JP2010024725A - 水理試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】種々の水理試験に適用可能な汎用性の高い水理試験装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る水理試験装置20は、ボーリング孔1内に設置されるパッカー2a,2bと、パッカー2a,2bによって形成される試験区間Zと地上設備とを連通する第1の連通管3と、試験区間Zの近傍に設けられて第1の連通管3の流路を開閉する第1の開閉バルブ3aと、第1の開閉バルブ3aの上方に設けられ、第1の連通管3を通じて地上設備に向けて地下水を揚水する孔内ポンプ5とを備え、孔内ポンプ5は、停止している状態において第1の連通管3を閉塞しないように、孔内ポンプ5の上側と下側とを連通する流路を有することを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】本発明に係る水理試験装置20は、ボーリング孔1内に設置されるパッカー2a,2bと、パッカー2a,2bによって形成される試験区間Zと地上設備とを連通する第1の連通管3と、試験区間Zの近傍に設けられて第1の連通管3の流路を開閉する第1の開閉バルブ3aと、第1の開閉バルブ3aの上方に設けられ、第1の連通管3を通じて地上設備に向けて地下水を揚水する孔内ポンプ5とを備え、孔内ポンプ5は、停止している状態において第1の連通管3を閉塞しないように、孔内ポンプ5の上側と下側とを連通する流路を有することを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、単一孔にて実施するトレーサ試験や透水試験などの種々の水理試験に使用可能な水理試験装置に関する。
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性評価や一般廃棄物処分場周辺の地下水汚染の評価を行う際には、ボーリング孔内に試験装置を設置して種々の水理試験が実施される。水理試験の具体例として、トレーサ試験及び透水試験(例えば、パルス試験、スラグ試験)などを例示できる。
トレーサ試験は、地盤に注入したトレーサの濃度等を連続的に測定することにより、地下水に溶解した物質の移行特性を評価するためのものである。トレーサ試験は、ボーリング孔からトレーサ液を地盤に注入する工程と、トレーサ液が注入された地盤から地下水を揚水する工程とを有する。トレーサ試験の種類としては、一方のボーリング孔からトレーサ液を注入し、他方のボーリング孔から地下水の揚水を行う複数孔による方法が一般的であり、単一のボーリング孔からトレーサ液を注入した後、当該ボーリング孔から地下水の揚水を行う単一孔による方法が試みられている(特許文献1の[従来の技術]の欄を参照)。
一方、パルス試験やスラグ試験などの透水試験は、ボーリング孔内の圧力や水位を変動させた後の収束過程を測定することにより、地盤の透水性を評価するためのものである。例えば、下記特許文献2には、開閉自在なバルブ及び水圧計を有するインナーパッカーが測定管内に配置された試験装置を用いて透水係数等を計測する方法が記載されている。
特許第3808712号公報
特公平6−47813号公報
ところで、従来の試験装置は、特定の水理試験を行うために設計されたものが多く、必ずしも一つの試験装置で種々の水理試験を実施することができなかった。すなわち、従来の水理試験装置にあっては、汎用性の点で未だ改善の余地があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、種々の水理試験に適用可能な汎用性の高い水理試験装置を提供することを目的とする。
本発明に係る水理試験装置は、ボーリング孔内に設置されるパッカーと、パッカーによって形成される試験区間と地上設備とを連通する第1の連通管と、試験区間の近傍に設けられて第1の連通管の流路を開閉する第1の開閉バルブと、第1の連通管内の第1の開閉バルブの上方に設けられ、第1の連通管を通じて地上設備に向けて地下水を揚水する孔内ポンプとを備え、この孔内ポンプは、停止している状態において第1の連通管を閉塞しないように、当該孔内ポンプの上側と下側とを連通する流路を有することを特徴とする。
本発明に係る水理試験装置は、孔内ポンプによって地下水を揚水できるため、単一孔によるトレーサ試験を好適に実施できる。また、水理試験装置が備える孔内ポンプは停止している状態において第1の連通管を閉塞するものではないので、孔内ポンプを取り外すことなく各種の透水試験を実施できる。
本発明に係る水理試験装置は、第1の連通管内に設置されるインナーパッカーを先端側に有し、第1の連通管内に挿入される第2の連通管を更に備えることが好ましい。上記構成の第2の連通管を採用することにより、パルス試験やスラグ試験などの透水試験を効率的に実施できる。また、この第2の連通管は、その流路を開閉する第2の開閉バルブを有することが好ましい。パルス試験において、インナーパッカーを拡張させた状態で第2の開閉バルブを開閉することにより、試験区間の間隙に対して水圧差を瞬間的に与えることができる。
本発明によれば、種々の水理試験に適用可能な汎用性の高い水理試験装置が提供される。
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<単一孔トレーサ試験>
まず、本実施形態に係る水理試験装置を用いて単一孔トレーサ試験を実施する場合について説明する。図1に示すように、本実施形態において使用する水理試験装置20は、ボーリング孔1内に設置された一対のパッカー2a,2bと、これらのパッカー2a,2bの間に形成される試験区間Zと地上設備(図示せず)とを連通する連通管(第1の連通管)3と、試験区間Zの近傍に設けられて連通管3の流路を開閉する開閉バルブ(第1の開閉バルブ)3aと、開閉バルブ3aの直上に設けられた孔内ポンプ5とを備える。なお、ボーリング孔1は、内径が66〜150mm程度であり、深度が10m程度のものから1000m級のものまである。装置の耐圧性能を向上させることで1000m級の大深度のボーリング孔に対応可能である。
まず、本実施形態に係る水理試験装置を用いて単一孔トレーサ試験を実施する場合について説明する。図1に示すように、本実施形態において使用する水理試験装置20は、ボーリング孔1内に設置された一対のパッカー2a,2bと、これらのパッカー2a,2bの間に形成される試験区間Zと地上設備(図示せず)とを連通する連通管(第1の連通管)3と、試験区間Zの近傍に設けられて連通管3の流路を開閉する開閉バルブ(第1の開閉バルブ)3aと、開閉バルブ3aの直上に設けられた孔内ポンプ5とを備える。なお、ボーリング孔1は、内径が66〜150mm程度であり、深度が10m程度のものから1000m級のものまである。装置の耐圧性能を向上させることで1000m級の大深度のボーリング孔に対応可能である。
一対のパッカー2a,2bは、連通管3の先端側に配設されている。パッカー2a,2bを拡張してボーリング孔1の内壁面と密着させることにより、上方のパッカー2aと下方のパッカー2bとの間に試験区間Zが形成される。
連通管3は、地上設備から試験区間Zに向けてトレーサ液を供給したり、揚水した地下水を地上設備へと移送したりするためのものである。連通管3は、トレーサ液の移送及び地下水の揚水に兼用できるので、複数の配管をボーリング孔1内に挿入する必要がないので、口径が比較的小さいボーリング孔に対しても適用できるという利点がある。
連通管3は試験区間Z近傍に設けられた開閉バルブ3aを備える。地上から開閉バルブ3aを操作することにより、連通管3の流路を開閉できるようになっている。なお、開閉バルブ3aは、地上からの操作によって開閉自在のものであれば、その種類は限定されず、例えば、電磁式のボールバルブやバタフライバルブなどを適宜採用すればよい。
孔内ポンプ5は、連通管3を通じて地上設備に向けて地下水を揚水するためのものである。孔内ポンプ5は、開閉バルブ3aの上方に設置するが、地下水を効率的に揚水する観点から、開閉バルブ3aの直上に設置することが好ましい。孔内ポンプ5としては、停止している状態において連通管3を閉塞しない構成のもの、すなわち、内部に上側と下側とを連通する流路(図示せず)を有するものを使用する。
また、図2に示すように、ボーリング孔1内には地下水のトレーサ濃度を測定するためのセンサ6が設置される。例えば、トレーサ液として塩水(NaCl水溶液)を使用する場合、センサ6として電気伝導度計を使用できる。地下水の電気伝導度を測定することで地下水に含まれる塩分濃度を把握できる。なお、センサ6は、なるべく試験区間Zの近傍に設置することが好ましく、これにより、連通管3内においてトレーサが地下水に拡散して濃度が平均化されてしまう前に地下水のトレーサ濃度を測定できる。センサ6で測定されたデータは、ケーブルなどを通じてデータロガーやコンピュータ(図示せず)に送られるようになっている。
地上設備は、所定の濃度に調製したトレーサ液や揚水した地下水を収容する複数のタンク及びトレーサ液を移送するポンプ等を備える。
次に、本実施形態に係る水理試験装置を用いた単一孔トレーサ試験方法について説明する。本実施形態に係る単一孔トレーサ試験方法は、開閉バルブ3aを閉じた状態において、開閉バルブ3aよりも上方の連通管3内の地下水を排出する排出工程と、開閉バルブ3aを閉じた状態としたまま開閉バルブ3aよりも上方の連通管3内をトレーサ液で満たす充填工程と、充填工程後に開閉バルブ3aを開き、試験区間Zから地盤にトレーサ液を注入する注入工程と、注入工程で注入されたトレーサ液を地下水とともに揚水する揚水工程とを備える。
図5に示す二つのグラフは、いずれもボーリング孔内に設定した所定の試験区間に到達するトレーサ液の濃度の経時変化を示し、図5(a)は試験結果の解析で前提とする理論上のトレーサ濃度を示し、図5(b)は従来の試験方法を実施した際のトレーサ濃度を示す。
ボーリング孔1内にパッカー2a,2b等を設置し、トレーサ液を注入する準備が完了した段階にあっては、ボーリング孔1内は地下水で満たされており、通常、地上設備と試験区間Zとを連通する連通管3内も地下水で満たされている。連通管3内がこのような状態であるにも関わらず、地上設備から連通管3を通じて試験区間Zへとトレーサ液を移送すると、連通管3内においてトレーサ液と地下水との間で拡散が生じる。そうすると、試験区間Zにトレーサ液が到達するまでに、トレーサ液は地下水で希釈されて濃度勾配が低下する(図5(b)参照)。そのため、試験区間Zにトレーサ液の迅速な濃度変化を与えることが困難となる。また、トレーサ液の移送を開始した後もしばらくの間は連通管3内の地下水が地盤へと注入されるため、所定量のトレーサ液の注入を完了するのに余分な時間(図5(b)のt1に相当)を要するという問題もある。
これに対し、本実施形態に係る水理試験装置20によれば、下記の手順によってトレーサ試験を実施することにより、図5(a)に示す理論解に近い条件でトレーサ試験を実施することができ、十分に高い精度のデータを取得できる。
まず、開閉バルブ3aよりも上方の連通管3内の地下水を排出する(排出工程)。図1は、連通管3内に挿入したエアリフト用ホース7によって地下水を排出する作業を行っている様子を示す模式図である。ホース7が挿入された連通管3内に圧縮ガス(例えば、圧縮空気)を供給し、その圧力を利用して図1に示す矢印の通り、ホース7を通じて地下水を排出する。なお、ホース7の代わりに、インナーパッカー12を先端側に有する連通管(第2の連通管)13を使用してもよく、この場合、インナーパッカー12は収縮した状態にしておけばよい(図7参照)。
排出工程後、揚水工程の実施時にトレーサ濃度等を測定するためのセンサ6を連通管3内に設置する。その後、地上設備のタンクから連通管3内へとトレーサ液を供給する(充填工程)。図2は、連通管3内にトレーサ液8を充填する作業を行っている様子を示す模式図である。
連通管3内をトレーサ液8で満たし、注入工程を実施する準備が完了すると開閉バルブ3aを開き、試験区間Zからトレーサ液を地盤へと注入する(注入工程)。図3は、トレーサ液を地盤に注入する作業が行っている様子を示す模式図である。
所定量のトレーサ液を地盤に注入した後、孔内ポンプ5の運転を開始し、注入したトレーサを含む地下水を揚水する(揚水工程)。図4は、孔内ポンプ5による揚水を行っている様子を示す模式図である。地下水を揚水しながら、センサ6でトレーサ濃度等を測定する。測定されたデータからトレーサの移動状況についての情報を取得し、種々の解析を行うことによって物質移行特性を評価する。
本実施形態に係る単一孔トレーサ試験方法においては、開閉バルブ3aよりも上方の連通管3内をトレーサ液で満たした後に注入工程を開始する。また、開閉バルブ3aは試験区間Zの近傍に配設されている。これらのことにより、ボーリング孔1内の地下水によってトレーサ液が希釈されることを十分に抑制でき、試験区間Zにトレーサ液の迅速な濃度変化を与えることができる。また、注入工程を開始後、まもなくして所定の濃度のトレーサ液が地盤に到達するため、従来の方法と比較し、所定量のトレーサ液の注入を完了するまでの時間を短縮できる。
また、本実施形態においては、注入工程前は試験区間Zが地下水で満たされているため、注入工程前に試験区間Zと地上設備との間でトレーサ液を循環させるなどの手法と比較すると、注入開始前に試験区間Zがトレーサ液の影響を受けることを未然の防止できる。
本実施形態に係るトレーサ試験方法は、所定の試験区間Zについての一連の試験を終了した後、異なる深度の試験区間について連続して試験を行う場合にも適用できる。すなわち、揚水工程後においては、連通管3内は地下水で満たされているため、一対のパッカー2a,2bの設置後、再度、排出工程から実施することによって高い精度のトレーサ試験を繰り返し実施できる。
なお、上記実施形態においては、充填工程に先立って排出工程を実施する場合を例示したが、以下のような場合には、排出工程を実施しなくてもよい。すなわち、連通管3及び一対のパッカー2a,2bをボーリング孔1内に設置して試験区間Zを形成するに際し、開閉バルブ3aを閉じた状態で連通管3をボーリング孔1内に挿入すれば、その後の連通管3内は空の状態であるため、直ちに充填工程を実施できる。ただし、ボーリング孔1の深度が深い場合、開閉バルブ3aを閉じた状態では内部の空気による浮力の影響で連通管3をボーリング孔1内に挿入しにくくなるおそれがある。このような場合には、開閉バルブ3aを開いた状態で連通管3をボーリング孔1内に挿入し、試験区間Zを形成後、排出工程を実施すればよい。
また、上記実施形態において、トレーサ液として塩水を例示したが、地下水と区別可能な流体であれば、塩水に限定されず、所定のイオンや蛍光成分などを含有するものを使用してもよい。また、トレーサ液として、例えば、pH、溶存酸素量、温度などの物性値によって地下水と区別可能な液体を使用してもよい。かかる場合、測定すべき含有成分や物性値に応じてセンサの種類を適宜選択すればよい。なお、単一孔トレーサ試験を実施する場合にあっては、センサ6とエアリフト用ホース7の入れ替えを行う必要がないように、両者が連通管3内で共存できるようにしてもよい。また、センサ6は開閉バルブ5よりも下方、すなわち、試験区間Zにより一層近い位置に設置してもよい。
<単一孔透水試験>
本実施形態に係る水理試験装置を用いて単一孔透水試験(パルス試験又はスラグ試験)を実施する場合について説明する。パルス試験は、試験区間Zの間隙水圧に対して正又は負の水圧差(初期水頭差)を瞬間的に与え、水圧収束過程を測定するものである。一方、スラグ試験(孔内水位回復法)は平衡水位に対して正又は負の水位差を与え、平衡水位への収束過程を測定するものである。
本実施形態に係る水理試験装置を用いて単一孔透水試験(パルス試験又はスラグ試験)を実施する場合について説明する。パルス試験は、試験区間Zの間隙水圧に対して正又は負の水圧差(初期水頭差)を瞬間的に与え、水圧収束過程を測定するものである。一方、スラグ試験(孔内水位回復法)は平衡水位に対して正又は負の水位差を与え、平衡水位への収束過程を測定するものである。
(パルス試験)
図6は、パルス試験を行う際の水理試験装置20の構成を示す模式断面図である。水理試験装置20によってパルス試験を行う場合、インナーパッカー12を先端側に有する連通管(第2の連通管)13を、連通管3内に挿入し、その後、インナーパッカー12を拡張させる。このインナーパッカー12は、連通管13の流路を開閉する開閉バルブ13aを有している。開閉バルブ13aを開閉することによって、試験区間Zの間隙水圧に対して正又は負の水圧差を瞬間的に与えることができるようになっている。なお、開閉バルブ13aは、地上からの操作によって開閉自在のものであれば、その種類は限定されず、開閉バルブ3aと同様のものを使用できる。
図6は、パルス試験を行う際の水理試験装置20の構成を示す模式断面図である。水理試験装置20によってパルス試験を行う場合、インナーパッカー12を先端側に有する連通管(第2の連通管)13を、連通管3内に挿入し、その後、インナーパッカー12を拡張させる。このインナーパッカー12は、連通管13の流路を開閉する開閉バルブ13aを有している。開閉バルブ13aを開閉することによって、試験区間Zの間隙水圧に対して正又は負の水圧差を瞬間的に与えることができるようになっている。なお、開閉バルブ13aは、地上からの操作によって開閉自在のものであれば、その種類は限定されず、開閉バルブ3aと同様のものを使用できる。
パルス試験の手順は、以下の通りである。まず、図6に示すように、インナーパッカー12を拡張させた後、第1の開閉バルブ3aを開放した状態で水圧の安定を待つ。水圧が十分に安定した段階で試験区間Zの間隙水圧を測定する。その後、第2の開閉バルブ13aを開閉することにより、試験区間Zに対してパルス圧を付与する。パルス圧が付与された試験区間Zの間隙水圧の回復状況を測定することによって、透水性についてのデータを取得する。
(スラグ試験)
図7は、スラグ試験を行う際の水理試験装置20の構成を示す模式断面図である。水理試験装置20によってスラグ試験を行う場合、インナーパッカー12を先端側に有する連通管(第2の連通管)13を、連通管3内に挿入し、インナーパッカー12は収縮した状態としておく。
図7は、スラグ試験を行う際の水理試験装置20の構成を示す模式断面図である。水理試験装置20によってスラグ試験を行う場合、インナーパッカー12を先端側に有する連通管(第2の連通管)13を、連通管3内に挿入し、インナーパッカー12は収縮した状態としておく。
スラグ試験の手順は、以下の通りである。まず、図7に示すように、第1の開閉バルブ3aを閉じた状態で連通管13を通じてボーリング孔1内の水をエアリフトによって排出する。連通管3内の水位を調整することによって、平衡水位に対する初期水頭差を設定する。その後、第1の開閉バルブ3aを開放し、水位の回復状況を測定することによって、透水性についてのデータを取得する。
以上の通り、本実施形態に係る水理試験装置20は汎用性が高く、種々の水理試験に適用できる。すなわち、水理試験装置20が備える孔内ポンプ5は、主に地下水の揚水に用いられるものであるが、連通管3の流路を閉塞するものではない。したがって、孔内ポンプ5を使用しない透水試験を行う場合であっても、これを取り外すことなく水理試験装置20を使用できる。
また、水理試験装置20においては、エアリフト用ホース7や第2の連通管13が第1の連通管3内に挿入されるため、これらの管を出し入れする作業時にボーリング孔1の内壁が崩れること未然に防止できる。これに対し、連通管等をボーリング孔1内に直接挿入する場合、連通管等が接触することによって内壁が崩れやすいという問題がある。ボーリング孔の内壁が崩れると、孔内に設置した試験装置の抑留を招来するおそれがある。
なお、上記実施形態においては、連通管3内の水の排出を圧縮ガスによるエアリフトによって行う場合を例示したが、孔内ポンプ5によって排出する構成としてもよい。また、上記の水理試験の他にも、本実施形態に係る水理試験装置20によれば、地上に設置されたポンプを用いた注水試験や孔内ポンプ5による揚水試験などを実施できる。
また、上記実施形態においては、一対のパッカー2a,2bの間に試験区間Zを形成する場合を例示したが、一対のパッカー2a,2bの代わりに1つのパッカー2aで試験区間Zを形成してもよい。この場合、上方のパッカー2aと孔底との間に試験区間Zが形成される。
1…ボーリング孔、2a,2b…パッカー、3…第1の連通管、3a…第1の開閉バルブ、5…孔内ポンプ、6…センサ、7…エアリフト用ホース、8…トレーサ液、12…インナーパッカー、13…第2の連通管、13a…第2の開閉バルブ、20…水理試験装置、Z…試験区間。
Claims (3)
- ボーリング孔内に設置されるパッカーと、
前記パッカーによって形成される試験区間と地上設備とを連通する第1の連通管と、
前記試験区間の近傍に設けられて前記第1の連通管の流路を開閉する第1の開閉バルブと、
前記第1の連通管内の前記第1の開閉バルブの上方に設けられ、前記第1の連通管を通じて前記地上設備に向けて地下水を揚水する孔内ポンプと、
を備え、
前記孔内ポンプは、停止している状態において前記第1の連通管を閉塞しないように、当該孔内ポンプの上側と下側とを連通する流路を有することを特徴とする水理試験装置。 - 前記第1の連通管内に設置されるインナーパッカーを先端側に有し、前記第1の連通管内に挿入される第2の連通管を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の水理試験装置。
- 前記第2の連通管の流路を開閉する第2の開閉バルブを更に備えることを特徴とする、請求項2に記載の水理試験装置。
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2008
- 2008-07-18 JP JP2008187741A patent/JP2010024725A/ja active Pending
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