JP2786867B2 - 上水道管ライニング用低アルカリ性セメント組成物及びそれを用いた上水道用ライニング管 - Google Patents

上水道管ライニング用低アルカリ性セメント組成物及びそれを用いた上水道用ライニング管

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JP2786867B2 JP63314840A JP31484088A JP2786867B2 JP 2786867 B2 JP2786867 B2 JP 2786867B2 JP 63314840 A JP63314840 A JP 63314840A JP 31484088 A JP31484088 A JP 31484088A JP 2786867 B2 JP2786867 B2 JP 2786867B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、上水道管ライニング用低アルカリ性セメン
ト組成物及びそれを用いた上水道用ライニング管、詳し
くは土木・建築分野に使用されるもので、作業性が良好
で、短期・長期材令での強度発現と安定性に優れた上水
道管ライニング用低アルカリ性セメント組成物及び水道
用に供給される鋼管や鋳鉄管をライニングして、水道水
のpH上昇を抑制するセメントモルタルライニング管を製
造する際に使用する上水道管用ライニング材や上水道用
ライニング管に関する。
<従来の技術とその課題> 現在、土木・建築分野では普通ポルトランドセメント
が広く普及しており、全体の80%を占め、残りは高炉セ
メントやフライアツシユセメントなどが使用されてい
る。これらはいずれも3CaO・SiO2、2CaO・SiO2及び3CaO
・AL2O3などの鉱物を主成分とし、水和硬化時にCa(O
H)を生成し、水和硬化体を水に浸漬するとpHが10以
上とならものである。
この高アルカリ性は土木・建築構造物の鉄筋を保護す
る役割を果しているが、GRCにおけるガラス繊維の劣化
や上水道ライニング管における飲料水等のpH値の上昇な
どの課題があつた。
即ち、従来、上水道ライニング管は、普通ポルトラン
ドセメントや膨張セメントを使用したライニング材で鋼
管や鋳鉄管を遠心ライニングし、蒸気養生されていた
(例えば特開昭50−91619号公報、特開昭50−91620号公
報等)。
しかしながら、水道水のように飲料水や工業用水等の
生活水を流す場合において、セメントモルタル中のアル
カリが溶出し、水道水のpHが上昇しアルカリになるとい
う課題があつた。その改善策としてアルミナセメントモ
ルタルを鋼管にライニングすることによつてpH上昇を抑
制することが試みられたが十分な効果が得られなかつ
た。
本発明者らはセメントの高アルカリ性が弊害となる用
途に使用できるセメントを提供すべく種々検討した結
果、カルシウムアルミネートと硫酸アルミニウムを併用
することによつて、前記課題を解消できる知見を得て本
発明を完成するに至つた。
<問題点を解決するための手段> 即ち、本発明は、カルシウムアルミネート95〜50重量
部と硫酸アルミニウム5〜50重量部を主成分とする上水
道管ライニング用低アルカリ性セメント組成物であり、
それを用いた上水道管用ライニング材、上水道用ライニ
ング管及びその製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明にかかるカルシウムアルミネート(以下Caアル
ミネートという)は、CaOをC、Al2O3をAとすると、例
えばC3A、C12A7、CA、CA2及びCA6等と示される鉱物が挙
げられる。本発明において使用できるCaアルミネートは
前記鉱物に限られるものではなく、CとAの重量比を連
続的にとることができる。なかでもC/Aが3/7〜5/3の範
囲が好ましく、この範囲に入るものとして、C12A7やCA
及びこれらを主成分とするアルミナセメントがある。
本発明のCaアルミネートは結晶形でも無定形でも使用
可能である。
無定形化することによりCとAの組成比を連続的にと
ることが可能となる。
また、本発明のCaアルミネートはボーキサイトやバイ
ヤーアルミナ等のアルミナ源と生石灰や石灰石等のカル
シア源を用いて、焼成法及び/又は電融法によつて合成
したクリンカーをチユーブミル、振動ミル又はローラー
ミル等の粉砕機で粉砕したもので、その粉末度は強度発
現の面からブレーン比表面積で2,000cm2/g以上が好まし
い。
尚、本発明のCaアルミネートは不純物として、TiO2
Fe2O3、SiO2等を固溶したものであつても使用可能であ
る。
本発明にかかる硫酸アルミニウム(以下硫酸Alとい
う)は、無水塩、含水塩いずれでもよく、水溶液の形で
も使用可能である。粉末で使用するときは200メツシユ
以下のものを使用することが好ましい。
具体的には浄水剤等工業用途に使用される硫酸ばんど
が使用できる。
硫酸Alの使用量はCaアルミネート95〜50重量部に対し
5〜50重量部であり、90〜60重量部に対し10〜40重量部
が好ましい。硫酸Alが5重量部未満ではアルカリ度の低
下はそれ程でもなく、50重量部を越えると強度発現が不
充分となる傾向がある。
本発明では作業性向上のためや凝結調節のために有機
酸又はその塩を使用することは好ましい。
有機酸としてはクエン酸、酒石酸及びグルコン酸等の
オキシカルボン酸や、ステアリン酸、オレイン酸及びパ
ルミチン酸等の脂肪酸又はそれらの塩が挙げられる。
有機酸の使用量は本発明の上水道管ライニング用低ア
ルカリ性セメント組成物(以下低アルカリセメという)
100重量部に対し0.1〜5.0重量部が好ましく、強度や硬
化時間の面から0.2〜3.0重量部がより好ましい。
有機酸の使用量が0.1重量部未満では作業性向上や可
使時間延長の効果が少なく、5.0重量部を越えると硬化
不良等の問題を生じる。
更に、本発明では、一般に使用されるセメント減水剤
を使用することも可能である。
セメント減水剤(以下減水剤という)としては、リグ
ニンスルホン酸塩系、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリ
ン縮合物系、メラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物
系、ポリカルボン酸塩系及び糖類などが挙げられる。
減水剤の使用量は低アルカリセメ100重量部に対し、
0.1〜5.0重量部が好ましい。
本発明のライニング材に使用する細骨材(以下骨材と
いう)は海砂、山砂及び河川砂等特に限定されるもので
はないが、アルカリ塩類の少ないものが好ましい。
結合材と骨材との配合割合は、結合材100重量部に対
し、骨材100〜300重量部が好ましく、強度発現、耐久性
等から150〜250重量部がより好ましい。
本発明に使用する管は、通常鋼管や鋳鉄管が用いら
れ、遠心成形によりライニング層を形成できれば特に種
類を限定するものではない。
ライニング方法は通常遠心成型によつて行うのが好ま
しい。遠心成型条件は普通セメントモルタルとほぼ同様
に行うことができる。
即ち、遠心成型機にセツトした鋼管を回転させなが
ら、結合材と細骨材から成るモルタルを連続及び/又は
不連続に注入し、管の内面に遠心力を利用してライニン
グする方法であつて通常モルタルを注入後1〜50G程度
て成形後、遊離水を除去し、更に1〜50G程度でモルタ
ル層の遠心締め固めを行う。
ライニング層は、1層のみならず、2層以上の多層で
あつても良く、水道水と接するライニング層がCaアルミ
ネートと硫酸Alを主成分とするライニング材からなるこ
とを必須とするものである。
ライニング層の厚さは鋼管の口径にもよるが、2〜20
mm程度である。ライニング後の養生は気乾養生、水中養
生、蒸気養生いずれでも良いが、好ましくは湿度70%R.
H.以上で乾燥しない条件が良い。養生温度は5〜30℃の
範囲が好ましい。
<実施例> 以下実施例で本発明をさらに説明する。
実施例1 表−1に示す配合の低アルカリセメ100重量部、骨材2
00重量部及びフロー値が220±20mmになるような量の水
をモルタルミキサーで混練後、4×4×16cmの型枠に流
し込み硬化体を成形した。この硬化体を20℃、80%R.H.
で気乾養生後気乾放置し、7日経過後蒸留水に24時間浸
漬し、水溶液のpH及び気乾養生後1日及び7日の硬化体
の圧縮強度を測定した。結果を表−1に併記する。
<使用材料> Caアルミネート:電気化学工業社製、商品名「デンカ
アルミナセメント2号」 硫酸Al:住友化学社製、硫酸ばんど クエン酸Na:関東化学社製、試薬一級 NPC:アンデスセメント社製、普通ポルトランドセメン
ト 骨 材:川砂、250℃、1hr乾燥品、2.5mm下 表−1から明らかなように、本発明の低アルカリセメ
を使用した硬化体を浸漬した水溶液は24時間後にはpH10
未満を示し、強度発現も良好である。
実施例2 表−2に示す配合の結合材100重量部に対し、骨材200
重量部及びフロー値が220±20mmになるように調節した
水を、モルタルミキサーで混練後φ100×200mmの鋼管
をライニングし、同時に4×4×16cmの型枠に流し込み
テストピースを成形した。ライニングは初速250rpm1
分、中速450rpm30秒、高速1,350rpm4分で行つた。これ
らライニング管及びテストピースを20℃、80%R.H.で気
乾養生後、材令7日目に鋼管をpH=7の蒸留水に24hrs
浸漬した。そして水溶液のpH及びテストピースの圧縮強
度を測定した。結果を表−2に併記する。使用材料は実
施例1と同様。
実験No.2−3〜2−8についてはクエン酸Naを結合材
に対し0.3重量%(外割)添加した。
表−2から本発明のライニング材はpH上昇を著しく抑
制し、かつ強度発現が良好なことがわかる。
実施例3 表−3に示す結合材100重量部、結合材に対しクエン
酸Na0.5重量部、骨材200重量部及びフロー値が220±20m
mになるように調節した水をモルタルミキサーで混練
後、100φ×500mmの鋼管に厚さ5mmライニングしライ
ニング管を得た。ライニングは、遠心成形で行い、初速
250rpm1分、中速450rpm30秒、高速1,350rpm4分で行つ
た。このライニング管を20℃80%R.H.で気乾養生し材令
7日目にpH=7の蒸留水に24Hrs浸漬し、水溶液のpHを
測定した。結果を表−3に併記する。
使用材料は実施例1と同様。
実験No.3−1及び3−2については、クエン酸Naを添
加しなかつた。
本発明のライニング管を用いるとpH上昇を著しく抑制
でき、pH上昇値を2.0以下にできる。
実施例4 普通ポルトランドセメント100重量部に対し骨材200重
量部及び水をフロー値が220±20mmになるように調節
し、モルタルミキサーで混練後、105φ×500mmの鋼管
に厚さ5mmにライニングした。ライニングは、遠心成形
で行い初遠250rpm1分、中速450rpm30秒、高速1,350rpm4
分で行つた後、浮き水を捨てた。更に、実験No.3−6配
合のモルタルを、同条件にて、普通ポルトランドセメン
トライニングの内側にライニングを行い、2層ライニン
グとした。この管を20℃80%R.H.で気乾養生後、材令7
日目にpH=7の蒸留水に24Hrs浸清後水溶液のpHを測定
したところ、スタート時pH6.9であつたものが、24Hrs後
でも8.4とpH上昇は低くかつた。
尚使用材料は、実施例1と同じものを用いた。
<発明の効果> 本発明の低アルカリ性セメント組成物を使用すると作
業性が改善され、強度発現も良好であり、通常のポルト
ランドセメントを使用した場合に比べpH値が1〜3低い
値となる。
本発明の低アルカリ性セメント組成物は、上水道管用
ライニング材やGRC用セメントとして有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16L 9/14 F16L 9/14 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 28/06 C04B 22/14 F16L 9/02 F16L 9/14 E03B 7/00 B28B 21/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルシウムアルミネート95〜50重量部と硫
    酸アルミニウム5〜50重量部を主成分とする上水道管ラ
    イニング用低アルカリ性セメント組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の低アルカリ性セメント組成
    物を結合材とし細骨材を含有してなる上水道管用ライニ
    ング材。
  3. 【請求項3】鋼管の内面に請求項2記載のライニング材
    からなるライニング層を有する上水道用ライニング管。
  4. 【請求項4】鋼管の内面に、請求項2記載のライニング
    材を用い、遠心成型することを特徴とする上水道用ライ
    ニング管の製造方法。
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