JP2787290B2 - 鋼製引張材の端部定着方法 - Google Patents

鋼製引張材の端部定着方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレストレストコ
ンクリート構造物の応力導入用ケーブル、橋梁の吊り用
ケーブル、土留板引張用ケーブル等として使用される鋼
製引張材であって、合成樹脂による防錆被膜を有する鋼
製引張材の端部定着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プレストレストコンクリート構造物等に
は複数の鋼製単素線を撚り合わせたPCストランドが使
用されているが、経時的腐食による耐力の低下を防止す
るため、近年、合成樹脂による防錆被膜を有するPCス
トランドが使用されるに至っている。例えば、図7に示
すPCストランド1は、PC鋼線からなる1本の単素線
2(心線)を中心にして6本の単素線2,2……(側
線)を螺旋状に巻き付けてストランドを構成し、その外
周表面に合成樹脂による防錆被膜3を形成すると共に、
単素線2,2間の内部空隙にも合成樹脂を充填してい
る。
【0003】このような防錆被膜を有するPCストラン
ドの端部定着方法は、例えば特開平6−272384号
公報に開示されている。この方法では、図6,図7に示
すように、外周側がテーパー形の円筒を縦に半割にした
定着楔15,15の内側に刃状凸条16,16を設け
て、その内周表面に合成樹脂による防錆被膜17を形成
しておき、定着楔15,15をもってPCストランド1
の端部を挾持して、支圧板11に当接する定着体12の
テーパー円筒形の貫通孔13に定着楔15,15を挿入
し、PCストランド1を緊張した際の戻り方向の引張力
により定着楔15,15を定着体12の貫通孔13に引
き込ませて、定着楔15,15の刃状凸条16,16が
PCストランド1に防錆被膜3,17を貫通して食い込
むようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の定着方法では、
定着楔15,15の刃状凸条16,16がPCストラン
ド1に防錆被膜3,17を貫通して喰い込むことによっ
て、PCストランド1を確実に定着することができる
が、PCストランド1の引張力により定着楔15,15
が定着体12の貫通孔13に引き込まれることによっ
て、定着楔15,15の刃状凸条16,16がPCスト
ランド1に喰い込むようになっているので、PCストラ
ンド1と定着楔15,15との間で滑りを生じる場合が
あり、PCストランド1の表面の防錆被膜3が不必要に
削り取られて防錆性能が低下する等の問題があった。
【0005】本発明は、このような従来の問題に鑑み、
防錆被膜を有する鋼製引張材を、防錆被膜を不必要に削
り取ることなく、好適に定着することができる鋼製引張
材の端部定着方法の提供を目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を
解決し、所期の目的を達成するための本発明の特徴は、
複数の鋼製単素線からなり表面に合成樹脂による防錆被
膜を有する鋼製引張材の端部を、内側に刃状凸条を有す
る定着楔をもって挾持し、前記鋼製引張材の引張力によ
り前記定着楔の前記刃状凸条を前記鋼製引張材に前記防
錆被膜を貫通して喰い込ませる鋼製引張材の端部定着方
法において、前記鋼製引張材の前記防錆被膜の表面に複
数の横向きの係合溝を予め形成しておき、該係合溝に前
記刃状凸条を噛み合わせて、前記鋼製引張材と前記定着
楔との相互間の滑りを防止することにある。
【0007】なお、定着楔は刃状凸条の表面に合成樹脂
による防錆被膜を有し、前記定着楔の前記刃状凸条を前
記鋼製引張材に前記定着楔及び鋼製引張材の防錆被膜を
貫通して喰い込ませることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態の一例を
図1〜図5について説明する。図において、20はPC
ストランドであり、PCストランド20は、図4に示す
ように、PC鋼線からなる1本の単素線22(心線)を
中心にして、その外周に6本の単素線22,22……
(側線)を螺旋状に巻き付けてストランドを構成し、そ
の外周表面に合成樹脂による防錆被膜23を形成すると
共に、単素線22,22間の内部空隙にも合成樹脂を充
填している。
【0009】更に、PCストランド20の防錆被膜23
の表面には、多数の横向きの係合溝24,24……が縦
方向(長手方向)に所定間隔で刻設されており、この係
合溝24,24……は内部の鋼製単素線22,22……
には達しない深さとなっている。また、PCストランド
20の外周表面は鋼製単素線22,22間が凹んだ凹凸
状になっているが、係合溝24,24……はPCストラ
ンド20の外周表面の凸状部分のみに設けられている。
なお、係合溝24,24……は、PCストランド20の
全長に渡って設けてもよく、PCストランド20の端部
にのみ設けてもよい。
【0010】このような係合溝24,24……は、例え
ば図5に示すように、転造ローラー30,30……等に
より容易に成形することができる。即ち、転造ローラー
30は略円筒形に形成されており、その外周面には多数
の横向きの刃34が所定間隔で固設され、刃34はPC
ストランド20の外径に対応した円弧形に形成されてい
る。そして、表面に防錆被膜23が形成された状態のP
Cストランド20を、一組の転造ローラー30,30に
より上下から挟み込み、別の組の転造ローラー30,3
0により左右から挟み込んで、転造ローラー30,30
……を回転させつつPCストランド20を送り出して、
転造ローラー30,30……の刃34,34……をPC
ストランド20の防錆被膜23に喰い込ませて行くと、
PCストランド20の防錆被膜23の表面に係合溝2
4,24……が刻設される。
【0011】このように構成されるPCストランド20
を定着する際には、図1に示すように、従来と同様に、
外周側がテーパー形の円筒を縦に半割にした定着楔1
5,15をもってPCストランド20の端部を挾持し
て、支圧板11に当接する定着体12のテーパー円筒形
の貫通孔13に定着楔15,15を挿入し、PCストラ
ンド20を緊張した際の戻り方向の引張力により定着楔
15,15を定着体12の貫通孔13に引き込ませて、
定着楔15の内周側の刃状凸条16をPCストランド2
0に防錆被膜17,23を貫通して喰い込ませる。
【0012】この際、定着楔15,15によりPCスト
ランド20を挾持すると、図2に示すように、定着楔1
5の刃状凸条16がPCストランド20の係合溝24に
噛み合って、定着楔15,15とPCストランド20と
の相互間の滑りが防止される。そして、PCストランド
20の引張力により定着楔15,15を定着体12の貫
通孔13に引き込ませると、図3に示すように、定着楔
15の刃状凸条16は、PCストランド20の外周表面
に対して略垂直に押し付けられ、防錆被膜17,23を
貫通して鋼製単素線22,22……に達するまでPCス
トランド20に喰い込む。従って、PCストランド20
の表面の防錆被膜23が定着楔15の刃状凸条16によ
り不必要に削り取られることがないので、PCストラン
ド20(鋼製単素線22,22……)の腐食を好適に防
止することができる。
【0013】なお、上述の実施の形態では、鋼製単素線
がPC鋼線である場合を示しているが、鋼製単素線は、
この他、例えば土留用引張材に使用するようなPC鋼線
より強度の低い鋼線であってもよい。また、上述の実施
の形態では鋼製引張材が鋼製単素線を撚り合わせたスト
ランドである場合を示しているが、鋼製引張材は、単素
線を撚り合わせることなく平行な束状にしたものであっ
てもよい。更に、鋼製引張材は、心線の回りに多重に側
線を巻き付けた多重撚り鋼製引張材、鋼線を撚り合わせ
たストランドを束状にした撚り線束であってもよい。ま
た、鋼製引張材は、鋼製単素線のみからなるものでなく
てもよく、例えば、心線が鋼線以外の麻縄等からなり側
線が鋼線からなる、いわゆるワイヤーロープなどであっ
てもよい。
【0014】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る鋼製引張材
の端部定着方法は、鋼製引張材の防錆被膜の表面に複数
の横向きの係合溝を予め形成しておき、定着楔の刃状凸
条を鋼製引張材に防錆被膜を貫通して喰い込ませる際
に、防錆被膜の表面の係合溝に定着楔の刃状凸条を噛み
合わせて、鋼製引張材と定着楔との相互間の滑りを防止
することによって、鋼製引張材の表面の防錆被膜が不必
要に削り取られることがなく、鋼製引張材の腐食を好適
に防止することができる。
【0015】また、刃状凸条の表面に合成樹脂による防
錆被膜を有する定着楔を用いることによって、鋼製引張
材の腐食をより好適に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼製引張材の端部定着方法の実施
の形態の一例を示す縦断面図である。
【図2】図1中の鋼製引張材の表面の係合溝に定着楔の
刃状凸条が係合した状態(定着完了前)を示す拡大縦断
面図である。
【図3】図1中の鋼製引張材の表面の防錆被膜を定着楔
の刃状凸条が貫通した状態(定着完了後)を示す拡大縦
断面図である。
【図4】図1中の鋼製引張材の拡大横断面図である。
【図5】図1中の鋼製引張材の表面に係合溝を形成する
加工方法の一例を示す斜視図である。
【図6】従来の鋼製引張材の端部定着方法の一例を示す
縦断面図である。
【図7】図6のA−A線による拡大横断面図である。
【符号の説明】
11 支圧板 12 定着体 13 貫通孔 15 定着楔 16 刃状凸条 17 防錆被膜 20 PCストランド(鋼製引張材) 22 鋼製単素線 23 防錆被膜 24 係合溝 30 転造ローラー 34 刃

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の鋼製単素線からなり表面に合成樹
    脂による防錆被膜を有する鋼製引張材の端部を、内側に
    刃状凸条を有する定着楔をもって挾持し、前記鋼製引張
    材の引張力により前記定着楔の前記刃状凸条を前記鋼製
    引張材に前記防錆被膜を貫通して喰い込ませる鋼製引張
    材の端部定着方法において、 前記鋼製引張材の前記防錆被膜の表面に複数の横向きの
    係合溝を予め形成しておき、該係合溝に前記刃状凸条を
    噛み合わせて、前記鋼製引張材と前記定着楔との相互間
    の滑りを防止することを特徴とする鋼製引張材の端部定
    着方法。
  2. 【請求項2】 定着楔は刃状凸条の表面に合成樹脂によ
    る防錆被膜を有し、前記定着楔の前記刃状凸条を前記鋼
    製引張材に前記定着楔及び前記鋼製引張材の防錆被膜を
    貫通して喰い込ませる請求項1に記載の鋼製引張材の端
    部定着方法。
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