JP2784150B2 - 工具ホルダー - Google Patents

工具ホルダー

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JP2784150B2
JP2784150B2 JP22997294A JP22997294A JP2784150B2 JP 2784150 B2 JP2784150 B2 JP 2784150B2 JP 22997294 A JP22997294 A JP 22997294A JP 22997294 A JP22997294 A JP 22997294A JP 2784150 B2 JP2784150 B2 JP 2784150B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械の主軸に着脱
自在に装着される工具ホルダーに関する。
【0002】
【従来の技術】マシニングセンター等の工作機械におい
ては、自動工具交換装置が設けられ、該自動工具交換装
置により、工具を取り付けた工具ホルダーを工作機械の
主軸に着脱自在に交換可能としている。そして、主軸に
装着された工具ホルダーは、主軸のテーパ孔と工具ホル
ダーのシャンク部のテーパ面との一個所の接触において
結合され、且つ、主軸に内装された引張手段により軸方
向内側に引っ張られてテーパ孔とテーパ面との当接が強
化されることにより、工具ホルダーは主軸に強固に固定
される。この主軸と工具ホルダーとの結合強度(結合剛
性)は、加工精度に影響を与える。もしこの結合剛性が
小さいと重切削や高速回転に耐えられず、ビビリや振動
及び工具の倒れや心振れ等が発生する。
【0003】前記結合強度を向上させるためには、前記
引張手段の引っ張り強さを増大させる必要があるが、し
かし、この引張手段の引っ張り力を増大させるのには限
界がある。そこで、引っ張り力を増大させずに、その結
合剛性を増大させるようにした工具ホルダーとして、例
えば、実開昭63ー53605号公報に記載のものが公
知である。
【0004】この従来の工具ホルダーは、工作機械の主
軸のテーパ孔に嵌合するスリーブと、該スリーブに軸方
向相対移動を許容されて挿通されたシャンク部と、該シ
ャンク部と一体的に設けられて前記主軸の端面に当接す
るフランジ部と、該フランジ部と前記スリーブとの間に
設けられた弾性部材とを有したものであった。前記弾性
部材には、シャンク部まわりで環状を成す一枚もののゴ
ム弾性体や、複数の皿バネを交互に逆向きに組み合わせ
た皿バネ組体を用いるようにしていた。
【0005】前記従来の工具ホルダーは、そのフランジ
部の外周面に凹設された周溝部を自動工具交換装置のア
ームで把持することにより、工作機械の主軸のテーパ孔
に着脱自在に装着される。この装着の時、スリーブ外周
面のテーパ面が主軸のテーパ孔に嵌合し、主軸端面とフ
ランジ端面との間には、所定の間隙が形成されている。
【0006】そして、主軸に内装された引張手段により
工具ホルダーが主軸内方に引き込まれることによりフラ
ンジ端面が主軸端面に当接する。このとき、スリーブ
は、弾性部材によって押圧され、主軸のテーパ孔との結
合を強固にすると共に、スリーブの内径が縮径して、ス
リーブとシャンク部との結合が強化される。即ち、前記
従来の工具ホルダーは、工作機械の主軸のテーパ孔と工
具ホルダーのシャンク部のテーパ面、及び、主軸端面と
工具ホルダーのフランジ部端面の二個所で主軸に密着当
接し、且つ、スリーブとシャンク部との結合を強化する
ことにより、同じ引っ張り力において、テーパ孔とテー
パ面の一個所のみにより結合されるものよりも強固な結
合剛性を得ようとするものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の工具ホルダ
ーにおいて、その弾性部材として、ゴム弾性体や皿バネ
組立体を用いた場合、所定のスリーブ押圧力を得るため
には、弾性部材の圧縮量を大きくする必要がある。そし
て、弾性部材の圧縮量を大きくすると、自動工具交換装
置により工具ホルダーを主軸に装着したとき、主軸端面
とフランジ部端面との隙間が大きくなり、引張手段の引
き込み量を大きくする必要があった。従来その引き込み
量は約3mmであった。
【0008】前述の如く引き込み量が大きいと、自動工
具交換の際、工具ホルダーを把持している工具交換用ア
ームが大きくたわみ、自動工具交換装置の破損の原因に
なっていた。また、引き込み量が大きくなると、工具交
換時間も長くなると言う問題があった。また、従来の皿
バネ組体を用いた場合は、その圧縮時に各皿バネを完全
に密着させることは困難であり、軸方向に沿った空間が
存在することになる。皿バネ間に間隙があると、皿バネ
の振動が容易になり、所定の周波数において共振が生
じ、切削加工時のビビリの原因になっていた。
【0009】更に、皿バネの場合、圧縮・非圧縮時の変
形及び復元を可能とするため、皿バネ内周面とシャンク
部外周面との間に若干の間隙を設ける必要があるが、高
速回転時、前記間隙により皿バネが移動してアンバラン
スを生じ、振動が発生する等の問題があった。そこで、
本発明は、弾性部材の圧縮代を少なくしても十分なスリ
ーブ付勢力を得ることができるようにし、また、圧縮時
において隙間が生じないようにし、前記問題点を解決し
た工具ホルダーを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、次の技術的手段を講じた。即ち、本発明
の特徴とするところは、工作機械の主軸のテーパ孔に嵌
合するスリーブと、該スリーブに軸方向相対移動を許容
されて挿通されたシャンク部と、該シャンク部と一体的
に設けられて前記主軸の端面に当接するフランジ部と、
該フランジ部と前記スリーブとの間に設けられた弾性部
材とを有した工具ホルダーにおいて、前記弾性部材は、
弾性材製の圧縮体と硬質材製の非圧縮体とが軸方向に隙
間なく接合されて成る点にある。
【0011】前記弾性部材は、環状に形成され、かつ、
前記圧縮体と非圧縮体との組み合わせが複数組接合され
て成るのが好ましい。前記弾性部材は環状に形成され、
その内周面は前記シャンク部の外周面に当接しているこ
とが好ましい。前記弾性部材にプリロードを付与して前
記スリーブとフランジ部との組立距離を一定にするプリ
ロード付与手段が設けられていることが好ましい。
【0012】
【作用】本発明の工具ホルダーは、従来のものと同様
に、自動工具交換装置のアームにより把持されて、工作
機械の主軸のテーパ孔に着脱自在に装着される。この装
着の時、スリーブ外周面のテーパ面が主軸のテーパ孔に
嵌合し、主軸端面とフランジ部端面との間には、所定の
間隙が形成される。
【0013】そして、主軸に内装された引張手段により
工具ホルダーが主軸内方に引き込まれることによりフラ
ンジ部端面が主軸端面に当接する。このとき、スリーブ
は、弾性部材によって押圧され、主軸のテーパ孔との結
合を強固にすると共に、スリーブの内径が縮径して、ス
リーブとシャンク部との結合が強化される。そして、工
具ホルダーの前記装着工程が完了した後、前記自動工具
交換装置のアームがその把持を解除する。
【0014】本発明によれば、弾性部材は、圧縮体と非
圧縮体とを軸方向に隙間なく接合したものであるため、
全体をゴム弾性体で成形したものに比べ、その全体厚み
が同じであれば、本発明の方がその圧縮量が小さくな
り、且つ、大きなスリーブ押圧力を得ることができる。
従って、本発明によれば、弾性部材の圧縮量が少ないの
で、フランジ部端面が主軸端面に当接するまでの引き込
み量が少なくなり、自動工具交換の際、工具交換アーム
の変形が少なくなり、また、工具交換時間が短くなる。
【0015】また、弾性部材は、軸方向に隙間を有しな
いものであるので、従来の皿バネ組立体のように間隙を
有するものに比べ、共振によるビビリの発生がなくな
る。前記弾性部材を環状に形成し、かつ、前記圧縮体と
非圧縮体との組み合わせを複数組接合されて成るものと
することにより、単数組接合のものに比べて剛性と制振
性が向上し、共振が生じ難くなる。
【0016】前記弾性部材を環状に形成し、その内周面
を前記シャンク部の外周面に当接させることにより、高
速回転しても、芯振が生じなくなるので、高速回転時の
振動発生が防止される。前記弾性部材にプリロードを付
与して前記スリーブとフランジ部との組立距離を一定に
するプリロード付与手段を設けることにより、弾性部材
の圧縮量を一定にすることができ、工具ホルダー引張手
段による引っ張り固定を容易にする。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1において、本発明の工具ホルダーは、工作機械
の主軸1 のテーパ孔2 に嵌合するスリーブ3 と、該スリ
ーブ3 に軸方向相対移動を許容されて挿通されたシャン
ク部4 と、該シャンク部4 と一体的に設けられて前記主
軸の端面に当接するフランジ部5 と、該フランジ部5 と
前記スリーブ3 との間に設けられた弾性部材6 とを有す
る。
【0018】前記工作機械の主軸1 には、該主軸1 のテ
ーパ孔2 に装着された工具ホルダーを引き込むための引
張手段7 が内装されている。また、この主軸1 には、前
記テーパ孔2 にクーラントを供給するためのクーラント
供給装置(図示省略)や、クリーリング用エヤーを供給
するための圧縮空気供給装置(図示省略)が設けられて
いる。
【0019】前記スリーブ3 は、内外周面を有するリン
グ状体で、その外周面がテーパ面に形成され、その内周
面はストレート面に形成されている。このテーパ面のテ
ーパ角度は、前記主軸1 のテーパ孔2 のテーパ角度と同
じとされている。このテーパは、一般的な傾きとして採
用される7/24(約16°)、好ましくは12°より
緩傾斜で行われるようにしてある。本実施例では1/1
0の傾き(約6°)を採用した。
【0020】前記シャンク部4 は、工具ホルダー本体8
の一端部に形成され、該シャンク部4 の外周面は、前記
スリーブ3 の内周面に軸方向摺動可能に密嵌合するスト
レート面に成形されている。前記フランジ部5 は、前記
シャンク部4 に連接して設けられ、該シャンク部4の径
よりも大径とされている。このフランジ部5 は、ホルダ
ー本体8 とは別体のリング体9 を焼きばめ等によりホル
ダー本体8 に一体的に結合したものであってもよい。こ
のフランジ部5 の外周面には、自動工具交換装置の工具
交換アーム(図示省略)が嵌合するV字状の嵌合溝10が
周設されている。
【0021】前記フランジ部5 のシャンク部側の端面
は、前記工作機械の主軸1 の端面に面接当する平坦面に
形成されている。そして、このフランジ部5 の平坦面の
内周部側に、弾性部材取付座11が形成されている。この
取付座11は、前記平坦面に凹設された環状凹部からな
る。図2に示すように、前記弾性部材6 は、環状に形成
され、前記取付座11の凹部に収納され、そして、前記ス
リーブ3 の端面に当接している。そして、環状弾性部材
6 の内周面は、前記シャンク部外周面に密着状に接触
し、その外周面は、取付座11の凹部内周面と所定の間隙
を有している。
【0022】前記弾性部材6 は、弾性材製の圧縮体12と
硬質材製の非圧縮体13とが軸方向に隙間なく接合されて
成る。前記圧縮体12は、ウレタン系の軟質樹脂やゴム、
フッ素系その他の軟質樹脂、或いはその他の合成ゴム等
の弾性材によって形成されている。本実施例においてそ
の肉厚は1mmとした。
【0023】前記非圧縮体13は、鋼板をはじめとする金
属板等の硬質材によって形成されている。本実施例にお
いてその肉厚は0.2mmとした。本実施例では、圧縮
体12と非圧縮体13との組み合わせを全部で5組接合した
ものとした。そのため、弾性部材6 の全体厚は6mmと
なっている。前記工具ホルダー本体8 のシャンク部側端
面にプルスタッド14が螺着されている。このプルスタッ
ド14の軸心部に工具挿通孔15が貫通して設けられてい
る。このプルスタッド14の外周部に前記シャンク部4 の
外径よりも大径とされた突出部16を有し、該突出部16が
前記スリーブ3 の抜け止めを行っている。この突出部16
とスリーブ3 との間にプリロード付与手段17が介在され
ている。
【0024】このプリロード付与手段17は、前記弾性部
材6 にプリロードを付与して前記スリーブ3 の端面とフ
ランジ部5 の平坦面との組立距離を一定にするものであ
る。この実施例では、このプリロード付与手段17は、複
数枚のスペーサからなる。即ち、スペーサの厚みを調整
することにより、弾性部材6 の厚みのばらつきを修正
し、スリーブ端面とフランジ部5 の平坦面との組立距離
を一定にするものである。
【0025】前記工具ホルダー本体8 のフランジ部5 を
介したシャンク部側とは反対側は、フランジ部5 よりも
前方に突出する工具保持部18に形成されている。この工
具保持部18には、前端面に開口するコレット保持孔19が
同心状に設けられている。このコレット保持孔19は緩や
かなテーパ面に形成され、該保持孔19にテーパコレット
20が装着される。このテーパコレット20は、その先端部
側に工具保持孔21を同心状に有し、その後端部に雌ネジ
部22を同心状に有する。前記工具保持孔21にエンドミル
やドリル等の切削工具23が着脱自在に挿入保持される。
【0026】前記工具ホルダー本体8 の軸心部には、ド
ローボルト24が回動自在に且つ軸方向の移動を拘束され
て保持されおり、該ドローボルト24のネジ部が前記テー
パコレット20の雌ネジ部22に螺合している。ドローボル
ト24の頭部には、工具係合部25が凹設されている。ドロ
ーボルト24の軸心部には、クーラント供給孔26が貫通し
て設けられている。
【0027】前記プルスタッド14の工具挿通孔15から六
角棒レンチ等の工具を挿入して、該工具をドローボルト
24の工具係合部25に係合させて、該ドローボルト24を回
動操作することにより、テーパコレット20がコレット保
持孔19に対して軸心方向に相対移動する。このテーパコ
レット20の軸心方向移動により、工具保持孔21に挿入さ
れた工具23の把持又はその解除が行われる。
【0028】前記構成の実施例によれば、工具23を装着
した本発明の工具ホルダーは、自動工具交換装置のマガ
ジン(図示省略)に装着される。自動工具交換装置の工
具交換アームが工具ホルダーの嵌合溝10を把持して、該
工具ホルダーをマガジンから取り出して、工作機械の主
軸1 まで搬送し、そして、主軸1 のテーパ孔2 に装着す
る。
【0029】このとき、主軸1 のテーパ孔2 と、工具ホ
ルダーのスリーブ3 のテーパ面とが密着嵌合する。この
嵌合状態において主軸1 の端面と、工具ホルダーのフラ
ンジ部5 の平坦面との間には、所定の間隙が形成され
る。この間隙は、本実施例の場合、0.5mmとされて
いる。この間隙が一定になるよう、前記プリロード付与
手段17によりスリーブ3 とフランジ部5 との組立間隙が
予め調整されている。
【0030】次に、主軸1 に内装された引張手段7 がプ
ルスタッド14を把持し、工具ホルダー本体8 を主軸内方
に引き込む。この引っ張り込みにより、シャンク部4 と
フランジ部5 とは一体的に軸方向に移動しようとし、そ
して、弾性部材6 を介してその移動力はスリーブ3 に伝
達される。このとき、スリーブ3 の内外周面の移動抵抗
差により、スリーブ内面とシャンク部外周面との間に軸
方向相対移動が生じ、弾性部材6 は圧縮され、そして、
フランジ部5 の平坦面が主軸端面に当接する(図1参
照)。
【0031】このとき、スリーブ3 は弾性部材6 の圧縮
による反発力により軸方向に押圧され、該押圧力によ
り、スリーブ3 のテーパ面と主軸1 のテーパ孔2 とのテ
ーパ接触結合が得られる。そして、このテーパ接触によ
る締め付けによりスリーブ3 の内径は縮径し、シャンク
部4 を強固に把持する。前記引き込み工程が完了した
後、前記工具交換アームの把持が解除され、該アーム
は、元の待機位置に復帰する。
【0032】以上の装着工程において、本実施例のもの
ではプリロード付与手段17によって工具ホルダーの引き
込み量が0.5mmと大変短くされているので、工具交
換アームの変形量が少なくなり、該アーム等の破損のお
それがなくなる。また、引き込み量が少ないので、従来
の3mmのものに比べて引き込み時間が短くなるので、
工具交換時間の短縮が図れる。
【0033】そして、前記装着工程が終了後、工作機械
の主軸1 が回転を開始し、工具ホルダーに保持された工
具23によりワークが切削加工される。この切削加工の
時、主軸1 のクーラント供給装置から供給されたクーラ
ントは、プルスタッド14の工具挿通孔15、および、ドロ
ーボルト24のクーラント供給孔26を通って工具23に供給
される。
【0034】この回転、切削工程において、弾性部材6
は、圧縮体12と非圧縮体13とを軸方向に隙間を有しない
で組み合わせたものであるので、従来の皿バネ組立体の
ように間隙を有するものに比べ、共振によるビビリの発
生がなくなる。また、前記圧縮体12と非圧縮体13との組
み合わせを複数組接合されて成るものであるので、単数
組接合のものに比べて剛性と制振性が向上し、共振が生
じ難くなる。
【0035】更に、前記弾性部材6 を環状に形成し、そ
の内周面を前記シャンク部4 の外周面に当接させている
ので、高速回転しても、弾性部材6 の芯振が生じなくな
るので、高速回転時の振動発生が防止される。尚、本実
施例では、スリーブのテーパを1/10の緩やかなテー
パとすることにより、高い結合剛性を得ることができ
た。
【0036】即ち、図3に示すように、スリーブ3 のテ
ーパ角度Tp と引張手段の引っ張り力Pt とが、工具ホ
ルダーの主軸装着時の軸心の傾きθにどの様に影響を与
えているかを調べた。 図3から明らかなように、工具
ホルダーの傾きθは、引込み力Pt を種々に異ならせた
場合も一様に、テーパ接触の傾きTp が緩い程小さくな
る傾向を示している。即ち、テーパ角度を小さくするほ
ど結合剛性が向上することが判った。このテーパ角度T
p は、12度以下とすることが好ましい。
【0037】図4に示すものは、本発明の他の実施例で
あり、プリロード付与手段17が前記実施例のものと異な
る。即ち、プリロード付与手段17は、シャンク部端部に
ボルト27により固定されたスペーサ28からなる。このス
ペーサ28の厚みを調整することにより、スリーブ3 とフ
ランジ部5 との組立距離を一定にしている。尚、プリロ
ード付与手段17は、前記各実施例のものに限定されるも
のではなく、弾性部材6 の非圧縮体13の厚み又は枚数を
調整するものであってもよい。又は、弾性部材6 の非圧
縮体13の厚み又は枚数を調整するものと、前記スペーサ
28の厚みを調整するものとの組み合わせにより、スリー
ブ3 とフランジ部5 との組立距離を一定にするものであ
ってもよい。
【0038】図5、6に示すものは、前記スリーブ3 の
変形例であり、スリーブ3 の軸方向両端部から軸方向中
途部に達する第1スリット29及び第2スリット23が形成
されている。各スリット29,30 は、周方向に等間隔に複
数本設けられている。そして、スリーブ内周面には、環
状溝31が形成されている。この環状溝31を介して第1及
び第2スリット29,30 は軸方向に関して互いにオーバラ
ップしている。
【0039】本実施例の工具ホルダーでは、工具ホルダ
ー取り外し時、工具交換アームが工具ホルダーを把持し
た後、引張手段7 によるプルスタッド14のクランプが解
除されると、図7に示すように、主軸1 の端面と工具ホ
ルダーのフランジ部5 との密着が解除され、両者間に間
隙が形成される。また、前記引張手段7 のアンクランプ
により、主軸内の圧縮空気供給装置から圧縮空気がテー
パ孔内に供給される。
【0040】すると、前記スリット付きスリーブ3 を有
する工具ホルダーでは、前記圧縮空気は、スリーブ3 の
第1スリット29を通り、環状溝31から第2スリット30を
通って、前記主軸1 の端面とフランジ部5 との間隙から
噴出され、主軸端面のクリーニングが行われる。そし
て、工具交換アームにより工具ホルダーが主軸1 のテー
パ孔2 から取り外されるとき、図8に示すようにテーパ
孔内面とスリーブ3 のテーパ面との間に間隙が生じ、こ
の時、圧縮空気は該間隙を通って流れるので、テーパ孔
1 の内面のクリーニングが行われる。
【0041】このように、本実施例によれば、プリロー
ド付与手段17と弾性部材6 との協働作用によって、本来
的にはテーパ孔1 の内面のクリーニングを行うための圧
縮空気を、テーパ孔1 の内面のクリーニングをする前に
主軸1 の端面に集中的に流動させることによって、主軸
1 の端面を効果的にクリーニングすることができる。な
お、かかる作用効果は、図9に示す比較例においても同
様に奏することができる。
【0042】図9に示す比較例について簡単に説明する
と、上記本発明の実施例とは弾性部材6 の構成が異な
り、その他の構成については同様であるので同符号を付
して詳細説明を省略する。本比較例の弾性部材6 は、環
状の皿バネ41と平ワッシャ42の組み合わせ体から構成さ
れている。皿バネ41は、非圧縮状態では、取付座11の凹
部の内外周面と間隙を有して弾性変形可能とされている
が、フランジ部5 の端面と主軸1 の端面とが接触した圧
縮状態では、皿バネ41の内外周面は取付座11の凹部の内
外周面と当接する寸法とされている。また、平ワッシャ
13の内周面はシャンク部4 の外周面(環状凹部11の内周
面)に密嵌合する寸法とされている。なお、平ワッシャ
13は、適宜の厚さのものを選択して(或いは任意の枚数
だけ)装着され、皿バネ41の圧縮量の調整が可能となっ
ている。
【0043】したがって、本比較例によれば、工作機械
の回転、切削工程において、弾性部材6 の皿バネ41の内
外周面は取付座11の凹部の内外周面に当接しているの
で、高速回転しても、弾性部材6 の芯振が生じなくなる
ので、高速回転時の振動発生が防止される。尚、本発明
は、前記各実施例に限定されるものではない。例えば、
弾性部材6は、その圧縮体12や非圧縮体13の肉厚や使用
枚数等が限定されるものではなく、工具23の直径や用
途、回転速度、引込み力等に応じて適宜変更可能であ
る。また、前記スリーブ3 としては、前記実開昭63ー
53605号公報に記載の各種のものを採用することが
できる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、弾性部材は、圧縮体と
非圧縮体とを軸方向に隙間なく接合したものであるた
め、全体をゴム弾性体で成形したものに比べ、その全体
厚みが同じであれば、本発明の方がその圧縮量が小さく
なり、且つ、大きなスリーブ押圧力を得ることができ
る。
【0045】従って、本発明によれば、弾性部材の圧縮
量が少ないので、フランジ部端面が主軸端面に当接する
までの引き込み量が少なくなり、自動工具交換の際、工
具交換アームの変形が少なくなり、また、工具交換時間
が短くなる。また、弾性部材は、軸方向に隙間を有しな
いものであるので、従来の皿バネ組立体のように間隙を
有するものに比べ、共振によるビビリの発生がなくな
る。
【0046】前記弾性部材を環状に形成し、かつ、前記
圧縮体と非圧縮体との組み合わせを複数組接合されて成
るものとすることにより、単数組接合のものに比べて剛
性と制振性が向上し、共振が生じ難くなる。前記弾性部
材を環状に形成し、その内周面を前記シャンク部の外周
面に当接させることにより、高速回転しても、芯振が生
じなくなるので、高速回転時の振動発生が防止される。
【0047】前記弾性部材にプリロードを付与して前記
スリーブとフランジ部との組立距離を一定にするプリロ
ード付与手段を設けることにより、弾性部材の圧縮量を
一定にすることができ、工具ホルダー引張手段による引
っ張り固定を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装着構造を示す側断面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】スリーブの外周面と差込部の内周面とのテーパ
接触傾きに伴う剛性の変化を示すグラフである。
【図4】プリロード付与手段の変形例を示す断面図であ
る。
【図5】スリーブの変形例を示す断面図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】主軸の端面のクリーニングの説明図である。
【図8】主軸のテーパ孔のクリーニングの説明図であ
る。
【図9】比較例に係る装着構造を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 工作機械の主軸 2 テーパ孔 3 スリーブ 4 シャンク部 5 フランジ部 6 弾性部材 12 圧縮体 13 非圧縮体 17 プリロード付与手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械の主軸のテーパ孔に嵌合するス
    リーブと、該スリーブに軸方向相対移動を許容されて挿
    通されたシャンク部と、該シャンク部と一体的に設けら
    れて前記主軸の端面に当接するフランジ部と、該フラン
    ジ部と前記スリーブとの間に設けられた弾性部材とを有
    した工具ホルダーにおいて、 前記弾性部材は、弾性材製の圧縮体と硬質材製の非圧縮
    体とが軸方向に隙間なく接合されて成ることを特徴とす
    る工具ホルダー。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材は、環状に形成され、か
    つ、前記圧縮体と非圧縮体との組み合わせが複数組接合
    されて成ることを特徴とする請求項1記載の工具ホルダ
    ー。
  3. 【請求項3】 前記弾性部材は環状に形成され、その内
    周面は前記シャンク部の外周面に当接していることを特
    徴とする請求項1又は2記載の工具ホルダー。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材にプリロードを付与して前
    記スリーブとフランジ部との組立距離を一定にするプリ
    ロード付与手段が設けられていることを特徴とする請求
    項1〜3の何れかに記載の工具ホルダー。
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