は図1中のYの部分を拡大した
拡大断面図であり、図3は半導体層13の表面を流体通
路12側から見た拡大図である。図2及び図3に示され
るように、半導体層13は半導体からなる半導体部13
aと絶縁体からなる絶縁部13bとに分けられて電極基
板10に定着されており、半導体が絶縁部13bにより
半導体部13aに分割された形となっている。
【0010】このため、印加電極11全体からすれば電
気粘性流体14の機能を発揮させるのに十分な電流を流
しつつ、分割された半導体部13aの一片のそれぞれか
らは微小の電流しか流れないので、印加電極11間にお
こるショートを防止することができる。
【0011】以下は、具体的な実施例をもって説明を進
めていく。
【0012】電気粘性流体の機能を発揮させるために
は、種類・温度などによって異なってくるが、だいたい
2A/m2 程度の電流密度が必要である。よって電極と
しては、最低2A/m2 の電流密度が必要であり、これ
以下では電界を印加したとしても十分な剪断応力が得ら
れない。一方、電気粘性流体は、種類・温度によって異
なるが、流れる電流が105 A/m2 以上になるとショ
ートしてしまう。このため2A/m2 〜105 A/m2
の範囲の電流密度で使用する必要がある。
【0013】以上のような許容範囲で粘性の制御を行う
ために、実施例において、まず以下のように半導体層1
3を形成した。
【0014】最初に、銅からなる電極基板10上にスパ
ッタによりシリコンを10μm付着させた。次に、ホト
レジストでパターン印刷して焼き付け、アルゴンビーム
でホトレジストのないところを印加電極11に達するま
でエッチングした。そして、エッチングしたところに、
シリコンと酸素の混合ガスを用いて二酸化ケイ素を充填
させ、これを絶縁部13bとした。最後に、ハクリ液に
よりホトレジストを除去して、厚さが10μmで、一辺
が5μmの半導体部13aを有する半導体層13を得る
ことができた。こうして得られた半導体層13の抵抗率
は、実測によれば、107 Ωmであった。
【0015】次に、この様にして得られた印加電極11
を1mmの間隔を置いて対向配置して、これらの間に電
気粘性流体14を流して5kV/mmの電圧をかけた。
【0016】このとき、この電極は約25A/m2 の電
流密度を流す能力を有していたため、電気粘性流体14
の機能を発揮させるのには十分である。一方、微視的に
みると半導体部13aの一辺より流れる電流は、実施例
において、計算上は約0.63nAに過ぎずショートに
よる炭化などは起こりえない。実際に、電気粘性流体1
4の機能を発揮させることができたが、ショートによる
炭化などは起こらなかった。
【0017】すなわち、これは印加電極11の表面が絶
縁体により分割された半導体層13で覆われているため
に、電流の偏向が生ぜず、印加電極11全体としての電
流密度が保障されながらも部分的な過電流が流れなくな
っているためである。
【0018】図4はこの実施例における半導体層13の
抵抗率と剪断応力との関係を示したグラフである。実施
例においては、50℃で5kV/mmの電圧をかけてお
り、この図4から、この実施例の条件下では抵抗率が1
9 Ωm以上になると電気粘性流体14を駆動させるの
に必要な電流密度が供給されなくなるため剪断応力が低
下し、逆に抵抗率が104 μmより小さいと部分的に過
大な電流が流れてショートすることがわかる。すなわ
ち、半導体部13aの抵抗率は厚さ一辺の大きさ及び電
気粘性流体14の種類によって異なってくるが、5kV
/mmの電圧に対して104 〜1010Ωm程度が適当で
あるといえる。
【0019】ここで、電気粘性流体14は温度が上昇す
ると共に粘性に影響が出てくるが、印加電極の表面の半
導体は温度上昇と共に抵抗が下がるので、これらの効果
が相殺し合い適正な制御が行われることも実験的にわか
っている。
【0020】なお、本実施例では半導体をシリコンとし
たがこれに限られるものでなく、ゲルマニウムその他の
半導体でも差支えない。さらに、半導体部13aの大き
さは使用される電気粘性流体などにより自在に変えれば
良いため本実施例において使用した大きさに限られるも
のではない。
【0021】また半導体部13aの大きさは、半導体を
微細加工しないとショートする時の抵抗率が大きくなる
ので剪断応力が下がってしまい実用化が困難となる。こ
のため、本実施例のように半導体を微細加工するが、こ
れも5μm四方に限られるものではなく、使用される電
気粘性流体などに応じて自在に変えれば良い。
【0022】更に、電極基板10は黄銅や銅などのよう
に良導体であれば差支えない。同じく、絶縁部13bも
絶縁体であれば差支えなく半導体部13aに使用される
半導体の種類に応じて選択される。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明の電気粘性流体用電
極は、その電極の表面に過電流を生じることなく、これ
により電気粘性流体の機能を損なうことなくその粘性の
制御を行うことができるので、これを応用した装置の寿
命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気粘性流体用電極の一実施例の
構成を示す断面図である。
【図2】図1中のYの部分を拡大した拡大断面図であ
る。
【図3】半導体層13の表面を流体通路12側から見た
拡大図である。
【図4】半導体層13の抵抗率と剪断応力との関係を示
したグラフである。
【符号の説明】
10 電極基板 11 印加電極 12 流体通路 13 半導体層 13a 半導体部 13b 絶縁部 14 電気粘性流体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気粘性流体の両側に対抗配置された印加
    電極と、前記印加電極の電気粘性流体側の面に設置さ
    れ、絶縁体によって分割された半導体から成る半導体層
    と、から構成されることを特徴とする電気粘性流体用電
    極。
JP40809990A 1990-12-27 1990-12-27 電気粘性流体用電極 Expired - Fee Related JP2734203B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP40809990A JP2734203B2 (ja) 1990-12-27 1990-12-27 電気粘性流体用電極

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP40809990A JP2734203B2 (ja) 1990-12-27 1990-12-27 電気粘性流体用電極

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04225405A JPH04225405A (ja) 1992-08-14
JP2734203B2 true JP2734203B2 (ja) 1998-03-30

Family

ID=18517595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP40809990A Expired - Fee Related JP2734203B2 (ja) 1990-12-27 1990-12-27 電気粘性流体用電極

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2734203B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6016020B2 (ja) * 2012-11-06 2016-10-26 独立行政法人国立高等専門学校機構 Er流体の制御方法と制御装置
JP2015167108A (ja) 2014-03-04 2015-09-24 住友電装株式会社 バッテリーターミナル

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04225405A (ja) 1992-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0020981B1 (de) Anordnung für die Ableitung von Wärme von hochintegrierten Halbleiterschaltungen
JP5237254B2 (ja) 熱伝導部材、電子装置及び前記熱伝導部材の使用方法
EP3526809B1 (de) Schaltungsanordnung mit einer schmelzsicherung, kraftfahrzeug und verfahren zum herstellen der schaltungsanordnung
JP2734203B2 (ja) 電気粘性流体用電極
JPH0942801A (ja) 冷却パネル
DE2428934A1 (de) Anordnung einer durch kuehlkoerper gekuehlten leistungshalbleitervorrichtung
WO2010018466A2 (de) Vorrichtung, insbesondere zur stromleitung, und ein verfahren zur herstellung einer vorrichtung, insbesondere zur stromleitung
EP1274110A1 (de) Schmelzsicherung
JPWO2006025199A1 (ja) 誘電泳動力を用いた自己回復性限流ヒューズ
JP2789888B2 (ja) 電気粘性流体用電極
JP2007065215A (ja) 表示材料および表示装置
DE102013204706A1 (de) Widerstandsbelag für ein Gleichstromisoliersystem
JP3852963B2 (ja) マイクロ電子デバイス
US2150167A (en) Current control and discharge of transient overvoltages
US5445759A (en) Preparation of electrorheological fluids using fullerenes and other crystals having fullerene-like anisotropic electrical properties
DE19730865C2 (de) Anordnung mit einem Kühlkörper aus einem Aluminiumwerkstoff und zu kühlende Elemente
US2000719A (en) Porous lightning arrester
DE2940507A1 (de) Thermischer aufzeichnungsstift
JP4096425B2 (ja) 電気レオロジー素子
US3271722A (en) Electrical component and thermally improved electrical insulating medium therefor
EP0424840B1 (en) An electrorheological fluid
DE4224450C2 (de) Aktive Temperaturkontrolle mittels eines elektrisch steuerbaren Wärmeflußreglers
DE102021123089B4 (de) Komponententräger
JPH03281696A (ja) 電気粘性流体
EP1249869A2 (de) Anordnung zur Kühlung eines Leistungs-Halbleiterelementes

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees