JP2786176B2 - 消臭性成形物 - Google Patents
消臭性成形物Info
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- JP2786176B2 JP2786176B2 JP8309723A JP30972396A JP2786176B2 JP 2786176 B2 JP2786176 B2 JP 2786176B2 JP 8309723 A JP8309723 A JP 8309723A JP 30972396 A JP30972396 A JP 30972396A JP 2786176 B2 JP2786176 B2 JP 2786176B2
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- JP
- Japan
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- deodorant
- copper
- molded article
- molded product
- substance
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- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、異臭を放つ物質を
無臭物質に変化させる消臭性機能を持った高分子物質を
混入した消臭性成形物に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】日常の生活圏における悪臭物質は、例え
ばアンモニア、アミン類、硫化水素、メルカプタン類、
インドール、カルボニル化合物などである。これらの物
質は、従来から活性炭素による吸着、触媒燃焼法、オゾ
ンまたは薬剤による酸化法、中和法、バクテリアによる
分解法、酵素による分解法などで処理され消臭がされて
いる。 【０００３】 【発明が解決しようとする問題点】上記した従来の方法
は、いずれも消臭能力の持続性が少なかったり、消臭効
率が低かったり、二次汚染があったりという欠点があ
る。 【０００４】本発明は上記の欠点を解消するためになさ
れたもので、水溶性・非水溶性の異臭物質を同時に短時
間で分解でき、二次汚染の恐れがなく実用性の点で改良
された、消臭性高分子物質を混入した消臭性成形物を提
供しようとするものである。 【０００５】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めの本発明の消臭性成形物は、銅が結合しているポリエ
チレンイミンからなる消臭性高分子物質が、ウレタンフ
ォームからなる成形物に混入されている。 【０００６】すなわち上記本発明の消臭性成形物が混入
されている消臭性高分子物質は、ポリエチレンイミンの
-NH-基にCuがキレート結合をしている。このキレート結
合は分子内キレート結合の場合もあるし、分子間の架橋
キレート結合である場合の両方がある。 【０００７】好ましい銅の結合量は消臭性高分子に対し
0.5 〜 7重量％である。尚、銅の結合量と当モル程度の
マンガンを結合させてもよい。 【０００８】上記消臭性高分子物質を製造するには、例
えば硫酸銅、塩化銅、硝酸銅、酢酸銅などの銅塩水溶液
に対応する高分子を浸漬する。マンガンを結合させる場
合は、例えば硫酸マンガン、塩化マンガン、硝酸マンガ
ンなどのマンガン塩水溶液を使用する。 【０００９】 【００１０】 【作用】本発明の消臭性成形物に混入される消臭性高分
子物質は、結合している金属原子の電子の授受により酸
化触媒の作用をする。そのため異臭物質であるアンモニ
ア、アミン類、硫化水素、メルカプタン類、インドー
ル、カルボニル化合物などは、空気中の酸素により酸化
されて無臭物質に変化する。特にアンモニア、アミン類
は、その窒素原子が銅に配位し、極めてすみやかに吸着
され、さらに分解されてゆくものと考えられる。 【００１１】消臭性高分子物質が酸化触媒の作用をする
ときの反応機構は必ずしも明確ではないが、一応、下記
の式による反応が起きているものと考えられる。 【００１２】Ｐ-Cu(I) + O2 → Ｐ-Cu(II) ＋ ・O2 - Ｐ-Cu:消臭性高分子物質 O2:空気中酸素・ O2-:スーパーオキサイドラジカル Ｐ-Cu(II) ＋ RSH → Ｐ-Cu(II)・・・SHR RSH:異臭物質 R-S-S-R:異臭物質の二量体（無臭） 【００１３】 【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 【００１４】実施例１ 0.1 規定硫酸銅水溶液１ｌにポリアクリル酸ナトリウム
架橋体２０ｇを混合し、常温にて２時間撹拌する。得ら
れた生成物を純水にて繰り返し洗浄し、ポリアクリル酸
−銅キレート樹脂を得る。 【００１５】得られたポリアクリル酸−銅キレート樹脂
（粉砕品）２ｇをガラス管に詰め、一方端からメチルメ
ルカプタン（４２ppm ）を100mｌ/minの流速で送り込ん
だところ他方端からはジメチルサルファイドが検出され
メチルメルカプタンは検出されなかった。 【００１６】実施例２ 硫酸銅0.02規定水溶液にアンモニア水を加えてＰＨ10.8
に調製する。これにポリビニルアルコールフィルムを浸
漬し、放置すると緑色の銅キレート化ポリビニルアルコ
ールフィルムが得られる。 【００１７】得られた銅キレート化ポリビニルアルコー
ルフィルム0.3gを 1.5ｌの採気ビンに入れ、1000ppm の
メチルメルカプタンを充填する。５分後、濃度を測定し
たところ300ppm、 １０分後には６０ppm と低下し、２０
分後にはメチルメルカプタンは検出されなかった。 【００１８】実施例３ ポリエチレンイミン１０ｇ、エピクロルヒドリン0.5 ｇ
をメタノール200mｌに溶解する。この溶液をウレタンフ
ォームに含浸させた後、７０℃で１０分間熱処理する。
得られたポリエチレンイミン含有フォームを塩化銅水溶
液に浸漬すると濃青色のポリエチレンイミン−銅キレー
ト化フォームが得られる。 【００１９】このフォーム１ｇを1.5ｌ採気ビンに入
れ、５万ppm の硫化水素で充填する。１分で３０％、８
分で５０％、３０分で９９％の硫化水素が除去された。 【００２０】上記消臭性高分子物質の消臭反応は空気中
の酸素との酸化反応であり、酸素の消費量を調べること
により酸化反応の進行情況を理解できる。第１図には、
実施例２の銅キレート化ポリビニルアルコールフィルム
の経時的酸素消費量、実施例３のポリエチレンイミン−
銅キレート化フォームの経時的酸素消費量が示してあ
る。銅の担持量は、夫々、ポリマ中の単位モノマ4molに
対し、銅1molの比率である。また消臭性高分子物質の使
用量は、銅単位で1×10-6mol の割合である。なお参考
のため、塩化銅水溶液（使用量は銅単位で1×10-6mol)
と水の場合の経時的酸素消費量を示してある。 【００２１】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の消臭性成
形物に混入されている消臭性高分子物質は、触媒として
作用するものであり、消臭能力の持続性が極めて永い。
消臭効率が高く、水溶性・非水溶性の異臭物質を同時に
短時間で分解できる。また二次汚染の恐れがないので、
実用性の点で非常に改良されたものである。 【００２２】さらに消臭性高分子物質は、成形物の素材
の一部として混入されて成形され、完成された消臭性成
形物は、消臭性機能が付与されている。
無臭物質に変化させる消臭性機能を持った高分子物質を
混入した消臭性成形物に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】日常の生活圏における悪臭物質は、例え
ばアンモニア、アミン類、硫化水素、メルカプタン類、
インドール、カルボニル化合物などである。これらの物
質は、従来から活性炭素による吸着、触媒燃焼法、オゾ
ンまたは薬剤による酸化法、中和法、バクテリアによる
分解法、酵素による分解法などで処理され消臭がされて
いる。 【０００３】 【発明が解決しようとする問題点】上記した従来の方法
は、いずれも消臭能力の持続性が少なかったり、消臭効
率が低かったり、二次汚染があったりという欠点があ
る。 【０００４】本発明は上記の欠点を解消するためになさ
れたもので、水溶性・非水溶性の異臭物質を同時に短時
間で分解でき、二次汚染の恐れがなく実用性の点で改良
された、消臭性高分子物質を混入した消臭性成形物を提
供しようとするものである。 【０００５】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めの本発明の消臭性成形物は、銅が結合しているポリエ
チレンイミンからなる消臭性高分子物質が、ウレタンフ
ォームからなる成形物に混入されている。 【０００６】すなわち上記本発明の消臭性成形物が混入
されている消臭性高分子物質は、ポリエチレンイミンの
-NH-基にCuがキレート結合をしている。このキレート結
合は分子内キレート結合の場合もあるし、分子間の架橋
キレート結合である場合の両方がある。 【０００７】好ましい銅の結合量は消臭性高分子に対し
0.5 〜 7重量％である。尚、銅の結合量と当モル程度の
マンガンを結合させてもよい。 【０００８】上記消臭性高分子物質を製造するには、例
えば硫酸銅、塩化銅、硝酸銅、酢酸銅などの銅塩水溶液
に対応する高分子を浸漬する。マンガンを結合させる場
合は、例えば硫酸マンガン、塩化マンガン、硝酸マンガ
ンなどのマンガン塩水溶液を使用する。 【０００９】 【００１０】 【作用】本発明の消臭性成形物に混入される消臭性高分
子物質は、結合している金属原子の電子の授受により酸
化触媒の作用をする。そのため異臭物質であるアンモニ
ア、アミン類、硫化水素、メルカプタン類、インドー
ル、カルボニル化合物などは、空気中の酸素により酸化
されて無臭物質に変化する。特にアンモニア、アミン類
は、その窒素原子が銅に配位し、極めてすみやかに吸着
され、さらに分解されてゆくものと考えられる。 【００１１】消臭性高分子物質が酸化触媒の作用をする
ときの反応機構は必ずしも明確ではないが、一応、下記
の式による反応が起きているものと考えられる。 【００１２】Ｐ-Cu(I) + O2 → Ｐ-Cu(II) ＋ ・O2 - Ｐ-Cu:消臭性高分子物質 O2:空気中酸素・ O2-:スーパーオキサイドラジカル Ｐ-Cu(II) ＋ RSH → Ｐ-Cu(II)・・・SHR RSH:異臭物質 R-S-S-R:異臭物質の二量体（無臭） 【００１３】 【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 【００１４】実施例１ 0.1 規定硫酸銅水溶液１ｌにポリアクリル酸ナトリウム
架橋体２０ｇを混合し、常温にて２時間撹拌する。得ら
れた生成物を純水にて繰り返し洗浄し、ポリアクリル酸
−銅キレート樹脂を得る。 【００１５】得られたポリアクリル酸−銅キレート樹脂
（粉砕品）２ｇをガラス管に詰め、一方端からメチルメ
ルカプタン（４２ppm ）を100mｌ/minの流速で送り込ん
だところ他方端からはジメチルサルファイドが検出され
メチルメルカプタンは検出されなかった。 【００１６】実施例２ 硫酸銅0.02規定水溶液にアンモニア水を加えてＰＨ10.8
に調製する。これにポリビニルアルコールフィルムを浸
漬し、放置すると緑色の銅キレート化ポリビニルアルコ
ールフィルムが得られる。 【００１７】得られた銅キレート化ポリビニルアルコー
ルフィルム0.3gを 1.5ｌの採気ビンに入れ、1000ppm の
メチルメルカプタンを充填する。５分後、濃度を測定し
たところ300ppm、 １０分後には６０ppm と低下し、２０
分後にはメチルメルカプタンは検出されなかった。 【００１８】実施例３ ポリエチレンイミン１０ｇ、エピクロルヒドリン0.5 ｇ
をメタノール200mｌに溶解する。この溶液をウレタンフ
ォームに含浸させた後、７０℃で１０分間熱処理する。
得られたポリエチレンイミン含有フォームを塩化銅水溶
液に浸漬すると濃青色のポリエチレンイミン−銅キレー
ト化フォームが得られる。 【００１９】このフォーム１ｇを1.5ｌ採気ビンに入
れ、５万ppm の硫化水素で充填する。１分で３０％、８
分で５０％、３０分で９９％の硫化水素が除去された。 【００２０】上記消臭性高分子物質の消臭反応は空気中
の酸素との酸化反応であり、酸素の消費量を調べること
により酸化反応の進行情況を理解できる。第１図には、
実施例２の銅キレート化ポリビニルアルコールフィルム
の経時的酸素消費量、実施例３のポリエチレンイミン−
銅キレート化フォームの経時的酸素消費量が示してあ
る。銅の担持量は、夫々、ポリマ中の単位モノマ4molに
対し、銅1molの比率である。また消臭性高分子物質の使
用量は、銅単位で1×10-6mol の割合である。なお参考
のため、塩化銅水溶液（使用量は銅単位で1×10-6mol)
と水の場合の経時的酸素消費量を示してある。 【００２１】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の消臭性成
形物に混入されている消臭性高分子物質は、触媒として
作用するものであり、消臭能力の持続性が極めて永い。
消臭効率が高く、水溶性・非水溶性の異臭物質を同時に
短時間で分解できる。また二次汚染の恐れがないので、
実用性の点で非常に改良されたものである。 【００２２】さらに消臭性高分子物質は、成形物の素材
の一部として混入されて成形され、完成された消臭性成
形物は、消臭性機能が付与されている。
【図面の簡単な説明】
【図１】消臭性成形物の性能試験結果を示す図である。
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フロントページの続き
(72)発明者 白坂 仁
神奈川県横浜市鶴見区尻手２丁目３番６
号 北辰工業株式会社内
(72)発明者 石井 昭典
神奈川県横浜市鶴見区尻手２丁目３番６
号 北辰工業株式会社内
(58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名)
C08L 101/00 - 101/14,79/00
A61L 9/00 - 9/01
C08J 9/00 - 9/42
C08K 3/08
C08K 5/16
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 １． 銅が結合しているポリエチレンイミンからなる
消臭性高分子物質が、ウレタンフォームからなる成形物
に混入されていることを特徴とする消臭性成形物。 ２． 前記銅の消臭性高分子物質に対する結合量が0.
5 〜 7重量％であることを特徴とする特許請求の範囲第
１項記載の消臭性成形物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8309723A JP2786176B2 (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | 消臭性成形物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8309723A JP2786176B2 (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | 消臭性成形物 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62078942A Division JPH07122022B2 (ja) | 1987-03-31 | 1987-03-31 | 消臭性高分子物質 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09194742A JPH09194742A (ja) | 1997-07-29 |
| JP2786176B2 true JP2786176B2 (ja) | 1998-08-13 |
Family
ID=17996530
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8309723A Expired - Lifetime JP2786176B2 (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | 消臭性成形物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2786176B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| ATE313580T1 (de) * | 2000-01-26 | 2006-01-15 | Modifizierte polyurethanschaumstoffe als adsorbentien | |
| JP4589132B2 (ja) * | 2005-01-25 | 2010-12-01 | 日本メナード化粧品株式会社 | パーマネントウェーブ、縮毛矯正用後処理剤組成物 |
| CN108884202A (zh) * | 2016-03-25 | 2018-11-23 | 株式会社普利司通 | 聚氨酯泡沫和聚氨酯制造用多元醇组合物 |
-
1996
- 1996-11-20 JP JP8309723A patent/JP2786176B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09194742A (ja) | 1997-07-29 |
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