JP2789862B2 - 酸化触媒体およびその製造方法 - Google Patents

酸化触媒体およびその製造方法

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JP2789862B2 JP3191618A JP19161891A JP2789862B2 JP 2789862 B2 JP2789862 B2 JP 2789862B2 JP 3191618 A JP3191618 A JP 3191618A JP 19161891 A JP19161891 A JP 19161891A JP 2789862 B2 JP2789862 B2 JP 2789862B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアンモニア、各種アミン
類等の悪臭成分を酸化分解する酸化触媒体、特に常温下
での酸化反応に優れた触媒体と、その製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】悪臭を浄化するための脱臭触剤としては
活性炭に代表される物理吸着を主体とする吸着剤が主流
であり、再生使用可能な脱臭剤はほとんどない実情にあ
る。
【0003】一方、工業用の脱臭手段としては悪臭成分
を接触酸化させる多種多様の触媒が実用化されている。
酸化触媒は酸化反応により悪臭成分を分解して無臭化す
るため再生使用が可能であるが、触媒活性を得るために
は最低200℃以上の温度を必要とし、加熱手段が必要
であるため常温領域で使用できる低温活性触媒が望まれ
ている。
【0004】このような要望にこたえる低温活性触媒と
しては、酸化マンガンと酸化銅を主成分とするホプカリ
ット触媒が唯一実用化されているが、前記ホプカリット
触媒は湿分により急激に低温活性が低下する致命的な欠
点を有しており、またアンモニア、アミン類などの悪臭
の分解には適したものではない。
【0005】これに対して近年、酸化鉄と金からなる高
分散金担持触媒が提案されており、−30℃の低温域に
おいても良好な一酸化炭素の燃焼率が得られている(特
開昭60−238148号公報)。またこの種、金担持
触媒の製造方法に関して、触媒成分の金及びその他の金
属酸化物の水溶性塩と尿素及び/又はアセトアミドを含
む水溶液中に担体を浸漬し、担体上に触媒成分を析出さ
せる均一沈澱析出法(特開昭62−155937号公
報)が提案されている。さらに前記均一沈澱析出法の課
題を克服する製造方法として、アルミナ、シリカ、ゼオ
ライト、チタニヤなどの担体に酸化鉄などの金属酸化物
を20重量%以上担持したものをpH7.5以上のアルカ
リ溶液に入れ、pHを7.5〜9.5に保ちながら塩化金酸
などの金化合物溶液を加えることにより金化合物を沈着
させて触媒前駆体を得、その後焼成する方法が提案され
ている。これによりこの種、金化合物を担体に担持した
場合に於いても担体を用いない金−金属酸化物触媒と同
等の高活性な触媒が得られるものである(特開平1−9
4945号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような金−金属酸
化物触媒はゼオライトなどの無機材料からなる担体に担
持する場合、担持方法によっては密着性が低下し、活性
成分が脱離し易くなるため前記特開平1−94945号
公報に開示された方法のように比較的複雑な工程及び設
備を必要とするため触媒が高価となる。
【0007】また特にゼオライトをハニカム状に成型
し、担体としたものは脆くなるとともに高価となる。さ
らにシリカ、アルミナなどのセラミックハニカムを担体
とした場合、触媒成分はセラミックハニカムの表面部に
しか存在せず、触媒として機能する表面積が小さくなる
という課題があった。
【0008】本発明は上記課題を解決するものであり、
金と酸化鉄及びゼオライトを触媒成分とする酸化触媒に
おいて、触媒成分の密着性が高く、かつ比表面積が大き
く、さらに低コストの脱臭に好適な酸化触媒体を得るこ
とを第1の目的としている。
【0009】第2の目的は上記触媒体の担持工程を簡素
化することにより能率的に製造できる製造方法を提供
し、これにより触媒コストを低減することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明の酸化触媒体は、セラミック繊維と、前
記セラミック繊維の表面及びセラミック繊維の間隙に担
持されたゼオライトと、金及び鉄の金属酸化物からな
り、ハニカム状に成型したものである。
【0011】また第2の目的を達成するために本発明の
酸化触媒体は以下の方法により製造するものである。
【0012】セラミック繊維と、無機質バインダーと、
ゼオライト微粉末を含有する混合スラリーから抄紙法に
よりセラミックシートを作製し、前記セラミックシート
に波状加工をしたものを積層、成巻してハニカム状に成
型した後焼成して複合担体を得、塩化金酸及び硝酸鉄を
含有する水溶液を前記担体に含浸法により担持して触媒
前駆体とし、これを乾燥、焼成する。
【0013】また、セラミック繊維と、無機質バインダ
ーと、ゼオライト微粉末と、金及び鉄の金属酸化物から
なる混合スラリーから抄紙法により触媒シートを作製
し、前記触媒シートに波状加工をしたものを積層、成巻
してハニカム状に成型した後乾燥、焼成する。
【0014】また、セラミック繊維と、無機質バインダ
ーと、ゼオライト微粉末と、鉄の金属酸化物からなる混
合スラリーから抄紙法により触媒シートを作製し、前記
触媒シートに波状加工をしたものを積層、成巻してハニ
カム状に成型した後焼成して複合担体を得、さらに塩化
金酸を含有する水溶液を前記担体に含浸法により担持し
て乾燥、焼成する。
【0015】
【作用】本発明の酸化触媒体は、アンモニア、各種アミ
ンなどの悪臭成分を含む常温雰囲気の気流中に配設さ
れ、一般的に送風ファンなどを用いた空気循環計で使用
される。悪臭成分を含んだ空気がハニカム状に形成され
た触媒体を通過する際に、悪臭成分が選択的に吸着表面
積の大きいゼオライト表面に吸着され、臭気が緩和され
て放出される。吸着された悪臭成分は金及び鉄からなる
金属イオンの相互作用及びゼオライトの持つ固体酸の作
用によって活性化され、常温雰囲気において酸化分解反
応が起こり、悪臭成分が分解されて触媒体の表面から脱
離する。これにより吸着サイトが再生され、新たな悪臭
分子の吸着が可能となる。この際の反応速度は比較的遅
いものであり、一旦悪臭成分を吸着し、その後徐々に反
応する形態をとる。したがって比較的低濃度の脱臭に好
適であり、また連続的な脱臭よりも間欠的な脱臭に適し
ている。すなわち所定時間脱臭した後は酸化分解のため
に、所定時間酸素存在下で放置する必要がある。
【0016】また本発明はセラミック繊維が触媒体の骨
格を構成しているため、多孔質構造となっており、ゼオ
ライト微粉末及び金、鉄の金属酸化物が触媒体表面だけ
でなく、セラミック繊維間の数10μmの空隙にも存在
することとなる。この結果、比表面積を大きくすること
が可能となり、触媒活性表面積が拡大される。このこと
はこの種の脱臭用の触媒、すなわち悪臭成分を一旦吸着
したのちに酸化分解する形態の触媒に好適である。
【0017】また触媒成分である金及び鉄の金属酸化物
とゼオライト微粉末がセラミック繊維の網目構造の間隙
に配置されるため密着性が向上し、活性成分が脱離しに
くくなる。これにより複雑な担持操作を行うことなく密
着性の高い触媒担持が可能となるとともにセラミック繊
維を骨格とするため、耐脆強度が向上し、かつゼオライ
トのみをハニカム状に成型したものに比較してコスト低
減が図れる。
【0018】本発明の第一の触媒体の製造方法は、ゼオ
ライト微粉末を抄紙法により担持して成型、焼成したセ
ラミック繊維とゼオライトの複合担体を塩化金酸、硝酸
鉄からなる混合水溶液に浸漬し、含浸法により担持した
後、乾燥、焼成するものであり、ゼオライトは双極子モ
ーメントの大きい水を強力に吸着する性質を有するた
め、塩化金酸、硝酸鉄からなる酸性水溶液を強力に含浸
し、セラミック繊維の網目構造の内部空隙中にも金及び
鉄の金属酸化物が効率的に分散性よく担持できる。した
がって複雑な調整、担持操作を簡素化できる。
【0019】本発明の第二の触媒体の製造方法は、セラ
ミック繊維と、ゼオライト微粉末と、無機バインダー
と、金及び鉄の金属酸化物からなる混合スラリーから抄
紙法により触媒シートを作製し、前記触媒シートに波状
加工をしたものを積層、成巻してハニカム状に成型した
後焼成するものであり、触媒担持と成型を一工程で行う
ことができるできるとともに同一のスラリーから異なっ
た形状、寸法の触媒体を得ることができる。
【0020】本発明の第三の触媒体の製造方法は、セラ
ミック繊維と、無機質バインダーと、ゼオライト微粉末
と、鉄の金属酸化物からなる混合スラリーから抄紙法に
より触媒シートを作製し、前記触媒シートに波状加工を
したものを積層、成巻してハニカム状に成型した後焼成
して複合担体を得、さらに塩化金酸を含有する水溶液を
前記担体に含浸法により担持して乾燥、焼成するもので
あり、ゼオライトと、鉄の金属酸化物を担持、焼成した
後に金を担持するため、ゼオライト及び鉄の金属酸化物
表面に金の金属酸化物が担持され、活性成分である金が
ゼオライト及び鉄によって被覆されてしまうことがな
く、活性が向上する。
【0021】以上述べたように本発明は、触媒成分であ
るゼオライト微粉末と、金及び鉄の金属酸化物と、セラ
ミック繊維から触媒体を構成することにより、アンモニ
ア、アミン類などの悪臭成分を常温下で酸化分解できる
酸化触媒体及び効率的な製造方法を提供するものであ
り、触媒加熱手段が不要の脱臭、あるいは空気清浄用フ
ィルターとして実用的価値の高いものである。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづ
いてさらに詳細に説明する。
【0023】図1は本発明による酸化触媒体の外観斜視
図を示したものであり、1は触媒体であり、2はシリカ
及びアルミナなどのセラミック繊維と、このセラミック
繊維の表面及びセラミック繊維の間隙に担持されたゼオ
ライトと、金及び鉄の金属酸化物から構成される触媒シ
ートである。なお必要に応じてセラミック繊維と、ゼオ
ライト及び金、鉄からなる金属酸化物の結合を良好にす
るために無機質のバインダーを添加してもよい。触媒シ
ート2は後述する方法により積層、あるいは成巻してハ
ニカム状に成型されており、悪臭が通過する際の圧力損
失を低減するために複数の通気孔3が形成されている。
【0024】上記構成において次に具体的な実施例につ
いて説明する。 実施例1(製造法1) シリカ、アルミナからなるセラミック繊維と、Na置換
型のゼオライト13Xの微粉末に有機質バインダーを混
合し、さらに溶媒を加えて適当な粘度に調整した混合ス
ラリーを作製し、抄紙法によりセラミックシートを作製
した。このセラミックシートを所定の温度で予備乾燥し
たものをコルゲーターにより波状加工を施し、前記波状
加工したセラミックシートと、しないものを無機質バイ
ンダーを用いて接着し、これを一対として複数を積層し
てハニカム状に成型した後約350℃で焼成することに
よりセラミック繊維とゼオライトの複合担体を得た。こ
の複合担体の比表面積は397m2/gであった。その後
塩化金酸と硝酸鉄に溶媒を加えた水溶液を作製し、含浸
法によって前記複合担体に担持した。なおこの際に、複
合担体上に存在しているゼオライトは双極子モーメント
の大きい水を強力に吸着する性質を有するため、塩化金
酸、硝酸鉄からなる酸性水溶液を強力に含浸し、セラミ
ック繊維の網目構造の内部空隙中にも金及び鉄の金属酸
化物が効率的に分散性よく担持できる。担持操作後10
0℃前後の温度で乾燥し、400℃で30分間大気焼成
して実施例1の触媒を得た。この触媒の金の含有量は
0.2重量%(1g/1l触媒)であり、比表面積は32
0m2/g(BET法)であった。なお比表面積を大きく
することはこの種脱臭触媒に重要な要素であり、比表面
積を大きくするためにはゼオライトのみを用いて、つま
りセラミック繊維を用いることなくハニカム状に成型す
ることで実現可能であるが、高コストとなるとともに体
脆強度が低下する。
【0025】実施例2(製造法2) シリカ、アルミナからなるセラミック繊維と、Na置換
型のゼオライト13Xの微粉末と、金及び鉄の金属酸化
物に有機質バインダーを十分に混合し、さらに溶媒を加
えて適当な粘度に調整した混合スラリーを作製し、抄紙
法により触媒シートを作製した。この触媒シートを所定
の温度で予備乾燥したものをコルゲーターにより波状加
工を施し、前記波状加工した触媒シートと、しないもの
を無機質バインダーを用いて接着し、これを一対として
複数を積層し、ハニカム状に成型して触媒前駆体を得、
その後100℃前後の温度で乾燥し、400℃で30分
間大気焼成して実施例2の触媒を得た。
【0026】この方法によれば、触媒担持と成型を一工
程で行うことができるできるとともに同一のスラリーか
ら異なった形状、寸法の触媒体を得ることができる。
【0027】実施例3(製造法3) シリカ、アルミナからなるセラミック繊維と、Na置換
型のゼオライト13Xの微粉末と、鉄の金属酸化物に有
機質バインダーを十分に混合し、さらに溶媒を加えて適
当な粘度に調整した混合スラリーを作製し、抄紙法によ
り触媒シートを作製した。この触媒シートを所定の温度
で予備乾燥したものをコルゲーターにより波状加工を施
し、前記波状加工したセラミックシートと、しないもの
を無機質バインダーを用いて接着し、これを一対として
複数を積層してハニカム状に成型した後約350℃で焼
成することによりセラミック繊維とゼオライトの酸化鉄
の複合担体を得た。その後塩化金酸に溶媒を加えた水溶
液を作製し、含浸法によって前記複合担体に担持した。
担持操作後100℃前後の温度で乾燥し、400℃で3
0分間大気焼成して実施例3の触媒を得た。この触媒の
金の含有量は0.19重量%(1g/1l触媒)であっ
た。この方法によればゼオライト微粉末と、鉄の金属酸
化物を担持、焼成した後に金を担持するため、ゼオライ
ト及び鉄の金属酸化物表面に金の金属酸化物が担持さ
れ、活性成分である金がゼオライト及び鉄によって被覆
されてしまうことがなく、活性が向上する。
【0028】比較例1及び2 主要触媒成分である金及び鉄の金属酸化物に替えて低温
活性に効果的であるとされる銅(Cu)、マンガン(M
n)、コバルト(Co)の金属酸化物を配合比30%:
56%:14%(Cu:Mn:Co)で調整したものを
65g/1l(触媒)担持したもの及び、活性が高いと
される白金(Pt)を1g/1l(触媒)担持した他は
実施例1と同様の調整法を用いて二種類の触媒を調整
し、比較例1及び2とした。
【0029】評価例1 実施例1、比較例1及び2について、以下の試験条件に
より、脱臭浄化試験を行った。
【0030】試験条件 使用ガス;トリメチルアミン (CH3 3 N(窒素バ
ランス)濃度100PPMに大気中の空気を混合し、5
0PPMの濃度に希釈して使用。
【0031】 空間速度;12000h-1 測定機 ;ガスクロマトグラフィー 測定装置;固定流通式反応装置 温 度 ;室温 試験結果、すなわちガス流通時間Tfgと脱臭浄化率R
cの関係を図2に示す。ここで脱臭浄化率Rcは、入口
濃度をCi、出口濃度をCoとすると(数1)によって
算出した。
【0032】
【数1】
【0033】なお図2において斜線で示した時間にガス
の流通を停止し、触媒体を大気に約3時間放置し、その
後再度テストガスを流通させて出口濃度の測定を行っ
た。本発明による実施例1にくらべて比較例1及び2で
は大気放置直後の浄化率が脱臭、放置のくり返し数の増
加に伴って低下しているのがわかる。
【0034】評価例2 実施例1、比較例1及び2について評価例1での測定終
了後、触媒体を非吸着質の樹脂材料からなるバッグに挿
入し、15lの空気を封入し、室温放置した時の放置時
間Thと前記バッグ中のトリメチルアミンの雰囲気濃度
Chの関係を図3に示す。すなわち触媒体からのトリメ
チルアミンの脱離の時間的な変化を測定したものであ
る。飽和濃度の時間的な変化は少ないが、同一条件下で
の測定に対して本発明による実施例1では、評価例1で
の試験によるガス吸着量が比較例1及び2に比較して多
いにもかかわらず最も飽和濃度が低い。このことから吸
着された悪臭成分が酸化分解していることが実証され
る。また実施例1について雰囲気ガスをイオンクロマト
法により分析した結果、トリメチルアミンの酸化分解に
よる一成分であるアンモニュームイオンを検出した。
【0035】なお図2における比較例1及び2の浄化率
の回復は図3の特性から、トリメチルアミンの脱離によ
るものであると考えられる。
【0036】評価例3 実施例1、2及び3での触媒体を用いて前記評価例1で
の試験をへて評価例2での試験を実施した後の脱離特性
を図4に示した。つまり製造方法による触媒活性の差を
比較したものである。試験結果によれば、実施例3で得
られた触媒体の飽和濃度が最も低く、次に実施例1、さ
らに実施例2での触媒体が最も高濃度であった。このこ
とは実施例1の触媒体が最も活性が高いことを意味す
る。しかしながら実施例1及び2についても、前記評価
例2で説明した比較例1(Cu−Mn−Co系担持)、
及び比較例2(Pt担持)に比べると飽和濃度が低く、
活性を有している。
【0037】実施例3での触媒体の活性が高いのは、セ
ラミック繊維、ゼオライト微粉末、及び酸化鉄を担持、
焼成後に金の酸化物を担持したため、主活性成分である
金がゼオライト微粉末及び鉄の金属酸化物によって被覆
されることなく、活性点が増加することによるものと思
われる。しかしながら実施例2の触媒体は、活性は若干
劣るが、前述のように製造工程が簡素化されるものであ
り、必要に応じて製造方法の選択をすることが必要であ
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、触媒成分
であるゼオライト微粉末と、金及び鉄の金属酸化物を、
セラミック繊維の表面及びセラミック繊維の間隙に担持
した脱臭に好適を酸化触媒体及び、その触媒体の効率的
な製造方法を提供するものであり、以下の効果が得られ
る。
【0039】(1)セラミック繊維が触媒体の骨格を構
成しているため、多孔質構造となっており、ゼオライト
微粉末及び金、鉄の金属酸化物が触媒体表面だけでな
く、セラミック繊維間の数10μmの空隙にも存在し、
比表面積を大きくすることが可能となり、触媒活性表面
積及び吸着表面積が増加できる。
【0040】(2)触媒成分である金及び鉄の金属酸化
物とゼオライト微粉末がセラミック繊維の網目構造の間
隙に配置されるため密着性が向上し、活性成分が脱離し
にくくなる。これにより複雑な担持操作を行うことなく
密着性の高い触媒担持が可能となるとともにセラミック
繊維を骨格とするため、耐脆強度が向上し、かつゼオラ
イトのみをハニカム状に成型したものに比較してコスト
低減が図れる。
【0041】(3)ゼオライトの微粉末は、双極子モー
メントの大きい水を強力に吸着する性質を有するため、
塩化金酸、硝酸鉄からなる酸性水溶液を強力に含浸し、
セラミック繊維の網目構造の内部空隙中にも金及び鉄の
金属酸化物が効率的に分散性よく担持できる。したがっ
て複雑な調整、担持操作を簡素化できる。
【0042】(4)第二の製造方法によれば、触媒担持
と成型を一工程で行うことができるできるとともに同一
の混合スラリーから異なった形状、寸法の触媒体を得る
ことが可能となる。
【0043】(5)第三の製造方法によれば、セラミッ
ク繊維にゼオライトと、鉄の金属酸化物を担持、焼成し
た後に金を担持するため、ゼオライト及び鉄の金属酸化
物表面に金の金属酸化物が担持され、活性成分である金
がゼオライト及び鉄によって被覆されてしまうことがな
く、活性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における酸化触媒体の外観斜
視図
【図2】酸化触媒体の脱臭浄化特性図
【図3】酸化触媒体の脱臭浄化試験後における脱離特性
【図4】本発明の製造方法による触媒体の脱離特性図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01J 21/00 - 38/74

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック繊維と、前記セラミック繊維の
    表面及びセラミック繊維の間隙に担持されたゼオライト
    と、金及び鉄の金属酸化物からなり、ハニカム状に成型
    した酸化触媒体。
  2. 【請求項2】セラミック繊維と、無機質バインダーと、
    ゼオライト微粉末を含有する混合スラリーから抄紙法に
    よりセラミックシートを作製し、前記セラミックシート
    に波状加工をしたものを積層、成巻してハニカム状に成
    型した後焼成して複合担体を得、塩化金酸及び硝酸鉄を
    含有する水溶液を前記担体に含浸法により担持して触媒
    前駆体とし、これを乾燥、焼成する酸化触媒体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】セラミック繊維と、無機質バインダーと、
    ゼオライト微粉末と、金及び鉄の金属酸化物からなる混
    合スラリーから抄紙法により触媒シートを作製し、前記
    触媒シートに波状加工をしたものを積層、成巻してハニ
    カム状に成型した後乾燥、焼成する酸化触媒体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】セラミック繊維と、無機質バインダーと、
    ゼオライト微粉末と、鉄の金属酸化物からなる混合スラ
    リーから抄紙法により触媒シートを作製し、前記触媒シ
    ートに波状加工をしたものを積層、成巻してハニカム状
    に成型した後焼成して複合担体を得、さらに塩化金酸を
    含有する水溶液を前記担体に含浸法により担持して乾
    燥、焼成する酸化触媒体の製造方法。
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