JP2788017B2 - 樹脂製中空容器の製造方法 - Google Patents

樹脂製中空容器の製造方法

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JP2788017B2 JP28941190A JP28941190A JP2788017B2 JP 2788017 B2 JP2788017 B2 JP 2788017B2 JP 28941190 A JP28941190 A JP 28941190A JP 28941190 A JP28941190 A JP 28941190A JP 2788017 B2 JP2788017 B2 JP 2788017B2
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【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、樹脂製中空容器の製造方法に係り、詳しく
は、薄肉でありながら機械的強度に優れた中空容器を生
産性良く製造することができ、特に容器本体の肩部の機
械的強度に優れた樹脂製中空容器の製造方法に関する。
発明の技術的背景 樹脂製中空容器を製造する方法としては、ブロー成形
が広く用いられている。中空容器をブロー成形するため
には、まずチューブ状のパリソンを成形する必要があ
る。
樹脂製中空容器をブロー成形するためのチューブ状パ
リソンを成形する方法としては、特公昭60−8214号公報
に記載されたものが知られている。
この公報に開示された技術によれば、得ようとする中
空容器の形状に合わせて、パリソンの肉厚を長手方向に
変化させることが可能であるため、ブロー成形によって
生じる虞のある完成品の肉厚の不均一を防止することが
期待できる。
ところで最近では、円筒容器ばかりでなく、薄肉の偏
平容器の要求も強い。
ところが、特公昭60−8214号公報記載の技術を含む従
来例に係るプラスチック製中空容器の製造方法により、
薄肉の偏平容器を製造しようとすると、チューブ状のパ
リソン成形時にパリソンの潰れ現象等が生じ、一定品質
の中空容器を生産性良く製造することはできなかった。
さらに、第11図に示すように、ブロー成形時、容器本
体の側壁eは、単に径方向外方に膨らむのに対し、本体
の肩部dは、首部fと側壁eとを繋ぐように膨らむた
め、この肩部dの膨脹率が側壁eのそれより大きい。そ
のため、この肩部dの肉厚が側壁eなどより薄くなり、
肩部dの機械的強度も十分に得られないという問題もあ
った。
発明の目的 本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであ
り、容器の肩部の肉厚を他の部分に比較して均一にする
とともに、この肩部の機械的強度も十分強くできる樹脂
製中空容器の製造方法を提供することを目的とする。
発明の概要 このような目的を達成するためには、本発明は、容器
の首部形状のキャビティを有する射出金型内に筒状の樹
脂注出路から流動状態の樹脂を流し込み容器の首部を射
出成形する射出成形工程と、射出成形された容器の首部
を射出金型と共に、樹脂注出路から引き離しつつ、この
筒状の樹脂注出路から流動状態の樹脂をチューブ状に押
し出し、しかも押し出されたチューブに軸方向張力を加
えるように射出金型を樹脂注出路から引き離して、前記
首部に連続したチューブを形成する射出金型引離工程
と、 射出金型引離工程の開始時から終了時直前近傍まで
に、前記チューブ内にチューブが潰れない程度の気体を
封入する第1プリブロー工程と、 射出金型を引き離し、この第1プリブローを行なって
いる工程の途中において、容器本体の肩部又はその近辺
を形成する樹脂を押し出す際に、容器本体の肩部又はそ
の近辺となるチューブの部位の肉厚を他の部位より厚く
すると共に、このチューブ内に瞬間的に所定圧の気体を
封入する肉圧調整・第2プリブロー工程と、 射出金型引離工程の終了時近傍から、前記チューブ内
に、さらに気体を封入する第3プリブロー工程と、 前記射出金型にブロー成型用金型を連結し、容器の首
部に連続しているチューブ内に圧力気体を送り込み、当
該チューブをブロー成型用金型に形成された容器形状の
型内周面に沿って膨らまし、容器の本体部をブロー成形
する本ブロー工程とを有することを特徴としている。
このような本発明に係る樹脂製中空容器の製造方法に
よれば、プリブロー工程が3段階になっており、射出金
型引離工程の開始時から第1プリブローが行なわれるよ
うになっているため、従来に比較して高倍率でチューブ
を伸ばしても、チューブの潰れ現象が生ぜず、後工程で
のブロー成形が良好に行なわれ、機械的強度に優れた中
空容器を成形することが可能になる。そのため、本発明
方法は、特に、薄肉中空容器を製造する際に適してい
る。
従来では、ブロー成形時、容器本体の肩部は、首部と
側壁とを繋ぐように膨らむため、この肩部の膨脹率が側
壁のそれより大きく、肩部の肉厚が側壁などより薄くな
る虞があった。
これに対して、本発明では、容器本体の肩部又はその
近辺を形成する樹脂を押し出す時、樹脂注出路の開度を
大きくしてする等して比較的多量の樹脂を押出し、容器
本体の肩部又はその近辺となるチューブの部位の肉厚を
他の部位より厚くしている。そのため、ブロー成形時、
肩部が大きく膨らんだとしても、肩部の肉厚を十分に均
一にすることができる。
このように本発明では、肩部を形成するチューブの部
位が厚肉にされた後または同時に、チューブ内に気体を
瞬間的に封入する第2プリブロー工程を行なっているの
で、肩部となる樹脂がある程度予備的に伸ばされる。し
たがって、本発明では、肩部の肉厚を十分均一にできる
ので機械的強度をも強くなる。
発明の具体的説明 以下、本発明を図面に示す実施例に基づき詳細に説明
する。
第1図は本発明の一実施例に係る偏平中空容器本体を
有する樹脂製中空容器の製造装置の全体概略断面図、第
2図はこの製造装置により製造される樹脂製偏平中空容
器の正面図、第3図及び第4図はこの製造装置のダイの
注出ノズル及びピストンの断面図、第5図は、第3図の
V−V線に沿う断面図、第6図乃至第10図はこの製造装
置により中空容器を製造するための各工程図である。
第1,6図に示すように、本実施例に係る製造装置は、
筒状のノズル2が穿説されたダイ4を有している。ダイ
4内には、流動状態の樹脂を一時貯留させるアキュムレ
ータ室6が形成してある。このアキュムレータ室6に
は、注入口8およびノズル2が連通されている。注入口
8は、図示しない流動状樹脂供給装置に接続され、そこ
からアキュムレータ室6内に流動状態の樹脂を供給可能
になっている。流動状樹脂供給装置としては、たとえ
ば、インラインスクリュー式プラスチック押出機、イン
ラインスクリュー式プラスチック射出成形機などが用い
られる。
アキュムレータ室6およびノズル2内には、閉止ピス
トン14が軸方向移動自在に配置してある。この閉止ピス
トン14と、ノズル2との間の筒状空間が、流動状態の樹
脂をダイ4から抽出するための筒状の樹脂注出路10とな
る。また、閉止ピストン14が軸方向に移動されて、ノズ
ル2の内周壁に密着することにより、又はノズル2の内
周壁から離れることにより、樹脂注出路10が閉止され、
又は開放される。なお、この閉止ピストン14は、油圧シ
リンダ12若しくはその他の駆動機構により駆動されるよ
うになっている。
さらに、ダイ4の後端には押出ピストン18が軸方向進
退移動自在に装着してある。抽出ピストン18の先端部は
アキュムレータ室6内に入り込み、押出ピストン18が前
進移動すると、開放された樹脂注出路10からダイ4外部
へ、流動状態の樹脂が押し出されるようになっている。
このような押出ピストン18は、油圧シリンダ20もしくは
その他の駆動機構によって駆動されるようになってい
る。
ここで、第3図乃至第5図に示すように、ノズル2
は、出口側に近づく程径が小さくなるような円形断面に
形成されている。一方、閉止ピストン14では、その最先
端部14aが出口側に近づく程径が小さくなるような円形
断面に形成されており、この最先端部14aのアキュムレ
ータ室6側に隣接する部分14bは、その径が出口側に近
づく程小さくなっているが、その断面は楕円形に形成さ
れている。
したがって、第5図に示すように、樹脂注出路10の幅
は、この楕円の短軸に対応する一対の部分10aで最も大
きくなっており、楕円の長軸に近づくにつれて連続的に
小さくなり、この長軸に対応する部分で最も小さくなっ
ている。この楕円の短軸の方向は、第2図に示すよう
に、横断面が偏平である中空容器本体において、ブロー
成形された偏平中空容器の両端方向であるx方向に対応
されており、この楕円の長軸の方向は、ブロー成形され
た中央部y方向に対応されている。したがって、パリソ
ン成形時に、容器本体の曲部bとなるパリソンの部位の
肉厚を他に比べて厚くでき、ブロー成形時、パリソンは
肉厚が周方向に均一な製品に成形される。そのため、成
形された偏平中空容器本体は、従来のように曲部bの肉
厚が薄くなるといったことがなく、肉厚を周方向に均一
することができる。したがって、成形された容器は、機
械的強度に優れているとともに、容器全体が薄肉である
場合にも容器が歪むことを防止できる。
具体的には、楕円の長軸の長さd1、短軸の長さd2、ノ
ズル2の円の径Dとすると、D>d1>d2に設定されてい
る。また、このd1、d2の差 容器本体の偏平率(第2図において、l/t)によって変
化するが、一般的には、 に設定されていることが好ましい。
なお、本実施例では、閉止ピストン14の部分14a,14
b、及びノズル2は、共に出口側に近づく程径が小さく
なっているが、本発明は、これに限られず、これらが出
口側に近づく程径が大きくなっていても良い。この場合
には、ピストンの最先端部分が断面楕円形に形成される
とともに、これの内側部分が断面円形に形成され、ノズ
ル内周壁に密着する部分となる。
次に、このようなダイ4のノズル2側には、一対の射
出金型22が連結可能になっている。各射出金型22には、
射出金型22がダイ4に連結された際にダイ4のノズル2
に連通する首部の外形状のキャビティ24が形成してあ
る。これらの一対の射出金型は、治具26により支持され
ており、容器の成形完了後、治具26が上方に移動される
と、一対のピン27を支点として外方に揺動されて開き、
成形された首部から離れるように構成されている。
3つの部品28a,28b,28cからなるノック・ピストン28
内には、マンドレル30が軸方向移動可能に挿入されてい
る。このマンドレルには、ブロー成形時に圧力気体をパ
リソン46内に供給するためのブロー通路48が形成されて
いる。さらに、このマンドレル30に形成されたフランジ
30aと、ノック・ピストン28の部品28bとの間には、バネ
31が介装されており、これにより、マンドレル30は下方
に向けて付勢されている。このマンドレル30の先端は、
キャビティ24内の軸芯を通り、バネ31の付勢力により閉
止ピストン14の頂面に押圧されている。
これにより、第6図及び第7図に示すように、ダイ4
と射出金型22が連結された状態にあるときには、マンド
レル30の先端は常時閉止ピストン14の頂部を押圧してい
る状態にある。そのため、射出成形時、マンドレル30の
先端に開口したブロー通路48に流動状態の樹脂が流入す
ることを極めて容易に防止することができる。
また、これらの射出金型22および治具26などは、射出
金型開閉ユニット32に連結されており、この射出金型開
閉ユニット32は、引離機構としての駆動ユニット34に装
着されている。この駆動ユニット34により、射出金型22
がダイ4に対して引き離される。
第1図に示すように、これらの開閉ユニット32および
駆動ユニット34は、引離機構制御部40によって制御され
る。この引離機構制御部40は、後述するブロー金型42を
移動させるための油圧シリンダ44等の駆動機構にも電気
的に接続され、この駆動機構を制御するようになってい
る。
次に、ブロー金型42は、第9,10図に示すように、一対
の金型42,42から成り、内部に容器の本体形状の型内周
面42aを有する。このような一対のブロー金型42,42は、
射出金型22がダイ4から十分に引き離され、射出金型22
とダイ4との間に、軸方向に若干の張力が加えられたチ
ューブ(パリソン)46が形成された場合に、射出金型22
と相互に組合され連結されるようになっている。ブロー
金型42,42が組み合わされた状態では、第10図に示すよ
うに、パリソン46の底部は潰されて閉止され、その後の
ブロー工程によって、パリソン46が型内周面42aに沿っ
て膨らむようになっている。
ブロー成形を行なうために、上述したように、マンド
レル30の内部には、軸芯に沿ってブロー通路48が形成さ
れ、その一方の開口端がパリソン46内に連通するように
なっており、他方の開口端は、連通通路49を介して、第
1図に示すブロー機構50に連通するようになっている。
ブロー機構50は、本実施例では、第1プリブロー手段50
aと、第2プリブロー手段50bと、第3プリブロー手段50
cと、本ブロー手段50dとから成る。このようなブロー手
段50a〜50dは、それぞれブロー通路48を通してパリソン
46内に所定圧(0.01〜6kg/cm2(ゲージ圧))の空気を
所定量送り込むための装置から成り、たとえばコンプレ
ッサー等によって構成される。このようなブロー手段50
a〜50cの制御は、引離機構制御部40によって行なわれ
る。
第1プリブロー手段50aは、射出金型22をダイ4から
引き離し開始時から引き離し終了時直前近傍までの間連
続的に、パリソン46内にパリソン46が潰れない程度の空
気等の気体を封入するためのものである。第1プリブロ
ー手段50aよりパリソン46内へ送り込まれる気体の圧力
は、0.01〜0.5kg/cm2(ゲージ圧)であることが好まし
く、気体の体積はパリソン46内容積の増加量に略等しい
ことが好ましい。
第2プリブロー手段50bは、第1プリブロー手段50aに
よりパリソン46内に気体がプリブローされているとき、
容器本体の肩部d(第2図)となるパリソン46の部位が
引上げられた時(即ち、第8図の状態)に瞬間的にプリ
ブローされるものである。この第8図の状態になる瞬間
は、パリソン46の延伸スタート時からの経過時間がタイ
マー(図示略)により計測されて、この瞬間が検知され
ている。この瞬間は、例えば、パリソン46の延伸スター
ト時から0.1〜1.0秒経過後である。また、第2プリブロ
ー手段50bよりパリソン46内へ送り込まれる気体の圧力
は、0.1〜0.5kg/cm2(ゲージ圧)であることが好まし
く、気体の体積は製品容器の本体部46aの内容積の1/3〜
1/2に略等しいことが好ましい。
第3プリブロー手段50cは、射出金型引離工程の終了
直前近傍から、本ブロー開始前に、パリソン46内に空気
等の気体を送り込み、本ブローを良好に行なわしめるた
めのものである。第3プリブロー手段50cよりパリソン4
6内に送り込まれる気体の圧力は、0.5〜2kg/cm2(ゲー
ジ圧)であることが好ましく、その気体の体積は、製品
容器の本体部46aの内容積に略等しいことが好ましい。
本ブロー手段50dは、パリソン46内に圧力気体を送り
込み、ブロー金型42の型内周面42a形状に沿ってパリソ
ン46をブロー成形し、容器の本体部分46bを成形するた
めのものである。本ブローにより、パリソン46内へ送り
込まれる気体の圧力は、パリソン46の材質によっても異
なるが、一般に、4〜7kg/cm2(ゲージ圧)であること
が好ましい。
次に、第1図を参照しつつ、ダイ4の後端に装着され
た押出ピストン18と、閉止ピストン14との関係について
説明する。
押出ピストン18は、前述したように油圧シリンダ20に
よって駆動されるが、油圧シリンダ20の起動は、射出金
型22がダイ4に連結される位置に来た場合に、駆動し始
め、第7図に示すように射出金型22のキャビティ24内に
流動状態の樹脂を射出させ、ここで容器の首部を成形す
るようになっている。
押出ピストン18の移動位置は、位置センサ54によって
検出され、その検出信号は、肉厚制御部(パリソンコン
トローラー)56に入力するようになっている。肉厚制御
部56は、閉止ピストン14を制御するようになっており、
押出ピストン18の移動位置に応じて、閉止ピストン14を
軸方向に移動させ、樹脂抽出路10の開度を変化させるよ
うになっている。特に、後述するように、容器本体の肩
部dを形成する樹脂を押し出すとき、樹脂注出路10の開
度を大きくして比較的多量の樹脂を押出し、ブロー成形
時、この肩部dの肉厚が薄くなることを防止している。
次に、本実施例に係る樹脂製中空容器の製造装置を用
いて、これを製造する工程を、第6図乃至第10図を参照
して詳細に説明する。
第6図に示すように、まず第1に射出金型22をダイ4
に連結させる。このとき、閉止ピストン14の頂面は、ダ
イ4の頂面と略面一になっている。そのため、射出金型
22の底面がダイ4の頂面に当接されると、マンドレル30
がバネ31の付勢力に抗して押上られる。そのため、射出
金型22の位置が若干左右にずれていたとしても、従来の
ようにマンドレルが閉止ピストンの凹所に嵌合する場合
に比べて、このマンドレル30と閉止ピストン14との位置
合せを容易に行なうことができる。
この後、第7図に示すように、閉止ピストン14が押し
下げられると、筒状の樹脂注出路10が開放される。この
とき、バネ31の付勢力によりマンドレル30が下方に押し
下げられて、キャビティ24と樹脂注出路10とが連通され
る。次いで、押出ピストン18を油圧ピストン20により駆
動し、アキュムレータ室6内の流動状態樹脂を射出金型
22のキャビティ24内に射出し、容器の首部を射出成形す
る(射出成形工程)。
次に、引離機構制御部40の指令に基づき、駆動ユニッ
ト34を駆動し、射出金型22をダイ4から引き離す。それ
と同時に、油圧シリンダ20を駆動し、押出ピストン18を
上方移動させ、樹脂注出路2から流動状態の樹脂を押し
出し、第8図に示すように、容器の首部に連続したパリ
ソン46を形成する(射出金型引離工程)。
射出金型22の引離速度は、ノズル2から押し出される
流動状態樹脂の軸方向速度よりも同速又は速いようにな
っている。この引離速度は、引離工程時において略一定
の速度であるが、タイマーにより引離工程の初期と終期
は多少遅くなるように設定しても良い。
このとき、本実施例では、ノズル2の断面を円形に形
成し、閉止ピストン14の断面を楕円に形成しているた
め、偏平中空容器本体の曲部bとなるパリソン46の部位
の肉厚を他に比べて厚くできる。そのため、後のブロー
成形直前の金型に接触する前のパリソンは肉厚が周方向
に不均一に膨らまされても、金型で成形された時には、
偏平中空容器本体の肉厚を周方向に均一することができ
る。
さらに、射出金型引離工程の開始時から終了時直前近
傍までの間連続的に、第1プリブロー手段50aによっ
て、パリソン46内にパリソン46が軸方向の引張りによっ
て潰れない程度の気体(通常は空気)が封入される(第
1プリブロー工程)。
特に本実施例においては、射出金型22を引離し、第1
プリブローを行なっている工程の途中において、容器本
体の肩部d(第2図)を形成する樹脂を押し出す時、押
出ピストン18の移動位置を位置センサ54で検知し、それ
に基づきパリソン肉厚制御部56が油圧シリンダ12に出力
信号を出し、この油圧シリンダ12を駆動して、閉止ピス
トン14を移動させ、樹脂注出路10の開度を大きくして、
比較的多量の樹脂を押し出している。これにより、肩部
dとなるパリソン46の部位の肉厚を他の部位より厚くし
ている。
その他、この厚肉にされたパリソン46の部位が第8図
の状態まで引き上げられたとき、第2プリブロー手段50
bにより瞬間的に所定圧の気体がパリソン46内に封入さ
れる(肉厚調整・第2プリブロー工程)。
第2図に示すように、ブロー成形時、容器本体の肩部
dは、首部fと側壁eとを繋ぐように膨らむため、この
肩部dの膨脹率が側壁eのそれより大きく、肩部dの肉
厚が側壁eなどより薄くなる虞がある。しかし、本実施
例では、肩部dを形成する樹脂を押し出す時、多量の樹
脂を押出し、肩部dとなるパリソン46の部位の肉厚を他
の部位より厚くしている。そのため、ブロー成形時、肩
部dが大きく膨らんだとしても、肩部dの肉厚を十分に
均一にすることができる。
さらに、本実施例では、肩部dを形成するパリソン46
の部位が第8図に示す状態まで引き上げられた時、パリ
ソン46内に気体を瞬間的に封入する第2プリブロー工程
を行ない、肩部となる樹脂を予備的にある程度伸ばされ
ている。したがって、本実施例では、肩部の肉厚を十分
均一にできるので、最終製品としての中空容器の肩部d
の機械的強度をも強くなる。
射出金型引離工程が終了すると、第9,10図に示すよう
に、一対のブロー金型42,42が射出金型22に連結される
ように組み合わされる。その際に、パリソン46の底部は
ブロー金型42,42の合せ面によって潰され封止される。
それと同時もしくは直前に、閉止ピストン14が最上部に
移動し、樹脂注出路10を閉止する。これによって、ノズ
ル近傍に生じる虞のある樹脂バリを最小限にすることが
可能になる。
射出金型引離工程が終了し、ブロー金型42,42が完全
に組み合わされる直前(射出金型引離工程終了時近傍)
から、第3プリブロー手段50cによって、パリソン46内
には、得られる容器の本体分46a内容積と同程度の体積
の気体が所定圧で瞬時に導入される(第3プリブロー工
程)。
ブロー金型42,42が完全に組み合わされた後には、本
ブロー手段50dによってパリソン46内に圧力気体を送り
込み、パリソン46を型内周面に沿って膨らまし、中空容
器の本体部46aをブロー成形する(本ブロー工程)。
パリソン46内へ送り込まれる気体は、前述したように
一般に空気であり、その圧力は、好ましくは4〜7kg/cm
2(ゲージ圧)である。
その後、ブロー金型42,42相互を引き離し、成形済の
中空容器を射出金型22で保持し、これらを他の場所へ移
動させた後に、治具26を上方に移動させて、一対の射出
金型22をピン27を支点として揺動させて開き、首部およ
び偏平中空容器本体を有する樹脂製中空容器を取り出す
ことができる。
このように、本実施例では、プリブロー工程が3段階
になっていることと、肉厚制御分(パリソンコントロー
ラー)との組合せにより従来に比較して高い倍率でチュ
ーブを伸ばしても、チューブの潰れ現象等が生ぜず、後
工程でのブロー成形が良好に行なわれ、偏平中空容器で
も肉厚分布に優れた中空容器を成形することが可能にな
る。特に、薄肉中空容器を製造する際に適している。
なお、本発明によって得られる中空容器の材質は、特
に限定されないが、たとえばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテンなどが例示される。また、中空容器の
具体的形状も特に限定されないが、本発明方法は、特に
偏平薄肉中空容器を成形する際に特に適している。
また、本発明に係る中空容器の製造装置は、上述した
実施例に限定されるものではなく、種々に改変すること
が可能である。
たとえば駆動機構としては、必ずしも油圧シリンダ1
2,20などに限定されるものではなく、モータあるいはそ
の他の駆動機構であっても良い。また、本発明に係る製
造装置にあっては、ブロー機構50は、必ずしも四つのブ
ロー手段50a〜50dから成る必要はなく、二つのブロー手
段から成っていても良い。さらに、パリソン46の肉厚が
厚くされるのは、肩部dに厳密に限られるものではな
く、この肩部dの近辺となるパリソン46の部位も厚くさ
れても良い。さらに、パリソンの肉厚を厚くする手段
は、樹脂注出路10の開度を大きくすることに限定され
ず、その他の手段でも良く。例えば、樹脂を押し出す速
度を変化させる手段であっても良い。さらに、第2プリ
ブローを行なうタイミングも、肩部dとなるパリソン46
の部位が厚肉にされた後であれば良く、実施例に限定さ
れるものではない。
発明の効果 以上述べたように、本発明では、プリブロー工程が3
段階になっており、射出金型引離工程の開始時から第1
プリブローが行なわれるようになっているため、従来に
比較して高い倍率でチューブを伸ばしても、チューブの
潰れ現象等が生ぜず、後工程でのブロー成形が良好に行
なわれ、機械的強度に優れた中空容器を成形することが
可能になる。そのため、本発明方法は、特に、薄肉中空
容器を製造する際に適している。
さらに、肩部を形成する樹脂を押し出すとき、注出路
の開度を調整して多くの樹脂を押出し、肩部の肉厚を十
分均一にするとともに、第2プリブローにより肩部とな
る樹脂を予備的にある程度伸ばさせ、最終製品としての
中空容器の肩部の機械的強度をも強くしている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る偏平中空容器本体を有
する樹脂製中空容器の製造装置の全体概略断面図、第2
図はこの製造装置により製造される樹脂製偏平中空容器
の正面図、第3図及び第4図はこの製造装置のダイの注
出ノズル及びピストンの断面図、第5図は、第3図のV
−V線に沿う断面図、第6図乃至第10図はこの製造装置
により中空容器を製造するための各工程図、第11図は従
来の製造装置により製造された偏平中空容器の正面図で
ある。 10……樹脂注出路、22……射出金型 42……ブロー成形用金型 46……パリソン(チューブ) d……容器本体の肩部、e……容器本体の首部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器の首部形状のキャビティを有する射出
    金型内に筒状の樹脂注出路から流動状態の樹脂を流し込
    み容器の首部を射出成形する射出成形工程と、 射出成形された容器の首部を射出金型と共に、樹脂注出
    路から引き離しつつ、この筒状の樹脂注出路から流動状
    態の樹脂をチューブ状に押し出し、しかも押し出された
    チューブに軸方向張力を加えるように射出金型を樹脂注
    出路から引き離して、前記首部に連続したチューブを形
    成する射出金型引離工程と、 射出金型引離工程の開始時から終了時直前近傍までに、
    前記チューブ内にチューブが潰れない程度の気体を封入
    する第1プリブロー工程と、 射出金型を引き離し、この第1プリブローを行なってい
    る工程の途中において、容器本体の肩部又はその近辺を
    形成する樹脂を押し出す際に、容器本体の肩部又はその
    近辺となるチューブの部位の肉厚を他の部位より厚くす
    ると共に、このチューブ内に瞬間的に所定圧の気体を封
    入する肉厚調整・第2プリブロー工程と、 射出金型引離工程の終了時近傍から、前記チューブ内
    に、さらに気体を封入する第3プリブロー工程と、 前記射出金型にブロー成形用金型を連結し、容器の首部
    に連続しているチューブ内に圧力気体を送り込み、当該
    チューブをブロー成形用金型に形成された容器形状の型
    内周面に沿って膨らまし、容器の本体部をブロー成形す
    る本ブロー工程とを有する樹脂製中空容器の製造方法。
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