JP2781368B2 - 掘削井戸の湧出能力管理システム - Google Patents

掘削井戸の湧出能力管理システム

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JP2781368B2
JP2781368B2 JP7305373A JP30537395A JP2781368B2 JP 2781368 B2 JP2781368 B2 JP 2781368B2 JP 7305373 A JP7305373 A JP 7305373A JP 30537395 A JP30537395 A JP 30537395A JP 2781368 B2 JP2781368 B2 JP 2781368B2
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英世 片山
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英世 片山
室井 晉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、掘削井戸内に湧出する
温泉水、地下水、あるいは石油等の地下浸透液体の湧出
能力を評価する掘削井戸の湧出能力管理システムに関
し、特に地下浸透液体の湧出量、温度、掘削井戸内での
液面レベル等の変動を観測し、温泉井戸、油井等の湧出
能力を判断するとともに、その湧出能力を維持する掘削
井戸の湧出能力管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば温泉井戸等の掘削におい
て、いわゆる湧湯能力を決定する温水の湧出量および湯
温を測定する方法としては、後述するように統一された
測定方法がなく、また現在行なわれている測定手法も定
性的で精度が低いため、温泉井戸の能力を正確、かつ絶
対的基準の元に評価することができなかった。
【0003】以下に従来技術による温泉井戸の湧湯能力
の評価方法を説明する。一般に、温泉井戸内に湧出する
温水の量(以下、湧出量と記する)の計測方法は、揚湯
管の地下先端部付近に設けられた揚湯ポンプにより温水
を汲み上げながら井戸内の水位を計測し、温水の揚湯量
と地下からの湧出量がバランスして水位の変化を生じな
い状態になったときの揚湯量をその井戸の湧出量として
いる。そして、この湧出量が多いほど、また揚湯した温
水の温度が高いほど、その温泉井戸の湧湯能力が高いと
判断、評価している。
【0004】井戸内の水位の計測方法についてさらに説
明すると、温泉井戸は、通常地下圧力に対して井戸内部
を保護するケーシングと呼ばれる円筒壁により形成され
ており、温泉の掘削時、湧湯能力を測定する際には、ケ
ーシング内に温水を汲み上げるための揚湯管とともに、
湧出する温水の水位を計測するレベルセンサが設置され
る。
【0005】レベルセンサの簡易な構成としては、電極
スイッチを吊り下げ、温水面に接触して電気的に短絡し
た時の吊り下げ距離を測定して温水の水位を決定してい
た。また、精密な測定を要する場合には、電気式圧力セ
ンサをケーシング内に吊り下げ、温水中に浸漬し、圧力
センサに加わる水圧、いわゆる水頭圧により水深を算出
し、相対的な水位を決定していた。
【0006】このような電気的に水位を測定するセンサ
を用いる方法とは別に、たとえば潜水作業等の水深20
〜30m程度の比較的浅い水深をモニタする方法とし
て、潜水作業者(ダイバー)への呼吸管にチューブを併
設し、このチューブに圧縮空気を送出することにより、
チューブ先端から圧縮空気が漏出する状態を圧力変化か
ら検知して、先端部(作業地点)の水圧と送出する圧縮
空気圧の平衡する圧力、すなわち水頭圧を測定し、水深
に換算する方法が知られている。なお、水頭圧(液圧)
と水深の関係については後述する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような液面レベ
ル測定センサや水頭圧による水位の測定方法は、地下深
度が20〜50m程度といった比較的浅く、かつ水位検
知用センサの設置スペースに制限の少ない掘削穴径の大
きい井戸や海中等では適用することができる。しかしな
がら、近年、掘削井戸数の激増、温泉源の枯渇等によ
り、掘削深度を従来の数十mから数百m以上、場合によっ
ては2000mに迫る深度の掘削が必要となる一方、井
戸掘削費用の負担軽減のため、掘削穴径をより小さくす
る必要性に迫られてきている。
【0008】このように、井戸形状が小口径かつ高深度
となる場合、地下先端部でのケーシング内径が10cm程
度と非常に小さくなり、温水等の汲み上げ用ポンプ、揚
湯管等の設置スペースを考慮するとセンサを設置するス
ペースを確保することができなくなっている。加えて、
地上から液面レベルまでの距離が数百mに至る井戸にお
いては、上述した電極スイッチあるいは電気式圧力セン
サを液面まで無接触、無衝撃の状態で吊り下げることは
物理的に不可能であり、センサとケーシング内壁との接
触による損傷、誤動作等を生じる欠点があった。
【0009】特に、精密な測定が可能な電気式圧力セン
サは非常に高価であるため、その取り扱い、設置には特
別な注意が必要となるとともに、計測終了後には井戸内
より回収する必要があり、センサの設置回収作業に多大
の経費と時間を要する欠点があった。そのため、井戸深
さが千数百m以上に至る温泉井戸や油井等では、センサ
を用いた液面測定を実質的に行なうことは不可能であっ
た。
【0010】また、水頭圧による水深の測定方法が、掘
削穴径が10〜20cm程度と小さく、かつ井戸深さが数
百m以上に至る温泉井戸や油井に適用された例はなく、
このような特殊な環境における有効な液面レベルの測定
方法の確立と、温泉井戸の有効かつ絶対的な評価方法が
望まれていた。
【0011】本発明の目的は、掘削穴径が小さく、かつ
深さ数百mに至る特殊な環境を有する温泉井戸、あるい
は油井等の掘削井戸における温水、石油等の地下浸透液
体の湧出能力を総合的に判断し、評価管理することがで
きる掘削井戸の湧出能力管理システムを提供することに
ある。
【0012】特に、請求項1記載の発明は、掘削穴径の
小さい掘削井戸内に湧出する地下浸透液体を汲み上げな
がら、汲み上げ流量、温度、液面レベル等を所定の時間
間隔で記録することにより、掘削井戸の湧出能力を総合
的に評価することができる掘削井戸の湧出能力管理シス
テムを提供することを目的としている。 また、請求項2
又は3記載の発明は、上記掘削井戸の湧出能力を継続的
に評価するとともに、維持することができる掘削井戸の
湧出能力管理システムを提供することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、掘削井戸内に湧出する地
下浸透液体を所定の流量で汲み上げる汲み上げ部が一端
に設けられた汲み上げ管と、該汲み上げ管の他端側に設
けられ、前記液体の汲み上げ流量を検知、測定する流量
測定部と、該汲み上げ管の他端側に設けられ、前記液体
の温度を測定する液温測定部と、前記流量測定部からの
流量に応じて前記汲み上げ部を制御して、前記液体の汲
み上げ流量を一定化する汲み上げ制御部と、前記汲み上
げ管とともに前記掘削井戸内に設けられ、前記液体中に
一端が浸漬され、他端から不活性ガスが供給されるガス
導入管と、該ガス導入管の他端に設けられ、前記ガス導
入管に供給する前記不活性ガスの圧力調整および導入開
閉を制御するガス供給制御部と、前記ガス導入管に供給
された前記不活性ガスの管内圧力の変化を観測し、前記
掘削井戸内に湧出する前記液体の液面レベルを算出する
演算処理部と、少なくとも前記測定及び算出されたデー
タを記録する記録部と、を具備し、前記掘削井戸内に湧
出する前記液体を所定の流量で汲み上げながら、前記ガ
ス供給制御部が、前記ガス導入管に所定の圧力を有する
前記不活性ガスを導入し、前記演算処理部が、前記ガス
導入管の前記液体側先端における前記不活性ガスの漏出
により前記液体の圧力と前記ガス導入管内の圧力との平
衡状態を検知して、該管内圧力を測定し、該測定圧力か
ら所定の演算式を用いて前記液体の液面レベルを算出す
るとともに、前記記録部が、少なくとも前記汲み上げ流
量、前記液体の温度及び前記液面レベルを記録する、該
一連の測定手順を所定の時間間隔で繰り返したのち、前
記液体の汲み上げ流量を変更して、再度前記一連の測定
手順を行なうことを特徴としている。
【0014】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の掘削井戸の湧出能力管理システムにおいて、前記ガ
ス導入管が、前記一連の測定手順の終了後において、前
記掘 削井戸内に残置されていることを特徴としている。
【0015】さらに、請求項3記載の発明は、請求項1
又は2記載の掘削井戸の湧出能力管理システムにおい
て、前記ガス導入管に、前記掘削井戸内に析出する前記
液体中に溶融する物質を溶解する薬剤を注入することを
特徴としている。
【0016】このような構成により、請求項1記載の発
明では、掘削穴径が小さく、かつ深さ数百mに至る掘削
井戸内に湧出する地下浸透液体を一定の流量で汲み上げ
ながら、汲み上げ流量、液体温度を測定し、かつ、ガス
導入管を用いた水頭圧の測定により液面レベル算出する
ことができるため、掘削井戸の湧出能力を総合的に判断
する情報を所定の時間間隔で記録することができる。
【0017】また、請求項2又は3記載の発明は、一旦
湧出能力を判断する情報を記録した後、掘削井戸内にガ
ス導入管を残置することにより、再度の湧出能力の評価
を可能とするとともに、ガス導入管に薬剤を注入して掘
削井戸内に析出する溶融物質を溶解して掘削井戸の汲み
上げ能力の維持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る掘削井戸の湧出能力
管理システムに適用される液面レベルの測定装置および
測定方法について、その原理を図1、図2および図3を
参照して説明する。 まず、液面レベル測定装置の基本構
成について、図1を参照して説明する。
【0019】ガス導入管1の一端側が、液面レベルの測
定対象となる液体中に浸漬され、他端側が不活性ガス供
給系3に接続される。不活性ガス供給系3は、ガス導入
管1の先端部に加わる液圧に相当する圧力の不活性ガス
を供給するガス供給源4と、ガス供給源4の一次圧力を
所定の二次圧に調整するガス圧調整部5と、圧力の調整
された不活性ガスのガス導入管1への導入開閉を行なう
導入開閉部6と、ガス導入管1内の不活性ガスの圧力を
測定する圧力測定部7とが直列に接続され、ガス圧調整
部5は、圧力制御部9-1により不活性ガスの二次圧が設
定、制御され、導入開閉部6は、導入制御部9-2により
ガス導入管1への不活性ガスの供給、遮断が制御され、
圧力測定部7が測定した圧力は、演算処理部9-3により
所定の演算式に基づいて液面レベルが演算される。これ
らの圧力制御部9-1、導入制御部9-2および演算処理部
-3は、測定制御部9を構成する。また、演算処理部9
-3により算出された液面レベルは、記録部8により表
示、出力される。
【0020】具体的構成の一例を示すと、ガス導入管1
は、長さ数百m程度、直径10mm程度の樹脂製の配管を
複数本継いで構成される。ガス導入管1の一端側は、井
戸用ケーシング内に湧出する地下水、あるいは温水中に
浸漬され、他端側は、たとえば高圧窒素(N2)の供給
系に接続される。ガスボンベ等の窒素ガス供給源(4)
の圧力(一次圧力)は、井戸の掘削深さあるいはガス導
入管1の長さから予め予想される水圧に相当する圧力以
上を用意する。窒素ガスの一次圧力は、減圧弁(5)に
より所定の二次圧に設定する。圧力の調整された窒素ガ
スは、電磁弁(6)によりガス導入管1への供給、遮断
が制御される。ガス導入管1に供給された窒素ガスの圧
力は圧力計(7)により常時観測される。
【0021】減圧弁(5)による二次圧力の調整を制御
する圧力制御部9-1、電磁弁(6)による窒素ガスの供
給、遮断のタイミングを制御する導入制御部9-2、およ
び圧力計(7)により測定された圧力の演算処理を行な
う演算処理部9-3は、マイクロコンピュータ等により構
成される。演算処理されたデータは、ディスプレイやプ
リンタ(8)により、表示、出力される。
【0022】このような構成において、導入制御部9-2
からの信号により電磁弁(6)が開いて二次圧力の窒素
ガスをガス導入管1に供給されると、ガス導入管1内の
圧力が徐々に高められるのが圧力計(7)により観測さ
れ、ガス導入管1の先端から窒素ガスが水中に漏出し始
めると、圧力計(7)により観測される管内圧力が一定
化する。
【0023】このタイミングで圧力計から導入制御部9
-2に信号が出力され、導入制御部9-2は、電磁弁(6)
を閉じて窒素ガスの供給を遮断する。同時に、圧力計
(7)により測定された圧力データが演算処理部9-3
入力される。演算処理部は後述する演算式に基づいて水
深を算出し、プリンタ等に出力する。
【0024】ここで、ガス圧調整部(減圧弁)5の制御
については、測定制御部9内の圧力制御部9-1により行
うものとしたが、測定者が手動で予め設定制御する手法
を採用しても本発明の構成、作用になんら支障を与える
ものではない。次に、上述した構成を有する液面レベル
測定装置における測定方法の原理について、図2および
図3を参照して説明する。構成については図1を参照す
る。
【0025】ガス導入管1に所定の二次圧力の不活性ガ
スが導入開閉部6を介して導入されると、導入管1内の
圧力は徐々に高まる。図2(a)のように、ガス導入前
にはガス導入管1の外部および内部の液面2、2-1は等
しくなっているが、ガスの導入によりガス導入管1内の
圧力が高まり、内部の液面2-1は図2(b)のようにガ
ス圧力P2に平衡するレベルまで押し下げられる。さら
にガスが導入されると図2(c)に示すようにガス圧力
が液圧に打ち勝ってガス導入管1の先端から液体中にガ
スが漏出する。
【0026】この圧力変化を圧力測定部7により観測す
ると、図3に示すように、ガス導入直後から圧力が急激
に上昇し(P1→P2)、ガス導入管1の先端からのガス
の漏出時に最高圧力となった後、ガス導入管1内の圧力
伝達が安定化し、圧力P3において平衡状態を示す。こ
の平衡状態を示すタイミングt1で、導入制御部9-2
導入開閉部6を制御してガスの供給を遮断する。このと
き観測される圧力、いわゆる水頭圧Pから、演算処理部
-3により液面レベルの演算が行なわれるが、一般に液
面レベル(液面からの深さ)H(m)は、測定された水
頭圧Pおよび対象となる液体の密度ρ(g/cm3)と以下
の数式のような関係を示す。
【0027】P=p+α・ρ・H+β ・・・ 但し、pは液面に加わる気圧、αは液体の温度条件に基
づく補正値、βは導入ガスの気体密度、温度条件に基づ
く補正値である。ここで、導入ガスの気体密度を大気と
同等とし、液体の温度条件、および導入ガスの気体密度
等の補正値を十分小さく見積もると、大気との相対圧力
と液面からの深さの関係は以下のように簡潔に示され
る。
【0028】P=ρ・H ・・・ たとえば対象となる液体が比重1(密度1g/cm3)の水
の場合、水深500mであれば、水頭圧は実質的に50k
g/cm2となる。そのため、ガス供給源4において必要と
される一次圧力は、少なくとも水頭圧P以上の高圧が必
要となるが、これは、井戸の掘削深さあるいはガス導入
管の長さから予め算出、想定することができる。
【0029】このようにして測定、演算された水頭圧
P、液面レベルは、記録部8に表示される。以上の一連
の測定手順が所定の時間間隔毎に繰り返され、液面レベ
ルの変化が継続的に測定、記録される。次に、本発明で
使用する高圧の導入ガスについて説明すると、液面レベ
ルの測定対象となる液体中の発火性成分、たとえば油分
等との酸化反応(発火)を防止し、液体中に溶け込みに
くい特性を持つ気体である窒素ガス(N2)、ヘリウム
ガス(He)等の不活性ガスを用いる。
【0030】特に、空気組成の70%以上を占める窒素
ガスの場合、圧力測定時のデータの補正がほとんど必要
なく、得られたデータをそのまま液面レベルの換算に使
うことができるとともに、非常に安価で容易に入手する
ことができる。
【0031】ところで、本発明に圧縮空気を使用する
と、数十kg/cm2の高圧に圧縮する必要があるため、非常
に発火危険性が高くなり、液体中に発火性の成分が含ま
れやすい温泉井戸や油井には適用することができない。
【0032】次に、請求項1記載の発明に係る掘削井戸
の湧出能力管理システムの一実施例について、図4及び
図5を参照して説明する。ここで、特に言及しない限り
温泉井戸を対象とした湧出能力管理システムを示すもの
とする。
【0033】図4において、地中に埋設され、所定の深
さ、たとえば地下500mに至るケーシング1は、深度
が大きくなるにつれて外径および内径が小さくなる形状
を有している。上述したように、井戸掘削穴径、すなわ
ちケーシング径は、費用削減のためより小さくされ、ま
た温泉源の枯渇により掘削深度は千数百m以上に至って
いる。そのため、ケーシング先端部における内径は10
cm程度と小さくなる。
【0034】このケーシング11内には、地中から湧出
する温水に浸漬して揚湯管14(汲み上げ管)が設置さ
れている。通常揚湯管14の温水浸漬側には、温水等を
汲み上げるためのポンプモータ12および揚湯ポンプ1
3(汲み上げ部)が設置されている。揚湯管14の地上
側には汲み上げられた温水の流量および水温を測定する
流量計17(流量測定部)および温度計18(液温測定
部)が設置されている。汲み上げられた温水は最終的
に、貯湯槽19に排出される。
【0035】揚湯管14に設置されたポンプモータ12
は、地上に設置されたインバータを有する揚湯量制御装
置16(汲み上げ制御部)によりモーター動力線15を
介して回転数が制御され、揚湯ポンプ13の温水汲み上
げ量を調整する。また、ケーシング11内には、温水の
水位を測定するためのたとえば直径8mm程度の液面レベ
ル測定用のパイプ20(ガス導入管)が温水に浸漬する
ように設置されている。
【0036】この測定用パイプ20は、通常400mの
長さのパイプを順次継ぎ合せることで掘削深度に対応す
る。測定用パイプ20としては、樹脂性のパイプを用い
る。測定用パイプ20の他端、すなわち地上側には、窒
素ガス供給系(ガス供給制御部)が設けられている。窒
素ガス供給系は、掘削深さから推定される圧力以上の一
次圧力を有する高圧窒素ガスボンベ21と、高圧窒素ガ
スボンベ21からの窒素ガス(不活性ガス)を所定の二
次圧力に減圧する圧力計23-1付きの減圧弁23と、所
定のタイミングで窒素ガスを供給する開閉機構としての
電磁弁24と、測定用パイプ20内の圧力を測定する圧
力計25とを有している。
【0037】揚湯ポンプ13の揚湯量を制御する揚湯量
制御装置26への制御信号線、電磁弁24への開閉制御
信号線、圧力計25、流量計17および温度計18から
の測定データは、湧湯能力計測装置26内の測定制御部
(演算処理部)に接続される。
【0038】湧湯能力計測装置26は、マイクロコンピ
ュータ等により構成される上記の測定制御部の他に、圧
力(水位)表示部26a、流量表示部26b、温度表示
部26c、プリンタ26d(記録部)、計測開始スイッ
チ26e、計測終了スイッチ26f、揚湯量設定スイッ
チ26gおよび計測時間設定スイッチ26hを有してい
る。
【0039】圧力表示部26a、流量表示部26b、温
度表示部26cには、圧力計25、流量計17および温
度計18により測定されたデータが表示され、プリンタ
26dからは、これらの測定されたデータとともに、演
算処理部により演算された水位、水位変動量等が出力さ
れる。水位測定の開始、終了動作は、計測開始スイッチ
26eおよび計測終了スイッチ26fにより指示され
る。また、揚湯量設定スイッチ26gおよび計測時間設
定スイッチ26hにより、任意の揚湯量および計測時間
の設定が指示される。ここで指示された揚湯量は、揚湯
量制御装置16を介してポンプモータ12に伝えられ
る。
【0040】なお、本実施例では、測定用パイプ20と
して400mの長さの樹脂製のパイプを示したが、通常
このパイプは、適度な弾性をもって巻き収納され、測定
時に順次引き出して延伸させるものの方が作業性がよ
い。また、パイプの材質としては、樹脂製以外の材質に
よるものであってもよい。すなわち、ケーシング内を、
たとえば揚湯管14とともに垂直に延伸、下降させ、か
つ数十kg/cm 2 の高圧ガスを導入するために、パイプは、
適度な弾性とガス圧力に耐える強度を有するものである
ことが必要である。そのため、測定用パイプ20として
鋼管を利用することも考えられるが、掘削深度数百mに
至る長さでは総重量が数百kgとなり設置作業上現実的で
はない。
【0041】次に、このような掘削井戸の湧出能力管理
システムについて、図5のフローチャートを参照して説
明する。液面レベルの測定原理は上述した方法による。
湧湯能力計測装置26の揚湯量設定スイッチ26gによ
り所定の揚湯量Q=A(たとえばA=0.1m3/mi
n.)が入力されると、揚湯量制御装置16に制御信号が
出力され、インバータによりポンプモータ12の回転数
が設定される(S101)。次に、計測時間設定スイッ
チ26hにより所定の測定時間間隔t=a(たとえばa
=1min.)を入力して測定制御部に設定する(S10
2)。
【0042】続いて電磁弁24を開き、測定用パイプ2
0に所定の二次圧力に設定された窒素ガスを供給し、水
頭圧Pを圧力計25により測定した(測定時窒素ガス供
給は遮断)後、静水位H0を算出し(S103)、プリ
ンタ26dに出力する(S117)。続いて計測開始ス
イッチ26eをONにして揚湯ポンプ13を駆動し(S
104)、先に設定した揚湯量Q=Aを確認した後、電
磁弁24を開き、測定用パイプ20に二次圧力の窒素ガ
スを供給する(S105)。
【0043】窒素ガスの供給により測定用パイプ20内
の圧力は徐々に高められ(S106)、パイプ先端から
窒素ガスが漏出して、測定用パイプ20内の圧力が安定
化するタイミング(t1)を圧力計25および圧力表示
部26aによりモニタする。このようにして水頭圧Pが
検知された信号が圧力計25から入力されると、電磁弁
24を閉じて窒素ガスの供給を遮断する(S107)。
このとき、水頭圧Pを測定するとともに、流量計および
温度計により観測している揚湯量および湯温を測定する
(S108)。
【0044】測定された水頭圧Pから、演算処理部が上
述した数式に基づいて水位を算出し(S109)、プ
リンタ26dに出力する(S117)。このような測定
動作を所定の時間間隔tで所定の回数実行した後(S1
11)、揚湯ポンプ13を停止する(S112)。次
に、ケーシング11内の水位が先に測定した静水位H0
に回復するまで、時間間隔tで測定(S113、S11
4)し、プリンタ26dに出力する(S117)。
【0045】続いて、先に設定された測定時間間隔tを
t=bに再設定し(たとえばb=10min.)(S11
5)、同様にして水頭圧、湯温および水位の回復を測定
する。このような操作を測定時間間隔t=c(たとえば
c=30min、1h)についても設定し、水頭圧P(水
位)と湯温を測定する。予め設定された数種類の時間間
隔tでの測定終了後、揚湯ポンプの揚湯量をQ=A→B
→C(たとえばB=0.2m3/min.、C=0.4m3
min.)と変化させ、再び数種類の測定時間間隔t=a→
b→cで一連の測定動作を行なう(S116)。
【0046】このようにして得られた水位変動量、回復
量(湧出量)、湯温等の測定、計算結果は順次プリンタ
26dを介して取り出され、温泉井戸の能力を総合的か
つ絶対的に評価する指標となる。なお、上記実施例中の
説明では、測定用パイプ20に供給される二次圧力を予
め一定に設定し、電磁弁24の開閉制御のみで水頭圧P
を測定したが、本発明はこの手法に限定されるものでは
なく、減圧弁23により二次圧力を随時変化させて水頭
圧Pをモニタする方法としてもよい。この場合、図1に
示したように測定制御部9内に設けられた圧力制御部9
-1により減圧弁23(ガス圧調整部5)を制御する手法
としてもよいし、測定者が随時減圧弁23を操作しても
よい。
【0047】次に、請求項2又は3記載の発明について
説明する。 請求項2又は3記載の発明は、上記実施例に
示した掘削井戸の湧出能力管理システムにおいて、温泉
井戸の湧湯能力を判断する情報を得るための一連の測定
動作後に、測定用パイプ20を回収することなく、温泉
井戸内にそのまま残すことを特徴としている。
【0048】すなわち、測定用パイプ20として、上述
した樹脂製のパイプを用いることにより、極めて安価に
入手することができ、上述した湧湯能力の測定後、測定
用パイプ20を回収する必要はない。そのため、測定用
パイプ20の回収に関する経費および工期が短縮され
る。特に、温泉井戸では、揚湯管14内に溶融物質が析
出して揚湯管内径を狭くする現象が生じやすく、このよ
うな現象の解決のため、未回収の測定用パイプ20を利
用して析出物質を溶解する薬剤の注入に用いることがで
きる。この薬剤の注入により、温泉の揚湯能力を確保す
ることができるとともに、温泉寿命を伸ばすことができ
る。
【0049】さらに、ガス供給系の各構成は上述したよ
うにパーソナルコンピュータ等を用いて一体化してもよ
いし、各機能毎に個別の専用装置によってもよい。その
ため、回収しない測定用パイプ以外のガス供給系の装置
を、たとえば湧湯能力計測装置26のように一体化する
ことにより、取り外しが容易となり、他の測定地での測
定に有効に利用することができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の掘
削井戸の湧出能力管理システムによれば、掘削穴径が小
さく、かつ深さ数百mに至る掘削井戸内に湧出する地下
浸透液体を一定の流量で汲み上げながら、汲み上げ流
量、液体温度を測定し、かつ、ガ ス導入管を用いた水頭
圧の測定により液面レベル算出することができるため、
掘削井戸の湧出能力を総合的に判断する情報を所定の時
間間隔で自動的に記録することができ、たとえば温泉井
戸の湧湯能力を総合的に評価することができる。
【0051】また、請求項2又は3記載の掘削井戸の湧
出能力管理システムによれば、一旦湧湯能力を判断する
情報を記録した後、掘削井戸内にガス導入管を残置する
ことにより、再度の湧出能力の評価を可能とするととも
に、ガス導入管に薬剤を注入して掘削井戸内に析出する
溶融物質を溶解して掘削井戸の汲み上げ能力の維持をす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る掘削井戸の湧出能力管理システム
に適用される液面レベル測定装置の基本構成を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明に係る掘削井戸の湧出能力管理システム
に適用される液面レベル測定方法の原理を説明する図で
ある。
【図3】液面レベル測定方法における圧力変化を示す図
である。
【図4】本発明に係る掘削井戸の湧出能力管理システム
の一実施例を示す構成図である。
【図5】一実施例の掘削井戸の湧出能力管理システムに
適用される液面レベル測定方法を説明するフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 ガス導入管 2 液面(水面) 3 ガス供給系 4 ガス供給源 5 ガス圧調整部 6 導入開閉部 7 圧力測定部 8 記録部 9 測定制御部 9-1 圧力制御部 9-2 導入制御部 9-3 演算処理部 11 ケーシング 12 ポンプモータ 13 揚湯ポンプ 14 汲み上げ管 15 モータ動力線 16 揚湯量制御装置(INV) 17 流量計 18 温度計 19 貯湯槽 20 測定用パイプ 21 高圧窒素ボンベ 22 ハンドバルブ 23 減圧弁(REG) 23-1 二次圧力設定用圧力計 24 電磁弁(SV) 25 圧力計 26 湧湯能力計測装置 26a 圧力(水位)表示部 26b 流量表示部 26c 温度表示部 26d プリンタ 26e 計測開始スイッチ 26f 計測終了スイッチ 26g 揚湯量設定スイッチ 26h 計測時間設定スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−132021(JP,A) 特開 平5−60590(JP,A) 特開 平5−25841(JP,A) 特開 平4−30085(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01F 23/00 - 23/76

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】掘削井戸内に湧出する地下浸透液体を所定
    の流量で汲み上げる汲み上げ部が一端に設けられた汲み
    上げ管と、該汲み上げ管の他端側に設けられ、前記液体
    の汲み上げ流量を検知、測定する流量測定部と、該汲み
    上げ管の他端側に設けられ、前記液体の温度を測定する
    液温測定部と、前記流量測定部からの流量に応じて前記
    汲み上げ部を制御して、前記液体の汲み上げ流量を一定
    化する汲み上げ制御部と、前記汲み上げ管とともに前記
    掘削井戸内に設けられ、前記液体中に一端が浸漬され、
    他端から不活性ガスが供給されるガス導入管と、該ガス
    導入管の他端に設けられ、前記ガス導入管に供給する前
    記不活性ガスの圧力調整および導入開閉を制御するガス
    供給制御部と、前記ガス導入管に供給された前記不活性
    ガスの管内圧力の変化を観測し、前記掘削井戸内に湧出
    する前記液体の液面レベルを算出する演算処理部と、少
    なくとも前記測定及び算出されたデータを記録する記録
    部と、を具備し、 前記掘削井戸内に湧出する前記液体を所定の流量で汲み
    上げながら、前記ガス供給制御部が、前記ガス導入管に
    所定の圧力を有する前記不活性ガスを導入し、 前記演算処理部が、前記ガス導入管の前記液体側先端に
    おける前記不活性ガスの漏出により前記液体の圧力と前
    記ガス導入管内の圧力との平衡状態を検知して、該管内
    圧力を測定し、該測定圧力から所定の演算式を用いて前
    記液体の液面レベルを算出するとともに、 前記記録部が、少なくとも前記汲み上げ流量、前記液体
    の温度及び前記液面レベルを記録する、 該一連の測定手順を所定の時間間隔で繰り返したのち、
    前記液体の汲み上げ流量を変更して、再度前記一連の測
    定手順を行なうことを特徴とする掘削井戸の湧出能力管
    理システム。
  2. 【請求項2】前記ガス導入管が、前記一連の測定手順の
    終了後において、前記掘削井戸内に 残置されていること
    を特徴とする請求項1記載の掘削井戸の湧出能力管理シ
    ステム。
  3. 【請求項3】前記ガス導入管に、前記掘削井戸内に析出
    する前記液体中に溶融する物質を溶解する薬剤を注入す
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の掘削井戸の湧
    出能力管理システム。
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