JP2783570B2 - 防弾構造体 - Google Patents

防弾構造体

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JP2783570B2
JP2783570B2 JP64000983A JP98389A JP2783570B2 JP 2783570 B2 JP2783570 B2 JP 2783570B2 JP 64000983 A JP64000983 A JP 64000983A JP 98389 A JP98389 A JP 98389A JP 2783570 B2 JP2783570 B2 JP 2783570B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、防弾構造体に係り、特に、3次元の繊維強
化樹脂複合材で強化した防弾構造体に関する。
(従来の技術) 従来、この種の防弾構造体としては、例えば、特開昭
60−149900号公報に示されているように、セラミックス
コアとアルミニウム合金とを組合わせたもの、あるいは
特開昭62−62198号公報に示されているように、高強度
セラミックス粒子を固着した金芳香族ポリアミド繊維織
物を積層したもの、あるいは特開昭59−104910号公報に
示されているように、3次元的織物構造体を用いるよう
にしたもの、さらには、文献「繊維学会誌」、第43巻10
号、社団法人繊維学会、昭和62年10月10日発行、423頁
に示されているように、セラミックスと2次元アラミド
繊維織物とを組合わせたものが知られている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、特開昭60−149900号公報に示されている従
来の防弾構造体は、比重が4.0程度のセラミックスと比
重2.8程度のアルミニウム合金とを組合わせているた
め、軽量化を図ることができないという問題がある。
また、特開昭62−62198号公報に示されている従来の
防弾構造体は、セラミックス粒子を用いているため、セ
ラミックスの破砕による弾丸のエネルギ吸収が期待でき
ないばかりでなく、飛散したセラミックス粒子により、
人体あるいは機器の安全性が確保できないという問題が
ある。
また、特開昭59−104910号公報に示されている従来の
防弾構造体では、3次元的繊維構造体が耐衝撃性に優れ
ていることは示されているが、防弾構造体としての実証
はなされていない。
さらに、文献「繊維学会誌」に示されている従来の防
弾構造体は、2次元アラミド繊維織物の防弾不足分を、
大部分セラミックスに頼っているため、厚いセラミック
ス板を用いざるを得ず、セラミックスの比重が4.0程度
もあることを考え合わせると、軽量化のため輸送機等へ
の適用は、限られた箇所に限定されてしまうという問題
がある。
本発明は、かかる現況に鑑みなされたもので、構造体
の軽量化を図りつつ、防弾特性の向上を図ることができ
る防弾構造体を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明の防弾構造体は、2次元または3次元の繊維強
化樹脂複合材を外側に配し、3次元の繊維強化樹脂複合
材を最も内側に配して、これらを一体に接合し、航空機
の外板の内側に一体に接合したことを特徴とする。
(作 用) 本発明に係る防弾構造体においては、外板の内側に2
次元または3次元の繊維強化樹脂複合材が接合される。
2次元繊維強化樹脂複合材としては、例えばエポキシ樹
脂マトリックス2次元炭素繊維であり、3次元繊維強化
樹脂複合材としては、例えばエポキシ樹脂マトリックス
3次元アラミド繊維織物複合材料である。
本発明に係る防弾構造体においては、エポキシ樹脂マ
トリックス2次元炭素繊維とエポキシ樹脂マトリックス
3次元アラミド繊維織物複合材料とを組合わせたもの
や、エポキシ樹脂マトリックス2次元炭素繊維複合材料
とエポキシ樹脂マトリックス3次元アラミド繊維織物複
合材料との間にセラミックス板あるいは金属板を介装し
て組合わせたものや、エポキシ樹脂マトリックス3次元
アラミド繊維織物複合材料とエポキシ樹脂マトリックス
3次元アラミド繊維織物複合材料との間にセラミックス
板あるいは金属板を介装して組合わせたものが考えられ
る。
本発明に係る防弾構造体は、比重の軽い3次元の繊維
強化樹脂複合材を用いることにより、軽量化を図りつつ
防弾効果を向上させることが可能となる。また、防弾性
向上のためにセラミックス板あるいは金属板を用いる場
合には、3次元の繊維強化樹脂複合材の使用によりその
薄肉化が可能となり、より軽量化を図ることが可能とな
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は、本発明に係る防弾構造体が適用される航空
機を示すもので、前記防弾構造体は、第1図に斜線を施
して示す符号Aの部分、すなわち、コクピット両側の胴
体壁部分に配されている。防弾構造体1は、第2図に示
すように、外板1とこの外板1の内側に接合される3次
元織物複合材料2から構成されている。
前記3次元織物複合材料2は、例えば第3図(a)〜
(e)に示す構造をなしている。
すなわち、第3図(a)に示す3次元織物複合材料2
は、図中矢印Bで示す弾丸の飛来方向に対し、前面側の
外側材3と後面側の内側材4とを接着剤により一体に接
合して構成されている。
また、第3図(b)〜(e)に示す各3次元織物複合
材料2は、外側材3と内側材4との間に、セラミックス
板あるいはアルミニウム合金やスチール等の金属板から
なる防弾板5を介装し、これらを接着剤により一体に接
合して構成されている。
第3図(a)に示す3次元織物複合材料2は、外側材
3として、例えばエポキシ樹脂マトリックス2次元炭素
繊維複合材料あるいはエポキシ樹脂マトリックス3次元
アラミド繊維織物複合材料が用いられ、内側材4とし
て、例えば3次元アラミド繊維織物材が用いられてい
る。
第3図(b)に示す3次元織物複合材料2は、外側材
3として、例えばエポキシ樹脂マトリックス2次元炭素
繊維複合材料が用いられ、内側材4として、例えば3次
元アラミド繊維織物材が用いられている。
第3図(c)に示す3次元織物複合材料2は、外側材
3として、例えばエポキシ樹脂マトリックス2次元炭素
繊維複合材料が用いられ、内側材4として、例えばエポ
キシ樹脂マトリックス3次元アラミド繊維織物複合材料
が用いられている。
第3図(d)に示す3次元織物複合材料2は、外側材
3として、例えばエポキシ樹脂マトリックス3次元アラ
ミド繊維織物複合材料が用いられ、内側材4として、例
えば3次元アラミド繊維織物材が用いられている。
第3図(e)に示す3次元織物複合材料2は、外側材
3および内側材4として、例えば3次元アラミド繊維織
物材が用いられている。
ところで、3次元アラミド繊維織物は、その比重が1.
36程度で2次元アラミド繊維織物よりも軽く、したがっ
てこれを用いることにより、防弾構造体の軽量化が可能
となる。また、アラミド繊維は、高強度、高破壊伸度の
ため、エネルギ吸収には極めて有効である。
第4図に示すように、高強度の3次元繊維織物材6に
対して矢印B方向に弾丸が飛来する場合、3次元繊維織
物6のZ方向の強度は、弾丸が貫通するときに最も効率
的に抵抗力として働く。また、弾丸が構造体に浸入した
場合、2次元織物積層体の場合には、積層方向に繊維が
配されていないため大きな層間剥離が生じるが、3次元
繊維織物材6の場合には、Z方向の繊維により、層間剥
離を最少限に抑えることができる。
また、3次元繊維織物材6は、X,Y,Z軸の系の割合を
変えることにより、構造体としての耐荷荷重を自由にデ
ザインできるだけでなく、防弾性、耐弾性能力も自由に
設定することができる。
そして、この3次元繊維織物材で強化した3次元織物
複合材料2を用いて防弾構造体を構成することにより、
構造体の軽量化を図りつつ、防弾特性の向上を図ること
ができる。
また、3次元織物複合材料2に防弾板5を組込むこと
により、防弾特性をより向上させることができ、しかも
3次元繊維織物材の防弾効果の分だけ防弾板5を薄くで
きるので、軽量化も可能となる。
なお、前記実施例では、3次元繊維織物としてアラミ
ド繊維を用いる場合について説明したが、ガラス繊維、
金属繊維、超高密度ポリエチレン繊維、あるいは液晶ポ
リマー繊維等を用いるようにしてもよい。また複合材の
マトリックスも、ポリエチレン樹脂に限らず、各種ゴム
あるいはフェノール、ポリエチレン、メラミン、ポリウ
レタン、ポリイミド、アルキッド、シリコン、フラン、
アリル、アクリル、ナイロン、ポリビニル系樹脂を用い
るようにしてもよい。
また、防弾板5として用いられるセラミックスは、炭
化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、炭化ほう素、ジルコ
ニア等のすべてのセラミックスを用いることができ、ま
た3次元織物の織方は、2次元織物にはないZ軸方向の
強化を行なったものであれば、直交織、平織等すべての
織方が適用できる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明による防弾構造体は、2
次元または3次元の繊維強化樹脂複合材を外側に配し、
3次元の繊維強化樹脂複合材を最も内側に配して、これ
らを一体に接合し、航空機の外板の内側に一体に接合し
たので、航空機の外板に被弾しても、外板が大きく破損
することがなく、最も内側に配した3次元の繊維強化樹
脂複合材により、衝撃力の一部が吸収され、強度の低下
を大幅に押さえることができ、したがって、構造材の軽
量化を図りつつ、防弾及び耐弾特性の向上を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る防弾構造体の適用例を示す航空機
の要部斜視図、第2図はその防弾構造体部分の断面図、
第3図(a)〜(e)は3次元織物複合材料の構造をそ
れぞれ示す説明図、第4図は3次元繊維織物材の特性を
示す説明図である。 1……外板、2……3次元織物複合材料、3……外側
材、4……内側材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−29899(JP,A) 特開 昭62−49199(JP,A) 特開 昭61−275440(JP,A) 特開 昭61−256199(JP,A) 特開 昭58−180635(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F41H 5/04 F41H 5/013

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2次元または3次元の繊維強化樹脂複合材
    を外側に配し、3次元の繊維強化樹脂複合材を最も内側
    に配して、これらを一体に接合し、航空機の外板の内側
    に一体に接合したことを特徴とする防弾構造体。
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