JP2785171B2 - 金属繊維焼結シートの製造方法 - Google Patents

金属繊維焼結シートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフィルター材料、耐熱材
料、導電材料等に使用される多孔性シートであって、1
00%金属繊維で構成されている金属繊維焼結シートの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来100%の金属繊維シート状物とし
ては、金網、ウェブ、織布および焼結体等が知られてい
る。金網、ウェブ、織布は金属繊維の単繊維あるいは複
数繊維の長繊維を用いて、メッシュ状あるいは布状に編
組、紡織したもので、焼結体は粉末状又は短繊維状の金
属を散布し、これを真空中あるいは不活性ガス中で加
圧、加熱し融着させたものである。しかしながら、編組
あるいは紡織して製造した金網、ウェブ、織布において
は薄いシートが作れなく、孔径の小さなものができない
こと、また従来の製造方法にて製造した焼結体において
は生産性が悪く、厚薄のムラが大きいこと、、低密度で
あるため導電材料として必ずしも好ましい特性を有して
いないこと、長尺品を製造することができないこと、等
の問題があった。
【0003】このため本出願人は先に前記従来技術の問
題を解決するため特開昭61−223105号におい
て、金属繊維を70重量%以上含有する湿式抄紙法によ
りシート化して得た金属繊維高配合シートを、そのまま
真空又は不活性ガス雰囲気の下に金属繊維の融点を越え
ない温度にて繊維間を焼結する金属繊維焼結シートの製
造方法を提案した。しかしながら該製造方法から得られ
た金属繊維焼結シートは、酸にたいして腐食が発生する
という問題を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、緻密な網状構造で、均一性およ
び薄葉性があって耐酸腐食性の優れた金属繊維焼結シー
トが得られる製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属繊維およ
びバインダーを含有し、かつ該金属繊維を70重量%以
上含有する繊維のスラリーを湿式抄紙法によりシート化
して得た金属繊維高配合シートを、真空または雰囲気ガ
ス下でバインダーを熱分解し除去した後、金属繊維の融
点を越えない温度にて繊維間を焼結し、更に冷却水ある
いは冷却ガスにより急冷することを特徴とする金属繊維
焼結シートの製造方法である。
【0006】本発明において、焼結前の金属繊維高配合
シートの作成にあたっては湿式抄紙法を採用する。すな
わち金属繊維の配合率が70重量%以上に調製されたス
ラリーを湿式抄紙法により脱水プレスおよび加熱乾燥し
て金属繊維高配合シートを作製する。この場合、金属繊
維の配合率が70重量%未満であると後の焼結の際、金
属繊維間の焼結融合が阻害される。湿式抄紙の際配合す
るバインダーとしては、例えば(株)クラレ社製のクラ
レビニロンフィブリッドVP(商品名)として知られて
いるような水中溶解度40〜100℃の易溶解性ポリビ
ニルアルコール繊維が好適に用いられる。
【0007】次にこのようにして得られた金属繊維高配
合シートを、真空または雰囲気ガス下で前記バインダー
を熱分解し除去する。金属繊維高配合シート中のバイン
ダーを熱分解し除去するためには、例えば真空焼結炉を
用いて行うことができる。すなわち、真空焼結炉とは、
密閉された容器中の空気をポンプで吸引して真空とする
ことができ、かつ容器の外部より熱を加えることができ
る装置である。このような真空焼結炉の内部に金属繊維
高配合シートを設置し、内部の空気をポンプで吸引し真
空度10-2torr程度に高めた後、非金属繊維である
バインダーの分解開始温度よりも高い温度で1〜6時間
程度熱を加え、バインダーを十分燃焼し、熱分解させ金
属繊維高配合シートより除去する。この場合は、真空下
で金属繊維高配合シートに熱を加えたが、雰囲気ガス下
で熱を加えてもよい。雰囲気ガスとしては、アルゴン等
の不活性ガス、窒素ガスあるいは水素ガス等が挙げられ
る。雰囲気ガス下で熱を加えバインダーを熱分解除去す
る場合は、真空度は1〜400torr程度の低真空度
の雰囲気下でおこなうことが好ましく、該雰囲気ガスは
新旧のガスを入れ替えしながら対流させることが好まし
い。雰囲気ガスの対流量は10リットル/分以上が好ま
しい。なぜならば、雰囲気ガス下で熱を加えると該雰囲
気ガスが熱の伝導体となり、金属繊維高配合シート中か
らバインダーを分解しやすくなるからである。また、雰
囲気ガスを対流させることにより熱によって金属繊維高
配合シートよりガス化したバインダーが、雰囲気ガスと
共に真空焼結炉外に排気されるからである。なお、前記
のバインダーの分解開始温度とは、例えばポリビニルア
ルコールの場合は、250℃以上であり、好ましくは4
00℃以上である。400℃程度で金属繊維高配合シー
トを加熱するとポリビニルアルコールを形成する分子の
主鎖が細かく切断され低分子で分解し気化しやすくな
る。但し、金属繊維高配合シートに加える熱温度は、金
属の高温度脆性の発生する温度以下でなければならず、
例えば、金属繊維にステンレスを使用した場合は600
℃以下が適正とされる。
【0008】次に金属繊維の融点を越えない温度にて繊
維間を焼結する。焼結する工程は前記バインダーを分解
除去した真空焼結炉をそのまま使用してもよいし、他の
方法により焼結させてもよい。その際の焼結温度条件と
して金属繊維の融点近くの温度、例えばステンレス繊維
の場合は約1120℃を焼結温度に設定し1〜2時間焼
結する。この場合、焼結を真空あるいは前記雰囲気ガス
下でおこなうことが酸化防止のために好ましい。
【0009】本発明では、前記バインダーの分解除去工
程および焼結工程をおこなうことにより十分に耐酸腐食
性の優れた金属繊維焼結シートが得られるが、さらに耐
酸腐食性を向上させるために前記焼結直後において、冷
却水あるいは冷却ガスにより急冷する。前記焼結直後で
熱された金属繊維焼結シートを冷却水あるいは冷却ガス
で急冷することによって、金属繊維内部の組成が調整さ
れ、耐酸腐食性および軟化性が保持される。金属繊維焼
結シートを冷却水で冷却するには前記真空焼結炉の容器
の回りに冷却用の配管を施し冷却水を多量に流水させる
ことにより冷却することができる。また、冷却ガスを使
用する場合は、前記雰囲気ガスを多量に真空焼結炉内に
放出させ該雰囲気ガスを対流させることにより冷却する
ことができる。
【0010】なお、本発明でいう金属繊維とは繊維長が
1〜12mm、好ましくは2〜6mmのステンレス、チタ
ン、真ちゅう、銅、アルミニウム等の繊維であり、これ
らの中でも細線加工が可能、耐熱性、耐錆性の理由によ
りステンレス繊維が本発明に好適に用いられる。
【0011】
【作用】本発明においては、金属繊維高配合シート中の
バインダーを焼結前に真空または雰囲気ガス下において
分解させ、除去するために金属繊維焼結シートにバイン
ダーが残らないため、耐酸腐食性の優れた金属繊維焼結
シートを得ることができる。
【0012】
【実施例】以下、実施例および比較例をもって本発明を
さらに詳細に説明する。 実施例1 繊維径8μm、繊維長4mmのステンレス繊維(材質:S
US316L、東京製鋼社製 商品名:サスミック)9
5重量部および水中溶解温度70℃であるポリビニルア
ルコール繊維(クラレ社製 商品名:フィブリボンドV
PB105−1)5重量部からなるスラリーを湿式抄紙
法にて脱水プレス、加熱乾燥して米坪量105g/m2
の金属繊維高配合シートを得た。次いで該シートを真空
焼結炉でまず、アルゴンガス雰囲気下(真空度:50t
orr)で400℃、2時間バインダーの分解除去をお
こない、ついでアルゴンガス雰囲気下(真空度:50t
orr)において10℃/分の速度で1120℃まで昇
温して1120℃で2時間焼結処理をおこなった後、冷
却水を真空焼結炉の回りに流水させると共にアルゴンガ
スを5kgf/cm2 の条件で噴入させ急冷し、本発明
の金属繊維焼結シートを作製した。
【0013】実施例2 実施例1において、焼結時におけるアルゴンガスの真空
度を10-2torrに代えた以外は同様にして本発明の
金属繊維焼結シートを作製した。
【0014】比較例1 実施例1と同要領にて金属繊維高配合シートを得た。次
いで該シートをバインダーの熱分解除去を施すことなく
真空焼結炉でアルゴンガス雰囲気下(真空度:50to
rr)において10℃/分の速度で1120℃まで昇温
して1120℃で2時間焼結処理をおこなった後、冷却
水を真空焼結炉の回りに流水させると共にアルゴンガス
を5kgf/cm2 の条件で噴入させ急冷し、比較用の
金属繊維焼結シートを作製した。
【0015】前記実施例1、実施例2および比較例1の
金属繊維焼結シートを下記の評価方法によって耐酸腐食
性の評価をおこない、その結果を表1に示した。表1の
結果から明らかなように本発明の金属繊維焼結シート
は、比較用の金属繊維焼結シートに比べて耐酸腐食性が
優れている。 <評価方法>1重量%のフッ化水素酸および10重量%
の硝酸の混合液200CCを温度70℃に保持した後、
金属繊維焼結シート5gを該混合液に20分間浸漬し、
乾燥後、重量を測定する。そして、下記式により腐食率
を算出した。 腐食率(%)=(浸漬前の重量−浸漬後の重量)/浸漬
前の重量×100
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明によれば従来技術では得られなか
った耐酸腐食性の優れた金属繊維焼結シートを得ること
ができる。また、金属自身が具備している導電性あるい
は金属繊維自体の物性を害うことなくシート状物におい
てその機能が発揮され、しかも繊維間強度も十分あるの
で工業上多くの用途に展開可能である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22F 3/00 - 3/26 D21H 13/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属繊維およびバインダーを含有し、か
    つ該金属繊維を70重量%以上含有する繊維のスラリー
    を湿式抄紙法によりシート化して得た金属繊維高配合シ
    ートを、真空または雰囲気ガス下でバインダーを熱分解
    し除去した後、金属繊維の融点を越えない温度にて繊維
    間を焼結し、更に冷却水あるいは冷却ガスにより急冷す
    ることを特徴とする金属繊維焼結シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 雰囲気ガスが不活性ガスあるいは窒素ガ
    スまたは水素ガスであることを特徴とする請求項1記載
    の金属繊維焼結シートの製造方法。
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