JP2786566B2 - 溶融亜鉛メッキ装置用筒状体の製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛メッキ装置用筒状体の製造方法

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JP2786566B2 JP20467892A JP20467892A JP2786566B2 JP 2786566 B2 JP2786566 B2 JP 2786566B2 JP 20467892 A JP20467892 A JP 20467892A JP 20467892 A JP20467892 A JP 20467892A JP 2786566 B2 JP2786566 B2 JP 2786566B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筒状本体の外周に耐食
性被覆層を形成した溶融亜鉛メッキ装置用筒状体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融亜鉛メッキ装置において使用されて
いる各種ロール等の主要部や軸受ブッシュ等を構成する
筒状体としては、26%(重量%、以下同じ)Cr−1
2%Ni合金、13%Cr−1.5%Si合金等の耐熱
合金よりなる筒状体、或いは、その寿命向上のため、溶
融亜鉛に対する耐溶食性(以下、単に耐食性という)に
優れた被覆層を前記筒状体の外周に形成した筒状体が採
用されている。即ち、溶融亜鉛メッキ装置におけるメッ
キ浴内に浸漬配置され、メッキ処理のために前記浴内へ
連続供給される長尺素材を一定時間だけ浸漬させた後に
浴外へ導くべく、その長尺素材を巻回させてその進行方
向を転換させるシンクロール、そのシンクロールにて進
行方向が転換された長尺素材の浴外への進行を、その長
尺素材を両側から挟み込んで補助する一対のサポートロ
ール等の各種ロールの主要部、或いは、前記シンクロー
ルを前記浴内にて回転自在に支持する軸受部に用いられ
る軸受ブッシュ等を構成する筒状体として、前記耐熱合
金製の筒状体、或いは、前記耐食性に優れた被覆層が筒
状本体の外周に形成された被覆層付き筒状体が採用され
ている。尚、前記被覆層付き筒状体の製造方法として
は、最近、次に述べるようなものが採用されている。例
えば、前記シンクロール等においては、その表面に、W
C−12%Coよりなる溶射材を溶射することにより、
前記被覆層を形成する方法が最近採用されている。ま
た、前記軸受ブッシュ等においては、その表面に、ステ
ライト合金等を溶接肉盛することにより、前記被覆層を
形成する方法が最近採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来方法に
よって製造された、前記耐熱合金製筒状体又は被覆層付
き筒状体においても、次に述べるような問題があった。
即ち、前記耐熱合金製の筒状体の場合は、溶融亜鉛によ
る溶食が発生し、短期間(例えば、約2週間)で表面の
再研磨が必要となる。また、WC−12%Coよりなる
溶射材が本体外周に溶射されて前記被覆層が形成される
場合においては、その被覆層の厚さが、通常、50〜2
00μm程度と非常に薄いものであった。なぜなら、溶
射材の溶射によって形成される被覆層の厚肉化を図ろう
とする場合には、筒状本体と被覆層との密着強度、被覆
工程の生産性や経済性等の面から厚肉化に限界が生じる
からであった。従って、前記被覆層付き筒状体が一定期
間使用されて被覆層が目減りした状態では、その被覆層
の厚さに、再研摩(再生のための再研摩)後に有効な被
覆層を残存させる余裕が通常は存在せず、前記筒状体に
おいては、前記再研摩を行うだけの簡易な再生が不可能
であった。また、使用中に被覆層の剥離、割れ等の事故
が発生する。そこで、前記筒状体が一定期間使用された
後、その筒状体に一旦再研摩(平滑化のための再研摩)
を施した上で、費用が嵩むにも拘らず再溶射を施して皮
膜を形成することにより、再生を図っていた。しかしな
がら、前記筒状体に対し、一定期間の使用の都度、上述
のような再研摩・再溶射を施して、前記筒状体の再生を
図ることとすれば、その再生費用が著しく嵩むという問
題があった。また、前記軸受ブッシュのように、ステラ
イト合金等が本体外周に溶接肉盛されて前記被覆層が形
成される場合においては、その被覆層が、硬さや耐摩耗
性の点で優れるものの、耐食性の点で前記WC−12%
Coほど良好でなく、その耐食性の点での耐用寿命が不
足するという問題があった。本発明は、このような実情
に着目してなされたものであり、前記再研摩を行うだけ
の簡易な再生を可能とし再生費用の低減を図り得ると共
に、耐食性・耐摩耗性の点での耐用寿命も十分に長くで
きる溶融亜鉛メッキ装置用筒状体の製造方法を提供する
ことを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶融亜鉛メ
ッキ装置用筒状体の製造方法(以下、本発明方法とい
う)は、筒状本体を構成する内筒体に対し、変形自在な
外筒体を、両筒体間に隙間室を形成しつつ外嵌した状態
に配置し、前記隙間室に、Co:5〜50%、Ni:5
〜30%、Fe:5〜30%、Cr:30%以下及びC
32 :30%以下からなる群の中から、CoかNi
かFeかの何れかを含むように選択された少なくとも1
種の成分が合計で5〜50%となるように、且つ、残部
が実質的にWC又はMo2C(即ち、WC及び不可避不
純物、又は、Mo2C及び不可避不純物)となるように
全体組成を調整した粉末を充填した上で、前記隙間を脱
気しつつ密閉した後、前記粉末の圧密化焼結を行うこと
により、前記耐食性被覆層としての圧密化焼結層を形成
した後、前記外筒体を除去する点に特徴を有している。
【0005】
【作用】本発明方法においては、前記隙間室に充填され
た前記組成の粉末に対して前記圧密化焼結を行うことに
より、前記被覆層としての焼結層が形成されるので、そ
の被覆層は、前記筒状本体としての内筒体に対して一体
化して十分に密着し、且つ、前記脱気の下で処理される
ためにガス閉じこもり等に起因する微小空隙等の欠陥の
ないものとなる。しかも、前記被覆層の厚さは、前記隙
間室の大きさを適宜に設定すること(即ち、前記両筒体
の寸法を適宜に設定してそれらを適宜に配置すること)
により、比較的自由に変更することができる。そして、
前記溶融亜鉛メッキ装置用筒状体を最終的に得るために
は、少なくとも前記外筒体の部分を除去することとす
る。更に、前記被覆層は、次に述べる理由から上述の組
成に限定された粉末が焼結されたものであるので、十分
な硬さ・耐摩耗性が確保され且つ耐食性の点でも十分に
優れたものとなる。次に、粉末組成の限定理由について
述べる。WC又はMo2Cを基本的な成分に選んだの
は、WC及びMo2Cが、溶融亜鉛に対して高い耐浸食
性を示す上、硬質で高い耐摩耗性を示す基本物質である
からである。Co:5〜50%、Ni:5〜30%、F
e:5〜30%の何れかを含有させるようにしたのは、
次の理由による。即ち、WC及びMo2Cは、上述した
ような優れた特性を有する反面、単体のままでは靭性に
乏しく、割れやカケ等が発生し易いので、単体のままの
WC又はMo2Cにて前記被覆層としての焼結層が構成
されている溶融亜鉛メッキ装置用筒状体は、構造部材と
しての使用に耐え難いものとなるが、Co:5〜50
%、Ni:5〜30%、Fe:5〜30%の何れかを含
有させると、それらが前記焼結層のバインダーとしての
役割を果たすようになり、前記焼結層の靭性が向上する
ようになるからである。尚、CoやNiやFeの下限を
5%としたのは、前記靭性を向上させるのに、CoやN
iやFeが最低限5%は必要となるからである。また、
上述の上限(Coでは50%、NiやFeでは30%)
を越えると、耐溶融亜鉛浸食性が低下するようになるの
で、上述の上限を設定することとした。Cr又はCr3
2 を30%以下含有させるようにしたのは、WC及び
Mo2Cにて前記焼結層が構成されている場合には、耐
酸化性に難点があり、高温での長時間使用に耐え難くな
るのに対し、Cr又はCr32 を30%以下含有させ
ると、前記焼結層の耐酸化性が向上するようになるから
である。但し、Cr又はCr32 の含有量が30%を
越えると、耐溶融亜鉛浸食性が低下するので、上限を3
0%に設定することとした。尚、Cr又はCr32
含有は不可欠なものではない。
【0006】
【発明の効果】従って、本発明方法によれば、上述した
ように前記被覆層の厚さを比較的自由に変更することが
でき、その厚肉化も可能となるため、被覆層の厚肉化を
図りつつ製造した筒状体は、それが一定期間使用されて
被覆層が目減りした状態でも、その厚さに、再研摩を行
って被覆層を残存させる余裕を持たせることができ、一
定期間使用の筒状体に対する簡易な再生が可能となる。
従って、前記被覆層付き筒状体の再生費用の低減が可能
となる。しかも、前記被覆層は、その成分が上述したよ
うに限定されているので、十分な硬さ・耐摩耗性が確保
され且つ耐食性も十分に優れたものとなる。従って、従
来の溶射や溶接肉盛等にて形成された被覆層を備える筒
状体に比し、耐用寿命も十分に長く、硬さ・耐摩耗性も
十分に大きい筒状体が提供されるようになる。
【0007】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
4には、本発明方法を用いて製造される筒状体11を主
要な構成要素とする溶融亜鉛メッキ用のシンクロールが
示されている。
【0008】前記筒状体11の本体11bは、耐熱鋼
(具体的には、13%Cr鋼やSUS316等のステン
レス鋼)にて構成され、その筒状体11の両端部には、
耐熱鋼製の被軸受部12,13が内嵌装着され、その内
嵌状態は溶接によって固定されている。
【0009】前記シンクロールは、前記被軸受部12,
13の部分が軸受体15にて軸支されることにより、溶
融亜鉛メッキ装置におけるメッキ浴内に回転自在に浸漬
配置されている。前記被軸受部12,13と前記軸受体
15との間には軸受ブッシュ14が介装されている。そ
して、前記シンクロールは、メッキ処理のために前記浴
内へ連続供給される長尺素材を一定時間だけ浸漬させた
後に浴外へ導くべく、その長尺素材を巻回させてその進
行方向を転換させるのに使用される。
【0010】そのシンクロールは、上述したようにメッ
キ浴内に浸漬されるので、その主要部(即ち、筒状本体
11b)の外周にメッキ浴との長期接触に耐える耐食性
を備える被覆層11aが本発明方法によって形成され
る。また、前記被覆層11aには、その部分に前記長尺
素材が巻回して接触走行するようになるので、所定の硬
さ・耐摩耗性も必要となるが、それらの品質は、本発明
方法によって形成される前記被覆層11aにおいて十分
に確保される。
【0011】本発明方法は、具体的には、図1〜図3に
示す手順によって実施される。先ず、図1に示すよう
に、前記筒状本体11bを構成する内筒体2(即ち、前
記耐熱鋼にて構成された内筒体2)に対し、焼結時に縮
径変形が可能なように軟鋼にて構成された外筒体3を、
両筒体2,3間に隙間室Sを形成しつつ外嵌した状態に
配置する。具体的には、平リング状で且つ軟鋼製の底体
1の上に前記内筒体2を内周部合致状態に載置し、その
載置状態を溶接固定(溶接部B)すると共に、前記底体
1の外周部に前記外筒体3の下端部を外嵌し、その外嵌
状態を溶接固定(溶接部B)する。
【0012】その後、前記隙間室Sに、Co:5〜50
%、Ni:5〜30%、Fe:5〜30%、Cr:30
%以下及びCr32 :30%以下からなる群の中か
ら、CoかNiかFeかの何れかを含むように選択され
た少なくとも1種の成分が合計で5〜50%となるよう
に、且つ、残部が実質的にWC又はMo2Cとなるよう
に全体組成を調整した粉末5を充填する。その粉末5
は、原料粉末として、WC,Mo2C,Co,Ni,F
e,Cr,Cr32 の各粉末(純度:99%以上、平
均粒度:約50μmに調整されたもの)又はこれらの合
金粉末を予め準備し、それらを適宜選択し適宜割合に混
合して得る。そして、前記内筒体2の上に、平リング状
で且つ軟鋼製の蓋体4を、両者の内周部を合致させた状
態に載置し、その載置状態を固定すべく、前記両者の内
周部を溶接固定(溶接部B)することにより、前記隙間
室Sに前記粉末5が充填され且つ前記隙間室Sが施蓋さ
れた粉末充填体を得る。この状態における前記隙間室S
には、前記粉末5の他に不純ガスが未だ残存している。
【0013】その後、脱気口6を通じて、真空度:10
-5Torr、加熱温度:400〜500℃の条件で真空
脱ガス処理を行って密封することにより、前記粉末充填
体を前記不純ガスの残存しない状態にする。
【0014】その後、前記粉末充填体をHIP(熱間静
水圧プレス)処理装置内に装入し、その粉末充填体に対
し、温度:1350℃、圧力:1000kg/cm2
上、時間:1Hrの条件のHIP処理を施すことによ
り、前記粉末5の圧密化焼結を行って、前記耐食性被覆
層11aとしての焼結層(層厚:例えば5〜10mm)
を形成する。
【0015】その後、前記HIP処理装置内からHIP
処理完了品を取り出してその両端部を切断除去した後、
図2に示すように外周切削加工を施して前記外筒体3を
除去すことにより、前記筒状体11を得る(図3参
照)。
【0016】次に、本発明方法によって得られる筒状体
の品質について説明する。本発明方法によって製造され
る筒状体の各品質(硬さ・耐食性・耐摩耗性)について
調査すべく、テストピース(直径:30mm、長さ:2
00mmの中実丸棒)を本発明方法に係る圧密化焼結に
よって作成した。表1及び表2には、そのテストピース
の品質調査結果が、各種粉末組成及び各種HIP処理条
件と対応させて一覧されている。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】耐食性は、前記中実丸棒を、直径:30m
m、長さ:150mmの大きさに加工した耐食試験片
を、溶融亜鉛メッキ浴(浴組成:Zn−0.2%Al、
浴温度:460〜470℃)に72Hr浸漬し、腐食減
量(g/m2h)を測定した結果で判定した。耐摩耗性
は、前記中実丸棒を、断面形状:4mm×4mmの四
角、長さ:20mmの大きさに加工した摩耗試験片の端
面を、500rpmで回転するアルミナディスク(直
径:50mm,厚さ:5mm)に、面圧:50kg/c
2、すべり速度:40.7m/min、時間:60m
in、温度:400℃の条件で押し付けて摩耗量(μ
m)を測定した結果で判定した。焼結性は、焼結後にお
ける割れ発生の有無の観察結果で判定した。
【0020】表1において、試料番号1〜試料番号9
は、本発明方法にて作成したテストピース(WCを基本
成分とするもの)に相当し、試料番号101〜試料番号
108は、本発明の粉末組成の条件を逸脱した条件で作
成したテストピースに相当し、試料番号200は、前記
筒状本体11bに該当する素材よりなるテストピースに
相当する。また、試料番号201は、ステライト合金を
表面に肉盛したものである。尚、表1中の粉末組成で*
印を付してある数値は、本発明の粉末組成の条件を逸脱
している数値である。
【0021】表1から明らかなように、本発明の粉末組
成の条件を満足しているテストピースは、耐食性・耐摩
耗性・焼結性の何れもが本体(試料番号200)、ステ
ライト合金肉盛品(試料番号201)に比して良好であ
る。一方、本発明の粉末組成の条件を何れか逸脱してい
るテストピースは、耐食性・耐摩耗性・焼結性のうちの
少なくとも何れかが不良である。
【0022】尚、表1を参照して、Co・Ni・Fe・
Cr(又はCr32)の何れをも含む試料番号8(本発
明例)と、試料番号107(比較例)とを比較した場合
について考察したところ、試料番号8は、Co+Ni+
Fe+Cr(又はCr32)が合計で50%以下となっ
ていて耐食性・耐摩耗性・焼結性の何れも良好であるの
に対し、試料番号107は、Co+Ni+Fe+Cr
(又はCr32)が合計で50%を越えており、耐食性
も耐摩耗性も焼結性も不良である。このデータから、C
o+Ni+Fe+Cr(又はCr32)を合計で50%
以下に抑えることが重要な要件であることが分かる。ま
た、試料番号101は、CoもNiもFeも含有してい
ないので焼結性が悪いことが分かる。
【0023】表2において、試料番号11〜試料番号1
9は、本発明方法にて作成したテストピース(Mo2
を基本成分とするもの)に相当し、試料番号111〜試
料番号118は、本発明の粉末組成の条件を逸脱した条
件で作成したテストピースに相当し、試料番号200
は、前記筒状本体11bに該当する素材よりなるテスト
ピースに相当する。また、試料番号201は、ステライ
ト合金を表面に肉盛したものである。尚、表2中の粉末
組成で*印を付してある数値は、本発明の粉末組成の条
件を逸脱している数値である。
【0024】表2から明らかなように、本発明の粉末組
成の条件を満足しているテストピースは、耐食性・耐摩
耗性・焼結性の何れもが本体(試料番号200)、ステ
ライト合金肉盛品(試料番号201)に比して良好であ
る。一方、本発明の粉末組成の条件を何れか逸脱してい
るテストピースは、耐食性・耐摩耗性・焼結性のうちの
少なくとも何れかが不良である。
【0025】尚、表2を参照して、Co・Ni・Fe・
Cr(又はCr32)の何れをも含む試料番号18(本
発明例)と、試料番号117(比較例)とを比較した場
合について考察したところ、試料番号18は、Co+N
i+Fe+Cr(又はCr32)が合計で50%以下と
なっていて、耐食性・耐摩耗性・焼結性の何れも良好で
あるのに対し、試料番号117は、Co+Ni+Fe+
Cr(又はCr32)が合計で50%を越えており、耐
食性も耐摩耗性も焼結性も不良である。このデータか
ら、Co+Ni+Fe+Cr(又はCr32)を合計で
50%以下に抑えることが重要な要件であることが分か
る。また、試料番号111は、CoもNiもFeも含有
していないので焼結性が悪いことが分かる。
【0026】次に、別実施例について説明する。上述の
実施例は、本発明方法をシンクロールを製造するのに適
用したものであったが、本発明方法は、前記シンクロー
ル以外の被覆層付き筒状体、例えば、前記シンクロール
にて進行方向が転換された長尺帯状材の浴外への進行
を、その長尺帯状材を両側から挟み込んで補助する一対
のサポートロール、前記シンクロールを前記浴内にて回
転自在に支持する軸受部に用いられる軸受ブッシュ等を
製造するときにも適用することができる。
【0027】例えば、上述の実施例におけるシンクロー
ルの被軸受部12,13と軸受体15との間には軸受ブ
ッシュ14が介装されているが、その軸受ブッシュ14
は図4に示すように筒状本体14bの外周に耐食性被覆
層14aが形成されてなり、その耐食性被覆層14aを
形成する場合においても、本発明方法を適用することが
できる。尚、この軸受ブッシュ14を得る場合、HIP
処理後において上述の実施例と同様、外周切削加工によ
る前記外筒体3の除去を行って前記筒状体11を得る
が、その筒状体11のままでは、前記軸受ブッシュ14
として使用できないので、その筒状体11に対して更に
外周及び内周の研削加工を施して前記軸受ブッシュ14
を得る。
【0028】また、前記隙間に充填された粉末5を圧密
化焼結する手段としては、上述の実施例におけるHIP
(熱間静水圧プレス)処理に替えて、CIP(冷間静水
圧プレス)処理と焼結処理とを組み合わせた処理を採用
することも可能である。
【0029】また、前記筒状本体11bを構成する内筒
体2の素材としては、上述の実施例における耐熱鋼に替
えて、他の耐熱鋼、又は、他の耐熱合金を採用すること
もできる。
【0030】また、その他の溶融金属(即ち、鉛やスズ
等の溶融金属)に対しても優れた耐食性を示すので、そ
れらを用いた溶融メッキ装置においても、本発明の転用
が可能である。
【0031】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一過程を示す説明図
【図2】その後続過程を示す説明図
【図3】その後続過程を示す説明図
【図4】シンクロールの縦断面図
【符号の説明】
2 内筒体 3 外筒体 5 粉末 11a 耐熱性被覆層 11b 筒状本体 S 隙間室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−346640(JP,A) 特開 平4−128355(JP,A) 特開 平2−43352(JP,A) 実開 昭57−74978(JP,U) 実開 昭55−142571(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 2/00 B22F 5/00 B22F 7/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状本体(11b)の外周に耐食性被覆
    層(11a)を形成した溶融亜鉛メッキ装置用筒状体の
    製造方法であって、 前記筒状本体(11b)を構成する内筒体(2)に対
    し、変形自在な外筒体(3)を、両筒体(2),(3)間
    に隙間室(S)を形成しつつ外嵌した状態に配置し、 前記隙間室(S)に、Co:5〜50重量%、Ni:5
    〜30重量%、Fe:5〜30重量%、Cr:30重量
    %以下及びCr32:30重量%以下からなる群の中か
    ら、CoかNiかFeかの何れかを含むように選択され
    た少なくとも1種の成分が合計で5〜50重量%となる
    ように、且つ、残部が実質的にWC又はMo2Cとなる
    ように全体組成を調整した粉末(5)を充填した上で、
    前記隙間を脱気しつつ密閉した後、 前記粉末(5)の圧密化焼結を行うことにより、前記耐
    食性被覆層(11a)としての圧密化焼結層を形成した
    後、 前記外筒体(3)を除去する溶融亜鉛メッキ装置用筒状
    体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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