JP2788088B2

JP2788088B2 - 流路形成体の外面被覆法

Info

Publication number: JP2788088B2
Application number: JP2020271A
Authority: JP
Inventors: 明雄中芝; 茂充岡田; 寛之西村
Original assignee: OOSAKA GASU KK
Current assignee: OOSAKA GASU KK
Priority date: 1990-01-29
Filing date: 1990-01-29
Publication date: 1998-08-20
Anticipated expiration: 2013-08-20
Also published as: JPH03223595A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、スチーム用や温水用配管などのように熱が
加わる配管、継手、弁などの流路形成体において、欠陥
部や漏洩部の補修、補強、その他各種の目的で外面を被
覆するために、流路形成体の外面をシート状の樹脂カバ
ーで囲み、その樹脂カバーの端縁部どうしを重ねて連結
し、その連結により筒状になった前記樹脂カバーの両端
側と前記流路形成体との間を閉塞する流路形成体の外面
被覆法に関する。

〔従来の技術〕

樹脂カバーの材質を特定せずに、シート状の樹脂カバ
ーの端縁部どうしを粘着性や硬化性の接着剤で連結して
いた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、樹脂カバーの温度が内部流体からの伝熱など
によって高くなると、接着剤の耐久性が大幅に低下し、
樹脂カバーによるシールの信頼性が低下する欠点があっ
た。

本発明の目的は、シート状の樹脂カバーの端縁部どう
しの連結を、高温耐久性に優れたものにできると共に、
シール性に優れた連結を確実に得られるようにし、たと
え樹脂カバーが高温になっても、信頼性の高いシールを
樹脂カバーにより確実に実現できるようにする点にあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の特徴手段は、流路形成体の外面をシート状の樹脂カバーで囲み、そ
の樹脂カバーの端縁部どうしを重ねて連結し、その連結
により筒状になった前記樹脂カバーの両端側と前記流路
形成体との間を閉塞する流路形成体の外面被覆法におい
て、前記樹脂カバーとして熱可塑性のものを使用し、前記樹脂カバーの端縁部どうしの連結に際して、前記
端縁部どうしの間に電気ヒータを介装し、その電気ヒー
タへの通電により前記両端縁部を加熱溶融させて、その
溶融した端縁部どうしを互いに押付け、前記端縁部どう
しを前記電気ヒータが残置された状態で熱溶着させるこ
とにあり、その作用効果は次の通りである。

〔作用〕

樹脂カバーを熱可塑性のものにして、樹脂カバーの端
縁部どうしを加熱溶着により連結するから、たとえ内部
流体からの伝熱などによって樹脂カバーが高温になって
も、端縁部どうしの加熱溶着部のシール性を長期にわた
って確実に維持できる。

ちなみに、端縁部どうしを加熱溶着するに、両端縁部
を互いに離れた状態でバーナや電気ヒータで溶かした後
で接触させることも考えられるが、そのような手段では
両端縁部どうしの重なり部分全体を確実にかつ十分に熱
溶着することが困難であり、シールの信頼性に問題が残
る。

しかし、本発明によれば、端縁部どうしの間に介装し
た電気ヒータを残した状態で、端縁部どうしを加熱しな
がら押付けるから、両端縁部どうしの重なり部分を全体
にわたって十分にかつ確実に熱溶着することができる。

〔発明の効果〕

その結果、シート状の樹脂カバーの端縁部どうしの連
結を、高温耐久性及びシール性に優れたものに確実にで
きる、シールの信頼性において一段と優れた流路形成体
の外面被覆法を確立できた。

請求項２記載のように、電気ヒータの被覆材料を併せ
加熱溶融すると、溶融量を十分に多くして、一層良好な
連結を確実に実現できる。

請求項３や４に記載のようにシール剤を充填すると、
流路形成体からの漏洩防止を一層信頼性の高い状態で図
れる。

〔実施例〕

次に実施例を示す。

第１図（イ）に示すように、管（Ｐ）の外面をシート
状で熱可塑性の樹脂カバー（１）で囲み、第１図（ロ）
及び（ハ）に示すように、樹脂カバー（１）の端縁部
（1a），（1b）どうしを重ねると共に、端縁部（1a），
（1b）どうしの間に全体にわたって電気ヒータ（２）を
介装し、かつ内外の加圧板（3a），（3b）を端縁部（1
a），（1b）に各別に作用するようにセットする。

次に電気ヒータ（２）に通電して、両端縁部（1a），
（1b）を十分に加熱溶融し、内側の加圧板（3b）を管
（Ｐ）に当てた状態で外側の加圧板（3a）に外力を作用
させて、両加圧板（3a），（3b）による挟圧作用で端縁
部（1a），（1b）どうしを互いに押付け、その状態で、
電気ヒータ（２）への通電を断って、加熱溶融した両端
縁部（1a），（1b）を冷却硬化させ、端縁部（1a），
（1b）どうしを電気ヒータが残置された状態で熱溶着さ
せ、樹脂カバー（１）を筒状にする。

その後、両加圧板（3a），（3b）を回収し、電気ヒー
タ（２）のリード線を適当な箇所で切断し、第１図
（ニ）に示すように、注入器（４）によってシール剤
（５）を管（Ｐ）と樹脂カバー（１）の間全体に注入
し、シール剤（５）を硬化させ、管（Ｐ）の外面被覆処
理を完了する。

樹脂カバー（１）の材料は、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、塩化ビニル、その他の熱可塑性樹脂から適当に
選択する。

樹脂カバー（１）の厚さは、土圧などの外力で破損し
ないように適宜選定自在であるが、加熱溶着性や管への
装着性から0.5〜3mm程度が望ましい。

両端縁部（1a），（1b）間に電気ヒータ（２）を介装
するに、第２図（イ）や（ロ）に示すように、発熱線
（2a）をジグザグ状に屈曲する方式が一般的であるが、
電気ヒータ（１）の構造に見合って適当に設置形態を選
定する。また、発熱線（2a）の直径は樹脂カバー（１）
の厚さより小であればよいが、樹脂カバー（１）の厚さ
の0.1〜0.5倍程度が望ましく、そして、発熱線（2a）の
間隔は互いに接触しない範囲で適当に選定できるが、発
熱線（2a）の直径の１〜２倍程度が望ましい。

電気ヒータ（２）による加熱温度は樹脂カバー（１）
の融点以上であればよいが、流動点以上が望ましい。

加圧板（3a）に外力を付与するに、ウェイト、挟圧工
具など適当な器具を利用したり、人為力を利用したりす
る。

シール剤（５）は常温硬化型、二液混合硬化型、その
他適当なものを利用できるが、エポキシ樹脂、不飽和ポ
リエステルなどの熱硬化性樹脂が望ましい。熱硬化性樹
脂を用いる場合、第３図に示すように、外側又は管
（Ｐ）の内側又はシール剤（５）の内部から電気ヒータ
（６）で加熱する。

〔別実施例〕

次に別実施例を説明する。

処理対象の種類はいかなるものでもよく、例えば既設
配管における管、継手、弁など、あるいは、新しい又は
撤去した古い管、継手、弁などでもよく、それらを流路
形成体（Ｐ）と総称する。また、被覆対象範囲は流路形
成体（Ｐ）の一部又は全体など適当に選定できる。

流路形成体（Ｐ）の外面に対する研磨やプライマー処
理などの前処理を、殊に埋設配管などの腐食の激しい場
合は必要に応じて適度に実施してもよい。

電気ヒータ（２）の具体構成は適宜選択自在であり、
例えば第４図に示すように、電気ヒータ（２）を熱可塑
性の樹脂カバー（１）と同質の被覆材（７）で覆ってお
いて、樹脂カバー（１）の端縁部（1a），（1b）の加熱
溶融に際して被覆材（７）を加熱溶融してもよい。

筒状になった樹脂カバー（１）の両端側と流路形成体
（Ｐ）との間を閉塞するに、例えば、バンドなどで樹脂
カバー（１）の両端部を流路形成体（Ｐ）に密着させた
り、第５図に示すように、シール剤（５）を両端側に部
分的に充填して硬化させてもよい。

樹脂カバー（１）と流路形成体（Ｐ）の間全体にシー
ル剤（５）を充填する場合、第６図（イ）に示すよう
に、スペーサ用の突起（８）や突条を樹脂カバー（１）
や流路形成体（Ｐ）に付設してもよく、第６図（ロ）や
（ハ）に示すように、シール剤（５）の流出を防止する
遮蔽物（９）を、シール剤注入用及び排気用の開口（1
0）が形成される状態で設けてもよく、第６図（ニ）に
示すように、シール剤注入口（11a）を有する蓋（11）
と排気孔（12a）を有する蓋（12）を設けてもよい。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする
為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構
造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図（イ）ないし（ニ）は本発明実施例の施工状態説
明図である。第２図（イ），（ロ）は本発明実施例にお
ける各別の電気ヒータ設置状態説明図である。第３図は
本実施例におけるシール剤硬化法の説明図である。第４図は本発明の別実施例における電気ヒータの設置状
態説明図である。第５図は本発明の別実施例におけるカ
バー両端側閉塞状態説明図である。第６図（イ）ないし（ニ）は本発明の各別の実施例にお
けるシール剤充填状態説明図である。（１）……樹脂カバー、（1a），（1b）……カバー端縁
部、（２）……電気ヒータ、（５）……シール剤、
（７）……被覆材、（Ｐ）……流路形成体。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F16L 55/16

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】流路形成体（Ｐ）の外面をシート状の樹脂
カバー（１）で囲み、その樹脂カバー（１）の端縁部
（1a），（1b）どうしを重ねて連結し、その連結により
筒状になった前記樹脂カバー（１）の両端側と前記流路
形成体（Ｐ）との間を閉塞する流路形成体の外面被覆法
であって、前記樹脂カバー（１）として熱可塑性のものを使用し、前記樹脂カバー（１）の端縁部（1a），（1b）どうしの
連結に際して、前記端縁部（1a），（1b）どうしの間に
電気ヒータ（２）を介装し、その電気ヒータ（２）への
通電により前記両端縁部（1a），（1b）を加熱溶融させ
て、その溶融した端縁部（1a），（1b）どうしを互いに
押付け、前記端縁部（1a），（1b）どうしを前記電気ヒ
ータ（２）が残置された状態で熱溶着させる流路形成体
の外面被覆法。
【請求項２】前記電気ヒータ（２）を前記熱可塑性の樹
脂カバー（１）と同質の被覆材（７）で覆っておいて、
前記樹脂カバー（１）の端縁部（1a），（1b）の加熱溶
融に際して前記被覆材（７）を加熱溶融する請求項１記
載の流路形成体の外面被覆法。
【請求項３】前記樹脂カバー（１）の両端側と前記流路
形成体（Ｐ）との間の閉塞を、シール剤（５）の充填に
より実行する請求項１又は２記載の流路形成体の外面被
覆法。
【請求項４】前記シール剤（５）として熱硬化性のもの
を使用し、その熱硬化性シール剤（５）を充填後に加熱
硬化させる請求項３記載の流路形成体の外面被覆法。