JP2782970B2 - エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JP2782970B2 JP5333491A JP5333491A JP2782970B2 JP 2782970 B2 JP2782970 B2 JP 2782970B2 JP 5333491 A JP5333491 A JP 5333491A JP 5333491 A JP5333491 A JP 5333491A JP 2782970 B2 JP2782970 B2 JP 2782970B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱放散性及び耐湿性に
優れた硬化物を与え、半導体封止用樹脂等として好適な
エポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
半導体素子の高出力化に供なって、熱放散性の良好な硬
化物を与えるパッケージ用として好適なエポキシ樹脂組
成物が望まれている。
【0003】この種の要求に対応するため、以前は充填
剤として結晶性シリカを用いていたが、現在では高出力
化が更に進み、結晶性シリカを配合しても満足できる特
性のエポキシ樹脂組成物が得られない場合がある。この
ため、最近では結晶性シリカの代わりに充填剤としてア
ルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミ、ボロンナイトライド
等が利用されるようになってきたが、これらを配合した
エポキシ樹脂組成物の硬化物は熱放散性は良好であるも
のの、以下に示すように耐湿性や成形性の面ではまだ満
足できるレベルのものではなかった。即ち、アルミナを
充填剤として用いた場合は、高温高湿下で半導体素子の
腐食を引き起こし、窒化ケイ素、窒化アルミは良好な熱
伝導性を持っているが、水により加水分解されてしまう
ため、いずれも耐湿性に問題があった。また、ボロンナ
イトライドは良好な熱伝導性と水に対する安定性を有し
ているが、充填剤として用いた場合、成形性が著しく低
下するという欠点を有していた。なお、このような充填
剤の問題に対して、カップリング剤による表面処理、窒
化物の表面酸化なども検討されているが、より完全な改
善が望まれる。
【0004】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
優れた熱放散性を有する上、耐湿性の良好なエポキシ樹
脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、エポキシ樹
脂、硬化剤、充填剤を配合してなるエポキシ樹脂組成物
に、充填剤として、金属粉を酸素を含む雰囲気内で爆燃
させることにより得られた金属酸化物の皮膜を表面に有
する、該酸化物と同種もしくは異種の金属酸化物又は窒
化物粒子を配合した場合、熱伝導性に優れている上、耐
湿性が顕著に向上した硬化物を与えることを知見し、本
発明をなすに至ったものである。
【0006】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明のエポキシ樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂、
(b)硬化剤及び(c)充填剤を含むエポキシ樹脂組成
物において、上記充填剤として、金属粉を酸素を含む雰
囲気内で爆燃させることにより得られた金属酸化物の皮
膜を表面に有する、該酸化物と同種もしくは異種の金属
酸化物又は窒化物粒子を使用したものである。
【0007】ここで、本発明に使用される(a)成分の
エポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を少なくとも2
個有するものであれば如何なるものであっても良く、例
えばビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジル型エポキシ
樹脂や、下記式で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。
なお、これらエポキシ樹脂を適宜組み合わせて使用して
も良く、難燃化のためブロム化エポキシ樹脂を使用する
こともできる。
【0008】
【化1】
【0009】また、これらエポキシ樹脂は軟化点が50
〜100℃、エポキシ当量が100〜400であること
が望ましい。
【0010】次に、(b)成分の硬化物としてはフェノ
ール樹脂を好適に用いることができる。フェノール樹脂
は(a)成分のエポキシ樹脂の硬化剤として作用するも
ので、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノ
ボラック樹脂、トリフェノールメタンなどのフェノール
性水酸基を2個以上有するものが好適に用いられる。更
に、このようなフェノール樹脂の中でも軟化点が60〜
120℃、水酸基当量が90〜150のものが好まし
い。
【0011】フェノール樹脂を用いる場合の使用量は、
エポキシ樹脂のエポキシ基とフェノール樹脂の水酸基と
の当量比が0.5〜2、特に0.8〜1.5の範囲とな
るようにすることが好ましく、通常硬化剤の配合量はエ
ポキシ樹脂100部(重量部、以下同様)に対して30
〜100部、特に40〜70部が好適である。配合量が
30部未満では十分な強度が得られない場合があり、1
00部を超えると未反応の硬化剤が残って耐湿性が低下
する場合がある。
【0012】本発明では、(c)成分の充填剤として金
属酸化物被膜が表面に形成された金属酸化物又は窒化物
の粒子を配合するもので、このような粒子は組成物の膨
張係数を小さくし、封止材として使用した場合の半導体
素子等に加わる応力を低下させ、かつ、熱放散性を高め
得るもので、本発明の重要な成分である。
【0013】ここで、表面被覆用の金属粉としては、例
えばアルミニウム,ケイ素,チタン,ジルコニウム,鉄
等が好適に用いられ、これら金属粉の1種又は2種以上
を酸素を含む雰囲気内で爆燃させることにより、該金属
の酸化物が表面コーティング膜として形成される。
【0014】また、この表面コーティング膜が被覆され
る金属酸化物粒子又は窒化物粒子としては、例えばシリ
カ,アルミナ,窒化ケイ素,窒化アルミ,ボロンドナイ
トライド等が好ましく使用され、これらの平均粒径は
0.5〜20ミクロン、特に3〜15ミクロンであるこ
とが好ましい。更に、これら粒子の形状に特に制限はな
く、破砕状、球状のいずれのものでもよい。なお、特に
後述する方法では、被覆前の粒子として破砕状の金属酸
化物又は窒化物の粒子と反応系内に導入しても、金属酸
化物被覆工程で高温により破砕状粒子のエッジが部分的
に溶融し、丸みをおびた形状となる。この場合、金属酸
化物又は窒化物の粒子は、その長軸/短軸比が1〜1.
5、特に1〜1.2となり得るものである。
【0015】本発明の金属酸化物の皮膜で表面被覆され
た金属酸化物又は窒化物の粒子は、上記金属粉の爆燃に
より得られる該金属酸化物のガス雰囲気中に該金属酸化
物の皮膜を形成すべき金属酸化物粒子又は窒化物粒子を
供給することにより得られる。更に詳述すると、かかる
粒子は、以下のような方法で製造することができる。
【0016】即ち、まず表面を被覆される金属酸化物粒
子又は窒化物粒子と、表面被覆用の金属粉末とを予め混
合して混合物を形成し、その混合物をキャリアーガスと
共に反応容器内へ供給するか、また場合によっては、金
属酸化物粒子又は窒化物粒子と金属粉末をそれぞれキャ
リアーガスと共に反応容器内に供給する。
【0017】ここで、キャリアーガスとしては、空気又
は酸素ガスを用いることがでるが、さらに反応容器内で
火炎を形成するプロパン等の可燃ガスを導入することが
好ましい。また反応容器内に供給される混合粉末の量
は、反応容器の内容積が50〜100リットル程度の場
合、1時間当り1〜5kg程度であることが好ましい。
反応容器には発火源をもつことが好ましく、この発火源
はスパークを発生させるものにすることができる。
【0018】次に、上記反応容器内で発火させて火炎を
形成し、金属粉末を燃焼させ、液化・気化状の酸化物と
なし、火炎中にあらかじめ供給してある金属酸化物粒子
又は窒化物粒子の表面に付着させることにより、この金
属酸化物粒子又は窒化物粒子の表面上に金属酸化物の被
覆層を形成するものである。なお、この方法において
は、被覆される金属酸化物粒子又は窒化物粒子が火炎中
で完全に溶融しない条件、即ち使用する金属酸化物又は
窒化物の融点より低い温度を保持して行なうことが重要
であるが、通常、金属粉末の融点は、金属酸化物又は窒
化物の融点よりも低いため、表面を被覆される金属酸化
物粒子又は窒化物粒子の融点より低い温度の火炎中で燃
焼条件を適宜選定することにより容易に金属粉末が酸化
され、液化ないし気化することができ、これにより金属
酸化物粒子又は窒化物粒子の表面を被覆することができ
る。
【0019】このようにして合成された金属酸化物粒子
又は窒化物粒子は燃焼排ガスとともに採取する。この場
合、一般に、反応容器と集塵機とを接続し、集塵機を駆
動させて行なうことができ、この集塵機としては電気式
集塵機、バグフィルタ、捕集ドラム式微粉末捕集装置な
どを用いることができる。
【0020】金属酸化物皮膜の膜厚は、表面被覆用金属
酸化物のガス濃度と該金属酸化物の皮膜が形成される粒
子の導入濃度などによって決まるが、この表面被覆層の
厚さは1〜50ミクロンが好ましく、より好ましくは1
0〜30ミクロンである。表面被覆層の厚さが1ミクロ
ン未満では加水分解を十分に防止できないために耐湿性
が低下し、50ミクロンを超えると十分な熱伝導性を得
ることができず、いずれも本発明の目的を達成すること
ができない場合がある。
【0021】上記方法で得られる表面に金属酸化物皮膜
が形成された粒子は、この皮膜が自然冷却過程で成長し
たものであることから非常に表面活性に富むものであ
り、エポキシ樹脂組成物に充填剤としてこの表面に爆燃
による金属酸化物皮膜を有する粒子を配合すると、粒子
表面と樹脂との界面の結合が強くなり、硬化物の機械特
性が著しく向上するもので、この場合組成物中に特にシ
ランカップリング剤が存在すると効果的である。
【0022】また、より一層この効果を発揮させるため
には、上述した金属酸化物被覆粒子の合成反応系内で金
属酸化物による表面処理ののち、かかる反応系内で連続
して有機ケイ素化合物による表面処理を施すことが好ま
しく、この表面処理により、表面に有機ケイ素化合物が
強固に結合した粒子が得られ、粒子の特性が更に向上す
るものである。
【0023】この場合、有機ケイ素化合物としては、下
記に示すようなアルコキシ基等の加水分解性基含有シラ
ン化合物又はその部分加水分解物が例示され、これらの
化合物の1種又は2種以上を使用できる。
【0024】
【化2】
【0025】上記有機ケイ素化合物の使用量は、表面処
理する粒子の表面積と処理剤の分子占有面積に応じて決
められるが、通常、粒子の0.05〜5%(重量%、以
下同様)、特に0.1〜1%とすることが好ましい。有
機ケイ素化合物の使用量が0.05%に満たないと処理
の効果が十分発揮されない場合があり、5%を超えると
有機ケイ素化合物の皮膜の厚みが厚くなり硬化物の強度
が低下する場合がある。
【0026】更に、上記有機ケイ素化合物は、表面処理
時にそのままの状態で噴霧してもよいが、純水、特にD
BU(1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセ
ン−7),アミン化合物などの塩基を含んだ純水と予め
混合した後、噴霧することが好ましい。
【0027】本発明において、金属酸化物皮膜で被覆さ
れた金属酸化物又は窒化物の粒子の配合量は、エポキシ
樹脂組成物100部に対して200〜1600部、特に
300〜600部とすることが好ましい。上記粒子の配
合量が200部に満たないとエポキシ樹脂組成物の膨張
係数が大きくなり、半導体素子に加わる応力が増大して
素子特性の劣化を招く場合があり、1600部を超える
と成形時の粘度が高くなり成形性が悪くなる場合があ
る。なお、エポキシ樹脂組成物の硬化物の低膨張化と熱
放散性とを両立させるためには上記粒子をできるだけ多
量に充填することが好ましく、そのためには球状品と破
砕品とのブレンド、又は、球状品のみを用いることが望
ましい。
【0028】なお本発明では、(c)成分の充填剤とし
て上記粒子以外にその他の充填剤、例えばシリカ粉末,
アルミナ,三酸化アンチモン,タルク,炭酸カルシウ
ム,チタンホワイト,クレー,マイカ,ベンガラ,ガラ
ス繊維,炭素繊維等を配合することができ、これらの添
加量は、本発明の効果を妨げない範囲である。
【0029】本発明の組成物には、硬化触媒を配合する
ことが好ましい。硬化触媒としては、例えばイミダゾー
ル化合物又はその誘導体、ホスフィン誘導体、シクロア
ミジン誘導体等を使用することができる。
【0030】硬化触媒の配合量は、触媒量とすることが
できるが、エポキシ樹脂100部に対して0.001〜
5部、特に0.1〜2部とすることが好ましい。配合量
が0.001部に満たないと組成物が短時間に硬化しな
い場合があり、5部を超えると硬化速度が速すぎて良好
な成形品が得られない場合がある。
【0031】更に、本発明組成物には、低応力化のため
シリコーン系の可撓性付与剤、例えばシリコーンゴムパ
ウダー,シリコーンゲル,有機樹脂とシリコーンポリマ
ーとのブロックポリマーなどを添加することができる。
また、二液タイプのシリコーンゴムやシリコーンゲルの
添加も可能である。この種の低応力化剤の使用量は、組
成物全体の0.5〜10%、特に1〜5%とすることが
望ましく、0.5%に満たないと十分な耐衝撃性が得ら
れない場合があり、10%を超えると機械的強度が不十
分となる場合がある。
【0032】本発明のエポキシ樹脂組成物には、上記成
分以外に更に必要に応じ、その他の任意成分を配合する
ことができる。任意成分としては、例えばカルナバワッ
クス,高級脂肪酸,合成ワックス類などの離型剤、酸化
アンチモン,りん化合物などが挙げられる。なお、これ
らの任意成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲
で通常量とすることができる。
【0033】本発明のエポキシ樹脂組成物は、その製造
に際し、上述した成分の所定量を均一に撹拌、混合し、
予め70〜95℃に加熱してあるニーダー、ロール、エ
クストルーダーなどにより溶融、混練、冷却し、粉砕す
るなどの方法で得ることができる。なお、成分の配合順
序に特に制限はない。
【0034】このようにして得られる本発明のエポキシ
樹脂組成物は、IC,LSI,トランジスタ,ダイオー
ド,サイリスター等の半導体装置の封止に好適に使用で
き、この場合、成形は従来より採用されている成形法、
例えばトランスファ成形、インジェクション成形、注型
法などを採用して行なうことができる。なお、成形温度
は150〜180℃、ポストキュアーは150〜180
℃で2〜16時間行なうことが望ましい。
【0035】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、熱放散
性に優れている上、良好な耐湿性を有する硬化物を与え
るもので、近年の半導体素子の高出力化に十分対応し
得、IC,LSI,トランジスタ,ダイオード,サイリ
スター等の半導体装置の封止に好適に利用することがで
きる。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の例において部はいずれも重量
部である。
【0037】〔実施例1〜7、比較例1〜3〕エポキシ
当量200,軟化点65℃のエポキシクレゾールノボラ
ック樹脂58部、エポキシ当量280の臭素化エポキシ
樹脂6部、水酸基当量110,軟化点80℃のフェノー
ルノボラック樹脂36部、トリフェニルホスフィン0.
7部、三酸化アンチモン10部、カルナバワックス1.
5部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
1.6部、カーボンブラック1部の他に、表1に示され
る金属酸化物又は窒化物を配合し、80℃のミキシング
ロールで5分間溶融混練したのち、シート状にして取り
出して冷却し、粉砕することによりエポキシ樹脂組成物
を製造した。
【0038】上記エポキシ樹脂組成物を用い、175
℃,2分の条件でトランスファ成形により試験片を作成
し、180℃で4時間ポストキュアーを行なった後、抽
出水純度、200℃での曲げ強度、曲げ弾性率、ガラス
転移温度、膨張係数、熱伝導度を測定した。
【0039】また、耐湿性を調べるために、上記エポキ
シ樹脂組成物を用いて、175℃,2分の条件でトラン
スファ成形によりアルミニウム配線腐食測定用半導体装
置を14ピンデュアルインラインパッケージに封止し、
180℃で4時間ポストキュアーを行なった後、このパ
ッケージを127℃の飽和水蒸気雰囲気中に所定時間放
置し、不良発生率を調べた。以上の結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】(注)金属酸化物・窒化物としては、それ
ぞれ下記に示すような方法で製造したものを使用した。 (A)図1に示す装置を使用し、下記方法により、平均
粒径25ミクロンのアルミナを用いて表面をアルミナで
被覆し、平均粒径36ミクロン、長軸/短軸比が1.1
のアルミナ被覆アルミナを得た。
【0043】ここで、図1の製造装置は、反応容器15
と、原料供給部10と、生成物分離部20とから構成さ
れている。反応容器15は内壁を耐熱レンガ5で囲ま
れ、側壁に排出通路11に連通する排出口11aと、上
面壁には原料供給部10に接続されているバーナ8とを
有する。原料供給部10は、原料粉末2を貯蔵するホッ
パー1と、原料粉末2を搬送するキャリアーガス12の
通路となるパイプ3と、可燃ガス13の導入通路のパイ
プ4とが配設されている。生成物分離部20は排出通路
11と、排出通路11途上に粉末集塵装置6及び排気ガ
スを排出するブロア7とが配備されている。
【0044】この装置を用いてアルミナ被覆アルミナを
製造する場合は、まずキャリアーガス(酸素)12をパ
イプ3を通じて反応容器15内に導入するとともに、可
燃ガス(プロパンガス)13をパイプ14を通じて反応
容器15内に導入してバーナ8で着火して火炎9を形成
し、反応容器14を充分に乾燥させた。キャリアーガス
の流速は8m3/時間、可燃ガスは0.4m3/時間の流
速で反応容器15内に供給した。次いで原料粉末2の平
均粒径25μmの酸化アルミニウム粉末と粒子径40μ
m、純度99.8%のアルミ粉末(混合比率2:1)と
の混合物をホッパー1より前記キャリアーガス13によ
り2kg/hr量バーナ8を通して反応容器15内に供
給して火炎9中で爆燃させた。この火炎9は金属粉末を
燃焼させるが、酸化物アルミナは液化しない融点以下の
温度である。
【0045】得られた複合酸化物の表面温度が250℃
以下、特に100〜200℃となる生成物分離部20に
設置した表面処理剤供給装置からシランカップリング剤
KBM403(信越化学社製)/純水/DBU(1,8
−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7)=2
部/0.5部/0.05部の混合液を粒子あたり1.5
重量%となるように反応系内に噴霧し、連続的に表面処
理を行なった。次いで、ブロア7を作動させて燃焼排ガ
スを排出通路、集塵装置を経て系外に排出させることに
より生成物を集塵機で捕集分離した。 (B)(A)と同様にして、平均粒径25ミクロンのア
ルミナを用い、表面をシリカで被覆した平均粒径32ミ
クロン、長軸/短軸比が1.1のシリカ被覆アルミナを
得た。このシリカ被覆アルミナの粒子の断面を分析した
ところ、アルミナ粒子表面に約3ミクロン程度のシリカ
層が形成されていた。 (C)(A)と同様にして、平均粒径15ミクロンの球
状シリカを用い、表面をアルミナで被覆し、平均粒径2
5ミクロン、長軸/短軸比が1.0のアルミナ被覆シリ
カを得た。このアルミナ被覆シリカの断面を分析したと
ころ、シリカ粒子表面に約6ミクロンのアルミナ層が形
成されていた。 (D)(A)と同様にして、平均粒径20ミクロンの窒
化アルミを用い、表面をアルミナで被覆し、アルミナ被
覆窒化アルミを得た。得られた粒子は平均粒径が31ミ
クロンで、長軸/短軸比が1.3であった。この得られ
た粒子の断面を分析したところ4ミクロン程度のアルミ
ナが堆積していた。 (E)(A)と同様にして、平均粒径10ミクロンのボ
ロンナイトライドを用い、表面をアルミナで被覆した平
均粒径13ミクロンのアルミナ被覆ボロンナイトライド
を得た。この粒子の長軸/短軸比は1.2であり、か
つ、断面分析よりアルミナ層は約1〜2ミクロンであっ
た。
【0046】(A)〜(E)のいずれもの粒子も粒子表
面を酸化物で被覆したのち、反応系内の温度が100℃
〜200℃となる領域でシランカップリング剤KBM4
03(信越化学社製)/純水/DBU(1,8−ジアザ
ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7)=2部/0.
5部/0.05部の混合液を粒子あたり1.5重量%と
なるように反応系内に噴霧し、連続的に表面処理を行な
ったものである。 (F)(B)で得られたシリカ被覆アルミナを反応系内
で表面処理することなく取り出し、1昼夜放置したの
ち、従来知られている高速撹拌装置を用い、KBM40
3(信越化学社製)/純水/DBU=2部/0.5部/
0.05部の混合液を粒子あたり1.5重量%となるよ
うに高速撹拌装置内に噴霧し、表面処理を行なった。 (G)(A)の酸化物被覆に用いた平均粒径25ミクロ
ンのアルミナ粉末 (H)(E)の酸化物被覆に用いた平均粒径10ミクロ
ンのボロンナイトライド (I)(D)の酸化物被覆に用いた平均粒径20ミクロ
ンの窒化アルミ 表1,2の結果より、金属酸化物で表面被覆された金属
酸化物又は窒化物の粒子を配合したエポキシ樹脂組成物
(実施例1〜6)は、熱放散性及び耐湿性に優れている
ことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で使用した製造装置の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ホッパー 2 混合粉末 3,4 パイプ 6 集塵装置 8 バーナ 9 火炎 10 原料供給部 15 反応容器 20 生成物分離部 21 表面処理剤供給部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3:22 9:02) (C08K 13/06 3:22 3:28 9:02) (56)参考文献 特開 平4−96929(JP,A) 特開 平3−287654(JP,A) 特開 平3−215518(JP,A) 特開 平3−258852(JP,A) 特開 昭52−131695(JP,A) 特開 昭57−53570(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 63/00 - 63/10 H01L 23/29 C08K 3/22 C08K 3/28 C08K 9/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤及び充填剤を含む
    エポキシ樹脂組成物において、上記充填剤として、金属
    粉を酸素を含む雰囲気内で爆燃させることにより得られ
    た金属酸化物の皮膜を表面に有する、該酸化物と同種も
    しくは異種の金属酸化物又は窒化物の粒子を使用するこ
    とを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を硬
    化させることにより得られる硬化物。
JP5333491A 1991-02-25 1991-02-25 エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 Expired - Lifetime JP2782970B2 (ja)

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